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6710「黄泉」前編ラフィーナ9/14 15:36:242192cfFtnUAjXxyYU
「黄泉の扉」

開けたら、帰ってこれないあの世へのイリグチ

気をつけて、 ソレはすぐ、そこにあったりするからさ

そう、今も 君をまっているよ。

  よ み の と び ら

  ヨ ミ ノ ト ビ ラ

気をつけて。 君がトビラを開かないと まわりが皆 なくなっちゃう

ラフィーナ9/14 15:36:592192cfFtnUAjXxyYU||304
今日、午後12時過ぎ。
俺のパソコンに入ってたメール。
また、チェーンメールか何かだろうと俺は思ってそれをすぐに消去しようとした。
だが、そのメールを見てちょっとビビった点がある。

ラフィーナ9/14 15:37:72192cfFtnUAjXxyYU||209
送信者名 「」
宛先「鳳南紅亮(ホウナンコウスケ)」

俺の名前を 知っている?

勧誘系のメールは大体名前を知らずに、宛先は名前になってはいない。
かと言ってコレが友達とかからのチェーンメールなら送信者の名前がちゃんと書いてあるはずだ。

そもそも、送信者名無しでメールって送ってこれる物なのか?

いいや。もう寝よう。
こう言った迷惑メールには慣れてるし、いちいちビビってられない、とは口で言うものの、結局は怖い。

ラフィーナ9/14 15:37:372192cfFtnUAjXxyYU||787
次の日。俺は学校に行って友達・・女子も含めて昨日のメールのことを聞いてみた。
登校日だというのに35人の生徒の内着ていたのはたった3人。
担任によると、俺ら以外は「満点塾」と呼ばれるこの辺で唯一の受験対策塾の合宿に行っていていないのだそうだ。

「なぁ聖(ヒジリ)?昨日俺ンとこにメール送ってこなかった?」
俺が一番の友達と思っている「草瑛聖(ソウエイヒジリ)」は首をかしげて
「いや?送ってないぜ。・・・・・なんかあったのか?紅亮。」
と逆に聞いてきた。

ラフィーナ9/14 15:37:532192cfFtnUAjXxyYU||609
「いや・・・実はな、昨日「黄泉の扉」ってメールが送られてきたんだよ・・・・送信者不明なのに俺の名前表示されてたからさ、誰かが送ったのかな・・・と思ったから皆に聞こうと思ったんだ。」
「僕は送ってないぜ。何度も言うようだけど。」
「じゃあ・・・女子か?ったっていねぇし。」
俺はおふざけ半分で前を通っていった学級委員長の「森鮠光(モリハヤヒカリ)」にたずねた。
彼女は話し掛けた瞬間、体がビクっとふるえた。
どっちかというと俺は成績優秀でなく、先生から見ると素行も悪い、いわゆる「不良クン」だった。まぁ先生の決め付けと思うが。

ラフィーナ9/14 15:38:192192cfFtnUAjXxyYU||94
聖も、(今はいないが)俺の仲良くしてるその他の男子も女子も、割と「不良の集まり」とか勝手に言われてる連中だった。
その不良に学級委員長が話し掛けられてビビらないはずはないだろう・・・と思っていたので、予想通りの展開だった。
「な・・・・・何?鳳南君。」
おどおど声で彼女は答えた。
「あのさぁ。森鮠サン、パソコンって持ってる?・・・・あ。森鮠サン俺のアドレス知らないか〜。そりゃそうだわな。」
俺はふざけて言った。
すると、彼女は顔を真っ赤にしながら、小さく深呼吸して俺に言った。
「・・・・も・・・・もしかして鳳南君のところにも来たの?「黄泉の扉」・・・・・。」

