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4195―サザンライド大冒険日記―第五章sIs1/22 22:50:142221cfIUUAmmR7WA6
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第五章と言ったら普通は結構進んでるはずなんですが、この話ってテンポが遅いから未だに二つ目の町という現状・・・orz
気長に連載していくので、気長に読んで頂ければ幸いです。あとは・・・まあ、読んだら感想もくれれば作者は元気になります(ぁ

第五章 『リディの質問応酬大会』

sIs1/22 22:50:232221cfIUUAmmR7WA6||349
十字暦1000年4月15日午後8時頃、緑の村サラ宅―――――

 走る、走る、走る。今日だけで何回走っただろう。おそらく年間走行数の半分は走ったのではないか。それぐらい走りつかれた。キドーもリディも足はくたくた。なのにまだ走るのか。もういい加減にしてくれ。
 走る、走る。さっきの大きな音のした部屋へ。とは言っても、狭い家だけに走らなくてもいいんじゃないか、というような距離だ。すぐに部屋の前に着く。
 サラは焦った表情で部屋のドアを乱暴に開けた。そして部屋に入っていく。

sIs1/22 22:50:532221cfIUUAmmR7WA6||534
「カンタ、カンタ!大丈夫!?しっかりして!」
サラは何かを抱き上げた。
 キドーとリディもそれに続く。部屋の中には錆びた鉄の様な臭いが充満している。キドーが何かを踏んだ。ピチャッという音を立てて、何かを踏んだ。キドーは足元を見下ろす。キドーの足元の周りには妙に濃い赤色の液体が散乱している―――血だ。それも、まだ固まっていない。

sIs1/22 22:51:102221cfIUUAmmR7WA6||42
 鉄の臭いの正体はこの血だった。キドーは思わず後ろに仰け反る。キドーは生々しいものが苦手なのだ。

sIs1/22 22:51:332221cfIUUAmmR7WA6||586
 その様子を見て、リディが鼻で小さくフン、と笑った。何でこんな弱々しいのが王の近衛兵なんだか、という感じの笑いだ。
 リディはこれでも見なさい、という風に、血の池に進んだ。そしてサラの横に行く。
サラは泣いている。まだ六歳か七歳の男の子を腕に抱いて泣いていた。カンタ、カンタ、と何度も繰り返し言っている。カンタというのはおそらくこの子の名前だろう。

sIs1/22 22:51:532221cfIUUAmmR7WA6||305
 リディはカンタの様子を診た。顔色は真っ青で、血の気が引いている。痛みに耐え切れないような苦痛の表情を浮かべて気絶している。口からは血がどんどんあふれ出ていた。このままでは失血死してしまうだろう。
 それでもリディは冷静を保っていた。そしてサラにきつい口調で問う。

sIs1/22 22:52:82221cfIUUAmmR7WA6||833
「この村に医者は?」
「・・・いないわ・・・」
サラが即答する。
 リディはそれでも質問を続ける。
「行きつけの病院は?」
「隣・・・山道を越えた先の『白の村』よ・・・」
「カンタに何が起こったの?」
「分からないわ・・・」
「それじゃあ、今日、カンタに起こった異変を教えて」

sIs1/22 22:52:382221cfIUUAmmR7WA6||497
 ここからのサラの返答はちょっと長い。まあ、ストーリーに関係する部分でもあるので飽きずに読んでください。
「・・・カンタっていつも外で遊んでるのよ。だから、あたしは外で何が起こっているかなんて分からないわ。・・・雨が降る少し前・・・突然、カンタが泣きながら帰ってきたの。どうしたって聞いたら『知らない男の人に刺された』って言って、右腕の付け根のところを指差したのよ。大した傷じゃなかったから、応急処置はしたんだけど・・・(要約)」
 とまあ、こういうことらしい。・・・っていうかその前に一つ、

sIs1/22 22:52:572221cfIUUAmmR7WA6||205


最後の(要約)って一体何なんですか、え?キドー君。貴様、勝手に略するんじゃねぇよ



sIs1/22 22:53:152221cfIUUAmmR7WA6||53
 これはアレだ、キドーが勝手に縮めたのであって、決して作者は手を出していない。良心を持っている方ならきっと信じてくれるだろう。
 まあ、それは置いといて。

sIs1/22 22:53:312221cfIUUAmmR7WA6||87
 これではよく分からない。一体何が原因なのか、その『知らない男の人』とは誰なのか。
キドーにとっては返って謎が深まるだけだった。
 ところがリディはそれでも冷静にカンタの右腕の付け根を剥き出しにして、巻いてあった包帯をはずした。

