4183 | +エキセントリック少年/ストイシズム少女+ | 有芽 | 1/22 9:5:7 | 2182cfD2WKtSEYqq6 |
シリーズ紹介でつ(。・(エ)・。)ノ ------------------------------------------------------------------------------ +エキセントリック少年/ストイシズム少女+ 『 背伸び』 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-3705.html ------------------------------------------------------------------------------ |
有芽 | 1/22 9:5:55 | 2182cfD2WKtSEYqq6||393 | ||
『お付き合い』とは一体何なのだろう、と考えていて ふと目に付いたレモンに食欲をそそられた。 |
有芽 | 1/22 9:6:28 | 2182cfD2WKtSEYqq6||279 | ||
+紫陽花+ |
有芽 | 1/22 9:6:39 | 2182cfD2WKtSEYqq6||651 | ||
「弓崎いるかー?」 「おお、辰哉」 |
有芽 | 1/22 9:6:55 | 2182cfD2WKtSEYqq6||117 | ||
それは昼休みの調理室での出来事。 私は朝冷蔵庫で目に付いたレモンをデザートに持ってきたのはいいが、 ペティナイフを持ってくるのを忘れて調理室へ拝借しに来ていた。 レモンを8等分したところで訪れたのは永峰辰哉。 先日『お付き合い』とやらを始めた相手である。 お付き合いと言っても所詮は友達の延長でしかないほど私たちは幼かった。 キスだって、付き合うきっかけになっただけでそれ以降まったくしてない。 |
有芽 | 1/22 9:7:5 | 2182cfD2WKtSEYqq6||938 | ||
「何やってたよ?」 「包丁借りてたの」 |
有芽 | 1/22 9:7:16 | 2182cfD2WKtSEYqq6||84 | ||
洗ったばかりの包丁を見せると、辰哉は「刺すなよ」と笑いながら真っすぐに私のトコへやってきた。 そして、まな板の上に置かれたレモンを見て「おお」と声を零す。 |
有芽 | 1/22 9:7:28 | 2182cfD2WKtSEYqq6||502 | ||
私がレモンを食べたくなった切欠はコイツにある。 今私たちは付き合っている。 つまり彼氏彼女であって、相手に色恋などをしているはずである。 けど正直言うと私はいまだ恋とか愛とか解ってない。 友達の延長で、キスをしただけ。それが辰哉との関係。 でももし辰哉は本気だとしたら、私は酷いことをしている。 そう思うと、何だかいたたまれなくなった。 少しでも恋愛というものを理解したくて、よく漫画で表現されてるように初恋は レモンとかいう安直な理由で、私はレモンを手に取った。 どうせならいちごの方がよかったかな、なんて思ったけどこの時期いちごなんて早々ない。 |
有芽 | 1/22 9:7:39 | 2182cfD2WKtSEYqq6||671 | ||
こんなもので解るなら苦労しないけど、とため息をつきながら切り分けたレモンを口に運ぶ。 と、辰哉もそれまで手に持っていたペットボトルを調理台の上においてレモンを1つ取った。 ふと、手が止まる。 食い物の恨みは〜なんて性質じゃない。 私が気になったのはペットボトルの中身だ。 ラベルが剥がされた500mlのペットボトルに半分くらい入れられた紫陽花色の液体。 今まで見たことのないその色に、私の目と心は一瞬で奪われた。 |
有芽 | 1/22 9:7:51 | 2182cfD2WKtSEYqq6||898 | ||
「何、これ」 |
有芽 | 1/22 9:8:11 | 2182cfD2WKtSEYqq6||553 | ||
ペットボトルを指差すと、果汁がついたのか指先をなめていた辰哉が目を見開いた。 「水」 「嘘!どう見たって水の色じゃない」 |
有芽 | 1/22 9:8:35 | 2182cfD2WKtSEYqq6||560 | ||
辰哉からペットボトルへ視線を戻すと、液体はやはり青かった。 今窓の外で割いている紫陽花の色に似たそれは、ペットボトルに直に付けられたものではない。 ペットボトルは透明だった。そして、液体だけが紫陽花色だった。 「ああ、マロウだ。知らねぇ?」 「マロウ?」 |
有芽 | 1/22 9:9:3 | 2182cfD2WKtSEYqq6||375 | ||
聞きなれない単語に聞き返すと、辰哉は頷いて食器棚のほうへ歩き出した。 そして、グラスを2つ持って戻ってくる。 |
有芽 | 1/22 9:9:31 | 2182cfD2WKtSEYqq6||738 | ||
「ハーブの一種らしい。姉貴が今凝っててな」 「ハーブ?どんな?」 「まぁ見てみろ」 詰め寄る私の手からペットボトルを取り上げて、辰哉はさっきのグラスに中身を注いだ。 すると、底の方でたゆたんでいた蕾みたいなのが片方に流れ込む。 それを掬い、ほら、と私に差し出した。 |
有芽 | 1/22 9:9:51 | 2182cfD2WKtSEYqq6||60 | ||
蕾だと思っていたそれは花だった。 花びらは透明で、茎だけが緑色だったから蕾っぽく見えたのだ。 「コレがマロウ。ホントは青い花なんだけどな」 「色が抜けたの?」 「おお」 |
有芽 | 1/22 9:10:4 | 2182cfD2WKtSEYqq6||331 | ||
短く答え、グラスの片方を私に渡す。 もう一方の手で残されたグラスを取り、辰哉は私のグラスに自分のそれを軽くぶつけた。 カチン と、涼しげな音がする。 |