「え!?」

ラフィーナ9/14 15:38:382192cfFtnUAjXxyYU||374
おどろいた。
同じメールが来た奴がいることはもちろんだが、森鮠サンにそれが来たことの方がとてつもなく驚いた。
「お・・・・・おい。紅亮。事情聞いたら?学級委員長でも一応は僕より事情を知ってるかもだろ?」
聖がとっさに言う。
「そ・・・・そうかもな。なぁ森鮠サン?なんかしらねぇ?」
森鮠サンはまだ少しビビりながら口を開く。
「・・・・黄泉の扉・・・って言うのは本当か嘘か知らないけど、近くの神社のお坊さんがいってたことだし・・・・・。あのメールを見たヒトは1週間以内に『黄泉の扉』と言うのを開いて、帰ることの出来ない『黄泉の世界』に行かないといけないんだって。そうしないと自分の身近なヒトが一人ずつ、消えるんだって。」

ラフィーナ9/14 15:39:222192cfFtnUAjXxyYU||880
唐突に言われても理解しづらい言葉をつらつら並べられ、俺は戸惑った。
いきなりそんな、ホラー映画のようなこと言われるなんて思ってなかったからかもしれなかった。

「ホラー映画じゃないんだからさぁ・・。」
俺の口から出た言葉。
そりゃそうだわな。 アタリマエ。
一般人は誰だって思うことだよな。
いきなり
「メールを見たヒトは1週間以内に『黄泉の扉』と言うのを開いて、帰ることの出来ない『黄泉の世界』に行かないといけない。そうしないと自分の身近なヒトが一人ずつ、消える」
とか言われて、間に受けるヒトってよっぽどビビリ屋さんだよな。

ラフィーナ9/14 15:40:232192cfFtnUAjXxyYU||299
「・・・なにいってんだよ?森鮠(モリハヤ)サン。・・・・・君もしかしてそういうホラー系好きな子?」

「ち・・・・違うよ。私は、このメールが来た時怖くなって・・・・・パソコン捨てて、仁井大聖寺に行ってお祓いしてもらった時に・・・・・そのとき、お祓いしてもらったお坊さんから聞いた話なの。・・・お坊さんの娘さんにも同じメールが来て、その1週間後、自室でパソコンやってる最中に・・・・亡くなったんだって。ちかも、パソコンの画面が血でべっとり濡れていて、・・・・・・・・・・・・・その血をふき取った画面に、『黄泉の扉は開かれた。この者は黄泉へと期す』って打たれてたんだって。」

ラフィーナ9/14 15:40:372192cfFtnUAjXxyYU||94
「・・・・・その娘さん、自演自作じゃないのか?来たメールを自分で「呪いのメール」とか偽って、元から自殺しようとしていたんじゃないのか?つーか・・・そんなホラーしんじられねぇっと。なぁ聖(ヒジリ)。」
心の底からそう思った。 
信じたくないだけかと聞かれればそれだけかもしれないが、俺は、本当にこの世に『黄泉』や『呪い』があったら見せて欲しいよ。って思ってる立場の人間だった。

ラフィーナ9/14 15:40:542192cfFtnUAjXxyYU||43
「そうだよな〜ありえないよ。森鮠サン。悪いけど僕は紅亮(コウスケ)に賛成だね。」
そう聖が言うか言わないか、俺は教室を出た。
「ど・・・・・何処行くの?もう先生来るよ・・・・・?」
「・・・・紅亮。またフケる気だな。」
「ふ・・・・・・フケ?」
「フケる。サボるともいうね。」
「ええ!?と・・・・・とめないと。先生、来ちゃうよ。」

俺は聖と森鮠サンを置いてずんずん教室を離れていく。
サボるのなら、あそこしかない。

屋上だ。

ラフィーナ9/14 15:41:72192cfFtnUAjXxyYU||285
タンタンタン・・・・と足音を立てて俺は屋上へと上っていく。
「ハァ・・・・なんで逃げてきたんだろ。俺。」
全くもっておかしい。呪いとか黄泉の世界とか信じてない立場の俺が、何故逃げる必要があったのだろう?
怖い、とかそんな感覚でもないし。
どうこう考えても拉致があかないと思った俺は屋上へ出、へたんと座り込んだ。
そして、学校では禁止されている携帯電話を取り出し、受信フォルダを開いた。

