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3688誘惑亜瑠華12/8 22:43:82228cfmIhN3en6DLc
今までの、諒&里緒の話は、ちょっと置いておいて、由紀という子と忍という人の話を書こうと思います。

亜瑠華12/8 22:46:162228cfmIhN3en6DLc||92
戒め  http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-3507.html
Dream=Real  http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-3534.html 
青い空と休日  http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-3577.html
待っているから、早く受け止めて  http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-3617.html
くちびる   http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-3661.html

都合により、明日から話を書かせていただきます。

亜瑠華12/9 18:11:392228cfmIhN3en6DLc||418

「どうしてこんな時間にいるんだ?」

怒気を含んだ顔と声に由紀は驚く。

「え・・・一緒に帰ろうと思って待ってたんですけど・・・。」

今日はオカルト研究部がなくて忍には逢えず、だから剣道武が終わるまで待っていた、のに。

「一緒に帰宅する約束はしてなかったはずだが?」

亜瑠華12/9 18:12:42228cfmIhN3en6DLc||651
「それは・・・・!そうですけど・・・。」

返ってきた冷たい答えに、由紀はうろたえる。

「まぁいい。済んでしまったことは仕方がない。急いで仕度をするから待っていてくれ。」

「・・・・・はい。」

俯き、震える声で頷いた。


亜瑠華12/9 18:12:312228cfmIhN3en6DLc||287
付き合いはじめて、まだ間もなくて。

けれどそんなことを大っぴらに言う人じゃないからなんとなく秘密のままの関係で。

でも少しでも一緒にいたいからこうして一人忍の部活が終わるまで待っていた。

忍も同じ気持ちだろうと思って。

隣を無言で歩く忍をちらりと見遣る。

当り前のように車道側を歩いて、厳しい眼差しを前方に向けて。

亜瑠華12/9 18:12:512228cfmIhN3en6DLc||148
―――迷惑、だったのかな・・・

ただ一緒に帰りたかっただけ。

でもこんな気まずい思いでは決してなくて。

もっと嬉しくて幸せな気分で歩いていたかっただけ。

じわり、涙が滲む。

「すみません、でした・・・。」

亜瑠華12/9 18:13:132228cfmIhN3en6DLc||174
小さな謝罪の言葉を口にすると、ぴたりと忍の足が止まる。

「・・・・」

同じように足を止める由紀。

「君は、何に対して謝罪をしている?」

静かで、けれども苛立ちを含む声。

ああ、やっぱり怒っているんだ。

亜瑠華12/9 18:13:472228cfmIhN3en6DLc||798
「約束もしないで・・勝手に待ってて、ご迷惑をおかけしてしまって・・・・。」

ふうっと頭上で溜息が聞こえた。

ぎゅっとカバンを持つ手に力を入れる。

嫌われてしまったのだろうか?そもそも本当に好かれていたのだろうか?

自分に都合のよい夢ばかりをみていたんじゃ・・・

「俺も、男なんだが・・・。」

亜瑠華12/9 18:14:112228cfmIhN3en6DLc||351
突然、何の脈絡のない言葉に、由紀の顔が少しだけ上がる。

「剣道部は、その大半が男子生徒で占められている。」

「・・はい・・?」

「君のような生徒が傍にいると、部員の目が君へといくだろう。」

「・・・・・・・はい。」

つまりは、部活の邪魔になる、ってこと・・・・。

亜瑠華12/9 18:14:322228cfmIhN3en6DLc||260
由紀は上げかけていた顔を再び下ろす。

「わかりました。」

もう待たない。もう絶対待ったりしない!!

惨めな気持ちに涙が溢れる。

「―――――イヤ、なんだ。」

深みのある声質。

亜瑠華12/9 18:14:532228cfmIhN3en6DLc||633
「君を、他の男になんか、見せたくない。」

「・・・・・・・・え?」

驚きに見上げた先には。

眼鏡の奥、知的な瞳の縁を赤く染めて。

怒ったような顔で由紀を見つめる忍。

「せ、んぱ・・・?」

亜瑠華12/9 18:15:92228cfmIhN3en6DLc||58
まさか。

まさかそんなこと。

でも、もしかして・・・・。



ヤキモチ、やいてる・・・?



