3847 | C*C〜あの日の君が残したモノ〜 | 有芽 | 12/25 18:28:56 | 2182cfD2WKtSEYqq6 |
前作紹介でつ(。・(エ)・。)ノ +くすりゆび+ http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-3398.html ■合法ドラッグ■ http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-3489.html ◆見上げれば月◆ http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-3511.html (↑大竹視点) ◆見上げれば月◆ http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-3539.html (↑颯騎視点) ◇短編集◇ http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-3589.html |
有芽 | 12/25 18:29:13 | 2182cfD2WKtSEYqq6||259 | ||
■片足■ http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-3626.html +エキセントリック少年/ストイシズム少女+ 『 背伸び』 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-3705.html ◆向日葵の花◆ http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-3726.html |
有芽 | 12/25 18:30:4 | 2182cfD2WKtSEYqq6||987 | ||
ハイ。お久しぶりでつ。 覚えてる方、いるでしょうかねぇ...? まぁ、なんか遅いんですが、クリスマス小説ってことです。。 では本編は↓ |
有芽 | 12/25 18:30:27 | 2182cfD2WKtSEYqq6||724 | ||
12月25日 聖者の生誕日。 町はクリスマスカラーの赤と緑に彩られ、空気もどこか浮ついたお祭り気分を漂わせていた。 そんな中、ある駅前には赤であるにも関わらず、クリスマスの雰囲気とは似つかわしくない光が点灯していた。 |
有芽 | 12/25 18:30:39 | 2182cfD2WKtSEYqq6||336 | ||
思いの外遅くなり、時間を気にしながらようやく駆けつけたその先には野次馬のせいで壁が出来ていた。 その合間から零れる赤い光。 それは特有の周期で点滅・・いや、回転している。 その光に、一瞬嫌な予感が頭を過ぎった。 それを肯定するように、ギャラリーたちのささやき声が耳に入ってきた。 |
有芽 | 12/25 18:30:50 | 2182cfD2WKtSEYqq6||710 | ||
「事故?」 「そう。クリスマスツリーの星が落ちてきて・・・ほら、天辺にあった大きなやつ」 |
有芽 | 12/25 18:31:1 | 2182cfD2WKtSEYqq6||749 | ||
「誰かが下敷きになったらしいぞ」 「すごい血だ・・・ありゃ即死だな」 |
有芽 | 12/25 18:31:12 | 2182cfD2WKtSEYqq6||586 | ||
「女の子が?」 「ああ。確か―――」 |
有芽 | 12/25 18:31:25 | 2182cfD2WKtSEYqq6||442 | ||
東条中学 ノ セイフク キタ オンナノコ ダッタ |
有芽 | 12/25 18:31:38 | 2182cfD2WKtSEYqq6||616 | ||
「――― !!!」 |
有芽 | 12/25 18:31:50 | 2182cfD2WKtSEYqq6||556 | ||
あの凄惨な事故から1年が経とうとしていた。 |
有芽 | 12/25 18:32:2 | 2182cfD2WKtSEYqq6||977 | ||
12月20日 俺は駅前に立っていた。 1年前のクリスマスに起きた事故の現場――そこに植えられている木には 既にクリスマス用の装飾がされていた。 まるで去年のことなどなかったように、その巨大なツリーは悪びれた様子もなく 今年も雑然とした駅前に花を添えていた。 |
有芽 | 12/25 18:32:15 | 2182cfD2WKtSEYqq6||322 | ||
行き交う人波の中の、一体どのくらいの人間があの事故を覚えているだろう? きっと誰も覚えてないに違いない。目先のイベントに目を奪われて、『過去』の事など忘れているに決まっている。 いや、そもそも気に止めることなどないのかもしれない。 |
有芽 | 12/25 18:32:27 | 2182cfD2WKtSEYqq6||779 | ||
所詮は他人の事故なんだ。 身内や、友人――当事者でなければ、事故のことなど直に忘れてしまうのは当然だ。 |
有芽 | 12/25 18:32:38 | 2182cfD2WKtSEYqq6||932 | ||
あと5日で1年が経つ今、俺は忘れられずにいた。 忘れられるわけがない。 |
有芽 | 12/25 18:32:49 | 2182cfD2WKtSEYqq6||408 | ||
『何してるの?』 |
有芽 | 12/25 18:33:5 | 2182cfD2WKtSEYqq6||325 | ||
ふと、脳裏に過ぎったのは当時のクラスメイトだった。 記憶の中の姿を鮮明に思い出そうと目を閉じると、まるで映像を再生するように蘇ってくる記憶。 それは俺とそのクラスメイト――結城との1番古い記憶だった。 |
有芽 | 12/25 18:33:16 | 2182cfD2WKtSEYqq6||260 | ||
「何してるの?」 突然声をかけられたのは夕陽に染まるテニスコートでのことだった。 誰も居ないと思っていた俺は突然響いた声に驚きながら振り返った。 そこには真新しい制服を着たクラスメイトの姿。 |
有芽 | 12/25 18:33:50 | 2182cfD2WKtSEYqq6||182 | ||