ラフィーナ9/14 15:42:32192cfFtnUAjXxyYU||795
    メールが2通来ています。

――――――――――そう出た。

ラフィーナ9/14 15:42:182192cfFtnUAjXxyYU||757
一通は今、満点塾の強化合宿に行っている友達、「藍川隼(アイカワジュン)」だった。
もう一通は題名、送信者名・・・・・・・・なし。

どうやって届いたのかが不思議だ。

少し嫌な予感もしたが、まずは隼のメールからあけてみることにした。

『紅亮。俺は今満点塾の強化合宿に来てるぞ〜すんげぇいいところだぜ?
ホントいい環境で勉強させて頂いてます。って感じだぜ!
紅亮もこればよかったのにな〜。
そうそう。コレ聞いたら紅亮も来たくなるだろ〜w
塾長がなんと女性なんだぜ!結構美人だしさ。
って塾の話ばっかになっちまったな。
んじゃな!かえったらまた遊び行こうな!』

メールはそこで終わっていた。

ラフィーナ9/14 15:42:342192cfFtnUAjXxyYU||89
問題は、無題・無送信者のメールだ。
ウイルス入りだったらどうしよう・・・等とも少し考えたが、どうしてもコレを見なければいけない、という衝動にかられ、俺はメールを開けた。

カチ。

ラフィーナ9/14 15:42:592192cfFtnUAjXxyYU||338
無題
『鳳南 紅亮
黄泉の扉 開かないつもりかい
忠告したよね 皆 なくなるって
じゃあ 皆 なくなってもいいんだね
いいんだね じゃあ 1人 なくなるよ
君が 黄泉の扉を開かない限り 皆 なくなりつづけるよ』


ラフィーナ9/14 15:43:152192cfFtnUAjXxyYU||699
内容だけでも不気味だが、さらにそのメールは文字色が血のような赤い色だった。
「・・・・・・・・・なんだよ・・・・これ。」
俺は愕然とした。
まだパソコンだけならいたずらメールで済む。
だが、携帯にまでメールが入ってくる。

「・・・・も・・・・もしかして、森鮠サンの言ってた事って・・・・。」

認めたくなかった。
だが、認める以外このメールとパソコンのメールがまるで俺を狙っているかのように送られてきた事を証明する事実が無かったからだ。

ピリリリリリリ・・・・・

携帯の着信音。
先生にバレないように割と地味にしていたにもかかわらず、よく響いている。

ラフィーナ9/14 15:43:312192cfFtnUAjXxyYU||65
あんなメールの後だからだろうか、妙に通話ボタンを押すのが怖い。

ピッ。

「も・・・・・・もしもし?」

いつもの俺じゃ、考えられないほど弱い声を出した。

「・・・・・・・・・」

「だ・・・・誰だよ!」
電話は無言。

「・・・・・・くすくす。」
幼い少女のような声。

「だ・・・誰だ!?」

「皆なくなるよ?」
急に氷のように冷たくなる声。

俺は、急に怖くなって電話を切った。

ラフィーナ9/14 15:43:452192cfFtnUAjXxyYU||884
すると、また着信音が鳴り響いた。

電話をかけてきたのは隼だった。

「ホッ・・・・・隼かよ。脅かすなってんだ。」
心のどこかで、またあの少女じゃないか・・・・と少しビビった。

ポチ。
隼は相当電波状況の悪い所にいるのか、時折ブツブツと言う音が混じっていた。


「おー隼。どうしたんだよ。」


隼からの返事は無くかわりに、呻き声とも何とも区別のつかない奇妙な声が響いた。


「紅・・・・・紅・・・アアアアア!!!」

「じゅ・・・隼!?」

僅かな沈黙。
それを一瞬で破る、隼の叫び。

ラフィーナ9/14 15:44:112192cfFtnUAjXxyYU||488
「連れて行かれる・・・・紅亮!助けてくれっ・・・・。紅亮・・・紅亮・・・コウ・・・紅亮・・コウスケ・・ああァあああ!!!!」

それに続いてズリュリュリュ・・という音が携帯の向こう側から聞こえた。
「お・・・・・・おい!隼!!!!隼!!!!!」
俺は必死で隼の名前を呼んだけれど、隼から返事は返ってこなかった。

