4245 | ―サザンライド大冒険日記―第六章 | sIs | 1/29 14:22:44 | 2221cfIUUAmmR7WA6 |
章の数合ってるかな?(ぁ 第一章、第二章、第三章 http://kamakura.cool.ne.jp/kadukiria/ 『入口』→『創作活動』→『sIs』→『小説』 第四章 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-4174.html 第五章 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-4195.html 最近忙しいから、更新速度は最悪です。気長に待っていただければ嬉しいです。 あとは・・・読んだら感想をよろしくです。 第六章 『見やがれ!これがサザンライドの戦闘だ』 |
sIs | 1/29 14:22:50 | 2221cfIUUAmmR7WA6||804 | ||
十字暦1000年4月16日午前6時半頃、ウェドナ山道ウェドナ峠――――― 坂、坂、坂、坂・・・。永遠に上り坂が続く。時間は日の出の少し前だろう。さすがのキドーもくたくただった。昨夜まで降り続いていた大雨も、山道を登っていくうちに止んだ。 「ふう、ふう、ふう、ふう、はあっ・・・やっと終わったか。リディ、早く来い。峠の頂上だぞ」 キドーは後ろのリディを振り返りながら言った。リディもそれを聞いて安心したような表情を浮かべて歩いた。 |
sIs | 1/29 14:23:3 | 2221cfIUUAmmR7WA6||647 | ||
ここがウェドナ峠。ちょうどサザンライド地方とウェドナ地方の境目に来たのである。一睡もせず、七、八時間は歩いただろう。よくここまで倒れなかったものだ。 「ふうっ。はあ、はあ・・・わぁ、綺麗・・・」 リディはキドーの隣に並ぶとそう答えた。 二人の面前に広がるウェドナ地方の景色。一面の銀世界だ。汚れの無い、真っ白な景色が続いている。サザンライドでは雪は降らないから、二人とも雪を見たのは初めて。 |
sIs | 1/29 14:23:16 | 2221cfIUUAmmR7WA6||955 | ||
二人は一面の銀世界に見とれていた。綺麗だ。すごい綺麗で、心が洗われる様な思いさえする。清清しい景色だ。朝日が昇ればもっと感動的であろう。 やがて、朝日が山の間から顔を出してきた。もう時間の余裕はない。そう思った二人は、再び足を動かした。今度は下り道。雪を踏むときの感触がなんとも言えない感じだ。 やがて、ウェドナの盆地が開けて来る。・・・あ、見えた。目の悪いキドーでも見えた。あれが白の村だろう。小さな家々が少ないながらも固まっていた。まあ、緑の村よりは活気がありそうな感じだ。 |
sIs | 1/29 14:23:43 | 2221cfIUUAmmR7WA6||828 | ||
村にばかり気を取られていたキドーだったが、リディは村には目もくれず、二人の行く手を指差して、 「ねぇ、キドー、あれ何?変な・・・生き物?」 キドーはリディの指先に目をやった。・・・ああ、確かに何かいる。見たことがあるような感じもする。本で見た。あの茶色い毛、赤みのかかった瞳、そして、羊のようなくるくる巻いている角。 |
sIs | 1/29 14:23:55 | 2221cfIUUAmmR7WA6||766 | ||
「・・・あれは・・・『マウントベアー』だ。魔物図鑑にも出てた気がする」 キドーはぼそりと呟く。すると、 「それじゃあ、攻撃していいのね?」 とリディが即座に答えた。そして、あのカードを一枚取り出す。 「えっ?ちょ、ちょっと待て、早ぇぞ。まだ攻撃していいって言ったわけじゃ・・・」 キドーは慌てて言う。ところが、 「もう遅いわよ!この鈍くさネズミ!」 リディは持ち前の腹黒い台詞を吐く。そして、 |
sIs | 1/29 14:24:5 | 2221cfIUUAmmR7WA6||870 | ||
