6421 | ★リリの不思議な旅★第1章 | アリアンナ | 8/17 11:9:27 | 2111cfBrAuzHdXK/. |
アリアンナ、紗羅、炎髪灼眼の討ち手、スキピオで話を書きます 感想を最後にお願いしますね |
アリアンナ | 8/17 11:14:3 | 2111cfBrAuzHdXK/.||229 | ||
「許せないっ」 カリュオス・リーリルは怒り心頭に森の中を突っ走っていた。木の枝が顔にピシピシとあたるが、気付いていないのか気にならないのか、腕でかばおうともしなかった。おかげで細かなすり傷が顔につく。 |
アリアンナ | 8/17 11:21:35 | 2111cfBrAuzHdXK/.||988 | ||
昨日のことだった。 リーリルの日課は朝から掃除、洗濯。その後、今にも壊れそうな山小屋―それがリーリルの住んでいる家だった―を出て、2,3時間はかかる山の下にある小さな村の小さな学校に通っている。学校が終わるとすぐに家に戻り、家の修繕をしたり、ご飯の用意をしたり・・・。 家事はリーリルの仕事だった。リーリルの母親は全く家事をせずに働いていた。父親はリ―リルが小さい時になくなったお陰で母親が働かないといけなくなったのだ。もっとも、リーリルの母親は全く家事向きの性格ではなかったが。 |
アリアンナ | 8/17 11:28:43 | 2111cfBrAuzHdXK/.||269 | ||
リーリルは昨日、母親の部屋の掃除をしていたのだった。リーリルは母の部屋の掃除は大嫌いだった。母親は埃がつもると文句をいうくせに、物を動かすと異常なくらいに怒った。リーリルは毎回かなりの時間をかけねばならなかった。物を動かさずに掃除なんて適当にできるわけもない。 リーリルの母親は魔術師だ。請われると色々な所に出向き、魔法で橋を直したり、病気を治したり、悪者退治までした。母はなんでもオールマイティにこなした。力のある人で今のところリーリルは母親より強い人を見たことがなかった。 |
アリアンナ | 8/17 11:34:1 | 2111cfBrAuzHdXK/.||49 | ||
リーリルはその母親の部屋の掃除中にうっかり、本当にうっかりしていて棚にある箱を落としてしまった。木でできた箱で鍵までついている。だがそれも、今では壊れてしまっている。落ちた箇所が悪かったのだろう。鍵は壊れてふたが半開きになっていた。 |
アリアンナ | 8/17 11:39:25 | 2111cfBrAuzHdXK/.||909 | ||
リーリルは途方にくれて箱を拾い上げた。その時にちらりと中身が見えたのだが、驚いて再び取り落としそうになった。 中身は箱だった。きれいな装飾が施されていて、ふたの裏には鏡が張られている。本来ならば宝石などを入れるものだろうが、リーリルが見たときにはそのような物は何も入っていなかった。 |
アリアンナ | 8/17 11:45:37 | 2111cfBrAuzHdXK/.||963 | ||
変わりに入っていたのは銀製の手の込んだ鍵だけ。そして、鏡に文字が彫られていた。 [川の導く世界へ行きなさい] その時、錆付いた音が流れ出してきた。どうも箱にはふたをあけるとオルゴールがなる仕組みらしい。だいぶ長い間さわられなかったようだ。 リーリルは信じられないといったように頭を振った。なにしろ、このオルゴールはもともとリーリルの物だったのだ。 「なくしたと思ってた。」 リーリルは慈しむようにふたのてっぺんをなでた。 |
アリアンナ | 8/17 11:57:31 | 2111cfBrAuzHdXK/.||86 | ||
このオルゴールはリーリルの宝物だった。小さい時にはこのオルゴールの前に座って何時間も音楽を聞いていたものだった。だが、ある時からどこかに消えてしまった。リーリルは泣きながら探したのだが見つからなかった。しかし―――こんな所にあったとは リーリルは思い出とともに怒りが込み上げてくるのを感じた。 |
