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5940animal×wonderland〜宝物編〜翠雨7/6 15:52:592192cfWS2pUhoUbCE
【プロローグ】

「ラビ・・・ッ、ラビィ・・・・」
動きはしない、白く、翡翠色目をした兎を前にして、泣いている少女がいる。
「日和。もう諦めなさい、ラビは死んだのよ。」
まだ幼かった少女には、「死ぬ」ことの意味はわからなかった。

―――――そして、十三年の時が過ぎ、少女は十五歳の誕生日を迎えた。

翠雨7/6 19:4:142192cfWS2pUhoUbCE||604
第一章

十五歳の誕生日をこの間迎えたばかりの少女は、気が強く、美しい女の人であり、好奇心の強い女の子でもあった。
両親たちは、少女がとうに、兎の『ラビ』の事を忘れていると思っていた。
だが、『ラビ』は少女の心の中にいつまでも、消えることなく残っていた。

翠雨7/6 19:8:162192cfWS2pUhoUbCE||177
「いい?日和。緑地森林には、絶対はいってはだめよ。」
少女は幼少時代から両親に、ずっとこの言葉を聞かされていた。
緑地森林と言うのは、少女の家の近所にある、大きな森林だ。
『日和』と言うのは少女の名前らしい。

ある日、日和はふと、ラビの墓のことを思い出した。
ラビが死んで行くところ(はっきりはしていないが)も見たのに、墓へ行った記憶はない。
ラビの墓は両親が勝手に緑地森林に作ってしまったのだ。
その時、日和は実家に居て、墓作りを手伝うことはできなかった。


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