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6809幸福論その2壱号10/1 14:0:396127cfjjkaSD0enTA
幸福論続き書きます。
新しい人が出てきます(汗
カディラ・ルシルフ 女。銀髪水色目。水の館の女主
この人以外は名前だけ登場させたって人なので(一人違うけど
スルーしてください。
あと、用語がいくらか出てきますが、多分わからなくても話は通じると思います。

壱号10/1 14:1:266127cfjjkaSD0enTA||662
そのとたん、空気が揺れた。
「・・・ッ?」
声をあげようとしたカディスが、はっとする。
動けない。指がぴくりとさえしない。体が動くことを拒否している。
目だけ動かしてみると、遠離とジスフェルも同じく、そのままの姿勢で止まっている。

壱号10/1 14:1:526127cfjjkaSD0enTA||753
そのとたん、空気が揺れた。
「・・・ッ?」
声をあげようとしたカディスが、はっとする。
動けない。指がぴくりとさえしない。体が動くことを拒否している。
目だけ動かしてみると、遠離とジスフェルも同じく、そのままの姿勢で止まっている。

壱号10/1 14:4:136127cfjjkaSD0enTA||989
                   ぎゃあ壱号は二重投稿してしまい すいません(汗
「ヒヴィス、そしてデザイア、例外はあなたたちだ」
足元から響く声。ナザリーでも、ナイトメアでもない。
ジスフェルの足元の水面を揺らして、伸びてくる白い腕。
それが彼の足首にからみつき、大母の中へと、ジュノもろとも引きずり込む。

壱号10/1 14:4:426127cfjjkaSD0enTA||126
それは一瞬。膝が砕け、ふらついた上体に手がかかり、一気に水面下へと押しやられる。
舌が凍りついたように動かない。ナザリーは相変わらず微笑んでいる。
沈黙の中、白い腕が水面を取っ掛りにして、水面下に隠れた自らの体を引き上げる。
まず見えたのは泡のようにふわふわと渦巻く銀髪。次に水色の瞳。うすものを紫のタイツの上にかけた体が浮き上がる。

壱号10/1 14:4:576127cfjjkaSD0enTA||651
「これで、全ては救われる」
声の主、そして白い腕の持ち主、水の館の女主カディラ・ルシルフ。
彼女は、三人の注目の中、ゆっくりと水面に立ち上がった。

壱号10/1 14:5:496127cfjjkaSD0enTA||330
「遥か昔に心の一族を産み落とした欲の神ジュナ、そしてその夫レズエル。
 その二人の生まれ変わりであるデザイア、ヒヴィス。
 あなたたちは心の一族の生みの親に最も近い。
 だから大母にも簡単には吸収できなかった。
 こうして原液に漬け込むことで、やっとふたりを吸収できた」

壱号10/1 14:6:236127cfjjkaSD0enTA||990
うたうようにカディラがいった。呼応するように、ドームの壁に灯かりがともる。
「ごらんなさい、49人の神々がそろい、最後の一人は私に賛同している。
 このドームは変わり磨かれる世界の中心です」
二人を縛っていた力がふっと解けた。
恐る恐る見上げたそこには、普通の壁はなかった。

壱号10/1 14:12:456127cfjjkaSD0enTA||404
壁の表面に、人一人余裕で入れるくらいのカプセルが埋め込まれている。
中にいるのは、天空城の神々や天使たち。
既に死亡が確認されていた桜やリュ―ナ、その他まだ後継ぎのいなかった天使たちなどが、様々な表情でそこにいる。
そのなかに、ジスフェルとジュノをみつけた。
驚きの形に固まったジスフェルと、静かな寝顔のジュノ。

壱号10/1 14:13:106127cfjjkaSD0enTA||925
「…なにするのよアンタ! なんなの、あのカプセル…」
「まるで、神の卵…まさか」
「そのとおり。これは神の卵そのもの。
 記憶の翼よりずっと力の強い結晶」
カディラは芝居がかったしぐさで、両手を上へと広げる。
「全ての神が結晶化し、選ばれなかった生物全てが大母に吸収された。
 あとはきっかけを作るだけで、力が共鳴しあって、世界が変わり、誰にも止められなくなる」

壱号10/1 14:13:586127cfjjkaSD0enTA||518
いったん終わります。
次ぐらいで完結です…

壱号10/2 11:44:106127cfjjkaSD0enTA||770
続き載せときます。
遠離がいきなりカディスに殴りかかる。 それを予期していたかのように、カディラとナザリーが視線を向ける。
きんと高い音がして、遠離ははじき返される。綿毛のようにゆっくりと宙を舞い、駆け寄ったカディスを払いのけて着地する。
「アンタたちみたいなゲスに、世界は変えさせない!」
「ゲスはそっちだ単細胞」
「な・・・!?」
無表情でさらりと言い返されて、カディラらしくない暴言に思わず遠離は言葉を失う。

壱号10/2 11:44:296127cfjjkaSD0enTA||193
「カディラ、人を侮辱するような言葉はいけませんよ」
「わかりました。しかしこの人は少々思慮が足りません」
「どういう意味だ!」 「ゲスにそんな事言われたくないわよ!」
「わかってないことは確かだろう?」
カディラは大仰な身振りで肩をすくめて見せた。
「世界は戦乱、貧困、退廃、堕落、狂気など、あらゆる不幸に満ちている。
 恵まれても良い者が地獄におり、生きる価値も無いような者が栄華を手にしている。
 世界は平等でない。争いは無くならない。不幸だけが存在しつづける。何故か!」
役者のように高らかに歌い上げるカディラ。

