6361 | 水─《湖》─海 | 咲季 | 8/11 21:19:20 | 2192cf7I9sLzWcyC6 |
古い古い、樹しかない森 その森の中にある、これまた古い、森よりも古い湖 月見湖 人はその湖を、そう呼ぶ。 湖の中心に、空で淡く輝く満月が、まるでそこにあるかのように映っていた。 ──月を捕まえれたら、願いが叶うって知ってる?── 誰かが言った。 少女はソレを間に受けた。 そんな 安い冗談を 少女は本気で信じ込む。 ──月を捕まえに行こう── 単純がゆえに 強い思い 少女は何を 願うのか |
咲季 | 8/11 21:19:55 | 2192cf7I9sLzWcyC6||505 | ||
□■□■□■□■□■□■□■□■ 月見湖≠フすぐ側 黒い、さらりとした長い髪。 それが、暗闇にとけもせず、逆に 少女を目立たせた。 髪より澄んだ黒い瞳が、月の光りで淡く光る。 その瞳は 湖に浮かぶ月──ただそれだけを、一心に見ていた。 ポチャン・・・ |
咲季 | 8/11 21:20:39 | 2192cf7I9sLzWcyC6||682 | ||
ゆっくりと足から、湖へと少女は入る。 薄い布地のワンピースが、体にペタリとまとわりつき、水を吸って重くなる。 しかし少女は気にしない。 月がそのまま映るほど、清らかな湖は冷たく、少女の体は赤くなっていく。 それでも少女は ただ一心に月を見つめる。 空ではなく 湖にある 地に落ちた月を 泳ぎはせず、歩いて少女は月の元へ向かう。 まるで愛しいものの元へ行くかのように 少女の胸は高鳴っていた。 少女にはその時間が 実際の何倍も長く感じた。 |
咲季 | 8/11 21:21:30 | 2192cf7I9sLzWcyC6||678 | ||
少女は月の元へ着く。 しかし 偽物の月は少女を受け止めきられずに 波紋にのってちりばって行った。 ──月は捕まえられない 捕まえるものではない だからこそ人は 月に願うのだ 月を捕まえさえすれば どんな願いも叶うと 捕まえさえ出来れば叶うと 月に、願うのだ── 少女はちりばった月のカケラを集めるかのように 湖の中を泳ぎまわる。 少し、空の月が動いた頃 少女は空を見上げた。 |
咲季 | 8/11 21:24:36 | 2192cf7I9sLzWcyC6||800 | ||
湖ではなく 大空で輝く満月は まるで本当の自分≠照らし出すような光りを持ち 少しの恐ろしさを感じさせ まるで自分が一人ではないと教えてくれるように周りを照らし 暖かい光りを暗闇にくれる。 闇≠闇≠ナ終わらせない光り だからこそ人は 月に神秘の力を感じ 願いを託す |
咲季 | 8/11 21:25:8 | 2192cf7I9sLzWcyC6||719 | ||
月を捕まえることが 自分の願いだと少女は思っている。 月を捕まえることが 少女の願いだったのだろうか。 |
咲季 | 8/11 21:25:25 | 2192cf7I9sLzWcyC6||128 | ||
少女は月の大きさを知り 自分の小ささを知り その壮大な月のすごさに憧れ、 いくら頑張っても手が届かぬと悲しんだ。 少女はその時 感情≠手に入れる。 自分が無意識に欲しがっていた 感情≠手に入れた。 満月は少女の本当の願い≠照らし出し 本当の願い≠叶えた。 しかし少女は気づかなかった。 |
咲季 | 8/11 21:27:38 | 2192cf7I9sLzWcyC6||956 | ||
□■□■□■□■□■□■□■□■ ──月を捕まえられたら、願いが叶うんだって。知ってた?── あるところで、誰かが言った。 |
咲季 | 8/11 21:27:50 | 2192cf7I9sLzWcyC6||6 | ||
──なんだ?「ツキ」と「月」をあわせたシャレか? たしかに「ツキ」が捕まえられたら・・・「ツキ」がついたら、 願いが叶うチャンスは出来るだろうな。叶うかどうかは知らないが── 淡々とした口調で、誰かが答える。 ──そーじゃなくて!── 答えたものは、どこか 呆れたような顔をして、 ──実際 月を捕まえられるほどの力があれば どんな願いも叶うだろうよ── と、どこか皮肉の混じった声で言った。 |
咲季 | 8/11 21:28:21 | 2192cf7I9sLzWcyC6||535 | ||
願いが叶ったことに気づかなければ それは叶っていないと同じこと。 『月が願いを叶える事』は、 こうして ただの『お話し』となる。 |
咲季 | 8/11 21:28:49 | 2192cf7I9sLzWcyC6||519 | ||
最初の人達と最後の人達は無関係。 少女は人に化けた妖怪だとかなんだとかではなく普通の女の子 感情≠ェなかっただけ。 当たり前のようにあるはずのものが 欠けていた少女は 無意識に欲する。 欲≠ニいう感情のなかった少女の 無意識≠ノよる願い。 ただ 自分が欲しいと願っていることを知らなかった少女は 感情≠得た時に喜びはしたが それが月のおかげだとは一生気づきませんでした。 ・・・ってか感情無いことからしてすでに「普通」じゃない? |
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