アリアンナ | 8/17 12:2:40 | 2111cfBrAuzHdXK/.||568 | ||
「このままでは終わらさない」 リーリルはふたをパチンと閉めた。とたんに音が途切れる。 リーリルは頭の中ですばやく計画をたてると、オルゴールの入っていた木箱をできるだけもとのように戻した。オルゴールを自分のベッドの中に隠すと、残りの仕事を手早くかたづけた。晩御飯の用意をしながら、日持ちのしそうな食料を麻袋に詰めていく。自分の物も一緒だ。 |
アリアンナ | 8/17 12:8:0 | 2111cfBrAuzHdXK/.||966 | ||
リーリルは母親が寝静まる前に行動を起こすつもりはなかった。どう考えても母親に勝てるとは思わない。正面から戦わなくてはならなくなるのは避けたかった。 しばらくすると、母親が帰って来た。 「おかえり」 母親は倒れこむように椅子に座るとかぶっていたフードやマントを脱ぎ捨てた。相当疲れているようだ。 |
アリアンナ | 8/17 12:13:29 | 2111cfBrAuzHdXK/.||312 | ||
幸先がいい。 リーリルは心の中でつぶやいた。2人ぶんの食器を出すと、料理を入れて出した。母親は何も言わずにうけとる。母親は社交的な人間ではない。むしろ、無愛想だ。しかし、人の宝物を鍵をかけてまで奪おうとするとは考えられなかった。 リーリルは普通に振舞おうと頑張った。しかし、なかなか難しいもので普通とはどんな具合か思い出すだけでも難しかった。 |
アリアンナ | 8/17 12:17:18 | 2111cfBrAuzHdXK/.||685 | ||
しかし―嬉しいことに―母親は何もきづかなかったようだ。料理を食べると、疲れているときはいつものように部屋にこもってしまった。 リーリルは食器を片付けると、自分の部屋に入り、母親の部屋がある方の壁に耳を押し付けた。 ガサガサという音がする。まだ寝ていないようだ。 |
アリアンナ | 8/17 12:21:38 | 2111cfBrAuzHdXK/.||199 | ||
リーリルはそれから、夜中その格好のままですごした。母親はなかなか寝る気配がなかったのだ。反対に、リーリルの方が眠気と戦わなくてはならなかった。 しかし、そろそろ夜があけそうなころ、ついに隣の部屋からの音はしなくなった。リーリルは用意していた麻袋を掴むと窓から外へと飛び出し、一目散に山を下っていった。 |
アリアンナ | 8/17 12:30:28 | 2111cfBrAuzHdXK/.||542 | ||
山を下っている間に夜が明けた。母親が追ってきている気配はない。まだ気付いていないのだろう。リーリルはまず、近くの川に行くことにした。鏡に彫られている「川の導く世界」とやらに行こうと思ったのだ。リーリルの家から近い川につくと、下流に向けて川岸を走って下った。 「おーい、リリ」 そろそろ森を抜けて村に出るかな、といったところで、声が聞こえた。あたりを見回すと茶色い髪の小柄な少年がリーリルの方に駆けてくるのが見えた。 |
アリアンナ | 8/17 12:38:48 | 2111cfBrAuzHdXK/.||977 | ||
「リリ、どうしたんだよ」 リーリルは露骨に嫌そうな顔をした。 「ルゥ、あんたには関係ないでしょ。」 その少年―ルークはそんなリリの言葉にめげず、ふざけて言い返した。ルークは学校での数少ないリリの友達だった。母親は力のある魔術師であるがゆえに、村人達から恐れられてきた。リーリルもその娘だということで、皆あまり話しかけて来ない。しかし、リリを知る一部の友達は怖いどころか、おしゃべりで楽しい人だということが分かっている。 |
アリアンナ | 8/17 12:48:22 | 2111cfBrAuzHdXK/.||366 | ||
「ご機嫌斜めだねぇ。だけど、本当にどうしたんだよ。ものすごい顔で突っ走ってんだもん。」 リーリルはイライラと土を蹴った。 「急いでるの。もう行くよ。」 「急いでるってどういうことだよ。」 ルゥはリリの腕をつかんだ。真剣な顔に変わる。 「今から学校だろ? どっかに行くのか?」 リリはルークの口調から心配していることが伝わってきて、思わず力を抜いた。 |
