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3967C*C〜あの日の君が残したモノ〜有芽1/2 19:3:322182cfD2WKtSEYqq6
あけましておめでとうございます(*´・ω・)ノ 
ではシリーズ紹介〜w
C*C〜あの日の君が残したモノ〜

12月20日
-再会-

http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-3847.html

12月21日
-意味-

http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-3869.html

12月22日
-約束-

http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-3914.html


有芽1/2 19:8:512182cfD2WKtSEYqq6||240
登場人物
キャラ多いので、簡単に紹介しますw

主人公 菊地 真(キクチ シン)
ヒロイン 結城 美紀(ユイシロ ミキ)  

テニス部所属。
■センパイ方■
*平松 *原 *佐倉 翔 

部長・・柏木
副部長・・高坂


有芽1/2 19:9:92182cfD2WKtSEYqq6||114



カウントダウンが始まる
最期の時まで、あと48時間。


有芽1/2 19:9:512182cfD2WKtSEYqq6||144

12月23日

天皇誕生日で学校は当然休み。しかし、部活までは休みにならなかった。
その日も東条中のテニスコートにはたくさんの部員が出入りしていた。
部長である真はもちろん、既に引退した元レギュラーも数人いる。
其々他の部員の指導やトレーニングなどといつもどおりのメニューをこなしていた。
もし、いつもと違うところがあるとすれば


有芽1/2 19:10:372182cfD2WKtSEYqq6||722

「真、なんだか楽しそうだね」


佐倉の隣に、それまで外周の監督をしていた高坂がいた。
笑顔で零したその言葉に、佐倉は少し先で下級生に球出しをしている真に目をやった。
このごろ――いや、1年前のあの日以来見せなかった『本当に楽しそうな笑顔』
動作の一つ一つがイキイキしていて、辛い練習も苦にならないという感じだ。
それを見て、佐倉も小さく笑みを零し「そうだな」と返す。

有芽1/2 19:10:582182cfD2WKtSEYqq6||665

あの事故以来、真は目に見えて笑うことが減った。
笑っていてもそれは上辺だけという感じが拭えない代物で。
事件当初など酷いものだった。
あの明るさなど見る影もなく、顔から表情は消えうせて部活も休みがちだった。
1年をかけてようやく以前に近い形になったが、本当の笑顔だけは取り戻せずにいたのに。

有芽1/2 19:11:572182cfD2WKtSEYqq6||339

「これも、結城 の力かな?」

少し笑みを含んだ声で言う高坂に、佐倉は開きかけた口を閉ざした。
問いから数秒遅れて「そうだな」と返したが、その声は先ほどのものよりずっとトーンが低かった。
それに気付いたのか、高坂は佐倉へ顔を向けた。
視線の先にいた佐倉は、眉間に皺を寄せて考え事をするように口元に手を当てていた。
思わぬ反応に不安が煽られる。「どうしたんだ?」と高坂は平静を取り繕い、問いかけたが
その声は微かに掠れていた。

有芽1/2 19:12:162182cfD2WKtSEYqq6||953


佐倉は1度口を開いたが、戸惑うようにそれを閉ざす。
そして数秒の間をおき、再び開いた。


有芽1/2 19:12:322182cfD2WKtSEYqq6||698


遠慮がちに紡がれた言葉に、高坂は目を見開いた。


有芽1/2 19:12:542182cfD2WKtSEYqq6||833


部活も無事終了し、時刻は4時を過ぎた頃。
この分なら昨日より多く時間を過ごせるな、と着替えながら真は思った。
隣で着替えていた平松も同じ事を考えているのか、着替える手がいつもより早い。
ふと、目が合った。


有芽1/2 19:13:232182cfD2WKtSEYqq6||164

「真も今日行くだろ?結城 んとこ」
「決まってるっしょ。ってか平松先輩来なくてもいーっスけど?」
「そういうお前こそ来なくていいんだよ!高坂も原も行くよな?」

有芽1/2 19:14:62182cfD2WKtSEYqq6||361

後ろで着替えていた高坂に振り返りながら問う。
逆隣にいた原は頷いたが、その3人以外のメンバーはピタリと着替える手を止めた。
一瞬にして空気が変わった。
訳が解らず、平松は再度「高坂は?」と問うが彼は反応を示さなかった。
代わりに動いたのは、高坂の隣で着替えていた佐倉だった。

