6948 | DOD | タロー | 10/23 13:45:9 | 2221cfPx/mTMxI5VU |
―25XX年9月21日。 二つの大陸が壊滅した。 |
タロー | 10/23 13:54:44 | 2221cfPx/mTMxI5VU||215 | ||
ガルニア共和国軍隊、未確認生物対策部隊Aチームハルト・ドーク隊長はただ焦っていた。 圧倒的な敵の数。部下は既に大半が死亡していた。 任務は、市民の安全地帯誘導、そして未確認生物の排除。優先任務は市民の安全地帯誘導だった。だが、市民は殆どが死亡しただろう。生き残った市民は逃げ惑い、ビルなどに逃げ込んだ。だが逃げたからと言って生き延びれる訳ではない。時間の問題だ…。 腕に傷を負った隊員がハァハァと喘ぎながら叫んだ。 |
タロー | 10/23 13:54:53 | 2221cfPx/mTMxI5VU||111 | ||
「Bチームはまだですか!!!もう我が部隊は壊滅寸前ですよ!!」 私だってそんな事はわかっている!分かってるんだ!! 「待て、待つんだ…。今に来る。」 曖昧な返事だと自分でも思った。 冷静沈着な隊長、私はそう呼ばれていた。だが、今の状況を見れば冷静沈着には見えないだろう。 |
タロー | 10/23 13:58:7 | 2221cfPx/mTMxI5VU||459 | ||
Bチームからの連絡は一向に来ない。 装甲車の中の本部にいても何の解決にならなかった。 「隊長?どこに行くんです?」 自分でも知らないうちに体が動いた。装甲車の分厚い扉を開け、外の“戦場”へ走った。 とにかく走った。 死屍累々だった。 武装した兵士の死体。そして必死に抵抗したと思われる市民。 私の妻は無事だろうか。 大通りで買い物だと言っていた気がする。 |
タロー | 10/23 14:1:49 | 2221cfPx/mTMxI5VU||208 | ||
死体と煙、そして炎に囲まれた大通りはまるで地獄だった。 壊れた噴水の向こうに、戦闘している兵士が見える。そして謎の生物がのそのそと歩き、兵士をただの動かない死体へと変えている。 正直、何が起こったのかわからない。この街に突如現れた怪物はまるで鋼だった。 銀色の化け物。体がある程度変化し、別の姿になる。 同じ種類の化け物となら融合したりも出来るようだ。 人にも見えるが、ばかでかいトカゲにも見える。 |
タロー | 10/23 14:7:17 | 2221cfPx/mTMxI5VU||207 | ||
噴水に辿り着く。噴水は水がなだれだしてもう噴水とは分からない。 背中に背負っているバズーカを敵の方向へ向けた。 その瞬間、無線から部下の声が聞こえた。 何だ―。口の中でもごもごと呟いた。 「Bチームから連絡です!!Bチームと無線を繋げて下さい!!」 部下のキンキンとした甲高い声が聞こえる。耳障りな声の奴だ。 そして無線についている装置に叫んだ。 |
タロー | 10/23 14:10:34 | 2221cfPx/mTMxI5VU||933 | ||
Bチーム隊長につなげろっ! この無線は声で操作が出来る。便利な機械だった。 すると一瞬のノイズと共に隊長の装甲車につながった。 「大通り噴水前だ!!弾丸と薬は持ってきたのか!!?死体だらけだ。気をつけて走れ。」 「分かった。噴水前だな。もうすぐだ。今すぐ…ぎゃっ。」 …?通信が切れた。 |
タロー | 10/23 14:13:4 | 2221cfPx/mTMxI5VU||63 | ||
本部にいる部下につなげる。 「Bチームと通信が切れたぞ!!どうしたんだ?」 部下は一瞬沈黙した後、大声で叫んだ。 「は、早く避難してください。」 声が震えていた。 ガーッという装甲車の走る音がする。 なんだ―、来るじゃないか。 |
タロー | 10/23 14:13:36 | 2221cfPx/mTMxI5VU||772 | ||
「げっ!?」 |
タロー | 10/23 14:15:51 | 2221cfPx/mTMxI5VU||968 | ||
装甲車は化け物に破壊され、炎上しながらこちらへ向かってくる。 化け物も一緒に。 装甲車には多数の弾丸と火薬、ミサイルが積んである。 「皆ーっ!!逃げろーっ!!」 6秒後にはAチームの大半の兵士が死んでいた。 |
タロー | 10/23 14:17:59 | 2221cfPx/mTMxI5VU||527 | ||
**** Cチームのエルヴィア・D・ジョーンズ隊員は古風の塔の上から化け物を狙撃していた。 エルヴィアはCチームの中では1人だけの女性隊員であり、優れたスナイパーだった。 弾丸は豊富にあった。だが、人の命は豊富ではなかった。 |
タロー | 10/23 14:21:51 | 2221cfPx/mTMxI5VU||918 | ||
この狙撃用ライフルに装填された弾丸は、物に当たるとその内部で爆発する。 街に現れた怪物はそれ1発で消滅した。 だが、“死への道連れ”が多かった。 今まで10匹の怪物を排除した。その内の9匹は兵士に襲い掛かっていた。 そしてそれを狙撃したのだ。当然近くにいた兵士は爆発に巻き込まれる。 今まで何人殺したのかわからないが、ほとんど死んだのではないのだろうか。 次は襲い掛かっていない怪物を見つけた。 |
