4629 | 神様昔話(小話) | 緋唯 | 3/16 0:28:59 | 6119cfisiK2Bz8VqA |
「千年に一回なんてレベルじゃなかったんだよ。」 世界があった。 神が居た。 そして、日々神の機嫌を伺いながら暮らす人間が居た。 神は、人が従い、そして望めばありとあらゆるものを与える。 そうして世界は均衡を保っていた。 |
緋唯 | 3/16 0:29:33 | 6119cfisiK2Bz8VqA||71 | ||
神は天と地と闇に住まう。 そのうちの天に住む神のひとりは地に大きく興味を持っていた。 だから、他の神の目を盗んでは地を眺め、人間達を観察しては日々を堪能していた。 そんなある日、その神はひとりの人間を知った。 大勢を観察することはあったが、ひとりだけを気にしたのは初めてだった。 神は日に日にその人間に惹かれていく。 そしていつしか神はその人間の前に現れ、やがて2人は恋に落ちた。 |
緋唯 | 3/16 0:29:59 | 6119cfisiK2Bz8VqA||427 | ||
晴れれば池の淵で逢い、雨が降れば雲を吹き飛ばして地を乾かし山の麓で逢う。 しかし所詮は神と人。 その存在はかけ離れたものであったし、祝福されるものでもなかった。 やがて2人の仲を知った創主である大神は、人間を天へ召し、神を地へ這わせた。 天へ召された人間は神を忘れて天で暮らし、神は天へ戻ることを許されずに地で永遠を過ごす。 かくして天と地をも動かした大恋愛は幕を遂げ……たハズがない。 |
緋唯 | 3/16 0:31:2 | 6119cfisiK2Bz8VqA||487 | ||
「って訳でさ、俺等の為に空も大地も動いてたんだよ。まぁ俺が動かしたんだけど?」 カウンター席で酔いつぶれる男はそう言った。 そして手の仕草だけで注文の追加をする。 カウンターの中の男は追加注文に手慣れた動きで応えつつも、続きを促して相槌を打つ。 酔っぱらいは好きなだけ喋れば満足するものなのだ。 「だからさー、俺を殺せる奴知らない? 不死身の俺を殺せる強い奴。」 |
緋唯 | 3/16 0:31:55 | 6119cfisiK2Bz8VqA||820 | ||
「ここら辺じゃ…そんな話は聞かないねぇ」 思い当たる節が無いのでその通りに答えると、酔いつぶれていたハズの男はふっと立ち上がった。 そして追加で来たグラスを一気に煽る。 「おい、そんな飲み方じゃ…、」 「神サマが酔う訳ねぇだろっての。」 まったく酔ったそぶりを見せない男は席を離れる。 |
緋唯 | 3/16 0:32:17 | 6119cfisiK2Bz8VqA||709 | ||
そして店の入り口付近に架けてあるコートを羽織った。 「ちょっとお客さん代金!」 「そこに置いてあるさ。」 「! …いつのまに…、」 「心配要らねぇよ。ちゃんとした金だ。後で葉っぱに変わるなんでこたぁねぇよ。まぁ、黒い奴から拝借したやつだけどな。」 店のドアにぶら下げてあるベルが鳴る。 外からの風で男のコートが翻ってバタバタと音を鳴らした。 |
緋唯 | 3/16 0:33:10 | 6119cfisiK2Bz8VqA||375 | ||
「…あんた、一体…?」 「言っただろ、落ちぶれた神サマだって。」 妙に似合うウィンクをひとつ残し、男は店から去っていった。 代金として置かれた金は、釣りは要らねぇぜ、という書き置きが添えてあった。 「……代金、足りないってこれじゃあ。」 しかし何故か嫌な気分にはならなかった。 |
緋唯 | 3/16 0:38:32 | 6119cfisiK2Bz8VqA||960 | ||
はい、意味不明ファンタジーちっく小話パート2です。 改めてこんばんわ緋唯です。 また書いてみました。 果たして男は人間として死んで天に召されて彼女と逢えたのでしょうか! (逢えても記憶ないか…) そもそも男は本当に神様なのか! …ご想像にお任せします(平伏) 感想頂けると嬉しいです♪ あと、誤字脱字のご指摘も随時承ります。 |
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