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5987河原にてダンディずん7/11 8:42:446122cfoMAVqdadA4U

ダンディずん7/11 8:43:416122cfoMAVqdadA4U||436

 ここに座って水面を見つめている私は、きっと透明なのだろう。

 なんて、そんな感傷もただのおとぎ話にすぎない。ひどく個人的な、寓話。

 知風草が涼やかな音色を奏でても、私の心は緑色に染まりやしない。どんなに天が高かろうと、入道雲が美しかろうと、あの青色はどこまでも青色なのだ。


ダンディずん7/11 8:43:566122cfoMAVqdadA4U||973
 
 べったりと似非煉瓦色に舗装された河原の広場で、少年たちがボール遊びをして煌いている。

 さっきまでのファンタジアが、途端に木版画調のノスタルジアに取って代わる。

 あの中の誰か、そう、あのアジア離れした顔立ちの刈り上げの子がいい、あの子に仲間に入れてって言えば、私もハックルベリィ・フィンに戻れるのだろうか。
 

ダンディずん7/11 8:44:466122cfoMAVqdadA4U||965

 莫迦らしか。

 今や都会のロビンソン。マイ・ガール・フライデーも怠惰のうちに見失い、部屋の床に残されたのは空っぽの相棒ジャック・ダニエル。

 あいつがターキー・サンドウィッチを頬張る時の横顔は野性そのものなのだけれど、結局は冷蔵庫の片隅でチーズみたいにいじけてるだけの男なのだ。
 

ダンディずん7/11 8:45:206122cfoMAVqdadA4U||129

 土手の散歩道をレースの日傘を差した老婦人が上品に歩いている。

 その手をハンチングの老紳士が引いている。

 初夏の陽射しの下、ふたりは和やかな笑顔で語りあう。

 そのふたひらの紋白蝶の美しさ。
 優雅さ。

 だから私は、その姿が陽炎の向こうに消えるまで、ここでふたりを見送ったのだ。
 

ダンディずん7/11 8:46:136122cfoMAVqdadA4U||17
 
 目の前を自転車で通り過ぎていく人たちが幸せだと信じてあげられる自分は、なんと優しい人間ですこと。

 けれど、それも座っている間だけ。
 
 腰を上げて歩き出せば、きっとあの低空気抵抗ヘッドギアがただただ憎らしいばかり。
 
 後ろに乗せてもらえば、首のひとつも締め上げてやることだろう。
 
 そんな私の輪廻の果ては、アマゾンを泳ぐ河イルカに違いない。
 

ダンディずん7/11 8:47:176122cfoMAVqdadA4U||554
 
 プラスティックの塊で魚を騙す釣り人たちは、この生態圏の頂点に立つ。

 食物連鎖を断ち切り、生命の無意味さを悟り、その運動エネルギーを物質に返還することを拒否する観念論的哲学者。

 だけど、いったい彼らのうちの幾人が、その背中に針が刺さっていることに気がついているのだろうか。

ダンディずん7/11 8:47:516122cfoMAVqdadA4U||594
 
 舞い上がる時節を失ったたんぽぽの花を手折ると、綿毛が飛ばずにばらばらと散ってしまった。
 

ダンディずん7/11 8:54:276122cfoMAVqdadA4U||281
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「猫頭山」、第二幕に入って難航中であります
漫然と話を考えているうちに、また枚数が増えそうな事態に陥ってしまい、
まとめあげるのが大変大変。
というわけで二週連続でお休みなわけですが、代わりに掌編を一本上梓。
三十分で描き上げた粗雑なものですが、夏はきっと眩暈のような風景の季節
もしそのあたりがにじみ出ていれば成功といえましょう
さてと、猫の方も今週中には上げたいものです。
 
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num7/11 17:29:292101cfjIPwxltv7xg||997
夏休みって、やること悲しいぐらいに無かったです。
ただ呆ける。それだけ。暑いから。
頭ん中、麻痺ってたと思いますよ、酒も入らんのにね。
外でも出とりゃ違ったかもしんないですけどね。林檎林ばっかですけど。
うだる夏、思考ばかりが先走る!

ジャック・ダニエルてラベルに「bV」ってでかっくありますけど、何ですかね?


博多ダンディ(兄7/11 18:32:336122cfoMAVqdadA4U||816
なんでしょうね、あの無感覚は 冷房のせいですかね
それともつい夜寝るのがもったいない気がするせいですかねぇ
クワガタ採りに奔走していた夏はどこに行ったのやら
いまやパソの前で絵描きやら文書きやらDTMやらのサイバー生活
コンクリ詰めになった死体の気分です

7はなんだろう 少女漫画じゃないですか

marinoe7/11 18:43:342199cfHHDuA2XP6M2||647
ずん様、こんばんは☆
陽炎たつ夏の暑さに溶けだしていく気持ち過ぎ去っていく景色が
あまりにも鮮やかで傍観者の自分はいつの間にか透明な黒子
でもその風景を描いたのは黒子である自分だとしたら、やはり、
そこに存在していないはずがない。
こんなレトリックの空中浮遊はタンポポの綿毛を飛ばすようで、
重力に逆らって風に乗る位簡単な事のような気もします。
蝶のようにひらひらと舞い踊りながら暮れなずむ季節に惑乱されていきたいです。
一足早く夏の暑さに立ちくらみを覚えた感じでしょうか。
ところで、この老夫婦のイメージいただきました。

博多ダンディ(兄7/12 3:2:466122cfoMAVqdadA4U||521
marinoeさん、こんばんは
たとえ透明になったとしても、もうひとりの自分の見つめる瞳からは
逃れられないのかも
透明人間のイタズラは意外とカワイイものかもしれませんね
ところで、私の愛する国・アイルランドでは音楽が盛んでありますが、
自分が作曲した歌がいつの間にかTrad.としてラジオで流れたりすると
本人には無上の喜びだそうです
著作権よりも共有する楽しみを味わえるのは素晴らしいことだと思います
私の目の前をよぎった良き老夫妻が、あなたの世界でも優しく息づいてくれることを願います


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