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5825■□群青日和□■有芽6/26 9:21:42102cfUigEQuRCGRQ
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登場人物紹介
主人公
爾柘榴 櫻(ミザクロサクラ

ヒロイン友人(女)
御木本 誇媛(ミキモト コヒメ)
氷室 春菜(ヒムロ ハルナ)

ヒロイン友人(男)
広瀬波錘(ヒロセ ハヅム)
千雷 雷魔(せんらい らいま)

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有芽6/26 9:26:172102cfUigEQuRCGRQ||620

群青日和 予告太終
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「もう最後なんだね」

そんな友達の一言から始まった私達の密かな計画。
それは3組合同の3人4脚に出場して、中学最後の体育祭に忘れられない思い出を
作ろうというささやかな目標。

でもペアとして私の前に現れたのは約束を交わした親友たちではなく、
前々から気になっていた“2人”の男子だった。



有芽6/26 9:27:292102cfUigEQuRCGRQ||224


「“1”で内側の足からだよな」

   「いい加減同じことを繰り返さず、少しは学習すればどーだ?」

 「やった、広瀬! 私達走れてる!」

初めはどうなることかと思ったペアの結成。でもそれは、私達の間にある何かを
どんどん変えていった。

思うように伸びない距離。
腕や足に出来る擦り傷にも耐えて、

「進学。高等部か、外部の高校か」

そんな側、“受験生”に架せられた悩みと戦い、
励まされ、支えられて
体育祭までの2週間。私は、今までにないほどたくさんのことを感じた。
総てが楽しくて、ずっとこんな日々が続けばいいと思ってた。

有芽6/26 9:27:412102cfUigEQuRCGRQ||226
でもそれは私の希望でしかなく
私は大事なことを忘れていたのだ。


『1歩でも踏み出したかったら、アンタはどっちかを選ばなきゃなんないのよ?』

体育祭が始まる。
私達の“これから”を決める、運命の日が―――

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有芽6/26 9:29:352102cfUigEQuRCGRQ||569


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嗚呼、神様。

そんなの漫画だけだと思ってた。でも私はこの瞬間心の中で本気で叫んだ。
一体どういうことですか?
私にどうしろと言うのですか?
この場合泣けばいいの? 喜べばいいの?

お願いだから誰か教えて……


■群青日和■
act.01 1度だけでいい


有芽6/26 9:30:192102cfUigEQuRCGRQ||844

GWも終りを告げた新緑の中、新たなる日々を感じさせる爽やかな風が吹く5月某日。

「もう直体育祭だねぇ」
「あー、もうそんな時期だっけ?」
「そんな時期っていうか、2週間後じゃん。ボケちゃだめだよ誇媛ー」



有芽6/26 9:31:82102cfUigEQuRCGRQ||449

私達仲良し3人組はいつものように屋上の給水塔の上でお昼を食べていた。
もうとっくに食べ終わった誇媛は大の字かいて寝転がっている。その脇で、春菜が作ってきた
マフィンをむさぼる私を見ながら春菜が思い出したように言った。
夢の世界に足を突っ込みかけていたのだろうか、誇媛は思いっきりありえないボケをかましてくれた。
思わず突っ込むと誇媛は不貞腐れたように寝返りを打って私に背中を向ける。
なんだか淋しいんですけど。心の中で呟くとあまりに厳しい顔をしていたのか、春菜が隣で失笑している。
ふと、春菜が遠くを見るような目で空を見上げた。

有芽6/26 9:31:512102cfUigEQuRCGRQ||869


「もう最後なんだね」


有芽6/26 9:32:202102cfUigEQuRCGRQ||945

ポツリ。呟いた言葉に私も誇媛も春菜へ顔を向ける。

「3年だもんねー。春菜外部受験だっけ?」
「うん。調理師の専門コース」
「誇媛も市内の高校受けるんでしょ?」
「そーそー。商業ね」
「そっかぁ」


有芽6/26 9:32:382102cfUigEQuRCGRQ||619

幼稚園から一緒だった仲良し3人組の私たちは、この年を最後にばらばらになってしまう。
それは、2年の時の進路希望調査の用紙を見て初めて発覚したことだった。
2人とも、歩むべき道をしっかり決めて第3希望までみっちり書いてあったのに対し、
私はただ楽だからという理由で高等部進学に丸をつけたていた。