壱号10/2 11:45:46127cfjjkaSD0enTA||228
「それは、神が手を出せないから! 力があるというのに、生物たちを導いてやれないから!
 ナザリー様は、思慮深い方。そのことから考えを発展させ、この方法を思いついた」
カディラはナザリーを見てわずかに笑う。
「不要なものは全て削り取る。選ばれたものに、全ての力を注ぎ、導く。
 平和である喜び、刺激のある喜び、愛し愛される喜び、進化していく喜び。全ての生物が全ての恩恵を手に入れる。
 人口を統制し、自然を支配し、あらゆる物をそろえ、全てが神々に祝福された世界! 真なる桃源郷!
 それが永遠に続くことを思えば、糞虫どもの命などどうでも良い」

壱号10/2 11:45:286127cfjjkaSD0enTA||270
異常なまでの選民思想と理想論。
カディスも、遠離も声が出ない。
「・・・アンタ、そんなのほんとにすばらしい世界だと思ってんの?
 いくら皆幸せになるからって、選ばれなかった人はどうすんのよ。
 神様のくせに、弱い人たちを皆殺しにしようって訳?」
遠離の言葉に、カディラは目を伏せた。

壱号10/2 11:45:456127cfjjkaSD0enTA||865
「―――私も最初は、どうだろうとは思った。
 しかし、悩んでる間にも、世界は苦しんでゆく。水晶病がいい例だ。
 何もせずに、無為に時間を過ごしていることこそ、神にあるまじき行為だ。
 それに、ナザリー様は私たちの何十倍という時を、幸福の事のみを考えてきた方だ。
 どうして間違っていることがあろう?」
そういったカディラの目は、疑いのかけらもない、澄んだもので。
彼女もまた、桃源郷を探してきた者なのだ。

壱号10/2 11:46:266127cfjjkaSD0enTA||88
いったん終了。続きはまた後日ノシ

壱号10/3 19:27:186127cfjjkaSD0enTA||72
えー、連絡します。
ていうか謝ります。
幸福論のカディスっていますよね。
あの人の名前、弟さんと取り違えてましたwwwww
正しくはクレート君で、弟がカディス君です。
ほんとごめんなさい。次からはクレートとして書きます(ウワァァァァン

壱号10/4 18:6:236127cfjjkaSD0enTA||694
「そろそろ時間だわ。はじめないと」
ナザリーが言った。
「え、待ちなさいよ! カディラ、アンタが何言ったって、やっぱりナザリーのやってることは間違ってるわよ!
 クレート、あんたも止めて!」
遠離が叫ぶ。クレートがうろたえて、縋るような目で彼女を見た。

壱号10/4 18:6:466127cfjjkaSD0enTA||996
「…遠離、方法があるのか?
 もう神の卵は完成しかけてる。あと足りないのは俺たちとカディラぐらいだろ?」
「…ックレート、アンタねぇ!」
クレートをにらみつけ、すばらしく音高く頬に張り手を食らわせる。
されるがままに顔を背け、向き直る。その頬に、色はない。
はっとして、遠離は自分の手を見る。
自分の肌よりもっと薄い肌色、わずかについた銀色の線。
色が落ちている。

壱号10/4 18:7:446127cfjjkaSD0enTA||514
「遠離は一族の血を引いてるから大丈夫だろうけど、クレートがもう大母に喰われてるから、俺も引き寄せられてるんだと思う」
「・…うそ、やだ・・・クレート・・・」
「たぶん遠離はこう言うんだろうな。『アンタは顔が命のゲス男じゃないでしょ!? 諦めんじゃないわよ!』って」
あはは、と静かに笑って、前髪を掻き揚げる。クレートが良くやっていたしぐさ。
その手を取ると、手のひらに髪から落ちた銀色が付いている。

壱号10/4 18:8:106127cfjjkaSD0enTA||105
「あはは、どんどん色が落ちてく。 ・・・眠くなってきたしねぇ」
ふらりとクレートがくずおれる。抱きとめると、その体は異常に軽い。
「クレート、ちょっと、待ってよ・・・」
「・・・ん・・・ごめんね・・・もう、目が・・・開かないんだ・・・また会えるかな、ルビルス・・・」
ゆっくりと、まぶたが閉じていく。

壱号10/4 18:8:286127cfjjkaSD0enTA||564
思い切り揺さぶってやろうかとも思ったが、何故か出来なかった。
彼の表情が、絶望に満ちていると共に、既に死んでしまったであろう婚約者にもしかしたら会えるかもしれないという、切ない希望のようなものに見えたからだ。
どんどんと軽く、指の間から零れ落ちていくクレートを、遠離は成すすべもなく見ていた。
優しく抱きしめることも、優しい言葉をかけることも、彼女には出来なかった。

壱号10/4 18:10:326127cfjjkaSD0enTA||527
よし!今回からはクレートです!
ルビルスっていうのは、クレートの婚約者さんです。
色々あってクレートは不老になり、仕事のためにお別れしたのです。


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