有芽1/2 19:17:332182cfD2WKtSEYqq6||88

「高坂は行かない」
「えー?何でだよ。じゃぁ佐倉や柏木は?」
「俺も柏木も行かない。――お前等も行くな」
「え?」

有芽1/2 19:18:12182cfD2WKtSEYqq6||872

目を見開いた。
話をしていた平松はもちろん、ロッカーに向かって着替えをしていた真でさえ。


「な、何言ってんだよ・・・どこに行こうが俺らの勝手だろ?」
「今回ばかりは話が違う。――いいか?結城 は1年前に死んだんだ」

有芽1/2 19:18:202182cfD2WKtSEYqq6||142

ピクリ

真の肩が微かに揺れた。それに気付いて原が視線を向けると、
前髪が作り出す影の中に見開かれた目が浮かんでいた。

有芽1/2 19:18:562182cfD2WKtSEYqq6||760

「たとえ、3日前に突然現れたといっても結城 は生き返ったわけじゃあない。
 そもそもそんなことありえないんだ」
「け、けど結城 はあそこにいたし、俺たち話したぜ?触れたし、笑ったりしてた・・・そうだろ、高坂!!」

有芽1/2 19:19:392182cfD2WKtSEYqq6||877

突然話を振られて反射的に顔を上げたが、直にそれを伏せた。
まるで、平松の言葉を―――昨日の出来事を否定するかのように。
曖昧なその反応に平松は高坂に掴みかかった。が、それはすんでのところで佐倉に止められた。


「納得できないのは仕方ない。だが、これだけは覚えておけよ」
「っにを・・・」

有芽1/2 19:20:22182cfD2WKtSEYqq6||856



「俺や、柏木には結城 の姿は見えていない」



有芽1/2 19:20:282182cfD2WKtSEYqq6||579

時間が止まった。
音さえも、消えた。
張り詰めた空気と痛いほどの沈黙の中、平松は見開いた目で佐倉を凝視し、
突然力が抜けたように服をつかんでいた手を離した。
問いかけるように柏木へ視線を向けるが、彼は目を合わそうとはしなかった。


有芽1/2 19:21:322182cfD2WKtSEYqq6||24

「初めはお前等全員で俺たちをかついでいるのかとも思った。
 だがメンバーの中に高坂がいる時点で違和感を感じ、そして決定打を与えたのが『結城 』だった。
 お前等が―真が、結城のことを冗談に遣うわけがない。
 だから俺はお前等が結城を見ていることは否定しなかった。
 だが、いくら信じたところで俺たちの目に結城が見えるようになることはなかった。


 結城は、1年前に死んだんだ」

有芽1/2 19:21:572182cfD2WKtSEYqq6||138

繰り返された言葉に、それまで黙っていた真が佐倉に掴みかかった。
胸元をつかんだ手は怒りで震え、今にも暴言を吐こうと口が開かれるが、声は出ない。
無言で睨みつけてくる真。しかし、それを見つめ返す佐倉は驚くほどに冷静だった。

有芽1/2 19:22:442182cfD2WKtSEYqq6||150

「認めたくないことは重々承知だ。けれど認めなければ何も変わらない。“同じ事”を繰り返すだけだ」
「からって・・・・だからって何でアンタに指図されなきゃなんないんっスか!?
 結城が死んだなんて解ってますよ!アンタよりも俺の方がずっとずっと・・・っ
 なのになんで今更――!!」
「解っているなら1年前の自分も思い出せるだろ」

ぴしゃりと言葉を放った佐倉に、真はぐっと言葉を詰まらせた。

有芽1/2 19:23:302182cfD2WKtSEYqq6||58

忘れるわけがない。自分のことだ。
結城 が死んでから暫くの間、ずっと生きているか死んでいるのかも解らない日々を送っていたあの時期を。
ようやく立ち直れた今だからこそ解るあの悲惨さ。
もう、2度と戻りたくない過去。