有芽6/26 9:32:542102cfUigEQuRCGRQ||812

なんだか私だけ置いていかれてるみたいで、思わずため息が零れる。
同時、思い知らされる“最後”という言葉。

有芽6/26 9:33:102102cfUigEQuRCGRQ||233

専門系の学校は忙しくて遊べる暇がないかもしれない、と少し前に2人から言われたことがある。
普通科しか考えてなかった私は、高校生って中学より遊べるし、なんて悠長に構えていたけど、
それはただの幻想でしかなかった。

有芽6/26 9:33:412102cfUigEQuRCGRQ||264

残された時間を満喫しなければ。だから、体育祭という行事は私達にとって――ううん、
私達と同じ状況に置かれている人たちにとってとても特別なものだ。
残念ながらクラスはバラバラだが、うちの学校はACE組が赤、BDF組が白という分け方をしており、
偶然にも誇媛はA組、私はC組、春菜はE組と赤組仲間だった。
同じ競技には出れなくとも、お互い応援しあおう。お昼は一緒に食べよう。そんな話を
昨日の帰り道していた。

有芽6/26 9:33:582102cfUigEQuRCGRQ||536

改めて“体育祭”という行事に燃えてきた私は、気合を入れるように小さくガッツを決める。
と、それまで夢現を彷徨っていた誇媛がガバッと起き上がった。突然のことに同じく夢世界に
片足踏み込んでいた春菜もはっと目を覚まし、見開いた目で誇媛を見た。

有芽6/26 9:34:182102cfUigEQuRCGRQ||254


「3人4脚に出よ!!」
「「は?」」


有芽6/26 9:34:372102cfUigEQuRCGRQ||786

思わぬ申し出に、私も春菜も目を点にする。
そんなことなど構わず、誇媛は悪戯を思いついた子供の様な活き活きとした表情で話を続けた。

有芽6/26 9:35:62102cfUigEQuRCGRQ||955

「3人4脚だよ! ほら、3組合同の障害物リレーがあるじゃない。
 あれの第4走者って確か3人4脚のグループでしょ?」

誇媛の言葉に、ようやく合点がいった私と春菜は「あ」と声を漏らした。



有芽6/26 9:35:252102cfUigEQuRCGRQ||651

障害物リレーとは、赤組白組のそれぞれ3クラスのメンバー混合で行われるリレーなのだ。
第1走者は後ろ向き走行、第2走者は縄跳び、第3走者は仮装2人3脚…と見てて愉快な競技で、
第4走者は各クラスから1名ずつ選ばれたメンバーによる3人4脚。
私たちが同時に参加できる競技は、恐らくこれ以外にはない。

有芽6/26 9:35:442102cfUigEQuRCGRQ||414

「いいね! やろうやろう!」
「で、でも私足遅いし……」
「大丈夫だって。どうせ櫻だって似たり寄ったりだし、私が真ん中入って2人引っ張るよ」
「ちょっと待って誇媛さん今さっきなんて言いました?」

有芽6/26 9:35:562102cfUigEQuRCGRQ||360

乗り気じゃなかった春菜も、誇媛の一言に安心したのか「それなら」と微笑った。
なんだか引っかかる部分は多々あったが、3人の想いが通じたことだし、ここはもう
つっこまないでおこう(ってか流されたし)

有芽6/26 9:36:82102cfUigEQuRCGRQ||714


「じゃぁ最後の体育祭盛り上げて行こ!」
「「おー!!」」

有芽6/26 9:36:182102cfUigEQuRCGRQ||176

拳を太陽に掲げて決意を新たにしたと同時に響いたチャイム。

有芽6/26 9:36:372102cfUigEQuRCGRQ||933

次のHRは体育祭の選手決めとなんともタイムリーな時間割で、私はしっかり3人4脚の枠を確保した。
何気に人気があったためにジャンケン大会となったが、ジャンケン強い私からしてみれば
これくらい楽勝。問題はあとの2人だけど……
心なしか嫌な予感を感じながら窓の外を見ていると、授業終了の時に担任が「障害物リレ
ーのメンバーは放課後他のクラスと打ち合わせあるからな」とだけ言い残し、教室を出ていった。


有芽6/26 9:36:522102cfUigEQuRCGRQ||853

6時間目の時メールを送って確認しようと思ったが、古文の教師の声のよさに抗うこともできずに爆睡。
結局確認できぬままに放課後を迎えてしまった。
そして障害物リレーの選手集合場所である第2会議室へ行ってみた、が。


