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4101□レトロ□有芽1/14 17:29:382182cfD2WKtSEYqq6
前作紹介です(。・(エ)・。)ノ

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有芽1/14 17:30:42182cfD2WKtSEYqq6||321



私はよく考え方が古いといわれる。
どう古いかといえば・・・どうなんだろう?
自覚はないから、その言葉の意味が解らない。
もとより、私の近くにはもっとその言葉が相応しい人間がいるから正直複雑な気分だ。



有芽1/14 17:30:182182cfD2WKtSEYqq6||219


スパッ


「あ」


有芽1/14 17:30:442182cfD2WKtSEYqq6||814


   □レトロ□

有芽1/14 17:31:32182cfD2WKtSEYqq6||9



ど う し よ う


真っ白な頭の中に浮かぶのはその5文字だけ。
私は呆然と自分の手を見つめていた。


有芽1/14 17:31:192182cfD2WKtSEYqq6||990

ドリンクを作ろうとパックを開けていると、時折開け難いものに遭遇することがある。
そういう時はいつもはさみを使うんだけど、今日に限ってそれが見当たらなかった。
仕方無しに筆箱からカッターを出してきて袋に切り目を入れていると、昨日買ったばかりの
それは予想以上に切れた。
袋ごと、それを持っていた私の手をざっくりいってしまった。

有芽1/14 17:31:302182cfD2WKtSEYqq6||440

よく切れるもんだから痛みはなかった。
でも時間が経つにつれてジンジンとした痛み――というよりは熱を孕みだし、
傷口からプツプツと湧き出てきた血は今ダラダラと手を伝っている。
カッターで手を刺したまま、微動だにしない私。
はっきり言って傍から見れば相当異常な光景だろう。
でも練習中にコートの外で、しかも人目につかない部室前なんて誰も通らない。
止血しないと、と気は焦るが、刃を抜いてしまえば血が噴出しそうで怖い。
こんなことなら昨日座頭市なんて見るんじゃなかった。洋画劇場の馬鹿!


有芽1/14 17:31:422182cfD2WKtSEYqq6||555


「上川、何やってんだ?」
「か、河合・・・?」


有芽1/14 17:31:532182cfD2WKtSEYqq6||687


不意に後ろから声をかけられて振り向くと、河合は目をむいた。


有芽1/14 17:32:42182cfD2WKtSEYqq6||150

「な、何をやってんだ馬鹿!!!」
「何って、ただ袋を・・・」
「自傷行為に走るほど嫌なことでもあったのかよ!?」



有芽1/14 17:32:142182cfD2WKtSEYqq6||874


は?



有芽1/14 17:32:262182cfD2WKtSEYqq6||22


「いや、これは・・・」
「親に貰った体をなんだと思ってんだ!?お前はもっと賢いやつだと思っていたぜ!」
「だから、あの」
「言い訳なんかする暇があれば親に謝り自分のした過ちを悔いろ!!」
「とりあえず血止めて・・・」


有芽1/14 17:32:422182cfD2WKtSEYqq6||136


流れ落ちる血の量が尋常じゃなくて最早半泣きになりながら河合に言うと、
河合は慌てて私の手からカッターを取り上げた。
その行為で、私が思っていたように血が噴出すことはなかった。
でも流れる血の量は増えた気がする・・・河合の馬鹿野郎!!
怒鳴りつけようとしたと同時、河合は私の手をぎゅっと握った。

止血のためだろうけど、その瞬間私の頭の中から恐怖とか不安とか全部吹き飛んだ。


有芽1/14 17:32:522182cfD2WKtSEYqq6||25


「タオルはどこだよ!?救急箱でもいい!」
「た、タオルならベンチの上のカゴに」


有芽1/14 17:33:42182cfD2WKtSEYqq6||998


山積みだけど、と続けたが河合は聞かずに私の手を引いてベンチまで行く。
ドリンクと一緒に配ろうと思って準備しておいたタオルの山から1枚取り、それを私の右手にきつく巻きつけた。

有芽1/14 17:33:162182cfD2WKtSEYqq6||979

とりあえず止血完了。
でも白いタオルにじわじわと赤が滲んでくる。
一体どうやったらこんだけ血が出るの!?
叫びたくなったけど、不安と恐怖で熱くなる目頭と喉が邪魔をして声を出すことも敵わない。


