4033 | グランデュール・サーガ―光と闇の血 | ミラル | 1/8 8:57:59 | 6121cf.cyNi5n/WoQ |
〜あらすじ〜 この物語の始まりは、現王がまだ王子で、現王妃とともに旅をしている時のこと。 死者の国にて預かった孤児シルヴィアミラスを彼らは王女として育てることに決めた。 シルヴィアミラスは成長し、後に納めるこの国を旅することになった。 ゲムルを後にしたシルヴィアたちはニザでエコオニのトビンと出会い、エルフへ向かった。 彼らがエルフの村にの近くにつくと、そこで一人のエルフに出会った。 |
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「第六章 助けの手」 「エルフへようこそ」エルフの女、エルシナはそう言った。 「トビン、あなたはここまででいいわ。森へお帰り」 「じゃあな。シルヴィア、また俺のところへ遊びにきてくれ」彼は行ってしまった。 「トビン!」フィールは言った。「僕のことも忘れないでね!」 「ああ」そんな返事がかすかに聞こえた。 「では。シルヴィアミラス、どうか村の長に会っていって下さい。」エルシナは言う。 「彼は、あなたが求めるものの答えをあなたに授けるでしょう」 彼女はそう言うとついてくるように合図し、村に入っていった。 |
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「よくきましたね」村の長は言った。 長はシルヴィアが思っていたよりも若かった。少なくともそう見えた。 「驚きましたか?」長は心を読んだように言った。 「あなたもご存知でしょう。エルフは人よりもはるかに長命だということを。 私は500年ほど生きていますが、みためはあなたの若き王と変わらないでしょう」 「さて、あなたの求めるものはなんです?」長は急に話題を変えて言った。 |
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「私が求めるのは真実です!」シルヴィアはそう言った。 「あなたが求める真実を私は教えましょう。真実は何よりも美しいもの。 私たちは真実を何よりも大切にします。それがどんな物であっても」長は言った。 シルヴィアは頷いた。これだけは知りたい。「私はいずれ死神になってしまうの?」 長は目をとじた。「あなたがその血に支配される時には、なるでしょう」 彼女と友に衝撃が走る。そんな、そんなのはいや。 |
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「あなたしだいです」長の話はまだ終わっていなかった。 「あなたが死の国にて真実と向き合う勇気をもてるなら……」 「私は死神にならずにすむと言うの?」シルヴィアは言葉を継いだ。 「血は変わることはない。しかし血に支配されることなく生きられるでしょう。 あなたがその血の中にある闇と共に生きることを願うのであれば…… あなたの父、つまり死神と対峙せねばならないでしょう。あなたの仲間と共に」 |
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長はエルシナをちらりと見た。エルシナは頷く。 「わが娘も共に連れて行きなさい」長は静かに言った。 「エルフは死の国に近づくことはできません。しかし彼女には少しだけ人の血がある。 私よりも更に死の国の近くまであなたをお守りすることが出来るはずです」 「シルヴィアミラス、どうか私を共にお連れください」エルシナはそう言った。 「あなたの娘をわざわざ危険な場所に連れて行くというの」シルヴィアは驚いた。 「危険は承知の上。しかし……」長はそこで言葉を濁した。そしてまた続けた。 「あなたにはそれだけの危険を冒す価値があるのです」 ―――To be continued. |
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