「爆発せよ、『フィアーズ』!」 |
sIs | 1/29 14:24:17 | 2221cfIUUAmmR7WA6||203 | ||
リディが叫んだ。 同時に、リディの手から火の玉が放たれ、マウントベアーの背中めがけて飛んでいった。一瞬の沈黙、そして・・・ボシュッ!・・・よく分からない音が聞こえた。多分命中したのだろう。奇襲は見事成功・・・したのか? 今の展開をしっかり読んでいただけただろうか。理解できてない方は、もう一度読み返して欲しい。一体、何が起こったのか、簡単に説明しよう。 |
sIs | 1/29 14:24:35 | 2221cfIUUAmmR7WA6||121 | ||
まずは、第三章を思い出していただきたい。リディは何を買ってきたか、覚えているだろうか。忘れてたら読み返すといいかもしれない。 |
sIs | 1/29 14:25:11 | 2221cfIUUAmmR7WA6||157 | ||
思い出せただろうか。そう、『魔札』である。予告したとおり、しっかり出番があったわけだ。結局使わずじまいに終わらないだろうか、なんて心配は杞憂に過ぎなかったのだ。 リディは魔札を三枚買ってきた。そのうちの一枚を『使用』したのである。火の魔札だったから、呪文と共に火が噴出した、そう考えてもらおう。リディの魔力が弱かったので今回はただの小さな火の玉だったが、魔力が強力な人間が使えば、それこそ火山噴火に負けぬ勢いにまでなるだろう。 |
sIs | 1/29 14:25:25 | 2221cfIUUAmmR7WA6||198 | ||
火の魔札の呪文は『フィアーズ』である。他に「水の『アクロス』」、「土の『アーシズ』」など、様々な種類がある。今は初歩的な火の呪文しか唱えられないが、いつかのリディの魔力に期待しよう。 |
sIs | 1/29 14:25:36 | 2221cfIUUAmmR7WA6||462 | ||
とまあ、それは置いといて。 いきなり奇襲(?)されたマウントベアーだったが、さすが熊さん、そんな一撃では倒れない。やはりまだダメージを与える必要があるみたいだ。キドーはとっさに考える。 「キドー、何ボーっとしてんのよ!前、前!」 リディが後ろで叫ぶ。 |
sIs | 1/29 14:25:50 | 2221cfIUUAmmR7WA6||693 | ||
それも遅い。次の瞬間、キドーの体は浮き上がっていた。マウントベアーの突進をモロに受けたのだ。何ともいえない激痛。キドーの意識が一瞬途切れ・・・ キドーは地面に落ちた。さらに体に痛みを感じる。だが、キドーだって伊達に王の近衛兵を八年も続けたわけではない。これくらいでダウンするほど脆くはない。とは言え、ダメージは受けた。マウントベアー、通称山の力馬鹿の突進を食らったのだから無理もない。気絶しなかっただけでもすごい、とキドーは心で自画自賛をする。 キドーは立ち上がる。 |
sIs | 1/29 14:26:2 | 2221cfIUUAmmR7WA6||602 | ||
(・・・どうする、攻撃できるもの、城の安っぽい剣だけだ。まさかリディの攻撃で倒れるとは思えない。だが剣でも大したことはない。いや、この際考える暇はないか) キドーは答えを出して剣を握った。 |
sIs | 1/29 14:26:11 | 2221cfIUUAmmR7WA6||899 | ||
マウントベアーは立ち上がったキドーを見て突進してくる。キドーは身構える。・・・そして、そのとき、恐らくキドーは気付いていなかった。剣ではなく盾をしっかり握り締めていることを。 |
sIs | 1/29 14:26:20 | 2221cfIUUAmmR7WA6||78 | ||
マウントベアーはそれでも突進してくる。・・・気付け、キドー!それは剣じゃないぞ! ※作者が叫びました。小説のイメージダウン防止の為に。 だが・・・気付かなかった。待てや、てめぇ。ところが・・・ |
