4309 | ―サザンライド大冒険日記―第八章 | sIs | 2/6 11:40:2 | 2221cfIUUAmmR7WA6 |
第一章、第二章、第三章 http://kamakura.cool.ne.jp/kadukiria/ 『入口』→『創作活動』→『sIs』→『小説』 第四章 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-4174.html 第五章 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-4195.html 第六章 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-4245.html 第七章 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-4269.html ようやく八章まで着ましたよ^^; 前置きは・・・まあ置いといて、さっさと始めましょうかね。 第八章 『勝手な判断は身を滅ぼすぞ、爺さん』 |
sIs | 2/6 11:40:14 | 2221cfIUUAmmR7WA6||502 | ||
十字暦1000年4月17日午後0時/18日午前0時頃、ウェドナ鉱山――――― 「・・・うっわぁ」 リディが声を上げた。 ここはウェドナの北西に位置するウェドナ鉱山だ。真夜中なのでさすがに誰もいない。辺りは不気味なほど静まり返っていた。町から少し離れているし、何よりあの町の近くにあっても賑やかではないだろう。 |
sIs | 2/6 11:40:30 | 2221cfIUUAmmR7WA6||150 | ||
ウェドナの歴史はここから始まったそうだ。この鉱山で金が見つかってからウェドナは急速に発展したのだ。そしていつしか国内随一の工業都市になり・・・現在は同国内であるグラスラッグと戦争をしている。まあ、簡単な理由の戦争だ。 「・・・随分静かだが・・・ここで合ってるのか?リュウロクとかいう爺さんのいる場所は」 キドーは確かめる。相手がリディだと大分不安だが。 「そこに看板がでっかくあるわよ?気付かなかったの?」 リディにそう返された。 |
sIs | 2/6 11:40:40 | 2221cfIUUAmmR7WA6||253 | ||
『ウェドナ鉱山』 |
sIs | 2/6 11:40:54 | 2221cfIUUAmmR7WA6||662 | ||
あ、ホントだ。 そしてやっと気付いたキドーに対してリディはメモ帳を取り出す。 キドーの鈍くさメモ・・・ 『でっかい看板に気付かない』 リディが作ったキドー観察日記の一部だそうだ。キドーは隙があればこれを奪おうとしている。 |
sIs | 2/6 11:41:6 | 2221cfIUUAmmR7WA6||715 | ||
「ま、まあ、ここがウェドナ鉱山なんだな。よし、そんじゃ入るか」 そうごまかしてキドーは中に入っていった。 「・・・ちょっと寒そうだけど・・・大丈夫かな・・・」 リディが不安そうに呟く。そしてキドーに着いて行った。・・・そういえば、リディ、魔札は仕入れた? 中は外よりも静かだった。そして寒かった。やはり洞窟というのは寒いものなのだろう。トロッコはゴミ石を積んだまま線路上に放置されており、あちこちにツルハシも転がっている。ランプはついていた。この様子だと無人みたいだが、一体なぜついているのだろう。 「・・・途中放棄したって感じだな」 キドーが呟く。 |
sIs | 2/6 11:41:19 | 2221cfIUUAmmR7WA6||563 | ||
「うす気味悪いわよ、ここ・・・早く探して出ましょう」 リディが声を震わせた。 ところが、老人はそう簡単に見つからなかった。何しろ坑内が広い。歩けど歩けど同じ壁。茶色い、硬そうな壁が続く。だが・・・ 「おっ?これは・・・金か?へぇ、まだ残ってたんだな」 キドーが壁を観察しながらそういった。 |
sIs | 2/6 11:41:30 | 2221cfIUUAmmR7WA6||984 | ||
坑内の茶色い壁に、あちこちキラキラ光るものがあった。ウェドナ鉱山の産物、金塊のかけらだ。いくらなんでもまだ掘り尽くしてしまった様ではない。 「少ないけど、まだあるのね・・・これ、持って帰れるかしら」 リディが言う。だが、持って帰れる程の量はない。 |
sIs | 2/6 11:41:44 | 2221cfIUUAmmR7WA6||326 | ||
そんな会話も何度か交えながら、坑内を進んでいく。かれこれ一時間は歩いただろう。だが、不思議なことに二人とも汗を全然かいてなかった。二人に向かって向かい風が吹いているから、むしろ寒いのだ。 「うぅぅ、寒ぅ・・・」 体を震わせながらリディが言う。腹黒かろうが所詮は王女だ。こういうのは苦手なのだろう。 |
sIs | 2/6 11:41:56 | 2221cfIUUAmmR7WA6||580 | ||
やがて、道の向こうに光が見えてきた。弱々しいが、出口を示すような光である。キドーとリディは足を速めた。そして、光の外に出ると、二人は思わず足を停めた。 「・・・綺麗・・・」 リディが感動したように言う。 へえ、リディでも綺麗なんて言葉、使うんだ。キドーはまずそれに驚いた。だが、リディが言ったとしても、その言葉はとても当てはまった。 |
sIs | 2/6 11:42:11 | 2221cfIUUAmmR7WA6||621 | ||