有芽 | 1/22 9:10:23 | 2182cfD2WKtSEYqq6||263 | ||
「飲めよ」 「いいの?」 「今更ペットボトルには戻せねぇだろ」 透明なグラスに入った紫陽花色の液体。 それは不思議なほどに私を惹き付けた。 |
有芽 | 1/22 9:11:5 | 2182cfD2WKtSEYqq6||857 | ||
「いただきます」 |
有芽 | 1/22 9:11:14 | 2182cfD2WKtSEYqq6||963 | ||
一体どんな味がするのだろう? ドキドキしながらそれを口に運ぶ。 もしかしたら私が探してた恋愛の答えなんかがあったりして、なんて。 でも現実は甘くはない。 |
有芽 | 1/22 9:11:25 | 2182cfD2WKtSEYqq6||178 | ||
「何これ?味ない」 「だから、水て言ったろ」 |
有芽 | 1/22 9:11:37 | 2182cfD2WKtSEYqq6||271 | ||
してやったりと言いたげに辰哉は笑った。 紫陽花色のその不思議な液体は、不思議なほどに味がしなかった。 強いて言えばミネラルウォーターの味。つまり只の水。 あれだけ色が出ているのに、味には何ら変化を示さないなんて。 |
有芽 | 1/22 9:11:51 | 2182cfD2WKtSEYqq6||162 | ||
騙された。 声には出さなかったが、心の中で呟いた。 |
有芽 | 1/22 9:12:2 | 2182cfD2WKtSEYqq6||352 | ||
「おもしろいか?」 「結構」 「んじゃ、も1つええこと教えてやろう」 |
有芽 | 1/22 9:12:11 | 2182cfD2WKtSEYqq6||762 | ||
そう言って、辰哉はレモンを一つ取り、私のグラスに果汁を注いだ。 |
有芽 | 1/22 9:12:22 | 2182cfD2WKtSEYqq6||189 | ||
「ゎ、あ・・・」 |
有芽 | 1/22 9:12:35 | 2182cfD2WKtSEYqq6||890 | ||
レモン汁が入った途端、紫陽花色の液体は薄いピンクに色づいた。 梅雨が明けて突然春になったような その変化に私は口を開けたまま、ただただ手の中のグラスに見入った。 |
有芽 | 1/22 9:12:50 | 2182cfD2WKtSEYqq6||591 | ||
「酸化反応。リトマス試験紙と同じ原理だ」 「辰哉夢がない」 「お前の口からんな言葉が出るとは・・・」 |
有芽 | 1/22 9:13:9 | 2182cfD2WKtSEYqq6||130 | ||
呆れたように呟く辰哉を無視しながら、グラスを調理台の上において眺める。 辰哉はもう一方のグラスにもレモン汁を入れた。 ゆっくりと、ピンクの色素が沈んで青が侵されていく。 淡い桜色のそれは、飲むとレモンの味だった。 でも、微かに甘く感じた。 |
有芽 | 1/22 9:13:53 | 2182cfD2WKtSEYqq6||818 | ||
恋って、こんなカンジかな 呟くと辰哉は声をあげて笑った。 END... |
有芽 | 1/22 9:14:44 | 2182cfD2WKtSEYqq6||107 | ||
ハイ。やっと2つ目行きましたネェ..。 では、感想、ご意見よろしくお願いします♪(*・д・)ノ 今後の参考にいたしますので..ww |
ベベル | 1/23 11:50:38 | 2191cfcBgiZ95wNJY||845 | ||
続編キタ━━━━|´3`)ノ||O |━━━━!! 何だかモヤモヤと引っかかるものが弓崎お嬢にはあるようで(苦笑 でも何か分からないもどかしさの答えをマロウに見出そうとするところが何か可愛い(ry この二人の関係は本当に友達の延長上って感じでwいつかはしっかり恋人らしくなれるのでしょうか? なんて余計なお世話と言われそうなのでここらで退散致しますヘ(-.-ヘ;)... コソコソ... |
櫻 | 1/23 16:45:23 | 2182cfOSBRQO3U/RI||856 | ||
続編ですか。 背伸びの方も見ました どっちも+エキ/スト+(自分で省略w)は良く分かりますよ。 面白いですし。 マロウにレモンの果汁をいれたときの 「梅雨が明けて突然春になったような」 って言う色の変化がよくわかったですw それではこのへんで失礼しますw |
有芽 | 1/24 16:39:55 | 2182cfD2WKtSEYqq6||171 | ||
ベベル様>感想有難うございます((。´・ω・)。´_ _)) もうなんかむしろ何もなさ過ぎますね... 2人。 はいw しばらくたったら恋人らしく―――――― なるとおもしますw そのときまで待ってってくださいな♪(*・д・)ノ では、次の次ぐらいに続編くるかもしれませんw まぁ私の気まぐれで決まりますが...w(マテ ではでは感想有難うございましたぁヾ(*・ω・)ノ |
有芽 | 1/24 16:43:22 | 2182cfD2WKtSEYqq6||553 | ||
櫻様>感想どうもでつ(。・(エ)・。)ノ おぉw背伸びの方も見てくださりましたかぁww 有難うございます!w 本当、嬉々!です!! おっ!もうまとめて「エキ/スト」で行きますよw 素敵な省略名考えてくださり有難うでつ☆(´ゝ∀・`)ノシ すっごい余談ですが、 ここのマロウはブルーマロウです。 マロウティーホントに綺麗ですよ〜。 味ないですが。。。 ホント余談でしたね.. では、感想有難うございましたww 次回作も頑張りますのでww |
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