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3914C*C〜あの日の君が残したモノ〜有芽12/29 17:29:532182cfD2WKtSEYqq6
シリーズ紹介でつ♪(*・д・)ノ

C*C〜あの日の君が残したモノ〜

12月20日
-再会-

http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-3847.html

12月21日
-意味-

http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-3869.html


有芽12/29 17:31:392182cfD2WKtSEYqq6||357
ベベル様、ももちぇりー様、感想有難うです!!!
見てくださる方は1人でも居る限り、頑張りますっっ!

お2人様にはすごい励まされました.。゜+..。゜+.ヽ(´∀`*)ノ.。o○
これからも、頑張ります。

有芽12/29 17:31:542182cfD2WKtSEYqq6||444

その時俺は急いでた。
なのに、俺は外に出た瞬間見上げた空に一瞬足を止めてしまった。



有芽12/29 17:33:202182cfD2WKtSEYqq6||618

12月22日

部活動開始時刻から少し遅れて、1人の生徒が部室を訪れた。
それは9月に引退したはずの柏木だった。そんな彼を迎えたのも、彼同様引退したはずの佐倉だった。
2人とも既に高等部進学が決まっているため、よく部活に顔を出すメンバーだ。
佐倉は情報の整理をしていたのか、本棚の前に立ってファイルを開いたまま柏木の方へ顔を向ける。
柏木はというと、部室内に視線を走らせて至極難しい顔をした。

有芽12/29 17:34:212182cfD2WKtSEYqq6||792

「翔、真は来てないのか?」
「ああ。今日部活は欠席だと聞いた。恐らく平松たちと結城 のところへ行っているんだろう」
「部長が堂々とサボるとは!まったく!」
「そういうセリフは本人に向かって言え」

有芽12/29 17:34:512182cfD2WKtSEYqq6||142

ぴしゃりと言い切った佐倉に、柏木はぐっと言葉を詰まらす。
その様子に口元に薄く笑みを浮かべながら、佐倉は昨日のことを思い出した。

有芽12/29 17:37:92182cfD2WKtSEYqq6||124


「あ、いたいた!結城 ー!」
「ちーっス」
「皆・・・部活どうしたんですか?」


同時刻、例のクリスマスツリーに真、副部長の高坂、平松、原の4人が訪れた。
普段ならまだ部活が始まったばかりの時間帯に現れた4人に、結城 美紀は少し真の抜けた顔で問う。
途端、平松が隣にいた真のわき腹をひじで小突いた。

有芽12/29 17:37:322182cfD2WKtSEYqq6||749

「俺らはもう引退してっから関係ないって。問題はコイツだろ?」
「あ、ああ。そうだ、真!部長のくせに何でここにいるの!?」
「いたら悪いのかよ」
「悪いに決まってるじゃない!」

有芽12/29 17:38:142182cfD2WKtSEYqq6||869

悪びれた様子のない真に対して声を荒げ、説教を始める美紀。
平松は声をあげて笑ったが、高坂と原に浮かぶのは苦笑だった。
1年前は日常でもあったその光景。まさかそれがもう1度見られるなんて。
そんな思いと、もう2度と見られなはずだったという事実に笑みは少しずつ別のものへと形を変えていった。
と、不意に高坂が目を見開く。

有芽12/29 17:38:302182cfD2WKtSEYqq6||534


「結城 、どうして真が部長になったって知ってるんだ?」


有芽12/29 17:39:192182cfD2WKtSEYqq6||496
突然の質問に、言い合いをしていた美紀と真は反射的に口を閉じた。
驚いたような視線が3人の間で絡む。それまで笑っていた平松や原も、
それにつられるように美紀を見た。