亜瑠華12/9 18:15:262228cfmIhN3en6DLc||235
僅かな期待を込めて忍を見つめていると。

すっと視線を外して忍は前に歩き出した。

「あ、待ってください・・・!!」

慌てて追いかける。

嫌われてなかったんだ。よかった。

追いかけて、その勢いのままに腕に抱きつく。

亜瑠華12/9 18:15:432228cfmIhN3en6DLc||311
「!?鈴・・・っ」

「先輩、大好き!!」

きゅうっと忍の腕に体全体でしがみ付く。

腕に伝わるのは、温かくて柔らかい、女性の感触。

そして、想い。

大好き、大好き、大好き!!

亜瑠華12/9 18:16:02228cfmIhN3en6DLc||396
強い想いほど頭に響く。

真直ぐな。偽りのない、愛情。

「・・・・だから、俺も男だと言ったはずだ。」

掠れた声を咽喉から絞りだして。

高鳴る胸に呼吸を押さえつけて。

「はい。さっき聞きましたよ?」

亜瑠華12/9 18:16:162228cfmIhN3en6DLc||389
無邪気に微笑む彼女を少しだけ恨めしく思いながら。

「知っていて、尚且つそうするということは、もしかして・・。」

彼女の耳元に触れるほどに唇を近づけて。

「――――誘ってる?」

離れ際に、耳を。


亜瑠華12/9 18:16:312228cfmIhN3en6DLc||922
――――噛んだ。



「うっきゃあ!?」

噛まれた耳を押さえ飛びのく。

「な、な、な、な、―――っっ!?」


亜瑠華12/9 18:16:562228cfmIhN3en6DLc||376
パクパクと口を開くが言葉にならない。

耳がジンジンと熱い。まるでそこに心臓があるかのように脈打つ。

真っ赤になってうろたえる由紀に男の目をして忍は口を開く。

「俺の理性にも限界と言うものがある。あまり煽るような真似はやめておくんだな。もっとも――――」

ふっと甘く煌めく瞳。


亜瑠華12/9 18:17:322228cfmIhN3en6DLc||539
「君にその気があって、それ相応の覚悟がある、と言うなら俺は喜んでその誘いに応じるが――――?」

醸し出される色に、由紀は全身を真っ赤に染め上げ、ぶんぶんと勢いよく首を振る。

「き、肝に銘じておきます―――っっ!!」

「ああ、そうしてくれ。」

くっくっと喉を鳴らしながら忍は由紀の手を取って。

「とりあえず今は。」

亜瑠華12/9 18:18:82228cfmIhN3en6DLc||41
握った手をぐいっと引き寄せると素早く唇を重ねた。

「!?」

「これで我慢するから。」

 
どきどきと早なる心臓と、熱く感じる繋いだ手。

想いを込めて由紀は強く思う。

亜瑠華12/9 18:18:392228cfmIhN3en6DLc||311
――先輩大好き、大好きだけど、もう少し待っていて欲しいの。私がもう少し大人になるまで。だから、どうかお願い、私のことキライにならないで。

「そんなこと、ある筈ない。」

心の声に即座に頷く忍に。

由紀は心と言葉で忍に告げる。

亜瑠華12/9 18:19:12228cfmIhN3en6DLc||791


「先輩、大好き!!」


亜瑠華12/9 18:20:32228cfmIhN3en6DLc||342
完成です。始めに言っていなくてすみませんが、主人公の2人は、草薙忍と、鈴原由紀です。感想などいただけたら嬉しいです。

ベリ子12/9 20:14:372031cfmsEA.FDLOL6||673
こんにちは^^なんだかこういうのも新鮮で素敵ですねw
もぅ完全に壺にはまって抜け出せなくなりました(ぉ
これからも頑張って下さいね^^あと「あの命をかけた戦いの中で」の作品をいっくら探しても見つからなくて是非見てみたいのでもし良かったら「あの命をかけた戦いの中で」のアドレスを教えてもらえませんか??

亜瑠華12/10 18:28:12228cfmIhN3en6DLc||680
ベリ子さん、感想ありがとうございます。すごく嬉しいです。
「あの命をかけた戦いの中で」という作品は、どなたのものか分かりませんか?

ベリ子12/10 18:36:402031cfmsEA.FDLOL6||110
はい。。。すみませぬ><


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