かわりにさっきの少女の声がした。

「扉開かないと この子みたいに 皆なくなるよ」

プツン。

「・・・・・・・・・。」

隼はどうなったのだろう。

ラフィーナ9/14 15:44:172192cfFtnUAjXxyYU||702
分からないことだらけだった。
あの少女は誰・・・・とかいろいろ。

けれど、はっきりわかったことが1つだけある。

決して森鮠サンの話を信じたわけじゃないけれど、もうこれは人知の範囲を超えた、呪いだとか黄泉だとかの話じゃないと分からないレベルだ。

ラフィーナ9/14 15:44:322192cfFtnUAjXxyYU||677



そして、隼は・・・・・・。

ラフィーナ9/14 15:45:12192cfFtnUAjXxyYU||741
俺は携帯をポケットにしまって、階段を降りた。
そして、教室では森鮠サンもどうやら同じような事があったらしく、顔が青ざめていた。

「お・・・・・紅亮!森鮠サンがとった校内連絡の電話が先生からじゃなく女の子の声がして・・・後・・捺原里依(ナツハラサトイ)って言う満点塾の強化合宿行ってるこの悲鳴と『皆なくなる』って女の声で電話が・・・・・。」
聖も相当あせっているらしい。喋っている途中に何回も噛んでいた。
「俺もおんなじような電話、かかってきたぜ。・・・・多分その子・・捺原は・・・・・。」

ラフィーナ9/14 15:45:242192cfFtnUAjXxyYU||963
それ以上は口にしないでもお互い分かった。もちろん森鮠サンも。
「・・・・で、大丈夫?森鮠サン。」
森鮠サンはガタガタふるえ、床に座り込んでいた。
「・・・・里依ちゃん・・・・・。」
「森鮠サン。・・・・・」
彼女はしばらくそのままふるえていた後、何かを決意するように顔をバシッと叩き、そして強気な声で言う。
「・・・・・・・大丈夫です。・・・・それより、職員室が心配だわ。・・・先生いくらなんでも遅すぎだし、電話かかってきたのも職員室からだし・・・・・・。」

ラフィーナ9/14 15:45:402192cfFtnUAjXxyYU||691
「じゃあ、職員室見に行ってみよう。聖、森鮠サンと一緒に降りてきてくれ。」
そういって俺はおもむろに時計を見た。

現在の時間。 3時30分。

下校時刻は2時30分。(夏休みの登校日なので早い。)
「・・・・・・・・まだクラブとかやってるやつ等もいるのにどうしてこんなに静かなんだ?」

「何かが・・・おかしくなってる。とか?」
森鮠サンはこわごわ口を開いている。
やはり女の子だ。と思った。
まぁ、こんな共通点がなければ彼女としゃべったりすることもなかっただろうし、この場しのぎの仲良しでも作って損はない・・・・とでも思ったのだろうか。俺は森鮠サンにいつのまにか喋りかけていた。

ラフィーナ9/14 15:46:02192cfFtnUAjXxyYU||120
「ねぇねぇ。森鮠サン?」
「な・・・・なんでしょうか?鳳南君・・・・。」
俺はにこっと笑って森鮠サンの方を向いた。
「聖と俺だけ名前で呼び合うのも変だし、これから夏休み・・だけでもさぁ、名前で呼び合ったりしない?」

「ええ!?」

森鮠サン・・・もとい光は相当驚いている。

「俺ンことは紅亮で、聖ンことは聖で、いいだろ?俺も光って呼ぶから〜」

「・・・・は・・・・はい/////」

ラフィーナ9/14 15:46:262192cfFtnUAjXxyYU||208
彼女はにこっと笑った。
それが俺の心に妙に残った。・・・・・・・特に好き・・・とかそういうわけでもないのに。
こんな状況で笑っていられる自分がどうかしてる・・・とも思ったが、逆にこの状況で笑っていられる強さもあるのだな。といい方に考えてみよう。
職員室まで、もう少し。