有芽6/26 9:37:162102cfUigEQuRCGRQ||68


「誇媛さん春菜さん」
「はい?」
「これは一体どゆことでございますか?」
「どうって……ねぇ?」
「あは、あはははは……ゴメン」


有芽6/26 9:37:412102cfUigEQuRCGRQ||946


私のパートナーとなるべき2人の手には第4走者の証である鉢巻はなかった。
誇媛は第5走者(ラムネ一気飲み)の鉢巻。
春菜は第3走者(仮装2人3脚)の衣装。ってかメイド服!?


有芽6/26 9:37:562102cfUigEQuRCGRQ||480


「ごめん、ラムネの誘惑に負けた」
「ジャンケン負けちゃって、そしたらクラスの子に押し切られちゃって……」
「春菜は仕方ないとして誇媛!! 私らの友情ってラムネ以下!?」


有芽6/26 9:38:102102cfUigEQuRCGRQ||159


ありえないありえないありえないありえなーい!!
言いだしっぺのクセに裏切るか普通!? しかもラムネ!? ラムネくらい私が奢ってあげるから
今すぐ鉢巻とっ換えてきてよ!!
春菜はもう何も言わないけどさ。メイド服楽しみにしてるよ。でも誰の趣味なんだ一体……


有芽6/26 9:38:292102cfUigEQuRCGRQ||899


問題は私のパートナーになる2人。


有芽6/26 9:38:462102cfUigEQuRCGRQ||588


「ふん、C組は女子か。ちょっと厄介だなー」
「まぁ間に挟めばどうにかなるだろ」


有芽6/26 9:39:02102cfUigEQuRCGRQ||202


A組=千雷雷魔
E組=広瀬波錘


有芽6/26 9:39:192102cfUigEQuRCGRQ||288


陸上部の巨頭2人が揃いやがった。
何だ? こいつらも口裏合わせてた性質か? 
そう言えばうちのクラスって陸上部の部長の松村いたから
その3人で――……って、確か松村って第3走者じゃなかった!? え、松村もメイド服!?


有芽6/26 9:39:422102cfUigEQuRCGRQ||187


完全に真っ白になってしまった私を見下ろしながらなにやら作戦を立て始める2人。
誇媛と春菜はその隙を狙ってこっそり自分の班へ行きかけた。が、首根っこ捕まえて引きとめた。


有芽6/26 9:39:562102cfUigEQuRCGRQ||5

「春菜は仕方ない、仕方ないよ。でも誇媛あんた殺す!!」
「お、落ち着きなさいよ。アンタ2人のこと前から騒いでたんだし、チャンスじゃね?」


有芽6/26 9:40:92102cfUigEQuRCGRQ||879


確かに騒いでましたよ。広瀬も千雷も個人的にタイプというか、何と言うか、まぁ騒いでましたけど。けど……!


有芽6/26 9:40:362102cfUigEQuRCGRQ||300

「この2人に挟まれたら私囚われた宇宙人じゃない!!」
「あ、上手い! 座布団1枚!」
「顔に投げつけてやるから今すぐよこせ!!」
「両手に花って思えば――」
「あれの何処が花だよ!?」
「櫻…ちょ、落ち着いて……誇媛が……!」



有芽6/26 9:40:562102cfUigEQuRCGRQ||432


襟首掴んでガクガク揺すりすぎたせいか誇媛の顔が青くなってきたところで春菜ストップがかかった。
同時、私を窘めるように広瀬が態と大きく咳払いをし、体がビクリと震えた。
恐る恐る振り返れば、どこか冷ややかな面持ちで私を見下ろしてくる広瀬と無表情の千雷。


有芽6/26 9:41:222102cfUigEQuRCGRQ||43


「まぁ、これも何かの縁だ。よろしくな!」
「これから2週間は特訓するからよ。体調管理には気をつけろ」


有芽6/26 9:41:342102cfUigEQuRCGRQ||864


差し出された大きな手と、私にだけ向けられた薄く綺麗な笑みに体がビシッと石になった。

有芽6/26 9:42:392102cfUigEQuRCGRQ||550


1度だけでいい。最後の体育祭、忘れられない想い出を作りたい。
そんな想いは予想外の方向へ進路を変えてしまった。


NEXT

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有芽6/26 9:45:122102cfUigEQuRCGRQ||695
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とりあえず1話め終了ですっ(・∀・笑)
どうでしょうか・・・?
ちょっとヤバイですか?

