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6916セイクリッド・ブルーistint10/17 0:26:576056cf9NMEeTTHDTw
〜これは世界がまだ闇に閉ざされていた頃のお話〜

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世界はまだ闇よりの勢力に脅かされ、混沌としていた。
グランデュールはこの世界でただ一つの王国であり、人々の最後の砦だった。

闇の勢力との戦争は激化し、最後の灯火も今、まさに冷たい風に吹き晒されているのだった。
城内ではそんな状況を打破すべく、闇王サ・レギュオンを打ち倒す術を模索していた。
そんな時、一人の男が城を訪れたのだった。

 

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 男は自分は預言者だと言い、王に預言を伝えに来たのだった。
「この世が創造された時、既に光と闇の戦いは始まっていた。
 光がある所にまた、影が出来るように闇の力をこの世から消し去る事は難しい。
 だが、夜闇が訪れるように闇がこの世を覆ってしまう事はそれよりも容易いこと。
 それほどに闇の力は強大だ…。
 しかし、まだ望みが絶たれた訳ではない。
 大いなる創造主はこうなる事を予期しておられた。
 探すのだ、光の源を…!
 闇をかき消す光、セイクリッド・ブルーを!」

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こうして、セイクリッド・ブルーを巡る冒険者達の時代が幕を開けたのだった。

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それから数年後…

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また一人の少年が一攫千金を夢に見て、洗礼を受けようとしていた。
 薄い布で出来た儀式の衣の下には、若いが鍛え上げられた肉体が見て取れた。
 顔は馴れない衣に、堅苦しい洗礼とで少しはにかんで見える。
 神官が厳かに口を開く。
 「名は?」
 少年はビクッとし、表情を改め答えた。
 「ルヴィン…っていいます…」
 
 「ではルヴィンよ…そなたにセイクリッド・ブルーの祝福のあらんことを…!」

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無事にお堅い儀式も済み、通行証も手に入れ、ルヴィンは浮かれ気分で城を出た。
 右手に持った父の形見の剣をブンブン振り回しながら鼻歌を歌いながら歩いていた所、
 ドンッと何かにぶつかり、目の前が真っ暗になった。 
 恐る恐る見上げると、ルヴィンより背丈も大きく、がっしりした体付きの男が立っていた。
 男は全身黒ずくめの鎧を着、漆黒のマントを着ていた。
 腰にささっている剣は何やら紋章のようなものが刻まれた立派なものだったが、それも黒だった。
 それよりさらに目を引いたのは男が連れているモノだった。
 直立すれば大人のよりも大きそうな真っ黒な狼。

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 獰猛そうな牙を剥きだし、殺気立った視線をこちらに向けている。
 (ブラックウルフ…)ルヴィンはゴクリと喉を鳴らした。
 噂には聞いていたがこんなに大きいとは…

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黒い騎士はルヴィンに一瞥をくれると、チッと舌打ちをして去っていった。

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黒い狼と一緒に風のように速く…

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ルヴィンは門番に通行証を見せると、沼地に差し掛かった。
 何の手がかりも無いまま、取り敢えずエルフが住むという都市を目指すつもりだった。
 「あそこならきっとたくさんの冒険者がいて、長生きで物知りのエルフが何か知ってるはずだ。」
 沼地は足場が悪く、なかなか先へ進めないまま2日が過ぎた。

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今まで預言のお触れを見て旅立ったものは数知れないがその大半はこの沼地で挫折を味わうのだ。
 そんな堕落者たちはやがて徒党を組み、冒険者を狙う略奪者と成り果てていた。
 中には完全に闇に堕ち、闇王に忠誠を誓うものもいた。
 それらはもう人ではなく、「闇の使徒ジスティ」と呼ばれ恐れられていた。
 冒険者にとって沼地でジスティと会うことは死を意味していた。
 実際にジスティを見て生き残ったものもいるが、皆精神を冒され暗闇を極度に怯えるようになり、
やがて死んでゆくのでなんらそれに関する記録は残されていないのだった。

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ルヴィンはブルッと身震いすると再び歩き出した。
 しばらく歩くと沼地はまばらに木の立った景色に変わっていった。
 ふと、背後に視線を感じ、振り返ると黒い人影のようなものが目に映った。
 (まさか…)
 慌てて弓に矢をつがえ、それに向き直ると人影は消えていた。
 きっと疲れのせいだ。 
 ふうっとため息をつき、顔を上げると眼前にはいつ現れたのか、男が3人ニヤニヤ笑を浮かべて立っていた。

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 「冒険者だな。えらく若いのに可哀相に。お前の旅も此処で終わりだ。」
 刃こぼれのひどい剣をポンポンと手で遊ばせながら男のひとりが言った。
 

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とりあえず休憩します。
お買い物は半獣817番地で☆

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気が向いたら続き書きます。

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それは世界の闇の中心だった。
数千にも及ぶジスティ、半獣人、エルフ、この世のあらゆる闇に属する者達が蠢く所。
外観はグランデュールがすっぽり十は入ろうかという巨大な神殿。
常に暗雲が立ち込め、生ある者の侵入を拒むかのように深い霧で覆われていた。
天を突くような咆哮が鳴り止まず、それは人の世の終わりを告げるかのようだ。

