5578 | ―サザンライド大冒険日記―第二十五章 | sIs | 6/2 22:35:35 | 2182cf9tXTCvemDjk |
二十章 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-5047.html 二十一章 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-5133.html 二十二章 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-5162.html 二十三章 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-5209.html 二十四章 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-5448.html 一章〜十九章までは、二十章にURLが載っています。 尚、十一章までは過去スレではございませんのでご了承を。 第二十五章 「カナカン大聖堂」 |
sIs | 6/2 22:35:47 | 2182cf9tXTCvemDjk||487 | ||
十字暦1000年5月13日午後2時頃、カナカン大聖堂より少し南――――― カナカン大聖堂、というのは町の名前である。 その中心部となるのが「カナカン大聖堂本館」であって、そこを勘違いする旅人があまりにも多すぎるのは言うまでもない。 |
sIs | 6/2 22:35:59 | 2182cf9tXTCvemDjk||830 | ||
「カナカン大聖堂・・・かぁ。どんな建物なんだろう」 天然、そして世間知らずのシノが言う。 彼女の地元が田舎だから仕方ないことであろうか。 「カナカン大司祭は460歳を越えているらしいな」 今まで出番の少なかったアバルトが言う。 彼の故郷はサザンライドから遠く離れた地なのに、よく知っているものだ。 |
sIs | 6/2 22:36:29 | 2182cf9tXTCvemDjk||771 | ||
「・・・年齢だけで言えば神様なのね」 何やら勘違いしているリディを横に、キドーが震える。 「有り得ねぇ・・・」 (・・・口に出して言わなくても分かるわよ、それぐらい・・・) ※( )はリディの思考です。 |
sIs | 6/2 22:36:42 | 2182cf9tXTCvemDjk||326 | ||
「大聖堂に入るときに入場料を払うらしいな。確か千ライだったか?」 アバルトが言う。 千ライといえば、リディがライグライのカジノでスッた金額と同額だ。 「随分高いわね。ったく、どこの金の亡者なのかしら」 「金の亡者とは限らないわよ。もしかしたら物乞いが不正に取ってるとか」 「あ、それも有り得るかもー。着いたら殴りましょ」 女子二人の馬鹿会話は置いといて、さっさと歩きましょう。 |
sIs | 6/2 22:37:2 | 2182cf9tXTCvemDjk||894 | ||
青空の下で、雲が流れている。 方角は東南東のようだ。明日は多分晴れるだろう。 「あの門がそうかしら?」 先ほどの会話から少し経った頃、リディが遥か向こうを指差して言う。 そこには、重そうな鉄の門が一箇所。 「この辺に他の町はないから、多分あれがカナカン大聖堂だろう」 博学アバルトが言う。 彼の故郷は遠く離れているのに、よくこんな国のことを知っているものだ(二度目)。 |
sIs | 6/2 22:37:18 | 2182cf9tXTCvemDjk||313 | ||
「カナカン大聖堂ってさ、一日に何人もの人が出入りするんでしょう? それにしては、やけに静か過ぎない?」 辺りを見回してシノが言う。 確かに、沢山の旅人が訪れると言われるほど賑やかではない。 寧ろ誰も訪れない辺境に見える。 「・・・門の両脇に傭兵がいて、金を取るんだったよな?」 不安げに言いながら、キドーはアバルトに視線を向ける。 見つめられたアバルトは思わず目を逸らした。 「詳しいことは知らん。俺も来るのは初めてだ」 ・・・博学の割には頼りない人。 |
