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6787幸福論そのいち壱号9/26 17:50:246127cfjjkaSD0enTA
はじめまして、壱号です。
今回は、小説、と言うか壱合の幸福論を下敷きにしたオリジ小説を投稿します。
見たくない方は勢い良くスルーしてください。
それと、本編中では登場人物の容姿を明らかにしているわけではないので、一応書いておきますね。

壱号9/26 17:57:586127cfjjkaSD0enTA||597
遠離 女。ディーンの娘。黒髪黒目。
カディス 男。遠離の相棒。銀髪碧眼。
ナザリー 女。幸福の運び手。銀髪青目。
ジスフェル 男。記憶の神。ベージュ色の髪、青目。
ジュノ 男。欲の神。ワインレッドの髪と目。
ディーン 女。変わり磨かれた世界の女王の予定。黒髪、紫目。
こんなところですね。では、本編をどうぞ。

壱号9/26 17:58:276127cfjjkaSD0enTA||406
「私は、出来うる限り全ての存在に幸福を与えたいだけです。
 なぜそれをわかってくださらないのですか?」
女性(ナザリー)は静かに問うた。
彼女の正面には、かつて崇拝した王と女王、そして、二人の神。
足元には大母が、水の形をとり、柔らかに発光しながらたゆたっている。
微かに聞こえるのは、真なる女王の歌声。
既に女性に変化し終わって何百年という時が過ぎた。それでも相変わらず、彼女は娘のままだ。

壱号9/26 17:59:136127cfjjkaSD0enTA||444
「お前の幸せは、他人を踏みつけにするものだろ!?
 皆で生きて、時々つらかったりするけど幸せだって笑えるのが、皆が望んでる幸せなんだよ!
 お前は、俺たちより、ずっとずっと長い時を生きてきたんだろ?なんでわからないんだよ」
「カディス様、あまり動揺されますと、ディーン陛下が危険です」
ぐっと言葉に詰まるカディス。 碧の目が揺れる。 心の動揺にあわせて、彼らの足元の水面が波紋をわずかにつくる。

壱号9/26 17:59:276127cfjjkaSD0enTA||872
「おばあちゃんを、返してよ、あんたの考えてることに、利用させたくない」
かたわらの少女(遠離)が、少しでも冷静になろうと努力しているのがわかる。
いつもの彼女なら、有無を言わせず、ナザリーに全ての力をぶつけているところだ。
数え切れないほどの人質の存在と、今の世界を守りたいという心が、何とか彼女を平静につなぎとめている。

壱号9/26 17:59:496127cfjjkaSD0enTA||180
「四人とも、こちらへいらっしゃい。 これを見れば、意見も変わりますよ」
ナザリーが、相変わらずの微笑をたたえて、四人に向けて手招きする。
カディスと遠離は、すなおに(用心しながらも)そっと足を動かす。
靴の下には、パステルカラーの揺らめきが、水色の大母の中できらめく。
ゆっくりと、ゆっくりと、足に地のつく感覚もないまま、ナザリーのいる中央にたどり着く。

壱号9/26 18:0:166127cfjjkaSD0enTA||122
ふと気付く。二人足りない。
ふりかえると、二人はまだそこにいた。
冬眠中の欲の神ジュノ、それを抱きかかえた相棒の記憶の神、ジスフェル。
「どうしました?」ナザリーが声をかける。その声に含みはない。
「(なにかが、おかしい。
  あそこに向かってはいけない、気がする)」
ジスフェルは、一歩、踏み出してみる。
何もない。
不安感を払うように、軽く頭を振ってから、歩き始める。

壱号9/26 18:1:376127cfjjkaSD0enTA||866
とりあえずここまでで失礼します。続編はまた後日。
ではノシ

壱号9/27 20:56:336127cfjjkaSD0enTA||655
ジスフェルが来たのを見計らって、ナザリーは、三人に優しく呼びかけた。
「ごらんなさい。美しいでしょう。奥に何が見えますか?」
そういって、足元の水面を指差す。
三人は、それに習って、下を向く。

壱号9/27 20:56:546127cfjjkaSD0enTA||895
黄色、緑、若草、桃色、群青、真紅、そして白と黒。
入り混じりながらも相殺することもなく、脈打つように光を放つその色。
その奥に、揺れる影。
「あれは…」 「…ディーン?」 「おばあちゃん…?」 

壱号9/27 20:57:126127cfjjkaSD0enTA||768
柔らかな黒髪をなびかせて、紫水晶の目を薄く開けて、幸福そうに笑う、ディーン。
くるりと回り、白いドレスを翻す。桃色の唇で、朗々と歌う。白く細い手足を伸ばす。跳ぶ。回る。かがんで、また跳ぶ。
ジスフェルが最後に会ったときには彼女はまだ少年の体だった。カディスは初対面だ。
にも関わらず、彼女は確かに『ディーン』という名の魂の形を、二人にはっきりと焼き付けた。

壱号9/27 20:57:286127cfjjkaSD0enTA||490
「すごい楽しそう…どうして?」
「私が夢を見させているからです。レオン陛下を失われてから錯乱状態になることはわかっていましたので」
ナザリーは悪びれる様子もなくいった。
「時が来れば、夢から覚めていただいたらば、確実にレオン陛下の再生を望まれます。
 それと共に私は大母を始動させます。世界は変わり磨かれます」

壱号9/27 20:57:436127cfjjkaSD0enTA||390
「なにそれ、そんなふうに感情を都合のいいようにしないで!心は道具じゃないのよ!」
「幸福のために役立ってもらいます。犠牲にも、無駄にもしません.
両陛下もそれを望まれるでしょう」
「な、、、!」
「落ちつけ二人とも。ここで争えば、ディーンが危険なんだぞ」
二人が、ぐっと押し黙る。

壱号9/27 20:58:36127cfjjkaSD0enTA||959
ナザリーが相変わらずの聖女の顔でジスフェルに話し掛ける。
「ご協力ありがとうございます」
「ディーンに崩壊されたら困るのはこちらも同じだ。
 城が崩壊する危険性もあるし、お前の望む世界を止めるには大母の使い手が必要だからな」

壱号9/27 20:58:226127cfjjkaSD0enTA||119
「そう…。
 遠離様は現実の大母の力を無くされたし、カディス様はどちらの一族の血も引いておられない。
 でも、例外が、一人…」
ナザリーが、ジスフェルに微笑んだ。


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