アリアンナ | 8/17 12:53:45 | 2111cfBrAuzHdXK/.||605 | ||
「誰にも言わないでよ」 リーリルは川岸を下りながら小声で言った。ルークは急いで追いかけながら大げさに胸に手を当てた。 「誰にも言わないって誓います! で、なんなんだよ。できるんだったら手を貸すぞ。」 リリは近くの茂みから葉をちぎって川に投げ入れた。 「母さんから逃げるの。」 |
アリアンナ | 8/17 12:58:29 | 2111cfBrAuzHdXK/.||665 | ||
「っえええええええええええーーーっっ!!!!」 ルークは物も言えないくらいに驚いてのけぞった。 「うそだろーーーーっ!!」 リリはそんなルークを冷ややかに見て先を急いだ。 「ちょ、ちょっと待てよ。なんでだよ。」 ルークはリリのあとを追い、再び腕を掴んだ。 |
アリアンナ | 8/17 13:2:26 | 2111cfBrAuzHdXK/.||968 | ||
「あんたに関係ないでしょ。」 リーリルは邪険に腕を振り払う。 「訳ありだな。訳ありだろ? 教えてくれよ、な。気になるじゃんか。」 ルゥは必死にリリに取りすがった。 「教えてくれたら、助けてやるから。家にかくまってやってもいいぞ。」 リリは立ち止まって、ルゥの方を振り返った。 「何処か遠いとこに行くつもりだから助けなんかいらないよ。」 |
アリアンナ | 8/17 13:8:50 | 2111cfBrAuzHdXK/.||948 | ||
「遠いとこってどこだよ。それくらい教えてくれてもいいじゃんか。」 リリはため息をついて歌うように答えた。 「『川の導く世界』よ。」 ルークはしばらく考えていたが、急にパチンと指を鳴らした。 「じゃあ、船がいるだろ? 俺んちボート持ってるからそれを使えよ。な、いいだろ?」 リーリルは立ち止まって少し考えた。確かに、船はあった方がずいぶんと早く進めるし楽だ。 ルゥははらはらしてリリを見守っている。 「いいわよ。変わりに理由を教えればいいのね。」 |
アリアンナ | 8/17 13:17:20 | 2111cfBrAuzHdXK/.||350 | ||
どうせ、今日かぎりでルゥともお別れなんだし、と思ってのことだった。リーリルは麻袋からオルゴールを取り出して見せた。 「これよ。」 ルゥはふたをパチンとあけると、鍵を眺めて鏡の字を読んだ。 「何だこれ? 『川の導く世界へ行きなさい・・・」 しかし、それだけではなかった。 「・・・峡谷を過ぎると目をつぶれ』」 |
アリアンナ | 8/17 13:24:14 | 2111cfBrAuzHdXK/.||344 | ||
「何ですって???」 「そう書いてあるよ。君が言ってた『川の導く世界』ってこのことなんだね」 リリはルゥの手からオルゴールをひったくった。 「文字が増えてる・・・」 確かに、鏡には『川の導く世界に行きなさい』そして、その下には『峡谷を過ぎると目をつぶれ』と書かれている。 「文字が増えてる??」 ルゥの目は興味津々といったように輝いている。 「気になるな。」 |
アリアンナ | 8/17 13:30:19 | 2111cfBrAuzHdXK/.||593 | ||
ルゥは少し考えていたが、ニッコリして指をパチンと鳴らした。 「よっしゃ、俺も行く!」 「ダメよ!!」 リリは信じられないといったようにルゥを見た。 「だってさ、こんなに面白いこと見逃せないよ。」 ルゥはかなりわくわくしているようだ。 「あんたねぇ・・・」 リリはため息をついて言った。 「遊びじゃないのよ。それに、あたしは帰って来るつもりはないの。」 |
アリアンナ | 8/17 13:36:53 | 2111cfBrAuzHdXK/.||383 | ||