だが、俺たちはまだ知らなかった。
恐るべきことの始まりが、職員室でおこるのだと。

ラフィーナ9/14 15:46:412192cfFtnUAjXxyYU||133
職員室にまともに入るのは、長い中学生活でも相当少なかった。
「失礼します。」
光はマジメに挨拶をして、職員室の中に入った。

ガラガラ・・・

「なにやってるんだ?森鮠・・・・・・と・・・。鳳南・草瑛。」
担任の「数真則俊(カズマノリトシ)」は俺と聖を見るや否や、光に「こいつらなんかと付き合ってたら不良と間違われる・・・」とでも言いたげな顔で光を見ている。

「あの・・職員室で変なこととか起こってませんかね?数真センセ。」
俺はちょっとムカついて、半分おちょけていった。
「なんだ?お前まさか森鮠を恐喝したんじゃないだろうな?」
身もふたもないこと言うな。センセー。

ラフィーナ9/14 15:46:572192cfFtnUAjXxyYU||890
「・・・・あ・・・・・・あの・・・・・。」
光が先生にもう一度問う。
「何度も言わせるな。・・・・何にも起こっておらん。」
数真センセーは怒った様な少し激しい口調で言った。
「そーですか。どうもありがとうございました。」
そう聖が言うと、彼は俺と光の手を引いてダッシュで職員室から出た。


「・・・・・どうしたの?聖君。」
光が心配そうに聖に話し掛けている。
「・・・・・・あのさ、気がつかなかった?」
「ナニが?」
俺と光が声をそろえていった。
「先生の足・・・・・・半分ぐらい透けてなかったか?」

ラフィーナ9/14 15:47:202192cfFtnUAjXxyYU||557
「・・・・・・!まさか・・・・先生まで!?」

「・・・・・なぁ、先生が呪いとかそんな類なら一回お祓い行ってみるか?」
・・・・・・病は気からというし、気が少しでも楽になれば多少はこの呪いっぽい事件も何とか乗り切れるかもしれないと俺は思った。
それに、さっき光が言っていた「娘さんが「呪い」で亡くなったお坊さん」とやらにも話を聞きたかったのだ。

ラフィーナ9/14 15:47:412192cfFtnUAjXxyYU||218
「あのお坊さんに話、訊きに行くの?」
「ああ。・・・・・・なんかわかるかも知れないし。」
「光さんしか知らないもんね。お坊さんの居場所。」

すると、聖は自分の鞄から地図を取り出した。そして、座った。
いつもあんな地図を持ち歩いているのかと思うと、アイツは尊敬に値する人物かもしれない。

ラフィーナ9/14 15:47:522192cfFtnUAjXxyYU||395
「その坊さんがいる寺・・・地図で分かる?」
「えーと・・・」
光は少し迷って、俺の方を向いた。
「ねぇ・・・・紅亮・・・くん。仁井大聖寺(ニイダイショウジ)ドコだっけ。」
仁井大聖寺といえば、この学校の2〜3倍はあるらしい、とてつもなくでかい寺だ。
この辺の住人はほとんど知っているはずなのだが、光は名前と場所は知っていても恐らく地図で見たから分からない・・・と言うパターンだろう。

ラフィーナ9/14 15:48:212192cfFtnUAjXxyYU||350
「仁井大聖寺は・・・-満点塾の後ろらへんにある。と思う。」
俺も方向音痴と言われる類ではない。だが、決してこの辺の地形をよく知っているわけでもないので、大雑把な説明しか出来ない。

「仁井大聖寺にいるお坊さん・・・ということは相当徳の高いヒトなんだろうな。」
「何でそんなこと知ってんだよ。」
「歴史で習っただろ。あそこは相当徳の高いお坊サンしかいないって。」

「へぇ。」

「あった・・・・・。満点塾の裏側の仁井山の山頂近くにあるみたい。」
地図とある種の格闘をしていた光が嬉しそうな顔をして俺と聖を見た。

ラフィーナ9/14 15:49:42192cfFtnUAjXxyYU||17
「仁井山・・・・相当高い山だぜ?・・・今から登りに行くのか?」
「そうじゃないと・・・・明日になったらまた、誰かが消えるかもしれないんだぜ。」
聖は言ってから「しまった」と言うような顔をして口を抑えた。
だが、遅かったらしい。俺はともかく、光がすごい形相で聖をにらんでいる。