有芽1/14 17:33:272182cfD2WKtSEYqq6||545

「心臓より高く腕を上げろ!」
「ふぇ?」
「下ろしていれば血が流れ出るだけだろ!!」
「は、はい」


有芽1/14 17:33:382182cfD2WKtSEYqq6||640


言われたとおり手を上げると、河合はもう片方の手を引いて歩き出した。
河合は歩いているつもりだろうけど、リーチの差で私は殆ど引きずられている。
それが嫌で走ろうとすると、傷口がどんどん熱くなってきて、タオルに赤が広がっていく。


有芽1/14 17:33:512182cfD2WKtSEYqq6||314


「か、河合ストップ!!」
「何だよ急に!?早く保健室に行かなきゃいけねーだろ!!」
「で、でも走ったら血が!血が出る!!」


有芽1/14 17:34:52182cfD2WKtSEYqq6||54


半泣きを通り越して泣く直前の様な声で訴えると、河合は急に振り返って私を抱き上げた。
抱き上げたというより担ぎ上げたというか・・・
こういう場合普通姫だっこなんだろうけど河合はまるで米俵を担ぐようだった。

有芽1/14 17:34:202182cfD2WKtSEYqq6||535

河合らしいといえばそうだけど。
思わぬ行動に顔が一気に赤くなる。
それこそ『どうしよう』しか頭に浮かばない。
恥ずかしくてジタバタ暴れてると、「動けば血が止まらねぇぞ」と一括されて
私は恥も捨てて河合に総てを任せることにした。

走らなくてもこれじゃ心臓バクバクだ。体が熱い。
出血多量で死んだら河合のせいにしてやる。



有芽1/14 17:34:482182cfD2WKtSEYqq6||84



「失礼します。外傷1名、刃物による切り傷です。血が止まりません。早く治療をしてください!」


保健室に入るや否や早口でそう告げた河合に、保健医は目を見開いて
「とりあえず下ろしてあげて」と呆れたような声で言った。
ようやく地に足を付けられた安心感にため息を漏らすと、保健医は私の手に巻いたタオルを外した。


有芽1/14 17:35:02182cfD2WKtSEYqq6||126


「ホント、出血が酷いわね。これじゃ傷口が解らないから手を洗って」


保健室の隅に備えられた洗面台を指差しながら言う。
その言葉に頭が真っ白になって


有芽1/14 17:36:02182cfD2WKtSEYqq6||950

「嫌です」
「え?」

思わず漏れた本音に、保健医の目が点になった。



有芽1/14 17:36:492182cfD2WKtSEYqq6||628


「いや、あの、傷見ないと手当てのしようがないから・・・」
「でも洗いたくないんです。そこんとこどうにか――」
「なるわけないだろ!!さっさと手ェ洗え!!」
「や、河合放しっ やだやだやだあぁぁ!!!」



有芽1/14 17:37:72182cfD2WKtSEYqq6||125


結局私の主張虚しく、河合は私を洗面台にまで引きずっていくと親が小さい子供にするみたいに
無理矢理私の手を洗った。


有芽1/14 17:37:282182cfD2WKtSEYqq6||276


数分後、べそをかきながらの治療も終わり、それまで乾いた笑みを零していた保健医は
河合に視線を向けた。
河合は律儀にも「世話をかけました」と頭を下げる。
アンタは私の保護者かよ。


有芽1/14 17:37:492182cfD2WKtSEYqq6||437


「彼女ちょっと気が動転してるみたいだから今日は送ってあげてくれる?
 出血のせいで貧血起こしたら大変だし」
「は?」
「解りました。行くぜ川上」
「え?あ、ちょ!!」
「ああ、それと」


有芽1/14 17:38:172182cfD2WKtSEYqq6||559


また私を担ぎ上げて出て行こうとしたところに呼び止められ、河合は「まだ何かあんのか?」と振り返る。
保健医は苦笑しながら、厚くグロスの塗られた綺麗な唇を開いた。


有芽1/14 17:38:552182cfD2WKtSEYqq6||541


「川上さんが手洗うの惜しくならないよう、毎日手繋いであげて」



有芽1/14 17:39:412182cfD2WKtSEYqq6||946
ぎゃっっ!ヒロイン、「上川」でした..;;

すいません!!

