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6728一話で終わる物語9/17 10:39:172194cfYiKeGHts1ck
突然なんですけど・・・・・
この「一話で終わる物語」を最終回にしようとおもいます!

だから、この最後の作は7話完結物語にします!
それなので、これからは
「7話のものがたり」
にします!!

では、どうぞ!!

9/17 10:39:402194cfYiKeGHts1ck||281
君が笑うならぼくは・・・・・



9/17 10:44:02194cfYiKeGHts1ck||558
「いってらっしゃい、マイティ」

毎日ぼくは宝物だったあんたの声を

なんとも当たり前のように聞いていたね。


もう、聞けなくなってしまうときがくるとは思わずに。


お願いだよ、もう一度このぼくの名前を呼んで。

9/17 10:48:202194cfYiKeGHts1ck||296
靴音を立てて、彼は走ります。

大きな建物の中の長い廊下を、小さいわが子を抱えながら。


病棟の詰め所の前で、彼女の母の姿を見つけた彼は

「ミルキー!!ミルキーはどこ!?」

そう叫ぶと足を止めました。

9/17 10:51:62194cfYiKeGHts1ck||109
「・・・・・お義母さん、どうしたの」

「・・・マイティ」

表情を凍らせて立ち尽くしている彼に近寄ると

彼女は涙声で話し始めました。


「よく聞いて。どうか取り乱さないでね」

あの子はね、ミルキーは。

「体の方は・・・足の骨折だけですんだけど」


「・・・私たちのこと、すっかり忘れてしまっているのよ」

そこまで言うと母親は泣き出してしまい、それから先が言葉になりません。

9/17 10:51:152194cfYiKeGHts1ck||162
「・・・・ばーば?」

2歳になるフローがおばあちゃんに手をのばしました。

まるで泣かないでって言っているよう。

9/17 10:52:512194cfYiKeGHts1ck||561
――とにかく、とにかく彼女に会いたい!!