有芽1/2 19:23:402182cfD2WKtSEYqq6||938
「やっとここまで立ち直ったというのに、また結城 との別れで逆戻りをするのか?
 1年前はまだよかった。だが今お前は部長だ。俺たちも直いなくなる。
 そうなった時一体誰がお前を支えるんだ?」
「またあんな風になるなんて保証はないっしょ!そもそもあの時はいきなりだったし、
 俺の・・・せいで・・・っ」
「自分のせいだと思うなら、何故お前は平気で結城 に会いに行ける?」
「翔、言いすぎだ!」

有芽1/2 19:24:112182cfD2WKtSEYqq6||412


あまりにストレートすぎる言葉に柏木が制止をかけたが、時既に遅し。
真は佐倉を突き飛ばして部室を出て行った。
引きとめようとした高坂の手が、虚しく空をかく。
言葉に出来ないほどの後味の悪さに、誰一人として微動だにしなかった。


有芽1/2 19:24:482182cfD2WKtSEYqq6||263

佐倉が言ったことは正しい。
新部長としてこれからの東条をまとめていくべき真が、今回のことでまた1年前のようになってしまったら。
取り返しがつかない。去年の関東大会の結果で既に部内が揺らいでいるというのに、
このままでは完全に崩れてしまう。
今が、踏ん張り時なのだ。
だが・・・

有芽1/2 19:25:112182cfD2WKtSEYqq6||333



「いたんだ・・・結城 は・・・」


不意に囁いた平松に、視線が集まった。


有芽1/2 19:26:22182cfD2WKtSEYqq6||462

「笑ってたんだ・・・死ぬ瞬間『死んでもいい』とか思ったって・・・でも『死に切れなかった』って笑ってた・・・」
「平松・・・」
「死ぬ瞬間、星が綺麗だったとか・・・ばっかじゃねーか?あいつ。結城 らしいよな・・・
 自分が死ぬってーのに何暢気なこと考えてたんだよ・・・あの馬鹿・・・っ」


「結城 が死んで・・・真ボロボロになって・・・折角結城 、帰ってきたのに・・・」

有芽1/2 19:26:152182cfD2WKtSEYqq6||295



「悪い夢ならさっさと覚めろよ!!!」



有芽1/2 19:26:372182cfD2WKtSEYqq6||919


悲痛な声で叫ぶ平松に、声をかけれる者などいなかった。
皆、同じ思いを胸に目を背けた。


佐倉一人が、目を見開いていた。


有芽1/2 19:27:92182cfD2WKtSEYqq6||767

*


駅前の通りを走る。
何度も人にぶつかりながら、真は真直ぐにあのクリスマスツリーを目指して走った。
部室を出た頃からパラパラし始めた小雨は次第に雨脚を強めて行く。
しかし、彼にはそんなことに構っていられるほど余裕はなかった。
冷え行く指先も、奪われる体温も気に留めず我武者羅に走り続けた。


いつもなら、走っている間は何も考えられないはずなのに


止まらない

有芽1/2 19:27:352182cfD2WKtSEYqq6||589

思い出したくもない過去が引きずり出され、何度も何度も頭の中を巡る。
忘れてしまいたいのに
何も考えたくないのに
1番思い出したくない、考えたくないことばかりが


「っぁ!」

有芽1/2 19:27:592182cfD2WKtSEYqq6||890

前も見ずに走っていたせいで放置自転車に足を引っ掛け、派手にこけてしまった。
咄嗟のことに受身も取れず、口の中に広がった鉄の味に眉を顰めた。
丁度通りかかった女性が「大丈夫?」と声をかけて手を差し出したが、真はそれを取ろうともせず、
口元を手の甲で拭ってまた走り出した。