そこは、花畑だった。赤、青、黄、白・・・鮮やかな色の花が咲いている。周りは、広葉樹の森だ。普通、北国といえば植わっているのは針葉樹だが・・・。 「暖かいな・・・?ここはウェドナじゃないのか?」 キドーが呟く。 キドーとリディが花に見とれていると、突然「ひゅっ」っと空を切る音がした。キドーはそれを聞くと、すぐに身の危険を感じ、その場から離れた。離れた次の瞬間、キドーの心臓があった辺りを、小型ナイフが通過していた。音が聞こえていなかったら、キドーは死んでいただろう。 |
sIs | 2/6 11:42:34 | 2221cfIUUAmmR7WA6||27 | ||
「・・・誰だっ!」 キドーは叫んだ。 「ふん、よけられたか・・・まあいい、次は外さんぞ。覚悟せいっ!」 しわがれた老人の声。・・・まさか。と思ったもの束の間。すぐにさっきの音が聞こえた。 「ちょ、ちょっと待ったぁ!」 キドーは逃げながらまた叫ぶ。 |
sIs | 2/6 11:43:5 | 2221cfIUUAmmR7WA6||204 | ||
「またよけおったか。ちょこまかとうざい奴じゃの。今度こそ・・・」 「だから待ったぁ!あんたがリュウロクだろ?ちょっと教えて欲しいことがあるだけだ!だから攻撃をやめてくれ!」 キドーは今度こそ攻撃をやめてくれるように、と願いながら叫んだ。 声の主はそれに対し、 「・・・おぬし、名前は?」 と聞いた。キドーはそれに対してこう言う。 「俺はキドー。で、こっちの女がリディ」 「・・・サザンライドの、キドー殿とリディ殿か?」 「ええ、そうよ」 リディが返す。 「なんと、それは誠に失礼したの。すまぬな、勝手な思い込みをしてしまって」 誤解が解けたことにほっとする二人。 |
sIs | 2/6 11:43:15 | 2221cfIUUAmmR7WA6||720 | ||
そして、キドーとリディはいままでの一部始終を話した。一言も漏らすことなく全て言った。 話を聞いたリュウロクは、 「ふむ・・・王がそのようなことに・・・。人を永遠に眠らせる薬、か。・・・おお、一つ昔話があるぞ」 そういってリュウロクは話を始めた。 |
sIs | 2/6 11:43:24 | 2221cfIUUAmmR7WA6||732 | ||
―――昔、この国のある島で大量生産されていた。その薬は大きな犯罪組織に売られていた。そして、犯罪組織は、『キゼミの町』を実験台に選んだ――ここでキドーが顔をしかめた――。町はその薬で全体が眠ってしまった。それを救うべく、一人の若者が旅に出た。そして、旅の果てに、若者は一枚の鏡で町を起こした。その鏡は今、リノルダム西の塔に眠っているそうだ。しかし、鏡は塔に置いたときに魔力を失った。魔力を復活させるには、カナカン大聖堂と聖地ラグラストで洗礼を受けなければならない――― |
sIs | 2/6 11:43:37 | 2221cfIUUAmmR7WA6||463 | ||
「・・・つまり、王を起こすためには、まずその鏡を手に入れなければならんのだ。だからまずはリノルダムを訪ねるがよい。そのあとカナカン地方へ行けばいいだろう。 ただ・・・キドー殿が言うには、その男は『暗黒に染まる』と言ったそうじゃな。暗黒・・・暗黒か・・・。そういえば、キゼミ跡沖の小島に、『暗黒の神殿』という場所があったの。気になるようじゃったら、そっちも寄ってみるが良い」 勿論、キドーもリディもその神殿に行くつもりだ。 |
sIs | 2/6 11:43:57 | 2221cfIUUAmmR7WA6||98 | ||
「さて、わしゃこれからまた用事があるんで、ここで失礼するよ。お二方とも、お気をつけて」 リュウロクはそういってその場から素早く去った。 「・・・行ったか・・・」 キドーが呟く。 「ねぇ、キドー、あのお爺さんさ・・・」 リディが口を開く。何を言うか、と思いきや、 「絶対緑茶が好きそうなタイプだよね」 と言った。 それがどうかしたか。キドーは呆れた。だがすぐに立ち上がってまた歩き出す。 |
sIs | 2/6 11:44:7 | 2221cfIUUAmmR7WA6||894 | ||
リノルダム・・・サザンライドから見て、ウェドナの反対方向だ。今度は長い旅路になるだろう・・・。 |
sIs | 2/6 11:44:19 | 2221cfIUUAmmR7WA6||41 | ||
〜作者の独り言〜 ふう、やっと出来たよ、やっと。 まさかこんなに時間がかかるなんて思いませんでした(^_^;) ようやくウェドナも終わり、今度は三番目の舞台「リノルダム」に移ります。 どんな町かは・・・次の章まであれこれ想像しててください。 それと裏設定では、リュウロクは緑茶が大好きです(爆) |
李亞 | 2/14 19:11:26 | 2182cfPPkTUCF2dqo||935 | ||
(*´∀`*) 寿司殿お久でつw 明後日からテスト一週間前だってのに呪怨撮るぞゴルァ、とか粋がってる副総隊長ですw 今回一気に八章までうpいたしました。 緑茶大好きなリュウロク氏にPCの前でニヤニヤしてたのはシミツです(*´m`*) では、今日は存在を主張しにやってきただけなのでサラバw |
sIs | 2/18 17:41:19 | 2202cf6S67VVNCJwk||522 | ||
遅くなって申し訳ありません。 リュウロク氏はバリバリ好きっすよ、緑茶(ぁ PCの前でニヤニヤしてもらうとかなり嬉しい次第ですwちなみに一日五杯はノルマなリュウロク氏。同じ緑茶でも抹茶はダメだそうでw あとうpお疲れ様です^^ |
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