「聖君!・・・・・縁起でもない事言わないでよ・・・・。そんな・・・こと・・・」
そういわれると、何故かまた誰かが消えてしまう気がして。
彼女は、それに押しつぶされそうになったのだろう。

「・・・悪かった。」
聖も素直に謝った。
俺は妙に気まずかった。
2人と俺だけしかいなかったからだろう。

ラフィーナ9/14 15:49:182192cfFtnUAjXxyYU||306
一方、職員室。


「ハァ。あんな不良が森鮠と・・・・」
僕(数真)は、定期テストの丸つけをしつつ、窓の外にいる紅亮・聖・光を見て、ぼやいていた。

「数真先生?どうなさったんですか?」
国語担当の先生が話し掛けてきた。

「いや・・あの不良たちとうちの学級委員長の森鮠がつるんでるみたいなんですよ。」

国語担当の先生は、少し考えて言う。
「けれども、彼等の友人関係にまで口をはさむのはどうかと・・。」

僕が「そんなことは・・・・」と言いかけたその一瞬。

ラフィーナ9/14 15:50:272192cfFtnUAjXxyYU||514
ずるずるずる。

ナニガ オコッタ?


職員室 真っ赤

俺 死ヌ?

死ヌ  

死ヌ

死ヌ

死ヌ


僕の目の前にいたのは真っ赤な瞳をして、じっと俺を見つめている少女。

右手にはナイフ。

左手には、さっきまで僕と喋っていた国語担当の先生の
―――――――――腕。

「ぎ・・・・・ぎゃああああああああああ!!!!」

僕は叫んだ。
ひたすら叫んだ。

ラフィーナ9/14 15:50:382192cfFtnUAjXxyYU||119
だが、その声がやむと少女が口を開いていた。

「選んでください。アナタ。此処で死にます?」

「ゴキュ・・・。」

少女は言ってることとは裏腹に、ていねいな言葉使いで僕に喋りかけてくる。
そのギャップが恐ろしい。
「此処で死ぬの?」なんて聞かれて「ハイ。」なんて答える人間はいないだろう。

ラフィーナ9/14 15:51:162192cfFtnUAjXxyYU||275
「し・・・・・死にたくない。」

「じゃあ、お願いします。 あの女の子・・・・森鮠光と、鳳南紅亮を・・・・満点塾へと連れて行ってください。・・・2人は死ぬかもしれませんけども・・・アナタが死ななければそれでいいですよね。」

「ま・・・・満点・。」
「では。・・・私のことはあの子達には見えないと思いますんで、彼女たちに助けを求めても無駄だと思いますけど。」

少女は、フッと煙のように消えた。

そして、僕は職員室から出た。

・・・悪いな。森鮠。いかに優秀な学級委員長だとはいえ僕の命とやらが、かかっているんだから。

そんなことが起こっているとも知らず、紅亮達は意気揚々と仁井山を登っていたのであった―――――。

ラフィーナ9/14 15:51:312192cfFtnUAjXxyYU||380
「に・・・・・仁井山って・・・・・・標高・・・・・どれ・・・・・・ぐら・・・・・。」
ゼェゼェ。
・・・・・仁井山の標高、前もって調べときゃよかったよ。
俺は心のどこかでそんなことを考えていた。
後にわかることだが、仁井山の標高は富士山並だったらしい。

