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3589◇短編集◇有芽11/24 19:52:562182cfD2WKtSEYqq6
まずは前作紹介でつ。

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有芽11/24 19:53:232182cfD2WKtSEYqq6||450
+短編集メニュー+

01 英和辞典     02 休み時間の

03 廊下のかど    04 生徒会室  

05 中間テストには  06 静かな音楽室

07 授業中なのに   08 部室の事件

有芽11/24 19:54:142182cfD2WKtSEYqq6||371
 ○No.01 英和辞典○

「悪ぃ、辞書貸して」

授業中、背中がつつかれたかと思うと後ろの席の原にそう囁かれた。
そういえば今日この列当るんだっけ、と思いながら先生にばれないように辞書を渡す。
そして5分。私はあることを思い出した。



有芽11/24 19:54:422182cfD2WKtSEYqq6||553
それは数日前のこと。
幼馴染である隆弘に同じく辞書を貸した時、とんでもない単語にチェックを入れられて、
しかもそれに気付かず友達に貸して大爆笑されたのだ。
「やっぱ返して!」と振り向いたと同時、目の前に差し出された辞書。

「サンキュ」

ニッて笑う原に「どういたしまして」とつい丁寧に受け取ってしまった。
心なしか原の様子がいつもと違ったことに首を傾げながら、ヘンな事されてないか
チェックする。
と、見慣れない付箋が挟まれてることに気付いて、そのページを開くとやっぱり単語に
チェック入れられてた。


有芽11/24 19:54:562182cfD2WKtSEYqq6||240
「ぇえ!?」

思わず声をあげて席を立ってしまい、その後私はクラスの笑いものにされてしまった。

love(名) 愛、恋人
   (動) …を愛する、…が大好きである


●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○


有芽11/24 19:55:372182cfD2WKtSEYqq6||808
 ○No.02 休み時間の○

休み時間の購買は戦場だと思う。
比較的というより思いっきり背の低い部類の私は毎回ここで地獄を見る。
贅沢言わないからあと5センチ欲しかったなぁ・・・
そんなこと考えてたら人波に流されて購買が遠ざかる!キャー!!!

「ちょー、ちっちゃいコいるんだから周り気をつけてくださいよ」

不意に抱き寄せられて、頭上から聞こえてきたそんな声。


有芽11/24 19:55:442182cfD2WKtSEYqq6||295
「あ、ヒロ!?ちょ、放しっ・・・ってかちっちゃいコって酷い!!」
「事実っしょ?先輩も気つけてくださいよ。いなくなったら見つけにくいんっスから」
「身長は私のせいじゃない!!」
「それもそーっスけどね。あ、何なら見失わないようずっと抱いてていーっスか?」
「却下!!」

怒鳴りながらも、頭の隅で『この身長も悪くない』なんて思ってしまった。


●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

有芽11/24 19:56:182182cfD2WKtSEYqq6||717
○No.03 廊下のかど○


廊下の角で出会うだなんて、そんな一昔前の少女漫画にしかないと思ってた。
現に角でぶつかったって「ごめんなさい」とか「悪ぃ」っていう一言しか交わせないし、
ぶっちゃけると『ウザイ』とか思われそうで怖い。
あんなの作り話だよ。現実はそんなに甘くない。


ドン



有芽11/24 19:56:342182cfD2WKtSEYqq6||717
「ご、ごめんなさ――」
「すまない・・・あれ?君いつも見学に来てくれてる子だよね?」

優しく微笑みかけてくる東谷さんに、私の顔は赤くなったに違いない。


『事実は小説より奇なり』

気が動転してグチャグチャになる頭の中を、そんな言葉が過ぎった。


●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○


有芽11/24 19:57:42182cfD2WKtSEYqq6||313
 ○No.04 生徒会室○

「生徒会室って何かやらしいよね」

「藪から棒に、何を言ってんだお前は・・・」

「だってほら、漫画とかでよくあるじゃん。ここもそんな風に使われてるのかなぁ?」

「変な事考えてないでさっさと終わらせろ!もう7時を回ってんじゃねェか!」

「何なら私等で使っちゃう?」

「なっ!?」

「じょーだん!あはは、幸坂顔真っ赤!期待するなんてマヌケだぞ!」

「テメェに言われたくねぇ!!」


●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○



有芽11/24 19:57:502182cfD2WKtSEYqq6||46
  ○No.05 中間テストには○


実力テストで大負けしてしまった私は、つい先日まで天才少女と持て囃されていた
負けず嫌いの可愛くもない一女子である。
私を負かしたのは白土遼。バスケ部に所属する一男子。
優しいとか言われてるらしく、態度や振る舞いも紳士らしい。
私からしてみれば紳士なんて上っ面だけで男尊女卑の典型タイプだと思う。
どうせコイツだって「女の癖に男よりデキるなんて生意気だ」とか思ってるに違いない。
そんなことを思いながら掲示板に張り出された中間テストの範囲をチェックする。
と、不意に声をかけられ、振り向いた先にいたのは
そう、白土遼。