sIs | 6/2 22:37:37 | 2182cf9tXTCvemDjk||910 | ||
傭兵が不在の上、門が開いていたので勝手に入ることにした四人。 これが犯罪にならないか、と心配したのはキドーだけ。 |
sIs | 6/2 22:37:51 | 2182cf9tXTCvemDjk||123 | ||
「・・・この臭いは・・・」 鼻が敏感なリディが言う。 まるで犬から生まれた女のようだ、とキドーは思った。 鼻をピクピク動かすリディに、アバルトが問う。 「・・・何の臭いだ?」 「強い、血の臭いがする・・・。街中に広がってる感じ」 四人全員の背筋が震える。 これが恐らく「戦慄」というものなのだろう。 |
sIs | 6/2 22:38:2 | 2182cf9tXTCvemDjk||539 | ||
「町の大通りに誰もいない、というのもおかしいな。取りあえず進んでみるか」 アバルトはそう言うと、誰もいない不気味な大通りに足を踏み入れた。 キドーは何となく剣を構えた。ここに敵がいるかも知れないからだ。 |
sIs | 6/2 22:38:19 | 2182cf9tXTCvemDjk||6 | ||
カナカン大聖堂(の町)は、規則正しく建物が並んでいる。 上空から見ると日本で言う京都や奈良のような町並みであろうか。 しかし、通りの幅や町の区分などは統一されていないので、それほど綺麗とも言えない。 |
sIs | 6/2 22:38:48 | 2182cf9tXTCvemDjk||525 | ||
「・・・血の臭いが強くなったわ」 (キドー談、犬人間)リディが言う。 鼻の鈍い三人も、確かに鉄の強い臭いを感じ取った。 少し進んでも、通りには誰も歩いていない。 「・・・」 町を覆う沈黙に呪われたか、全員が無口になる。 |
sIs | 6/2 22:39:7 | 2182cf9tXTCvemDjk||173 | ||
その四人の後ろで、枯れ果て、しわがれた声が響いた。 「・・・お前さん達は誰じゃね?」 突然の沈黙を破る声に、四人とも武器を構えた。 が、声の源を見ると、自然に武器を下ろした。 「・・・この町は今危険じゃ、と言うことさえ知らんのかね? 全く、最近の若造はなっとらんの」 偉そうな口調にリディがムッとする。 「そういうアンタは誰なのよ?危険なら何でここにいるの?」 「わしゃあジョモネシャン。カナカン大司祭じゃ。 ここにいる理由は、町に残っていたり訪れたりした者を町の外へ逃がすためじゃよ」 名前と職業を聞いた時点で全員が後ずさった。 |
sIs | 6/2 22:39:20 | 2182cf9tXTCvemDjk||94 | ||
「・・・貴方が460歳の・・・?」 「正確には462じゃな。・・・いや、464だったか?・・・まぁ、そこは別に何でも構わんか。 人はわしのことを化石の賢者と言う」 ―――自分の年齢くらい記憶してください、大司祭様。 |
sIs | 6/2 22:39:41 | 2182cf9tXTCvemDjk||194 | ||
「で、何故この町に?また下らん祈祷か?」 「下らないとは失礼な・・・。・・・この鏡の魔力を復活させる為に祈祷しに来たんだ」 相手が聖職者にも関わらずキドーが偉そうな口調で言いながら、例の鏡を出す。 「コレは・・・ほぅ、なかなかの代物を持っているではないか。貴殿のようなひょろひょろした若造が、何故伝説の鏡なんぞを・・・」 ジョモネシャンもまた、傲慢な態度を取る。 どうやらキドーとジョモネシャンは相性が悪いみたいだ。 |
sIs | 6/2 22:39:56 | 2182cf9tXTCvemDjk||814 | ||
「取りあえずラグラストの祈祷は終えた。後は貴方の祈祷を済ませば魔力は復活するんだ」 「ラグラストは既に終えたのじゃな・・・そしたら、その鏡を貸してくれ」 ジョモネシャンに言われてキドーは重たい鏡を手渡す。 ジョモネシャンの手が鏡に触れ、キドーの手が離れた途端に鏡が光りだした。 「・・・」 集中しているらしく、ジョモネシャンは喋らない。 威厳のある人だ、とリディは思った。 |
sIs | 6/2 22:40:9 | 2182cf9tXTCvemDjk||191 | ||