「野球やってるように見えるか?」 少し皮肉を含んだ俺の答えに、結城は笑った。 クラスメイトって言っても、その時俺たちは入学したばかりで、顔を何とか覚えてるくらいの存在だった。 第一印象から俺は結城のこと大人しい奴だと思っていたから、快活に笑う結城に目を見開いた。 |
有芽 | 12/25 18:34:9 | 2182cfD2WKtSEYqq6||635 | ||
「テニス楽しい?」 「とーぜん。じゃなきゃやらねぇって」 「なら私にも教えてよ」 「え?」 「私ね、明日からテニス部のマネージャーになるの」 「は?」 「先輩に勧誘されたんだ。マネージャーならないか?って。 見学のつもりで来たら頑張ってる菊地君見て・・・何でかな? 私も頑張らなきゃって思っちゃった」 |
有芽 | 12/25 18:34:19 | 2182cfD2WKtSEYqq6||987 | ||
「テニスの楽しさ、私にも教えて」 |
有芽 | 12/25 18:34:32 | 2182cfD2WKtSEYqq6||169 | ||
そう言った結城の笑顔、今でも鮮明に思い出せる。 もう随分前のことなのに。それこそ1年と半年は裕に経っている。 人の笑う顔は好きだけど、此処まではっきり思い出せるのは結城だけだった。 それがどんな意味を持ってるかなんて、俺は考えたことなかった。 |
有芽 | 12/25 18:34:42 | 2182cfD2WKtSEYqq6||234 | ||
今の俺にとって、それは皮肉でしかなかった。 |
有芽 | 12/25 18:34:55 | 2182cfD2WKtSEYqq6||235 | ||
不意に肩をぶつけられて目を開くと、不機嫌そうなサラリーマンが一瞬俺を見て足早に遠ざかっていった。 その後姿が人波にかき消されるまで睨んで、俺はもう1度ツリーへと目をやる。 俺が目を閉じてる間に、それまでただの飾りでしかなかったライトに光が灯って、 下の方からもライトアップされてた。 携帯を出して時間を見ると、そろそろ帰らないとヤバイ時間だった。 見納めのつもりで、もう1度ツリーを見上げる。 その、一瞬のことだった。 |
有芽 | 12/25 18:35:6 | 2182cfD2WKtSEYqq6||623 | ||
俺とツリーを隔てる人波が一瞬途切れてその先にいた奴と目が合った。 |
有芽 | 12/25 18:35:18 | 2182cfD2WKtSEYqq6||67 | ||
時間が止まった。 |
有芽 | 12/25 18:35:28 | 2182cfD2WKtSEYqq6||735 | ||
「嘘・・・だろ・・・?」 |
有芽 | 12/25 18:35:39 | 2182cfD2WKtSEYqq6||975 | ||
信じられない光景。俺は、真っ白になった頭の中にさっきの映像を蘇らせた。 ありえない。だって、まさか そんな |
有芽 | 12/25 18:35:49 | 2182cfD2WKtSEYqq6||367 | ||
そう思いながら、目の前を流れる人波を掻き分けてツリーの元へ走った。 たった3メートルばかしの距離が、酷く長く感じた。 |
有芽 | 12/25 18:36:1 | 2182cfD2WKtSEYqq6||16 | ||
人波が途切れたその先には、ツリーの周りを囲う柵に腰掛けて携帯弄ってる女子高生や電話してるリーマン、 蹲ってる私服の男とか結構な数の人影があった。 その中に溶け込んだ1人の人間に、俺は息を飲んだ。 そいつの前に駆け寄ると、少し驚いたように見上げてきた。 |
有芽 | 12/25 18:36:11 | 2182cfD2WKtSEYqq6||685 | ||
無言のまま視線が絡む。 俺も、そいつも目を見開いたまま見詰め合ってた。 |
有芽 | 12/25 18:36:22 | 2182cfD2WKtSEYqq6||740 | ||
「私が・・・見えるの・・・?」 |
有芽 | 12/25 18:36:32 | 2182cfD2WKtSEYqq6||431 | ||
恐る恐る、というカンジの問い。 答えようにも、声が出なかった。 |
有芽 | 12/25 18:36:45 | 2182cfD2WKtSEYqq6||21 | ||
その時俺は驚いてるのか、恐れてるのか―――嬉しかったのか、 自分の気持ちがよく解らなかった。 ただ、言い表せないほどの感情で胸が押しつぶされてたのだけは覚えてる。 何考えてるのか解らない状態だった。 |
有芽 | 12/25 18:36:57 | 2182cfD2WKtSEYqq6||86 | ||
何でそんなことしたかは解らない。 |
有芽 | 12/25 18:37:25 | 2182cfD2WKtSEYqq6||824 | ||
次の瞬間、 俺はそいつを ―――結城を抱きしめてた。 to.NEXT... |
有芽 | 12/25 18:38:7 | 2182cfD2WKtSEYqq6||174 | ||
ハイ。第一章終りです。 良かったら、感想、ご意見くださいませ((。´・ω・)。´_ _)) 今後の参考に致します。 |
ベベル | 12/26 2:52:14 | 2031cfF6GiQpiCBPo||526 | ||
(*´∇`*){むは〜♪こんばんわ〜♪ 長編になる予定でつかね?さしずめプロローグといった所でしょうか♪ 早くも次回を待ちきれぬ展開にウズウズ゚.+:。((((o・ω・)o))) ゚.+:。♪ 辛い思いから一年経った彼の前に現れた”彼女” 科白からして何だか他の人には見えない・・何だか幽霊的な感じがしますが・・ 幽霊って言葉は適切ではなかったかな(汗 次回を楽しみにしてます♪ゆっくりと書き上げてくださいましペコリ(o_ _)o)) |
有芽 | 12/26 9:26:51 | 2182cfD2WKtSEYqq6||455 | ||
ベベル様>毎度毎度感想有難うございますww 良いクリスマスでしたか? ハイ。一応長編モノ予定で... 確かに幽霊っぽい。。ですよねぇ..。w 何かまた死にネタですかぁぁ!てカンジなんですが。。 では、第2章の方も頑張りますっっ!! 感想、どうもです((。´・ω・)。´_ _)) |
特殊文字 by.チビファンタジー 過去ログ | ||||