もちろん、富士山並なのだから、酸素濃度が薄いのは分かる。

・・だが、しんどいのはそれだけではなかったのであった。

ラフィーナ9/14 15:52:02192cfFtnUAjXxyYU||480
「・・・・・聖くーん?・・・・なんで俺の後ろにおぶられてるかなー。」

そもそも、聖は高山病になりやすい性質らしい。
で、案の定高山病らしき物にかかって、山小屋らしき物も無い為、光とずーっと歩きつづけているのだ。

「わ・・・・わりぃな。」

聖は本当に顔色が悪い。恐らく本当に高山病なのだろう。

「聖君・・・大丈夫?」
光も心配そうな顔をしながらも、自分も必死に歩く。

「・・・あ・・・・・ああ。」

テクテク

テクテク

ボーン


ボーン

寺の鐘だろうか。
鐘の音が聞こえるのなら、寺は近い。

ラフィーナ9/14 15:52:192192cfFtnUAjXxyYU||469
「ぜぃぜぃ・・・・・はぁはぁ。・・・・・」
俺も光も。おぶられて楽なはずの聖も苦しそうな顔をしていたに違いない。

「こ・・・・紅亮君・・・・。・・・もうだめっぽい・・・。」
光が急にへにゃっと座り込んだ。
「お・・おい。光。」

「・・・・ここで野宿して明日追いつくよ。迷惑になると思うから・・・・・。・・先・・・行ってて?」
「こんなところで野宿なんてしてみろ。夜すげぇ冷えるぞ?」
「ゔ・・・・。」

「じゃあ、歩きつづけるか。」

俺は半強制的に光の手を握って、彼女を立たせ、歩き始めた。

ラフィーナ9/14 15:52:322192cfFtnUAjXxyYU||842
「・・・・こ・・・・紅亮君・・て。手・・・・・・・。」

・・・・・・?

「・・・・・あ。悪い・・・・・」

手。彼女の手の感触は俺の手にしっかりあった。
つまりは、手をつないでいる・・ということだ。

もっとも、俺はあまり意識していなかったが。

そんな妙な沈黙が2分・・・・3分と続いた。
と、そんな所へ、ピカっときわめて人工的な懐中電灯の光が差し込んだ。

ラフィーナ9/14 15:52:472192cfFtnUAjXxyYU||240
「おわっ!?」
「な・・・・何!?」
その光に反応して、聖も目を開けた。
「んぁ・・・・なんだよ。この懐中電灯の光は・・・・あれ?紅亮・光さん・・どうしたんだい?」

「そこにいるのは誰だ!?」
逆行のせいで顔は見えなかったが、確かに黒いお坊さんが着る服を着ていた。
声も相当年配のような声だったので、少なくとも60歳以上の男だろう。

「あの・・・この辺に、仁井大聖寺ってありませんか?」
光が聞く。
俺もそれに合わせて、
「俺たち、仁井大聖寺目指してきたんですけど、途中で夜になっちゃって・・・・道に迷いかけてたりもしたんです!」

ラフィーナ9/14 15:53:152192cfFtnUAjXxyYU||117
「仁井大聖寺・・・・・。お前等、寺に何用じゃ?」
男は警戒を解くことなく、まるで俺たちを脅迫しているような口調で話しつづける。
「仁井大聖寺に、鮎川蜜柑(アユカワミカン)と言う女性の父親が僧侶として働いていらっしゃるとお聞きしてやってまいりました。」

男は鮎川蜜柑の名前が出たとたん急に声色を変えた。まるで俺たちを恨んでいるかのような、強い憎悪が見え隠れする。

「お・・・・・お前等は蜜柑の命を奪った「黄泉」なのか!?ええい!ここで始末してやるわっ!!!!」

ラフィーナ9/14 15:53:202192cfFtnUAjXxyYU||571
男はそう言うなり、懐中電灯を捨て、俺たちのほうへと走ってきた。

「・・・・な・・・・・なに!?」

「五月蝿いわ!蜜柑の・・・娘の仇め!!!」

「ちょ・・・ちょっと待ってください!!」
俺は必死になってそのオジサンの腕をつかみ、とめた。
やはり、60歳ぐらいのオジサンだった。
どうやら光を殴ろうとしていたらしく(暗くて詳しくは分からなかったが)とめていて正解だった。

