6829 | ※小説※ | 天里 | 10/4 19:19:38 | 2191cfIHqTy8UPXEo |
[DEVIL EYE]デビル・アイ「瞳に潜む悪魔」 一応、ファンタスティックホラーを書いてみました。 書いている途中で止まっている状態ではありますが。 やっぱり、短編の童話を書くの方が向いているのかなーと思っています。 |
天里 | 10/4 19:21:47 | 2191cfIHqTy8UPXEo||965 | ||
[DEVIL EYE]デビル・アイ「瞳に潜む悪魔」 広大無辺なこの宇宙の中。地球によく似た、李球という星があっ た。この星には中世ヨーロッパのような文化が息づいていた。地形 は異なっていたが、そこに住む人々の行動や生活は地球と酷似して いる。 大海に浮かぶ大陸や島々。山脈や湖、渓流など雄大な自然がそこ にもあった。そして、人々の暮らす町や村もある。森林の広がる場 所には、小さな村が多く点在していた。 人々は大きな森の中で家畜を飼い植物を育て、木の実を取って生 活をする。質素な暮らしではあったが、美しい自然とゆったりとし た時間の中で人々の心は豊かに育まれていった。 |
天里 | 10/4 19:23:26 | 2191cfIHqTy8UPXEo||267 | ||
そんな平和な村の中にある、一軒の家に若い夫婦が住んでいた。 隣の家には夫の両親が住んでいる。夫婦は幸せに暮らし、やがて妻 は身ごもった。栄養をつけるようにと村人の一人が、森の奥から採 ってきた木の実を食べさせた。ただただ、穏やかな光の中で母子共 に健やかに日々を過ごしていた。いよいよお腹が大きく張り出し、 いつ陣痛が来てもおかしくないという頃、妻の母親が身の回りの世 話をするためにやって来た。 そして、ある日の朝。夫が仕事に出かけた直後、妻は産気づいた。 妻の母は、陣痛の感覚が狭くなったときを見計らって産婆を呼ぶと、 自宅へ帰って行った。妊婦は自宅のベッドの上で痛みに耐えていた。 |
天里 | 10/4 19:25:22 | 2191cfIHqTy8UPXEo||861 | ||
中年の産婆と若い娘の助手が駆けつけ、出産の手助けをする。妊婦 が最後に息んだのは、陣痛が起きてから約十時間後のことだった。 ――赤ん坊の元気な泣き声が家中に響き渡った―― その時、隣の家に住む夫の両親は森にいた。自宅近くまで帰って 来ると、赤ん坊の泣き声が聞こえた。 「生まれたんじゃないのかい?」 二人は、孫の顔を見るために夕暮れ時の薄暗がり暗がりの中を急 ぎ、隣の家へ向かった。 いつものように声をかけて玄関をあがり、若い夫婦の寝室へ入って 行く。 |
天里 | 10/4 19:27:23 | 2191cfIHqTy8UPXEo||687 | ||
「……」 「これは……一体どういうことだ……?」 扉を開けるとそこには、異様な場景が広がっていた。 自分達の息子は部屋の真ん中で倒れており、赤ん坊を産んだばか りの嫁はぐったりとベッドに横になっている。産婆も壁際にもたれ て座ったような姿のまま、息絶えていた。 「……みんな死んでいるのか?」 元気なのは、死んでいる若い母親の傍らに居る赤ん坊だけだった。 赤ん坊はなぜか目隠しをしている。 |
天里 | 10/4 19:29:17 | 2191cfIHqTy8UPXEo||476 | ||
ガタンッという音がして、二人は振り返った。入り口に近い部屋 の角に、若い娘が座り込んでいる。立とうとしても腰を抜かしてい て力が入らないらしい。 「何があったんだ。まさか君がやったのか?」 死んだ夫の父親は何がなんだかわからず、娘を問い詰めた。 「この娘、怯えているわ。家に連れて帰りましょう。生まれたばか りの孫も、このままにしておけない」 力なく妻は言い、娘に肩を貸して立たせた。 外はもう、すっかり暗闇に包まれていた。歩く途中にも、若い娘 は赤ん坊を指差して震えている。中年の夫婦は訳が分からないまま、 |
天里 | 10/4 19:30:59 | 2191cfIHqTy8UPXEo||802 | ||
自宅に連れて帰った。あまりに怖がるので、娘の目には触れない死 角となる場所へ赤ん坊を寝かす。三人はテーブルに着いた。年配の 妻は、どうにか娘を落ち着かせて話しを聞こうと、香りの良いハー ブティーを入れて勧める。 しばらく沈黙が続いた。次第に落ち着きを取り戻した様子の娘。 表情が幾分か和らいだようだった。妻はその時を見計らって、よう やく本題に入る。 「一体何が起こったの?」 娘はまた表情を強張らせた。そして重い口をようやく開く。 「私にもよくわからないんですけど……」 |
天里 | 10/4 19:32:44 | 2191cfIHqTy8UPXEo||112 | ||