有芽11/24 19:57:592182cfD2WKtSEYqq6||749
「今回は範囲が広いですね」

にこやかにそんなこと言ってくるコイツの眼鏡を割ってやりたい。
そんな衝動を抑えながら、『中間では目に物見せてやる!』と宣戦布告しようとした
その時だ。

有芽11/24 19:58:102182cfD2WKtSEYqq6||63
「2年もの間トップを維持し続けてきた貴女の実力には正直感服致します。
 けれど、たまには肩の力を抜いたらどうですか?」

「本当はもうイヤだったんじゃないですか?トップ争いなんて」

「貴女を負かすのはかなり骨が折れましたが、いい切欠になったでしょう?」

優しい目で、優しい声で、白土遼はそう言った。

「冗談!絶対1位に返り咲いてやる!!」

そう怒鳴った私は、その後泣きながら白土に抱きついた。


●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

有芽11/24 19:58:412182cfD2WKtSEYqq6||678
 ○No.06 静かな音楽室○


西日差し込む茜色の静かな音楽室は、私の大好きな空間だ。
悪戯にピアノの鍵盤を指で押して奏でる不協和音が好き。
完全防音だから、この世の終わりみたいに静かな教室は不思議と心が落ち着くの。
私だけのお城。
私だけの秘密の空間。

でもそれは所詮学校の一角で、

「誰?」


有芽11/24 19:58:482182cfD2WKtSEYqq6||327
時々名も知らない先客がいる。

その日の先客は西日を背に、茶髪を赤く染めながら私を見つめてきた。
逆光で顔はよく見えないけど、口元は微かに微笑ってる。
彼が座っていたのは私の大好きなグランドピアノの上だった。

「壊れるよ」
「?―――あぁ、案外大丈夫みたいだよ」
「ホント?」
「何なら乗ってみうか?」

有芽11/24 19:59:22182cfD2WKtSEYqq6||222
茶髪の先客はピアノから飛び降りると、私の返事も聞かずに私を軽々と抱き上げピアノ
の上に座らせた。
1度でいいから座ってみたいと思っていたそこは思いの他高く、不思議な感じがした。
机の上に座るのとも、椅子に座るのとも違う。
奇妙な高さに、私の胸は躍りだす。

今まで感じた事のないときめきに、優しい先客にお礼を言おうと顔を上げた瞬間
ネクタイを引っ張られて唇に触れた『何か』

夕陽に照らし出された先客の顔は驚くほど綺麗だった。

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

有芽11/24 19:59:342182cfD2WKtSEYqq6||534
 ○No.09 授業中なのに○


私の彼氏は授業中なのに10分に1回はメールを送ってくることが屡ある。
時間割を確認するとそれは古文や世界史など、暇な時間で。
私はお前の暇つぶしの道具じゃないと思う反面、妙に嬉しかったりするのも事実。

『先輩、今日部活ないんで一緒に帰りましょ』

『帰りゲーセン行きませんか?』

『授業終わったらむかえに行くんでちゃんと教室にいて下さいよ!』

メールの量に呆れる反面、文面ににやけてしまう。
でも必ずメールが来ない時間がある。
体育ではないし、一体何かと思ったら

「あ、その時間国語なんですよ」

有芽11/24 20:0:142182cfD2WKtSEYqq6||401
国語=理解不能言語=子守唄

そんな公式が成り立ってるアイツにとって、国語は寝る時間。
それを初めて聞いたときは呆れて声も出なかったけど、
今では私が目覚まし代わりに10分に1回メールを送ってる。

授業中なのになぁ、なんてため息吐いても、

「授業中でも、先輩と繋がってたいんですよ」
その言葉にノックアウト。
私は今日もメールを待つ日々である。

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

有芽11/24 20:0:462182cfD2WKtSEYqq6||116
 ○No.10 部室の事件○


最近東京では地震が多い。
震源地は随分遠くて最高でも震度3。
地震が大っ嫌いな私にとって地獄の様な日々だけど

神様、今だけアナタに感謝します。

「大丈夫か?」
「は、はい・・・」
「余震が起きるかもしれねー。早くここを離れた方がいいぞ」

『ここ』と言うのは部室(バスケ部)の1番奥にあるトロフィーや盾が並べられている棚の前。

有芽11/24 20:0:512182cfD2WKtSEYqq6||381
今日、私はここの掃除をしていた。
意外と埃がたまりやすくて目に付かない所なんて相当なものだ。
煩い小姑のような後輩もいるし、渋々と言ったカンジだったけど。
数分前、部長が部室に入ってきてヤル気も最高潮へ。
好きな人の前ではいいカッコしたいのが恋する乙女の心理ってもんでしょ。

有芽11/24 20:1:62182cfD2WKtSEYqq6||184

そんなトコへ急な地震。
しかも結構な揺れだった。
トロフィーとかが落ちてくるかと頭を抱えた瞬間、
一瞬、夢見てるのかと思った。

部長に抱きしめられた。

部長は私を庇ったつもりっぽい。今様子見ても全然意識してない。
ぶっちゃけ私そんな意識されてない!?魅力ない!?とかショックも受けたけど
でも、でも!
事実が大切なのです!今こう抱きしめられてるって事実が!
余震に備えて出て行く気満々な部長のジャージギュッと握って、顔が赤くなってない
こと祈りながら口を開いた。
告白するなら今しかない!