ズキズキと脈打つように疼く膝。
もしかしたら手を突いたとき、手首を捻ったかもしれない。肘も痛い。
雨に濡れて、頬がぴりぴりする。
今じゃ体中痛いとさえ思った。
走りながら、服の上から胸を掻き毟る。
今、最も酷い痛みを訴えるそこを。


有芽1/2 19:28:522182cfD2WKtSEYqq6||665

   『その患者さんなら、昨日亡くなりましたよ』


そう告げられたのは事件の次の日だった。
12月26日。もう冬休みは始まってたけど、部活は当然のようにあって。
最初はちゃんと出席していが真だが、病院が開く頃に佐倉と2人で部活を抜けた。
近くで玉突事故があったみたいで病院内は騒がしかった。
やっと一人の看護士を引き止めて話を聞けたというのに


   『即死だったらしくて、運び込まれた時には既に亡くなられてました』



有芽1/2 19:29:32182cfD2WKtSEYqq6||954



返ってきたのは 『 最悪の答え 』 だった。



有芽1/2 19:30:132182cfD2WKtSEYqq6||704

あと5メートルで美紀の元へ行ける。そこで真は足を止めた。
目を凝らせば人波の合間に奈有の姿が見え隠れする。


美紀はいる。
ツリーの元で、ずっとひとりで

   『結城は1年前に死んだんだ』


有芽1/2 19:31:42182cfD2WKtSEYqq6||1000

直そこに、いるのに


   『何故お前は平気で結城に会いに行ける?』



有芽1/2 19:31:232182cfD2WKtSEYqq6||162

蘇ったその一言を最後に、真の頭の中から総てが消えうせた。
伸ばしかけた手を、引っ込めて
声をかけることもせず
近寄ることもせず

有芽1/2 19:31:532182cfD2WKtSEYqq6||779



真はその場所を後にした。

to.next...


有芽1/2 19:33:02182cfD2WKtSEYqq6||574
ハイ。衝撃の事実と、真の選択。いよいよ次回でラストです!

では、感想やご意見、良ければ下さいませ。
今後の参考に致します(*´・ω・)ノ 

ベベル1/3 13:18:512191cfUvfwaB1SZAA||834
(○´∀`)ノ゙こんにちゎ★

アイヤー!!予想だにしなかった展開ですわΣ(-`Д´-;)
見えてなかったんですね・・彼等には・・・
その境界線は何なんでしょうか?結城の事を認め部長としての自分をとるのか・・
まさに選択の時ですね゚.+:。((((o・ω・)o))) ゚.+:。ドキドキ♪
パズルのピースも少なくなり、複雑に絡み合っていた糸もほどけてきて・・
物語は佳境♪次回の最終回を楽しみにしています♪

あ!遅ればせながら明けましておめでとうございます。今年も素敵な作品を読ませて下さいね♪

ももちぇりー1/3 20:7:286041cf7kNsS9QQR3c||442
|*´□`)ノ こんばんわぁ。

凄い事になってましたねΣ( ̄□ ̄;)ビックリです。
真にとっては実体(?)であり、柏木達にとっては見えない結城を
どうするのかが気になります(´∀`*)

でゎA、最終回を楽しみに待っています^^

有芽1/4 14:7:182182cfD2WKtSEYqq6||159
ベベル様>こんにちは☆(´ゝ∀・`)ノシ
     感想、毎回毎回、本当に有難うございますw
     感謝、感謝です!!
     
     予想できませんでしたか!ふふふ..(ナニ
     ですね。もう佳境です。
     
     今年も、皆さんが楽しんでくれるような小説
     を書ける様、頑張りますっっ!!

     それでは、感想どうもでしたw
     

有芽1/4 14:11:562182cfD2WKtSEYqq6||497
ももちぇりー様>こんにちはぁ♪(*・д・)ノ
        
        ...この話、佐倉ひどいですよねぇ....
        読み返して思った私です..
        
        ハイ。真・高坂・平松・原 には見える、
        そして、柏木、佐倉...には見えない結城。

        ホントどうなるんでしょうねぇ...(マテ

        では、感想ほんっとにどうもありがとうございます((。´・ω・)。´_ _))

        今年も頑張りますw

        


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