数秒の沈黙。

それを破ったのは、美紀の零した苦笑だった。


有芽12/29 17:39:562182cfD2WKtSEYqq6||707

「真が、教えてくれたんです」
「ちょ、俺何も言ってねぇけど―――」
「事故した日から、ずっと・・・真ここに来てくれてたから。
 その時いろんなこと教えてくれた」


思い出すかの様に遠い目をして笑う美紀。その笑顔に、真はあることを思い出した。


有芽12/29 17:40:182182cfD2WKtSEYqq6||117

そう、彼は美紀が死んでから度々ここへ足を運んでいた。
その時彼女が言ったとおり、色んな話をした。


  『今日、俺部長になったんだぜ』


有芽12/29 17:40:402182cfD2WKtSEYqq6||347

何となく、美紀がそこにいる気がしていた。
だから真はまるで彼女に話しかけるように彼女に聞かせたいことや、自分の言いたいことを、たくさん。

有芽12/29 17:41:172182cfD2WKtSEYqq6||580

「大会、残念だったね・・・全国お疲れ様でした。
 あと、先輩達は高等部進学決定おめでとうございます。真も、遅れたけどおめでとう」
「結城 ・・・」
「私、ずっとずっとここにいたんだよ。なのに誰も気付いてくれなかったからホント寂しかったんだから・・・!
 私が頭叩いてたの全然気付いてなかったでしょ」
「なっ!お前そんなことしてたのかよ!?人が真面目に話してたってのに!!」
「ってか真何勝手に人の話までしてんだよ!?」
「まぁいいじゃないか。別に悪いことを言ってた訳じゃないんだし」

有芽12/29 17:41:452182cfD2WKtSEYqq6||427

今にも喧嘩を始めそうな2人を宥めるように引き離す高坂。
一瞬、美紀と高坂の目が合って2人の表情が曇ったように見えたのを真は見逃さなかった。


有芽12/29 17:42:152182cfD2WKtSEYqq6||50

(ずっといたってことは・・・―――)

美紀の言葉を反芻して、はじき出された一つの事実。
それは真があの日、遅刻する切欠にもなった『事件』のことだった。


有芽12/29 17:42:442182cfD2WKtSEYqq6||112

1年前。
美紀と約束をした後部活に向かった真はいつもどおり練習をこなしていた。
事が起こったのは部活終了時刻間近の6時前。


「高坂、しっかりしろ!!誰か救急車を!!」


突然の発病だった。


有芽12/29 17:43:102182cfD2WKtSEYqq6||934

高坂は救急車で運ばれ、当時レギュラーになったばかりの面々は一足遅れてバスで病院へと向かった。
予想するどころか、起こるなんて思ってもなかったその事態に頭の中は真っ白で。
美紀との約束を思い出したのは、高坂が手術室に運び込まれて暫く後のことだった。


有芽12/29 17:43:462182cfD2WKtSEYqq6||450

高坂のせいにしようと思ったわけではなかったが、言わずにはいられなかった。
マネージャーであった美紀にとっても高坂の存在は大きかった。
だから辛い事実だろうとも伝えたかった。
自分を正当化するためじゃなく、ただテニス部のことだけを思って。
もし美紀のところへ行こうものなら、追い返してもらおうと。
それだけを思って、真は言ったのだった。


(言うんじゃなかったか・・・)

有芽12/29 17:44:272182cfD2WKtSEYqq6||433

自己嫌悪に陥り、黙り込んだ真につられるが如く高坂も真も口を閉ざした。
唐突に変わった空気に、事情を知らない平松と原は訳が解らず3人の顔を見回す。


「あ、結城 に質問」

有芽12/29 17:44:592182cfD2WKtSEYqq6||83

沈黙に耐えかねたのか、それとも単に何も考えてなかったのか、
平松が言った。
張り詰めていた空気が緩み、内心胸を撫で下ろしながら皆彼に視線を向ける。
美紀も少し遅れて「なんですか?」と返した。

有芽12/29 17:45:122182cfD2WKtSEYqq6||435

「いや、なんか変なこと聞くから悪ぃんだけど」
「いいですよ、何でも聞いてください」
「死んだ瞬間ってどんなだった?」

有芽12/29 17:45:292182cfD2WKtSEYqq6||20



至極真面目な顔で問った平松。その瞬間折角和んだ空気が氷点下まで下がった。



有芽12/29 17:45:522182cfD2WKtSEYqq6||142

「な、何聞いてンっスか?!あんた人気遣うっつーこと知ってンっスか!?」
「だから最初に断っただろ!」
「断りゃいいってもんでもねぇだろ・・・」
「原の言うとおりだ。結城 も気にしなくていいから」

有芽12/29 17:46:232182cfD2WKtSEYqq6||303

此処に来る途中、美紀の『死』については出来るだけ触れないで置こうと約束したばかりだというのに
この軽さに、他3人は怒りを通り越して正直呆れていた。
口論を始めた3人を止めることを諦めたのか、高坂は一人美紀にすまなさそうに微笑みかけた。
美紀も少し苦笑し、ふっと目を閉じる。
まるで何かを思い出すように。