有芽11/24 20:1:202182cfD2WKtSEYqq6||52
「どうした?早くしねーとまた――」
「部長!私、あの、その・・・私部長が――」

好きです。
そう告げようとしたと同時、いやらしいまでのタイミングで余震が起きた。


「林ー、地震あったけど大丈夫――って、2人ともどうしたんだ!?」

余震が治まって直、副部長や後輩たちがぞろぞろと部室へ入ってきた。
私はというと、告白しそこねた上に先ほどの事態で完全に呆けてた。
部長は落ちてきたトロフィーで頭を打って呻いてる。

「林トロフィーで頭打ったのか?ダッセー!」
「ちょ、先輩口から血出てますよ!?」
「あ、いや、これは何でもないよ。切っただけ」

有芽11/24 20:1:332182cfD2WKtSEYqq6||848
馬鹿笑いする原や凄い勢いで詰め寄ってきた後輩を見ながら、唇についた血を拭う。

あの時、好きですって言おうとした時起きた余震で
棚からトロフィーが一つ落ちてきて
それが部長の頭に当って、その衝撃で・・・って・・・

神様、あんまりです。

恋に恋する乙女とまでは行かずともそれなりにドリーミーンしてたのに
ハプニングまではOKでも
ファーストキスが血の味なんてあんまりだ!!!

(つまり歯をぶつけて唇を切った)

end...

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

有芽11/24 20:5:562182cfD2WKtSEYqq6||37
感想、意見などがあったらお願いします(人´∀`):.*゚::.。:..*.゚:..


あと、短編集の中で一番どの話が気に入った、などもよろしくお願いします。
今回の話はほとんどアレ。
甘甘なんで・・・;;自分的には自信ないです。。

ベベル11/25 19:59:262201cfdlBFmPyorTg||267
コンバ━ヾ(゚ω゚=)人(=゚ω゚)ゞ━ンワァ!!!

有芽さん独特と言いましょうか。甘い雰囲気に包まれた短編集♪
甘甘でイイぢゃないですかσ(○´3`σ(●´3`σ(○´3`σ(●´3`σ(○´3`)ウフフ
No2gが個人的に好きです(*´σー`)エヘヘ
なんかドタバタした何気ない日常のひと時が出ててほのぼのしますよね♪
あ!全体的に有芽さんの雰囲気好きなので今回は「特に」好きな話という事で
No2を挙げさせていただきました(*´∇`*)

有芽ワールド(ぇ これからも期待しててイイですか?w

有芽11/26 17:42:182182cfD2WKtSEYqq6||877
ベベル様>感想有難うございます((。´・ω・)。´_ _))
     おぉwこんな甘甘ヤツでもイイといってくれますか!w
     なんか「普段シリアス(仮)書いてるクセに甘甘なんてキモ・・;;」
     って思われそうで怖かったのですが・・・(本音
     
     bQですかwアレ、短い・・ですよねぇ・・・;;
     実は自分的にも結構お気に入りだったりする話ですw
     有芽ワールド、次回も頑張ります!!
     
     では感想、ご意見有難うございますwwヾ(´∀`*)ノ

11/27 20:14:342201cf53idtHm6nuI||441
すごーぃおもしろかったです!!!!!有芽さんの話はいつもおもしろくて大好きです!!!これからもがんばってください★

有芽11/28 10:13:492182cfD2WKtSEYqq6||315
儡様>感想ありです(*´・ω・)ノ
   おもしろかったですかぁw
   良かったです!
   今回のは結構不評かと思ったんですが・・・・・
   イヤイヤ、儡様の話も面白いですw
   では、私も頑張りますので、 儡様も頑張ってくださいw

   感想、有難うございます(人´∀`):.*゚::.。:..*.゚:..



弥月11/28 17:1:212194cfHbfHKdEaBLw||569
流れるのはやい・・・危うく見逃すとこでした(汗

私はNo.06「静かな音楽室」
が一番好きです^^もちろん、全部好きですけどねw
私も明日音楽室に行って
乗ってしまおうかしら・・・(マテ

ピアノ線が動くの、見ているのも好きですw

有芽さんワールド(ぁ)これからも頑張ってくださいw

有芽11/29 16:7:52182cfD2WKtSEYqq6||182
弥月様>感想有難うですヾ(≧∀≦=ヽ)*.;
    ホント...流れるの早いですよねぇ...
    自分でもビックリですよ。
    おっ!(ナニ
    『静かな音楽室』ですかぁwアレも結構な甘甘ですよねぇ..w
    実はそれを書いた次の日、音楽室に行って
    ピアノの上、ホント乗れるのか....?と思って
    乗ろうとしました
    んですが、ピアノの上に荷物がのってたんで
    アウトでした;;(マテ
    ちなみにコレは実話ですヨ...;;
    おっと!話ズレましたねぇ;;
    何はともあれ感想有難うですw

    これからも有芽ワールド頑張りまっす!


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