sIs | 1/29 14:26:42 | 2221cfIUUAmmR7WA6||236 | ||
ボカッ ゴスッ ドゴッ |
sIs | 1/29 14:27:12 | 2221cfIUUAmmR7WA6||493 | ||
リーチの短い盾で、まさかこんなことが出来ようとは。 キドーは気付かなかった、最後の最後まで。盾で殴ってやっと気付いたようだ。やっぱり鈍くさい。うーん、キドーの性格を改訂できないものか。 マウントベアーは、小さなたんこぶを頭に作って倒れた。まさか盾で殴る行動をしてたキドーに近づくとは・・・。所詮は力だけの馬鹿か。 |
sIs | 1/29 14:27:25 | 2221cfIUUAmmR7WA6||203 | ||
マウントベアーが倒れたのを見て、リディがへとへとと崩れた。 「ふぅ、倒せたのね・・・これもあたしのお陰ね」 偉そうに言う。 待てやコラ、お前が何をした。カード持って呪文唱えただけではないか。こちらは怪我まで負ったというのに、倒した手柄を独り占めする気か、この馬鹿王女は(手柄などないが)。キドーの思考回路は最早リディの腹黒い心のことしか考えていない。 怪我を放っておくわけにもいかないので、キドーは包帯で腹をぐるぐる巻きにした。血は出ているが、大した傷ではないだろう。 |
sIs | 1/29 14:27:41 | 2221cfIUUAmmR7WA6||451 | ||
手当ても終わり、キドーとリディが歩き始めると、同時に朝日が山間から顔を出した。とうとう夜明けがきたのだ。昨日から悪天候だったので、太陽を見るのが久々な気がする。日の光はウェドナの雪原をこれでもか、というほど照らし、雪原はそれを精一杯浴びて光っている。これがいわゆるすごく爽やかな朝ってとこか、とキドーは思った。何しろサザンライドはガキがうるさかったからね。 朝に初めて感動した二人は、また歩を進めた。ここまで来れば白の村は目と鼻の先だ。 |
sIs | 1/29 14:27:57 | 2221cfIUUAmmR7WA6||242 | ||
―――その後二人は一気に峠を駆け下りて、白の村に着いた。ここも緑の村同様、名前そのまんまである。屋根が真っ白。いや、雪のせいかもしれないが。 キドーとリディは村を歩き回った。医者を探さねば。カンタは今も苦しんでいるに違いないのだ。一刻も早く医者を呼び出さないと。 村は大人の声でざわざわしていた。まだ朝日が出たばかりなのにもう忙しそうに歩いている。結構活気のある雰囲気である。なかなか広い村だし、ここは栄えているみたいだ。 |
sIs | 1/29 14:28:24 | 2221cfIUUAmmR7WA6||954 | ||
―――医者(病院)が見つからない。村が複雑な構造なので探すのも一苦労である。これではまるで埒が明かないので、近くに居た男に尋ねてみる。 「あのー、この村の診療所って、どこにあるか知ってますか?」 「あぁ?診療所?この村は医療村だからその辺にごろごろあるさ」 「お勧めできる医者はいませんか?」 「知らねぇな、俺は医者に診てもらうような体じゃないもんでね」 訊く人間を間違えたようだ。仕方ないのですぐ側にいた女に尋ねる。 |
sIs | 1/29 14:28:41 | 2221cfIUUAmmR7WA6||867 | ||
「あのー、(以下略)」 「たくさんあるわよ」 「お勧め(以下略)」 「すぐそこのレイラさんのとこがいいわね。安いし、出張治療もしてくれるし、腕もいいし」 「ありがとうございます!」 キドーは礼を言って走り出す。すぐそこのレイラさんのとこ、すぐそこのレイラさんのとこ・・・どこ? |
sIs | 1/29 14:28:51 | 2221cfIUUAmmR7WA6||387 | ||
この鈍くさ主人公。場所ぐらい聞け。 だが聞くまでもなかった。キドーの目の前にあった建物がそれらしき建物だったからだ。 |