そうして、娘が話しはじめた事柄は俄かには信じられないものだっ た。 妊婦が最後に息んだとき、赤ん坊は頭を出した。産婆は安産だと 言って赤ん坊を取り上げる。元気な赤ん坊の声が、辺りに響き渡っ た。 「ほうら、女の子よ。抱いてあげて」 生まれたばかりの赤ん坊を母親の胸の上に乗せようとした時。 「まあ、珍しい!もう目を開けようとしてる」 と言って、産婆が赤ん坊の目を覗き込んだ。 すると突然、爆風が起こった様に産婆は後ろへ吹き飛ばされた。 |
天里 | 10/4 19:34:45 | 2191cfIHqTy8UPXEo||500 | ||
壁に背中を打ちつけ、そのままぐったりとしてしまった産婆。 「産婆さん!?大丈夫ですか?どうしたんです」 助手の娘は、混乱しながらも産婆の脈をとった。 「死んでる……」 もう脈はなかった。一瞬のうちに一人の人間が死んでしまった。 「何が起こったの?」 若い母親はベッドに横になったまま、生まれたばかりの娘を胸に抱 いて不安げに顔を曇らせる。 玄関の方で音がした。夫が帰ってきたらしい。家中に響き渡る赤 ん坊の声を聞き、慌てて寝室へ駆け込んできた。壁にもたれて死ん でいる産婆の姿は、ベッドの陰になっていて見えなかった。 |
天里 | 10/4 19:37:2 | 2191cfIHqTy8UPXEo||160 | ||
「生まれたのか!?」 夫は、妻の胸に抱かれた赤ん坊に近づいていった。そして、御包み の中の赤ん坊の顔を覗き込んだ。 その時、また同じ事が起こる。赤ん坊の目を見たまま、恐怖に慄 いた顔をした夫。 「うわぁぁぁ――」 と叫ぶなり後ずさりし、部屋の中央で仰向けなってに倒れた。 「あなた!?どうしたの?」 叫ぶ妻。出産直後の上に赤ん坊を抱いているため、ベッドから動け ずにいる。助手の娘が確認すると、やはり息はなかった。 |
天里 | 10/4 19:47:34 | 2191cfIHqTy8UPXEo||70 | ||
二人には、何がなんだかわからない。 「もしかすると、この子が原因……?」 母親は、我が子を確認するように抱きなおした。 「まさか、生まれたばかりの赤ちゃんに何もできるわけないわよね」 混乱と悲しみに乱れる心を静めようと、赤ん坊の顔を見た母親の表 情が一変する。 「あ、悪魔が……!早く、この子の目を隠して!!」 娘は意味がわからなかったが、シーツを切り裂き赤ん坊の後ろから 目隠しをした。赤ん坊の目を見てしまった母親は、命を落とした。 |
天里 | 10/4 19:49:15 | 2191cfIHqTy8UPXEo||305 | ||
やはり、この赤ん坊が原因だ。助手の娘は怖くなり、部屋を出よ うとした。しかし、倒れている赤ん坊の父親に躓いて転んだ。その 時、ドアが開いて赤ん坊の祖父母が現れたのだった。 話し終わって、溜め息をつく娘。疑問の多い話しに混乱する祖父 母。 「嫁は、確かに悪魔って言ったのかい?」 「はい。確かにそう言いました」 「悪魔って一体、何かしら」 「私にはよくわからないんです。ただ、赤ちゃんの目を見た人には、 悪魔が見えるようなのです」 |
天里 | 10/4 19:50:58 | 2191cfIHqTy8UPXEo||434 | ||
「そして、悪魔を見た人は死んでしまう」 「はい。一瞬の出来事だったんです。私は、赤ちゃんの後ろ姿や横 顔しか見てないんです」 「では、あの子は一生目隠しをして生きなくてはいけないのね」 三人は黙ったまま、赤ん坊のいる方を見た。いつも同じように訪れ ると思っていた夜が、この日は全く違う重苦しいものとなった。 次の日、若い夫婦と産婆の葬儀が行われた。村人にとっても、衝 撃的で悲しい出来事だった。 |
天里 | 10/4 19:57:22 | 2191cfIHqTy8UPXEo||666 | ||
【おわり】 まだまだ続きはあったのですが……。 書き続けるエネルギーが途切れてしまったようで また他の作品を書いています。 駄作ではありますが感想などありましたら、 よろしくお願いします。 |
スワロー | 10/5 0:9:8 | 6111cfyil7c1Ws9M.||893 | ||
続きがあるなら読みたいなァ〜というのは、 わがままですか^^;面白かったんです! |
天里 | 10/5 9:18:47 | 2191cfIHqTy8UPXEo||253 | ||
ありがとうございます! 続きは、いつになるかわかりません。 約束はできませんが、ゆっくり書いていければいいかなと思います。 |
シェイラ | 10/5 12:58:13 | 2111cfentrQniKejA||778 | ||
こんにちわ!天理さん!とても、わくわくしながら読ませてもらいました。世界設定もかっこいいです。スワローさんと同じく先が読みたいです!私も待っていますよ! |
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