「・・・よし、コレでよかろう。後でどう使うか知らんが、取りあえず魔力は復活したからの」 ジョモネシャンがキドーに鏡を返す。 ところが、キドーが触ると同時に、誰かに鏡を奪われた。 「アレッ?」 手にあるはずの鏡がないのに気づいて、キドーは辺りを見回した。 だが、他の四人の誰も鏡を持っていない。 |
sIs | 6/2 22:40:21 | 2182cf9tXTCvemDjk||442 | ||
「・・・コレでようやく魔力が復活したか。この町で待ち続けた甲斐があったというものだ」 突然上空から降ってきた声に、キドーは空を見上げた。 そこにいたのは・・・。 |
sIs | 6/2 22:40:30 | 2182cf9tXTCvemDjk||324 | ||
「・・・レイバー・・・!」 |
sIs | 6/2 22:40:41 | 2182cf9tXTCvemDjk||863 | ||
間違いない。 大きな鳥に乗って、余裕綽々のその表情。 リノルダム西の塔で会ったときと同じ、頭のゴーグルに明るい色調の服装。 ただ、一箇所だけ違うところがあった。それは、顔。 リディも愕然とする。シノとアバルトはまるで状況が掴めない。 |
sIs | 6/2 22:40:57 | 2182cf9tXTCvemDjk||664 | ||
「・・・若返ってる?」 「俺の得意技さ。人の顔をコピーして自分に貼り付けられる技」 レイバーの若返った顔がニヤリと大きく笑った。 前の戦闘のように、少しあった余裕も感じさせなくする。 |
sIs | 6/2 22:41:10 | 2182cf9tXTCvemDjk||810 | ||
「この鏡は貰っていく。欲しければここから北にある島へ来るがいい。 ・・・っと、そこのお爺さんはもう用なしだな」 レイバーはそう言うと、ジョモネシャンに向かって雷を放った。 強い電流が462歳の老いた体に直撃する。 「ぅがっ・・・」 電撃をまともに食らい、町の通りに倒れるジョモネシャン。 通りに落ちる前に、シノが何とかジョモネシャンの体を抱える。 |
sIs | 6/2 22:41:22 | 2182cf9tXTCvemDjk||655 | ||
「それじゃぁな、お二人さん。・・・仲間が増えたみたいだが、俺達にとっては全く無意味だぞ」 レイバーはそう言うと鳥の翼を羽ばたかせて北の方角へ飛んでいった。 |
sIs | 6/2 22:41:40 | 2182cf9tXTCvemDjk||968 | ||
―――倒れたジョモネシャンを再起させるため、四人は一度人を寝かせられる場所へ移動した。 シノが「ヒーリスト」でジョモネシャンを治療する中、キドー、リディ、アバルトは会話をしていた。 |
sIs | 6/2 22:42:3 | 2182cf9tXTCvemDjk||37 | ||
「・・・今度は久々にレイバーの登場か」 「前のザベルって名前もあるし、ちょっと謎が解けてきたわね」 「あぁ。それに、グラスラッグにいたレイト・・・アイツも多分グルだ」 「その三人は敵確実、なのか」 「アバルトは知らないのよね?ライグライから一緒だから」 敵の戦力は十人にも満たないような雰囲気ではあるが、今まで会ってきた敵全員が強敵だった。本気でかかられたら勝ち目はほぼないと言っていい。 |
sIs | 6/2 22:42:7 | 2182cf9tXTCvemDjk||512 | ||
「鏡を奪われたからには絶対に行かないと」 「それがこの旅の本来の目的だしな」 「しかし島、となれば船が必要。どこかで自分達用の船を手に入れられないものか」 アバルトが考え込む。 確かに、島となれば船で行くより他ない。船を手に入れられる場所はどこかにないものか。 |
sIs | 6/2 22:42:21 | 2182cf9tXTCvemDjk||281 | ||
「・・・八年前に滅んだ、『キゼミ』の廃墟へ行けばあるかも分からんぞ。 あそこは港町だったからの。船の一隻や二隻ぐらいならあるじゃろう・・・」 突然のしわがれ声に全員がびっくり。 ジョモネシャンが起きていた。雷を受けて生きているとは、凄い頑丈な体だ。とても462歳とは思えない。 治療中のシノは、思わず魔札を取り落としそうになった。 |