有芽12/29 17:46:442182cfD2WKtSEYqq6||654


「空が、綺麗だった」



有芽12/29 17:47:22182cfD2WKtSEYqq6||640


不意に呟いた美紀。その言葉に3人は口論をやめ、彼女へと視線を向ける。
美紀は空を仰ぎながら楽しそうに――そして、どこか懐かしそうに微笑んでいた。


有芽12/29 17:47:142182cfD2WKtSEYqq6||599


「目、殆ど見えなかったのに・・・何でかな?空に浮かぶ星ははっきり見えたんです。
 あの日寒かったから空気も澄んでて、街中なのに凄く星が綺麗に見えました」



有芽12/29 17:47:342182cfD2WKtSEYqq6||387

「このまま死ぬのも悪くないって思えるくらい、綺麗な空で・・・」



有芽12/29 17:48:92182cfD2WKtSEYqq6||77

「それしか覚えてないんですけど」とつけたし、美紀は皆に顔を向ける。
「へぇ、」と1テンポ送れて呟いた平松に続き、「結城 らしいね」と微笑う高坂。
美紀は「結局は死に切れなかったんですけどね」なんて笑い話にしてしまった。
その一言でやっと空気が和んだ気がした。


だが、真は一人1年前のことを思い返していた。


有芽12/29 17:48:482182cfD2WKtSEYqq6||739

約束を思い出して、皆に断って一足先に病院を出た。
時計を見ると部活終了予定時刻からもう2時間は過ぎていた。
この寒空の下、美紀はずっとあのクリスマスツリーの元で待っていると思うと焦らない訳がない。
それは自動ドアが開くのも待ってられないほどだった。
少し開いた自動ドアを押し開けるようにして外に出た瞬間、頬を撫でた冷たい外気に真は首をすくめ、
視線だけを空へと向けた。

有芽12/29 17:48:582182cfD2WKtSEYqq6||342


時間が止まった気がした。


有芽12/29 17:49:102182cfD2WKtSEYqq6||505

自分の真上に広がる空は満天の星で輝いていた。
そのあまりの美しさに、急いでいたことも忘れて数秒間見入ってしまった。
普段ならば空が綺麗だろうが、曇っていようが気にすることなんてないはずなのに。

有芽12/29 17:49:202182cfD2WKtSEYqq6||433


何故その日だったのだろう?


有芽12/29 17:49:412182cfD2WKtSEYqq6||612

あの数秒でさえ自分の過失の様な気がして、真は幾度となくあの瞬間を後悔した。
けれど、美紀も同じ事を思っていたと知った途端、その罪が軽くなったような気がした。


有芽12/29 17:50:502182cfD2WKtSEYqq6||7


「明日厳しく言っておかなきゃぁな。あいつは部長としての自覚がなさ過ぎる」
「明日と言わず、今から結城 のところへ行くか?この時間ならまだいるだろう」


部室を出ながら、柏木は腕組みしたまま眉根を寄せていた。
未だに真のことを引きずっている柏木に、佐倉は時計を見ながら少々呆れた声で言葉を返す。
すると、それまで佐倉よりも速いくらいのペースで歩いていた柏木が足を止めた。
止まるのに遅れた佐倉は1歩先で振り返り、「どうした?」と問う。
柏木はやはり眉根を寄せて難しい顔をしていた。
だが、それは今までの様な『怒り』などではなく、どちらかといえば『戸惑い』に近かった。


有芽12/29 17:51:42182cfD2WKtSEYqq6||199


「翔・・・1つ、聞いてもいいか?」
「何だ?」



有芽12/29 17:51:202182cfD2WKtSEYqq6||259


「げっ!もうこんな時間かよ!俺そろそろ帰らねーとヤベぇんだ」
「あ、俺も」
「限もいいし、今日はこれで解散かな?」
「っスね」
「態々来てくれてありがとうございます。また来てくださいね」

有芽12/29 17:51:532182cfD2WKtSEYqq6||880


笑顔で手を振り、皆其々の帰路へ着こうとしたその時だ。
不意に、美紀が真の裾をつかんだ。
他の3人はもう人波の中に消えていて、真は少し驚きながら美紀へと振り返った。