とりあえず何でもいいので感想などなど
下さいませっっ(。・(エ)・。)ノ
お願いします。

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梨恵6/26 9:48:352192cfqTB5/GWFrp.||157
はじめまして(^-^*朝からさわやかなお話を見させていただき、
とてもうれしいです(´∇`*続きがとてもたのしみです☆

キーア6/26 10:5:262191cfal3PWP8VtfE||320
予想外の進路?次回が気になる〜
アドバイス:言葉の前に名前つけたほうがいいよ^^
例:春菜「〜〜〜〜〜〜」
見たいに^^
次回も頑張ってくださいね

リーナ6/26 11:16:402184cfVlY0XQ1K9RU||481
おぉ〜誇媛チャマ(オイ)採用ですね♪
私も、言葉の前に名前をつけたほうが良いと思います。
誰が何を喋ってるのかわからなくなってきちゃいますからね^−^;
誇媛はボケタイプですねw
しかもラムネにつられて…w相当な食いしん坊だw
これじゃぁ櫻も怒るゎw
面白いです!(サキニイエ
次も楽しみに待ってます^^

李亞6/26 12:45:382182cfPPkTUCF2dqo||796
(´Д`)本来小説は台詞の前に名前なんてつけない物なのに…。
名前つけたら台本だわ。

つーか、密かに有芽殿のファンでした(*・ω・b
「囚われた宇宙人」の表現がお気に入りです。
この小説も楽しみにしてますw

有芽6/26 12:57:172102cfUigEQuRCGRQ||556
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梨恵様
感想有難うございますヾ(´∀`*)ノ
さ・・・さわやか!!
そう思っていただいて嬉しいですw
これからも頑張りたいと思うのでどうぞよろしくおねがいします。

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有芽6/26 13:0:12102cfUigEQuRCGRQ||650
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キーア様
ご意見ありがとうございますっ(´∀`嬉)
なるほどっっ!確かにその方が見やすいですねっ!
その事(セリフの前に名前をつけるかどうか)については後で
アンケートをとらせていただきます!
とにかくご意見・感想どうもですっっ

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有芽6/26 13:0:342102cfUigEQuRCGRQ||362

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リーナ様
感想ありがとうございますっ☆^(*≧ω≦)ノ
誇媛チャマ出ましたよw
こんな役柄ですみませんっ;;
誇媛サンはけっこうこれから先もでると思います
(というか出します)ので応援ヨロシクですっ!

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有芽6/26 13:7:172102cfUigEQuRCGRQ||228

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李亞
感想有難うございますっっ☆(´ゝ∀・`)ノシ

そうですねぇ・・・私もセリフの前に名前をつけたら
小説としてはちょっと・・・と思いあえてつけなかったんですが・・・

!!!ふ・・・ふぁん・・・ファン!!(・∀・謎)
感激ですよッッ(*ノωノ)
そのお言葉を支えとしてこの小説がんばっていきたいですっw

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有芽6/26 13:9:42102cfUigEQuRCGRQ||130
・・・!申し訳ございません!の表記に脱字がありました。
李亞様の「様」がぬけてまして・・・

李亞様本当に申し訳ございませんっっ((。´・ω・)。´_ _))

祥大6/26 20:25:42192cfw1EnVqXK0ko||89
あ〜、両手に花っていい響きですね〜(ぁ
どうも、祥大です。
楽しいです^^ 特に誇媛がナイスです。
コスプレがメイドて……あったらいいですねぇ〜(ぇ
これからどうなるんですかね?

自分は名前を前に付けなくていいと思います。っていうかそれ、逆に読みにくいような……。

ではでは、続きを楽しみに待っています^^

有芽7/1 21:32:532102cf8o9hBkYgFjg||600
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 祥大様


感想どうもですヾ(*´∪`*)o
&返事遅れてすみませんっっ・・・
キャァッ!w誇媛ナイスですか!!w
私も個人的には誇媛タイプ、好きですねww

そうですか名前を付けなくていいですか・・・
了解ですっヽ(*´ω`*))((*´ω`*)ノ
これからどうなるかはお楽しみでっw(何

では、次も頑張らせていただくので
応援してやってくださいっっ

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