有芽1/14 17:39:532182cfD2WKtSEYqq6||24



ニッコリと微笑んだ保健医に、開いた口が塞がらなかった。


見抜かれてた。
触れた手の温かさを忘れたくなくて、手を洗いたくなかったこと。
だからこの人苦手なんだ・・・!


有芽1/14 17:40:82182cfD2WKtSEYqq6||587


・・・もうどうにでもなれ



有芽1/14 17:40:232182cfD2WKtSEYqq6||307



「今時の子にしては純ね、2人とも」


笑みと共に零したその言葉に、何故か私は河合へ視線を向けた。



有芽1/14 17:41:52182cfD2WKtSEYqq6||302


(―――え?)


河合は、耳まで赤くして目を見開いていた。


「失礼しました」


逃げるように、踵を返して保健室を出る河合。
担がれたままの私は手を振る保健医に手を振り返し、小さくため息を零した。



有芽1/14 17:41:422182cfD2WKtSEYqq6||722


この鈍感もようやく気付いたというわけか。


保健医の行動に改めて感謝しながら、河合へ顔を向ける。
河合は顔を赤くしたまま、眉根を寄せていた。



有芽1/14 17:42:62182cfD2WKtSEYqq6||312



「河合」
「な、何だ?!」
「まずは友達から、とでもいきますか?」
「あ・・・ああ、おぅ」

有芽1/14 17:42:302182cfD2WKtSEYqq6||742


流石にいきなり恋人同士は抵抗があったのは私だけではないようだ。
やっぱり私たちは古い人間なのか、単にへタレなだけか・・・
でもそこまで発展するのに河合も私も保つだろうか?嗚呼、心配。


有芽1/14 17:43:32182cfD2WKtSEYqq6||559

「河合」
「何だよ?」
「この体勢胃にくるから次は姫抱っこにして」
「できるか!!!」
END...



有芽1/14 17:44:332182cfD2WKtSEYqq6||57
ハイ。やっとギャグらしきものをかけました!!
もうギャグかどうかも分かりませんよねぇ…コレじゃぁ。

途中でヒロイン名前間違えたですし..;;

では、できれば感想お願いしまつ。
今後の参考としていきたいので((。´・ω・)。´_ _))

ベベル1/14 18:41:22201cfsQ/iW1Ltpsg||26
(´・ω・)ノ★*゚*☆*゚*こんばんみ*゚*☆*゚*★ヽ(・ω・`)

ほのぼのな感じのギャグでつね*:.。☆..。.(´∀`人)ウットリ
ギャグでも有芽さんの世界が損なわれていないというか甘さもあって+.゚(●´I`)b゚+.゚イィ!!
ホント「純」な想いが二つ(*´∇`*)
見てるこっちがちょっと照れてしまいますねw

遥☆1/14 21:12:12206cflemQF18l0EM||165
U´x`)ノ うわぁ〜w タイトルできになりましたw
更新はやい〜w><私なんか全然〜w今回も面白かったです^^w

前回のスレで『尊敬している〜』みたいなことかいててくれてありがとうです^^w
私も有芽さん尊敬しています〜^^w 羨ましい位ですw。
お互い頑張りましょう☆゛☆゛

有芽1/15 10:41:502182cfD2WKtSEYqq6||845
ベベル様>d(・ω・*)☆おはようございます☆(*・ω・)b
      どうも感想有難うございます((。´・ω・)。´_ _))
     
      ...ホント書いてるこっちが恥ずかしくなってきますよ(*ノωノ)
      それに「純」というか、河合の方はホントただの
      ヘタレ系なカンジがしてるんで。。
      最後までコレ載せようか迷いましたし(笑

      では、感想ホントどうもでしたw
      

有芽1/15 10:45:432182cfD2WKtSEYqq6||543
遥☆様>おはようございます.。゜+..。゜+.ヽ(´∀`*)ノ.。o○
    感想有難うございますねww
   
    タイトル..話とはほとんど...いや、全く関係なくて
    ごめんなさい!!

    いやいやぁ...更新、実は次の話はまたちょっと間
    空けて、時間かけて書きますので。。。
    
    尊敬、とっても、とってもしてますよぅww
    遥☆様もシリーズの方頑張って下さいねぇ(。・(エ)・。)ノ

    では、感想有難うございましたぁ〜w
    


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