「何だよ、いきなり驚かすなって」
「明日も・・・来る?」


有芽12/29 17:52:122182cfD2WKtSEYqq6||712

どこか不安げな声が囁いた問い。
顔を見ると、美紀はまるで捨てられた子犬の様な頼りない表情で真直ぐに真を見上げていた。
ズキン、と 胸に痛みが走った。


有芽12/29 17:52:222182cfD2WKtSEYqq6||268


「あー・・・俺部長になって忙しいしなー」
「嘘吐き。忙しいなら今日来るわけないし」
「来るなって言ったのはお前だろ?」


有芽12/29 17:52:452182cfD2WKtSEYqq6||110


態と意地悪く返す。こういう時、美紀は必ず食って掛かってくる。それが妙に面白くていつもよくやっていた。
2人の喧嘩の切欠で1番多かったのもこれだ。
だが、美紀の反応は期待から外れていた。
裾を強く握って、何か言いたげに口を動かしながら俯いた。

ズキン

また、胸に走る痛み。


有芽12/29 17:53:32182cfD2WKtSEYqq6||208


「部活終わって時間あったらな」



有芽12/29 17:53:172182cfD2WKtSEYqq6||18
撫でるように軽く頭を叩いて、真は普段より少しだけ優しい声でそう言った

有芽12/29 17:53:302182cfD2WKtSEYqq6||529


「まだ、あん時の用事聞いてねぇし」



有芽12/29 17:53:522182cfD2WKtSEYqq6||355

反射的に顔を上げた美紀に、真はニッと笑みを向ける。
それに応えるように、美紀も遅れて微笑んだ。
どこか歪な笑みだったが、彼女の瞳から不安が消えたのを感じ、小さく息を零す。


有芽12/29 17:54:22182cfD2WKtSEYqq6||746


「じゃぁ、また明日」
「ういっス」


有芽12/29 17:54:222182cfD2WKtSEYqq6||840

裾を握っていた手が離れ、自分に向けられて振られる。
真も手を振り返し、人波の中へと消えていった。



有芽12/29 17:54:542182cfD2WKtSEYqq6||229


『約束』まで、あと2日。


to.next...

有芽12/29 17:56:52182cfD2WKtSEYqq6||526
ハイ。
全部真視点でいきたかったが最初に柏木と佐倉を出したせいで第3者になってしまいました...;

良ければ
感想、ご意見お願いします!
今後の参考に致します((。´・ω・)。´_ _))

ベベル12/29 19:37:322201cfIntgtqc.S1g||520
コンバ━ヾ(゚ω゚=)人(=゚ω゚)ゞ━ンワァ!!!

むぅ・・・何だか少しずつ核心に触れてきたかな?
少しずつ過去のやりとりも分かってきて・・
フラッシュバックするように思い出される過去も何だか気になります(w_−; ウゥ・・
胸に走る痛み、残された時間、色々な場所にキーワードがあるようで、
でも分からなくて・・・パズルのピースのように、とりあえず合わせてみては
違う・・これも違うと何だか推理小説のような楽しみ方をしていますw

少し登場人物が誰が誰だか分からなくなって何回か読み直した事私をお許し下さいペコリ(o_ _)o))

有芽12/30 11:35:402182cfD2WKtSEYqq6||813
ベベル様>感想有難うございます((。´・ω・)。´_ _))
     うぅ…やっぱり登場人物多すぎですよねぇ....
     自分でも読みづらくなってしまいました;;(オイ
     
     もうこの際、登場人物も入れた方がいいでしょうか。
     文の前に。

    次から一応そうさせて頂きます。。

    では、感想どうもでした!!

ももちぇりー12/30 16:17:256041cfj0YjQ30lEgc||318
|*´□`)ノ こんにちわ^^

今回の話はとても心が痛くなり、切なくなりました。
あと二日、話の展開があまり予想出来ませんw
そこが私は、とても楽しく拝見させて頂ける要素の一つだと考えております。
展開が分かりすぎていたら、面白くも何ともないですよね^^
ほのかに分かるくらいが…と思いますw

あと、ベベル様も言っておられますが…。
やはり多いですね、登場人物。
2回程読んで、大体話の内容が分かりました。
別に、深く読み入る事は苦痛でもなんでもないので、
私的には多かれ少なかれ、どちらでも話が面白ければガンガン読みます^^

有芽1/2 19:16:502182cfD2WKtSEYqq6||956
ももちぇりー様>感想どうもですww
        
        ようやくあと二日..ですね!!
        早く書かなければ....と思ってるんですがねぇ。
        
        多いですか;;登場キャラ。
        これは自分自身も分かりにくくなったという
        大変なことになってきたので、次回は
        紹介を一応させて頂きます((。´・ω・)。´_ _))
       
        では、感想有難うございましたぁww


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