sIs | 1/29 14:29:1 | 2221cfIUUAmmR7WA6||431 | ||
『レイラ診療所 出張治療受け付けてます』 |
sIs | 1/29 14:29:21 | 2221cfIUUAmmR7WA6||847 | ||
見つけると同時にキドーは入っていく。リディは・・・今まで一度も出なかったが、しっかり着いてきていた。うーん・・・ 中は明るい雰囲気だった。白い壁に木目調の椅子、壁には絵が何枚か掛かっている。これなら患者に人気がありそうだ。 「どなた?診療ですか?」 奥から明るい声が響いてくる。 「えーっと、レイラさんって方、今居ますか?」 リディが投げやりな声を出す。 「それなら私よ。奥に入ってきて」 言われたとおりに奥に進む。 |
sIs | 1/29 14:29:50 | 2221cfIUUAmmR7WA6||954 | ||
中には若い女医と助手らしい少年が居た。女医は白衣を着ており、短めの髪を後ろで束ねている。少年は淡い青色の服に、防寒用の上着を着ている。髪は暗めの茶色で、落ち着いた雰囲気である。 「初めて来た方ですね。どうなされました?」 少年がキドーに向かって声をかける。 「あ、いや、俺じゃなくて・・・出張診療を頼みたいんだけど」 「出張だね。場所と患者名は?」 リディが胸を張って言う。 「緑の村のカ・・・カ・・・。誰だったっけ?」 胸を張った割りには頼りない台詞だ。キドーは呆れながらも続けて言う。 |
sIs | 1/29 14:30:7 | 2221cfIUUAmmR7WA6||854 | ||
「緑の村のカンタ君」 レイラが答える。 「ああ、あのチビッコね。どうかしたの?」 「よく分からないんだけど、突然倒れて・・・」 キドーは緑の村で起こったことを全て話した。 「・・・ふーん。それじゃ、ちょっと急がないとね。ルビ、準備はいい?」 ルビと呼ばれた少年が驚く。 「え、まあ大丈夫ですけど」 「それじゃあ行かなきゃね。キドー君と、レディちゃんだっけ?報告感謝します。ささ、早く出て。ここ閉めちゃうから」 |
sIs | 1/29 14:30:19 | 2221cfIUUAmmR7WA6||982 | ||
リディは名前を間違えられたことを気に留めたようだったが、レイラはそれに気付かない振りをした。 診療所を出ると、レイラとルビは急いで走っていった。これでカンタは大丈夫だろう。あとはあいつらに任すだけでOKだ。 「ふ・・・あぁあ、眠ぃな。リディ、宿屋に行くか」 リディはそれに嬉しそうに頷いて、また歩き出した。 医者を呼び終えた二人は、村の宿屋へと歩き始めた。・・・どこに宿屋があるんだろ? |
sIs | 1/29 14:30:47 | 2221cfIUUAmmR7WA6||993 | ||
〜作者の独り言〜 最後のほうは最早意味不明です。時間がないもんだから、急いで仕上げました。大分長かったなあ・・・。 次は第七章だ。全然仕上がってませんよ・・・時間ないよ、寝る時間が惜しくて寝れません。お陰で睡眠不足。さて、キドーやリディと同じように寝ようかな。 ウェドナまでもう少し。長い長い旅でしたね。時間は一日しか経ってませんが('A` ) |
sIs | 1/29 14:32:24 | 2221cfIUUAmmR7WA6||999 | ||
おお、そうだ、訂正箇所が一つ。 まずは、第三章を思い出していただきたい。リディは何を買ってきたか、覚えているだろうか。忘れてたら読み返すといいかもしれない。 終わりの命令入れ忘れです。すいませんでした。 |
sIs | 1/29 18:17:5 | 2221cfIUUAmmR7WA6||520 | ||
む、ちと待て。朝日が二回も出てるではないですか。 んー・・・まぁ、あくまでファンタジーってことで、これもアリにしておいてください(爆 |
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