ラフィーナ9/14 15:53:422192cfFtnUAjXxyYU||875
「あ・・・・アナタが蜜柑さんの父親ですか!?」

「・・・そうに決まっているだろう!!お前等が殺した蜜柑の父親だ!!」

「ちょ・・・・ちょっとまってくださいよ!蜜柑さんは俺たちが殺したんじゃないですよ!!・・・・・俺たちにも同じメールが来て・・・蜜柑さんの父親なら何か知っているんじゃと思って・・・・。」
男は眉をひそめた。
「なんだと?・・・・証拠があるのか?」
俺は、鞄から携帯電話を取り出した。
同じように、光も鞄を探り、携帯電話のメールの履歴を見ている。

ラフィーナ9/14 15:54:32192cfFtnUAjXxyYU||936
「え・・・・ええ。」
一応は信じてもらえたらしい。男の表情が和らいだ。
「いやはや、すまなかったね。わしは君たちの知ってのとおり蜜柑の父親、鮎川昇治(アユカワショウジ)だ。・・・・よければ今日は寺に泊まっていかないか?今日は解放日で、登山客もたくさんいる。・・・そうそう、君たち見たところ中学生だね?」
「は・・・はい。」
「確か・・・そうそう。この辺の中学の先生・・・数真とか言っておったな。その先生がここに来ておるぞ。中学生が遭難するようなことがあったらいけないからだと・・・。いやはや、立派な先生じゃなぁ。」

俺と光、そして聖もおそらくは驚いた。

「・・・・・・え・・・!?数真先生が!?」

ラフィーナ9/14 15:54:452192cfFtnUAjXxyYU||150
「・・やぁ、鳳南・草瑛・森鮠。」

そこにいたのは、間違いなく数真。さっき俺のことを見下していた数真。

だが、彼の目には何か、別の物があった。

それと同時に俺らのちょっとした旅は、この日の晩、急な展開を迎えたのである。

ラフィーナ9/14 15:59:262192cfFtnUAjXxyYU||55
前編終了。


■□コメント□■
夏休み、黄泉と言う小説をやっていました。
しかし、宿題等が多すぎて、ついに夏が終わってしまってもまだ小説は完結していない・・・・ということで、季節はずれですが、全部で10話予定の小説を5話ずつに分けて前・後編でやってみます;;

相当1スレ(小説)が長くなりますが、感想等いただければ幸いです^^;
ちなみに後編は2週間以内には書きます;;

遊吏.。9/14 17:33:522111cfDFvJ5F48APY||395
こんにちは。
光ちゃん可愛い…v

そんなことより、かなりピンチの予感ですね…;;
メイン(?)の三人には何が何でも生き残ってほしいですが…どうなんでしょう。
楽しみにしています。

後編頑張ってくださいvv

ラフィーナ9/14 22:3:182192cfFtnUAjXxyYU||257
遊吏.。痘l、毎回感想くださって感謝です〜^^

光ですか!?・・・うーん・・・普通の学級委員長的なイメージを全面的に押し出した?キャラと思っていたのですが・・・・ありがとうございますm(_ _)m

・・・・・・・メインの3名ですか;;・・・・どうでしょうね(笑
でも、実はエンディングだけ、RPG並に(?)2種類用意してあるんですよ;;
片方がハッピーエンドで、一方がバットエンド。
チビの方にはハッピーエンドの方を載せる気なんですけどね^^

ではでは、感想ありがとうございました^^

鳳城亮9/15 19:39:362192cflXzhj8n6dss||24
両方のしぇなしゃいと
なにを言っているのか解らない入れ歯を歯医者に出している老人
RPGではないと思いますが
黄泉の世界に俺は住んでます(ぇ

ラフィーナ9/16 22:44:102192cfFtnUAjXxyYU||338
鳳城亮君>やっほ〜v

両方?嫌だわさ。ハッピーエンドの方しか載せんわさ。
いや、だってD○8とかエンディング2個あったじゃないですか(ぇ

黄泉の世界にいるんだ・・亮v
まぁ、頑張りなよ(ぇ

鳳城亮9/17 16:53:62192cflXzhj8n6dss||869
黄泉の世界・・・というより魔界だけどね(ぇ
別々のスレッドにひとつずつのせるんだわw


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