「別にいいよ。俺も少し旅でもしたいと思ってたとこなんだ。」 こいつ絶対遊びだと思ってる。リリは再びため息をついた。 「足手まといよ。」 リリはぴしゃりと言ってルゥをおいていこうとした。 「ダーメ、こっちだよ。俺んちは。嫌って言っても俺はついていくからな。」 リリは今までで1番深いため息をついた。 「なら、勝手にして。いっとくけど、助けないわよ。」 「いいって、いいって」 ルゥはリリの腕を引っ張って走り出した。 |
アリアンナ | 8/17 13:45:37 | 2111cfBrAuzHdXK/.||598 | ||
「ここが俺んち。」 ルゥは声をひそめた。 「ボートはこれ。静かにしとけよ。すぐに俺も行く。」 ボートは手漕ぎで小さいお粗末な物だ。でも、ないよりましか。リリはため息をついた。なんだかルゥと会ってからため息をついてばっかりだ。ルゥは家に入ってリュックをとって出てきた。 「さぁ、乗船!! 行こうぜ!!」 |
アリアンナ | 8/17 13:53:18 | 2111cfBrAuzHdXK/.||422 | ||
船は順調にすべり出した。 村は下流にあるとはいえ、村自体が高地にあるため川の流れは結構速い。みるみるうちに村はとおざかり、周りの景色もどんどん変わっていく。 「後悔してない?」 リリは村を見送っているルゥに声をかけた。 「ちょっとはね・・・」 ルゥはきっぱりと前に座りなおした。 「でも、こっちの方が絶対いいと思うよ。」 |
アリアンナ | 8/17 13:57:34 | 2111cfBrAuzHdXK/.||139 | ||
そのうち、川は両側に山が聳え立つ峡谷に入っていった。 「峡谷に入ると目をつぶるんだよなぁ。」 ルゥとリリは鏡を見て確認した。それから、目をつぶった。 「突き出た岩とかにぶつからないかしら。」 リリは心配そうに言う。 「何とかなるって」 ルゥはお気楽そうに言った。 |
アリアンナ | 8/17 14:1:2 | 2111cfBrAuzHdXK/.||134 | ||
心なしか川の水の音が大きくなったようだ。 「ねぇ、これって・・・」 リリは眉をひそめた。何かを思い出しそうだが何かわからないという気持ちで、はがゆい。 「なにさ?」 ルゥも言いながら何かがひっかかっているようだ。 水音がどんどん大きくなっているような気がする。 「なんか嫌な予感がするんだけど・・」 |
アリアンナ | 8/17 14:7:20 | 2111cfBrAuzHdXK/.||412 | ||
「俺もだ。」 二人はしばらく考えていたが一つの答えに突き当たって思わず叫んだ。 「滝だあああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」 ぱっと目をあけると滝は目の前に来ていた。雲一つない空虚な空が視界いっぱいに広がる。 が、それも一瞬のことだった。 「うわああああああああああああ」 二人はまっさかさま落ちていった。 リリは川の導く世界って黄泉の世界のことだったの。と思いながら気を失った。 *続く* |
アリアンナ | 8/17 14:8:39 | 2111cfBrAuzHdXK/.||238 | ||
感想をお願いします。 まだまだ続くのでよろしくお願いします。 |
炎髪灼眼の討ち手 | 8/17 19:45:38 | 5917cfYkzZ6Wxx87s||966 | ||
すみません音沙汰なくて。 すごく楽しいです。 題名もいいですね。 では。 |
アリアンナ | 8/18 14:53:17 | 2111cfzb.TnvpFBNM||81 | ||
紗羅さん、シャナさん、総合見て下さい だいぶん下のほうに流れちゃってますけど |
アリアンナ | 8/20 23:20:49 | 2111cfPLRgiETOLro||465 | ||
続き:第2章→http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-6458.html |
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