sIs | 6/2 22:42:36 | 2182cf9tXTCvemDjk||744 | ||
「・・・キゼミ・・・か・・・」 キドーが呟く。 「距離的には近いが、かなり遠回りをする。 一度グラスラッグ港へ戻り、リノルダムの手前で東へ進めば行けるはずじゃ」 「・・・キゼミ、ね。分かったわ、早く行きましょう。こんな旅、いつまでも続けてられないわ」 そう言いながらリディが立つ。 アバルトも続けて立ち上がり、「早く行こう」と手振りでキドーに言う。 |
sIs | 6/2 22:42:56 | 2182cf9tXTCvemDjk||275 | ||
「・・・わしの体ならもう大丈夫じゃから、そこのお嬢さんも早く行きなさい。 伊達に460年も生きたわけではないからの・・・」 ジョモネシャンが弱弱しくシノに言う。 シノは不安げな顔をしたが、すぐに立ち上がった。 「そう言えばジョモネシャンさん、この町から強い血の臭いがした理由って何なの?」 去り際にリディが言う。 その問いに対し、静かにジョモネシャンは答えた。 「最近、町の民を殺戮する輩がいるのじゃよ」 |
sIs | 6/2 22:43:9 | 2182cf9tXTCvemDjk||64 | ||
・・・それは・・・。 恐らくレイバーの仲間の仕業に違いない、と思いながら、キドーは歩き始めた。 キゼミまでの長い道が彼らを待っている。 |
sIs | 6/2 22:43:34 | 2182cf9tXTCvemDjk||448 | ||
〜作者の独り言〜 す、スクロールバーちっさ!orz 2時間という急ピッチな作業で仕上げました。 第二十四章が下の方に流れていたので尚更急いで仕上げました。 非常に辛いですが、小説を書いている以上は仕方のないこと。 最後までしっかり書いて完結させたいと思います。 ジョモネシャンさん、本当の年齢は462歳で合ってます。 ただ彼、物忘れが激しいから10年ぐらい誤差があるかも分かりません(笑 こんなネタキャラを考案したみにまむさんに感謝。 書きやすいキャラでしたよ。 |
ピート | 6/3 16:23:49 | 2182cfMsAhBDZZF9I||4 | ||
あぁ、感想が遅れてしまった(どーでもええやん 久しぶりですなぁ。大冒険日記。 書き始めたということは暇になった、と言うことですよね。フフフ(ナニ リディって犬人間でしたのね。以外だ。 ジョモネシャンさんは462歳・・・こいつ本当に人間か?(ぁ 一度会ってみたいですわ。顔が気になr(銃声 しかしキドー一行には悪いことしたなぁ、僕のせいで敵が2人増えてしまった。 うーむ、それに敵全員が強敵なら今のキドー一行じゃ勝てないかも(オイ まぁいいや、作者さんに任せよう(ぁ ではでは 三三( |出口 |
sIs | 6/3 19:42:41 | 2182cf9tXTCvemDjk||457 | ||
いやー、前章で感想がなかったから忘れ去られてたのかなー、なーんて心配してたんですよorz 良かった良かった。 リディは(キドー談)犬人間です。鼻が敏感です。 ジョモネシャンさんは「神の落とし子」と謳われています。「タツノオトシゴ」みたいだけど(笑 顔は意外と普通の老人です。魔法かけてるからね(ぁ 僕のせいで・・・って、そんなこと全然ないですよ! 寧ろ敵役が2人も増えて嬉しいぐr(ry 敵は皆強敵です。キドー君は歯が立たないだろうな(ぉ 少しは暇になりましたよ、ヒヒヒ(危 |
ピート | 6/3 23:25:56 | 2182cfMsAhBDZZF9I||616 | ||
ぜ、前章・・・ぐはっ、気づかなかった。 そうか、あったのか・・・通りで爆破後が無いと思ったら・・・orz ぅわん、やっぱり定期的に確認しないと駄目ですな。 |
sIs | 6/3 23:35:7 | 2182cf9tXTCvemDjk||950 | ||
でもまだ忙しいし、更新はかなり不定期なんですよ。 2日に1度のペースぐらいで覗くと見落としはなくなると思います。 |
特殊文字 by.チビファンタジー 過去ログ | ||||
![]() |