蒼白になりながらも、彼は母親の肩を抱くと

彼女が指差す方向へと一緒に足を進めました。


「・・・・記憶喪失!?」

駆けつけた家族は皆カンファレンスルームに集められました。

マイティはまだ半分半疑で、まるでラジオかなにかのように

医者の説明をぼうっと耳に流れるままにしていました。

腕の中のフローはいつの間にか眠っています。

9/17 10:54:12194cfYiKeGHts1ck||498
こんなに安らかに娘は眠っているのに。

・・・きっとこの子だけが現実。


医者のいうことなんて信じられない。

「・・足のほうは3週間ぐらいでリハビリも済み、退院できるでしょう。

とてもお若い方ですからね。回復もきっと早い。

問題は・・・・自分の名前も家族の方のことも

すっかり忘れてしまっているということなんです。

まあ・・・何かのきっかけで思い出す可能性もないとはいえないですが。

9/17 10:55:412194cfYiKeGHts1ck||692
今のところ、積極的に記憶を取り戻す手だてはありません。

いろいろとご家族の方のお話などを聞かせてあげるのも大事ですが。


ただ・・・・ご家族の方も大変にお苦しみだとは思うのですが

今一番混乱しているのは、ミルキーさん自身であることはご理解くださいね。

患者さんは、突然知らない人たちに囲まれて大きなプレッシャーを感じています。

どうかあまり無理強いをして思い出させようとあせったり

患者さんの目の前で取り乱したりなさらないように」

9/17 10:56:412194cfYiKeGHts1ck||870
嗚咽が小さく響く部屋の中で

お医者さまは淡々と説明を続けていましたが

最後に気の毒そうに家族を見回すとこう付け加えました。


「本当に大切な記憶なら、きっといつか思い出しますよ」


・・・・大切な記憶なら、か。

彼女はぼくやフローを見たとき、何か思い出すだろうか。


回らない頭の片隅で、彼はぼんやりとそう考えました。

9/17 10:58:22194cfYiKeGHts1ck||788
「・・・・ミルキー、ぼくがわかるかい?」

だんな様に名前を呼ばれて、ベッドの上の彼女はびくついた様子で彼を見ました。

先に駆けつけて、もう彼女と会ったほかの家族は帰りました。

あまり彼女を刺激しないように。

そして彼とゆっくり話ができるように。


「・・・だれ?」

そう呟く彼女の瞳は、彼に対する恐れに満ちて。

「かーたん!」

フローが笑顔で彼女に手を伸ばしました。

彼女は困った顔になり、それでも小さい子にちょっと微笑みます。

「かーたん、かーたん!」

9/17 10:58:482194cfYiKeGHts1ck||393
父親の腕から逃れようとするようにもがく娘を

もう一度ぐっと抱きなおすと、彼は彼女に言いました。

「・・・ちょっと抱いてやってくれないかな?」

この子にはあんたの状況を解れと言っても無理なんだよ。

ただ、大好きな母親に抱っこされたがってるだけで。

「・・・あたしが、この子の、母親なの・・・?」

半ば強引に父親は彼女の寝ている上に息子の体を預けました。


9/17 10:59:352194cfYiKeGHts1ck||871
小さい子はうれしそうに目を細めて

「かーたんだぁ!」

と、呼んでにっこりと抱きつきました。

彼女も思わず微笑み返します。

傍目には仲睦まじい親子としか見えないでしょうが

彼女は複雑な表情で、彼に向かってこう呟きました。


「・・・何だか実感が湧かないわ。・・だって、この子」

「ちっともあたしに似てないじゃない・・・?」


あなたに、生き写し。

9/17 10:59:552194cfYiKeGHts1ck||936
「当たり前じゃないか。ぼくの子どもだもの」

――ぼくとあんたの。あんたが産んだ。

マイティはそう怒鳴りたくなる気持ちを、かろうじて抑えました。

それでもその口調に怒りに似た感情を感じ取った彼女は

また今まで以上に体を小さくさせました。


「・・・・ごめんなさい」

9/17 11:0:352194cfYiKeGHts1ck||566
彼ははっとし、思わず彼女をなぐさめるつもりで手を伸ばしましたが

彼女は身を固くしてその手を拒否しました。


「・・・あなたのこと、少しも思い出せないのよ。

だから触らないで・・・・・・ほんとに、ごめんなさい」

彼女は視線をシーツに落としたままそう言うと、フローを彼に押し付けました。

「かーたぁん!いやーっ!」

半ば強引に父の腕に返された小さな娘は、

母に手を伸ばしながらわんわんと泣きはじめました。

9/17 11:0:592194cfYiKeGHts1ck||87
さっき聞いた医者の言葉が彼の胸に鉛の塊のように重くのしかかります。


『本当に大切な記憶なら、きっといつか思い出しますよ』


――腹の奥からぐ・・っと何か塊のようなものがこみ上げてきます。

彼は苦しくて苦しくてたまらなくなりました。

ぼくはともかく、フローまで。あんなに可愛がっていたのに。

そしてぼくも・・・・。

9/17 11:1:402194cfYiKeGHts1ck||772
思わず子を抱く手に力が入り、余計にフローは激しく泣き出します。

・・・・もう、どうしたらいいんだ。どうしたら。

彼はまぶたをぎゅっと閉じ、はあ・・・・と息を吐きました。


「・・・今日はぐっすりお休み、ミルキー。

明日また来るよ。フローもお母さんに会いたいだろうからね」


複雑そうな表情で父と子を見送る彼女を

彼は一瞬しか見つめることができませんでした。


娘以上に、たくさんの涙が溢れ出しそうだったからです

9/17 11:2:112194cfYiKeGHts1ck||937
********************************?
色終

9/17 11:4:352194cfYiKeGHts1ck||221
あとがき

すいません、×2

1つ目は↑間違えました>0<

2つ目はすっご〜い長くなりました。

((一位、二位を争う長さ・・・・))

読んでくれる人がいたら

うれしいです!!

あと、感想待ってます!!

1話目終了〜残り6話〜

シェイラ9/18 21:8:382191cfunx28u78NUc||209
この間は、ご迷惑をおかけしました。書き込みはしたのですが、早く書きこまないで本当にすいませんでした。今回のお話はいつになくシリアスですね。マイティとミルキーの仲の良い夫婦はここで終ってしまうんでしょうか!次がとっても気になります。

9/19 19:59:232194cfYiKeGHts1ck||559
ありがとうございます!!
次回が気になる。。
実にいい言葉ですねっ!!

シェイラ9/19 20:59:132184cfBqg3v3924BI||373
でも、終ってしまうなんて勿体無いですよぉ!でも、最後まで応援し続けますので!頑張ってくださいね!


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