sIs1/22 22:53:552221cfIUUAmmR7WA6||983

「・・・化膿、してるわ」
さすがのリディでもここは動揺を隠せない。


sIs1/22 22:54:182221cfIUUAmmR7WA6||584
 幼い男児の右腕の付け根、そこは化膿していた。膿は鶏の卵ほどの大きさにまで大きくなり、不気味な紫色に変色していた。表面には数え切れないほどのイボ。そして、膿の真ん中を突っ走る一筋の線があった。これが斬られた跡なのだろう。一応は塞がっていた。キドーはあまりにも生々しいこの怪我に思わず目を伏せた。そして震えている。・・・弱っ!あまりにも弱いですよ、そこの近衛兵さん!
 リディはそれを見て口を大きく歪めてニヤリ笑いをした。最近腹黒くなっているリディ王女。これで大丈夫なのか。

sIs1/22 22:54:382221cfIUUAmmR7WA6||563
 そしてリディは質問を続ける。
「医者は今すぐ呼べないの?」
「それは・・・無理。この村は連絡不可能なのよ」
「それじゃあ、ここに来る委託の医者とかは?」
「いないわ」
「薬は?」
「ないわ」
「治療機器は?」
「ないわ」
 どんな質問をしても「ない」しか返ってこない緑の村の質問。それだけ不便なのだろう。それは可哀相にも見える。

sIs1/22 22:54:592221cfIUUAmmR7WA6||108
「それじゃあ白の村に行くしかないのね・・・」
それを聞いてキドーは立ち上がった。

sIs1/22 22:55:142221cfIUUAmmR7WA6||839
 いやいや、いきなり立って何様のつもり?あんた。もう生々しいのは慣れたわけ?まあ、血を見て怖がるのでは旅人失格だが。

sIs1/22 22:55:322221cfIUUAmmR7WA6||660
「それなら、ここでモタモタしてられんな。今すぐ出発だ、リディ。急げば半日もかからんだろう」
 キドーは王女に向かって命令した。ところが、
「えー、こんなガキの為にもう出発?今日は疲れたから寝たいのに」
リディの答えはこうだった。

sIs1/22 22:55:512221cfIUUAmmR7WA6||25
 最近腹黒くなりすぎのリディさん。さり気なく(ないけど)残酷になってます。怖い、怖い・・・キドーが輝いて見えた一瞬だった。

sIs1/22 22:56:72221cfIUUAmmR7WA6||351
 この返答をしたリディをサラはきつく睨んだ。それを見てリディは訂正した。
「分かったわ、出発しましょう。えーと、あの・・・アレ、白の村に」
 言動からしてやる気0丸見え。これではやってられない。
 しかし文句を言う暇も無いのでキドーはすぐに準備をして、家を出た。リディもそれに慌ててついていく。

sIs1/22 22:57:12221cfIUUAmmR7WA6||69
「あのっ、キドー君・・・」
後ろからサラが声をかけた。
「気を・・・つけて。無事、ウェドナに着けるように頑張ってね」
キドーは心配そうなサラを安心させるように微笑んだ。そして山道の方へ足を向ける。
 サラはその姿を見て、思わず涙を流した。
「気をつけて・・・医者を、必ず呼んでください」
サラは小声で呟いた。
 こうして、キドーとリディは休む暇もなく活気の失われた村を後にした。

sIs1/22 22:57:312221cfIUUAmmR7WA6||21
〜作者の独り言〜
長めに書いて終わらせた緑の村編も終了。
次回、ようやく戦闘が・・・始まるんじゃないかな、きっと。っていうか、第六章にしてようやく戦闘ですよ?こんなファンタジーがあっていいのかどうか。
カンタ君とサラさんは後々重要人物になります。ですから忘れないでおいて下さい。忘れてもいいけど。
今回のポイントはリディの質問応酬ですかね、やっぱり。幅も取りましたし。キドー出番なしのシーンでした(笑)

ガリオン1/23 3:24:522212cfov9mzId/faU||714
年感走行数の半分ってあんたら一体今までどんなけ走ってないんだよ(苦笑)
王の近街兵ヨワッ!!。前回のチョットグロいってこの事ですか?

緑の村ってもはや村として機能してないのでは?(お〜お〜アンタ酷いこと言うねぇ〜)。

sIs1/23 11:35:562221cfIUUAmmR7WA6||266
ガリオンさん>
毎回感想ありがとうございます^^
キドーとリディはとりあえず城から出ることは滅多にないので年間走行数の半分は走ったと思われます(ぁ
グロい場面ってのはそうです、これです(笑)。カンタの腕の化膿した部分です。グロい系の描写は苦手なのでかなり子供だまし・・・orz
緑の村は・・・まあ、人が住んでるので許してやってください(ぁ


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