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神殿内部のある一室で捕らえられた一流の冒険者達が不安げに辺りを見回していた。
暗闇で周囲の様子が掴めなかったがわずかに置かれた燭台の光には不気味なジスティの影が映されていた。
ドク…ドク…ドク…静寂の中、自分の脈が激しく打つのが分かる。
何時間経っただろうか、おもむろに静寂を破り、部屋中に声が響いた。
「闇に祈りを…忠誠を…」

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コツ、コツ、コツ

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声のする方向から足音がし、それは近づいてきた。
頭から爪先まで黒いローブに包まれ、表情は分からなかったが、凍て付く様な相貌が鈍い光を放っている。

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「私は闇王の僕、闇の使徒ジスティを統べる闇ソーサラーの一人。
 諸君らは人間という種族の中では非常に優れた能力を持っている。
 しかし、あくまでそれは人という種族に絞っての話、だ。
 諸君が人間という種族でいる限りは我々のように人の肉を捨て、種族の壁を越えた存在の域にたどり着く事は敵わぬ。
 理性を棄て、闇に忠誠を誓え。さすれば偉大なる闇王ザインより新たな肉と力を与えられ、種族を超越した存在となるであろう…!」
闇ソーサラーの台詞が終わるや否や、冒険者の一人が剣を抜き、それに斬りつけた。

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剣は空しく虚空を斬り、切っ先が地面を噛んだ。
「俺は貴様らのような化け物の仲間入りはゴメンだ!」
「フフフ…では魂もろとも永遠に闇の鎖に繋いでやろう…」
剣士は声のする方に向かって再び剣を振った。
剣がローブに触れるかという刹那、闇ソーサラーの目が鋭く光った。

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次の瞬間剣士の体は風も感じる間もなく、派手な音を立てて燭台にぶつかっていた。
体勢を立て直そうともがくが、突然体の自由が奪われ呼吸が出来なくなる。
右手をこちらにかざしたまま闇ソーサラーが剣士にゆっくりと近づいてきた。
剣士の顎をクイと指で上げると先ほどまでとは違う声のトーンで言い放った。
「クク…望み通りの姿になるがよい…」

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口から血の混じった泡を吹き出し、全身の血管が浮き出し、苦しげにもがいている剣士の目玉を長く伸びた爪で抉り出しそれを口に含み、飴玉でもしゃぶるかのように
舌で遊ばせながら、他の冒険者の方へ向き直った。
「フフフ…闇の力…見るがよい」

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剣士は全身から血を噴出し、肉がズルズルと溶け出し、肋骨の向こう側で臓腑が脈打つのが見て取れた。
小一時間程、剣士はこの世のものとは思えないような悲痛と、憎悪の入り混じった断末魔の叫びをフロア中に響き渡らせ、
真っ赤な骨格だけ残し、崩れ落ちた。
闇ソーサラーが恐怖に震える冒険者達に冷たく言い放った。
「さあ諸君、選択の時間だ。」

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解説

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セイクリッド・ブルー
預言にある、世界の闇を振り払うとされている物。
それが何なのかは具体的には明かされていない。

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ルヴィン
城下町で生まれ育った16歳になる少年。
父とは幼い頃に生き別れ、いつも形見の立派な剣を身に付けている。
実家は鍛冶屋で、幼い頃から働いていたため自然に体は鍛えられた。
貧しい実家を建て直すため、お宝「セイクリッド・ブルー」を探す旅に出る。

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黒騎士
ルヴィンが旅に出て最初に出会った人物。
全身黒ずくめで、ブラックウルフを連れている。
当時ブラックウルフは希少種で、人間には懐かないと言われていた。

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ジスティ
闇王に忠誠を誓った使徒。
元々は人間だが、どんな姿をしているのかは一般に知られていない。
普通の人間には気配を感じる事も出来ないという。

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闇ソーサラー
使徒の中でも特別な存在。
超越者、ジスティを統べる者などと呼ばれている。
人間の魔力を遥かに超えた力を行使する。
ソーサラーは七人いると言われている。

istint10/17 19:1:252182cfil00FL0foE2||347
闇王
この世を闇で覆う存在。
実際に存在しているのか、単に信仰の対象なのかは謎。
一般にはサ・レギュオンと呼ばれているが、使徒の中にはザインと呼ぶ者もいる。

istint10/17 19:1:392182cfil00FL0foE2||256
お触書
王が世界中からセイクリッド・ブルーを探し出すため、賞金を掛けて冒険者を募った。
冒険者には色々特権が与えられる。
城下町に家を与えられる。(城下の治安維持の為)
通行証を与えられ、世界中を旅できる。
その他、有益な情報、道具、武器など持ってきたもの、城を守るために使徒やモンスターと戦う者にも恩賞が与えられる。
この名残は今も「ギルド」という形で残されている。

istint10/17 19:1:542182cfil00FL0foE2||896
沼地
城下を出て最初の難所。
光が戻った現在は「輝く草原」として知られている。

istint10/17 19:2:42182cfil00FL0foE2||369
闇の神殿
世界の闇のメッカ。
所在は不明。

istint10/17 19:3:52182cfil00FL0foE2||525
スレ長くなったので此処までにしときます。
また20スレ後に。


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