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4747■コヨーテ■有芽3/24 10:58:122102cfUigEQuRCGRQ
前作(1部)紹介でつ(。・(エ)・。)ノ


◆この笑顔でいつまできみをはぐらかせるのでしょうか◆
         http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-4440.html


有芽3/24 10:58:482102cfUigEQuRCGRQ||371



そいつは小柄で痩せっぽっちで、初めて見た時は正直同い年とは思えなかった。
性格も男っぽいし、あっけらかんとしててお世辞にも女らしいとは言えなかった。
俺のタイプからはかけ離れたそいつを意識するきっかけになったのが、唯一女らしいと思える長い黒髪だった。


有芽3/24 10:59:02102cfUigEQuRCGRQ||667


そいつがその黒髪を真っ白にブリーチしてきたのは、今から3日前のこと。


有芽3/24 10:59:372102cfUigEQuRCGRQ||729


   ■コヨーテ■



有芽3/24 11:0:412102cfUigEQuRCGRQ||789


「おっはよー、鏡耶!」
「はよ――って、どうしたんだその頭!?」


有芽3/24 11:1:32102cfUigEQuRCGRQ||440


いつもと変わらない朝だと思ってたそれは、あと5分で学校に着くというところで覆された。
いつものように後ろから声をかけられ、振り返った先にいた人物に俺は目を見開いた。

有芽3/24 11:2:402102cfUigEQuRCGRQ||341

そいつ――鹿波リカは野球部のマネージャーで俺の彼女だ。
リカは『女の子らしい』という表現からほど遠いタイプの女で、どっちかっつーとヤンチャな後輩とかに
近いものがある、所謂やんちゃな性格の奴で。
なのに、変なトコ正義感が強く、校則を破ったりするのはもとより、ちょっとでも道徳に反するやつ見かけたら
誰彼構わず説教し始めるような奴だった。
髪を染めるなんてもってのほか。


有芽3/24 11:3:62102cfUigEQuRCGRQ||278


そんなリカが、唐突にこの日髪をブリーチしてきた。


有芽3/24 11:3:502102cfUigEQuRCGRQ||461


背中の真ん中くらいまであった黒髪は、見る影もなく白へと姿を変えていて、俺はそれを見た瞬間言葉を失くした。
一瞬、別人かと思った。誰だかわかんなかったよ。
あそこで挨拶してこなきゃ、絶対気付かなかった。そう思うくらい、髪の色だけでリカの印象は
ガラリと変わっていた。


有芽3/24 11:4:92102cfUigEQuRCGRQ||400


「なんていうかさ、人生1回きりなんだからやりたいことやらなきゃなって思ってさ!」


有芽3/24 11:4:332102cfUigEQuRCGRQ||588


「白も似合うっしょ?」なんて笑いながら、リカはそう言った。


有芽3/24 11:5:52102cfUigEQuRCGRQ||743


「おいおい、これから朝練だってのに・・・部長がその頭見たら怒鳴られるだけじゃ済まねーぞ・・・?」
「大丈夫大丈夫!言いくるめる自信あるから心配しないでよ」
「けどなぁ・・・」

有芽3/24 11:6:242102cfUigEQuRCGRQ||825


俺が何を言っても、リカは「大丈夫」って笑うだけだった。
そうこうしている内に学校に着き、朝練のためにコートへ行くと不運にも既に来ていた部長と鉢合わせ、
案の定さつきは朝っぱらから部長に怒鳴られた。
友達2人の時も酷かったけど、今日は一際酷く思えたな。
やっぱ自分の彼女だからか?胃が痛くなるのを感じながら、少しはなれた場所で2人を見ていると、
あることに気付いた。


有芽3/24 11:8:392102cfUigEQuRCGRQ||199

リカは性格上部長を怒らすような行動をするのはしょっちゅうで、こうやってあいつが怒られてるのを
見るのも日常茶飯事だった。
けど、今日はいつもと違う。
たとえ自分が悪くても何だかんだと部長に言い返すリカが、今日は笑ったまま部長の説教を聞いてた。
そのことにようやく違和感を覚えたのか、しばらくすると部長も怒鳴るのをやめて普通に話し始めた。
2人が顧問や副部長と部室へ入っていったのは、朝練が始まる少し前。
俺は友達に連れられてコートへ行ったため、その後何があったかは知らない。
知ってるのは、朝練終了後から部長が何も言わなくなったことと、副部長がどこか沈み気味になったことだけだった。


有芽3/24 11:9:262102cfUigEQuRCGRQ||422

結局その日は、リカの髪の色が変わった以外特にこれといったことは起こらなかった。
いつもどおりの日常。部活もいつもどおり日が暮れるまでやって、帰りに後輩と寄道して、
リカを送ってから家に帰った。

有芽3/24 11:10:182102cfUigEQuRCGRQ||524

いつもどおり。リカの髪以外、何も変わらない1日。
なのに帰り道を歩く俺の胸には、漠然とした不安があった。
たかが髪の色だけだろ。そう言い聞かせたけど、その度に不安に駆られる。
家に帰ったら電話してみるか。何があったかを、ちゃんと聞こう。

そう決めたはずなのに、俺は電話できなかった。



有芽3/24 11:10:532102cfUigEQuRCGRQ||772


「鏡耶、おっはよー」
「ッハヨ・・・やっぱその色なんだな?」
「当ったり前じゃない。抜いた色は今更戻せませんよーだ」


有芽3/24 11:11:242102cfUigEQuRCGRQ||825


次の日、リカはやっぱりいつもどおり話しかけてきた。
髪の色以外、何も変化はない。
俺の考えすぎなのか?ちょっと過保護になり過ぎてんのか?


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