タロー | 10/23 14:23:59 | 2221cfPx/mTMxI5VU||492 | ||
スコープに目を当て、引き金に指をかける。 その瞬間後ろからうめき声が聞こえた。後ろを見ると、銀色の怪物が飛びかかろうとしていた。 しまった―油断したっ…。 エルヴィアの死体とライフルが塔の上から落ちた。 |
タロー | 10/23 14:27:9 | 2221cfPx/mTMxI5VU||4 | ||
**** Cチーム隊員、アルダン・カイツは軍の基地の中に侵入してきた怪物を必死に排除していた。 死体の海の中に、アルダンの恋人のレイチェルもいた。いや、あったというべきだな。 他の奴らはどうなったんだろう。アルダンは絶望していた。 脱出できるだろうか…。 |
タロー | 10/23 14:31:45 | 2221cfPx/mTMxI5VU||630 | ||
軍の基地の将校がいる階層にアルダンはいた。 将校はのんびりとお茶でも飲んでいたのだろう。死体のそばにティーカップが落ちていた。 別の将校は、部屋の中のベットで素っ裸で裸の金髪の女と共に覆いかぶさるように息絶えていた。昼間から何やってんだよっ!!この変態め!! 将軍の部屋の扉が開いていた。豪華な木製の扉で、職人が掘ったと思われるが、金の犬が掘ってある。将軍は本当に犬好きだった。 |
タロー | 10/23 14:33:17 | 2221cfPx/mTMxI5VU||217 | ||
犬に足かまれたっけな―。 将軍の犬は巨大なシベリアンハスキー。あそこまで巨大なら怪物くらい殺せるかもしれない。 まぁいい。1人呟き将軍の部屋に入った。 |
タロー | 10/23 14:36:16 | 2221cfPx/mTMxI5VU||608 | ||
誰もいないようだった。将軍も犬も女もいない。将軍に愛人がいるとは思えないが…。 その瞬間後ろから銃を頭に突きつけられた。むぅ!! 「お前は誰だ…。」声がかすれたかもしれない。 「銃を床に置け。」 聞き覚えのある低い声だった。 |
タロー | 10/23 14:39:10 | 2221cfPx/mTMxI5VU||166 | ||
銃を置き、振り向く。俺と同じ黒い髪。同じ軍服だ。 …、すると男はポケットからIDカードを取り出した。 なんと俺と同じ顔の写真が。IDも、名前もすべて同じだった。 男はふんと笑い、 「久しぶりだね。兄さん。」と呟いた。 |
タロー | 10/23 14:43:34 | 2221cfPx/mTMxI5VU||718 | ||
「アレックス?」なぜ俺の弟が此処に…。 「10年ぶりだな…。俺はレンバイツのスパイなんだよっ!!馬鹿め!!今日こそはお前を殺してやるからな」 弟は10年前に敵国のレンバイツへと渡った。弟とは10年前に撃ちあいをした―。 理由は、弟の恋人を俺が車で轢いたからだ…。弟のアレックスは俺を殺しかけ、そしてレンバイツへ逃げた…。そしてその3年後にレンバイツとガルニアの戦争が始まった。 |
タロー | 10/23 14:47:19 | 2221cfPx/mTMxI5VU||736 | ||
「さあ、そのソファに座ってもらおうか。」 アレックスは呟いた。 そしてアレックスは銃を向けたまま言った。 「貴様と同じ顔で助かった。お前のアホな仲間は俺を完全に『アルダン・カイツ』だと信じていたよ。そしてゆっくりと後ろからナイフで心臓を抉り取ってやった。」 そう言ってニヤリと残酷に笑った。そして血まみれのナイフと心臓をアルダンに向けて軽く投げた。 |
タロー | 10/23 14:50:41 | 2221cfPx/mTMxI5VU||520 | ||
くそ!!何と言うことだ!!こいつは狂ってる。早く逃げ出さねば…!! 目の前の狂った男は顔をゆがませながら 「ハハハハハハハハハ!!」と笑っている。 あそこの銃を取れば…、そしてチラッと銃を見た。 するとアレックスは怒りに顔をゆがませて、 「貴様ぁ、逃げ出そうとしてんのか?このクズが…。」 と叫んだ。顔を赤くし、つばを散らしている。 |
タロー | 10/23 14:53:35 | 2221cfPx/mTMxI5VU||762 | ||
「そこを動いてみろ。お前は死ぬぞ。」 と言って視線をアレックスへゆっくりと移らせた 「貴様!!動くなっつっただろうがぁー!!!」 アレックスはポケットからボタンのついた装置を取り出し、ボタンを押した。するとアルダンの上の天井が崩れ、瓦礫がアルダンに降り注いだ。 ぐああーっ!!というアルダンの断末魔の叫び声。 |
タロー | 10/23 14:56:37 | 2221cfPx/mTMxI5VU||771 | ||
ソファが壊れ、倒れたアルダンは瓦礫にうずもれてしまった。 アレックスは残酷に笑っている。天井のヒビが広がっている事には気づかない。 そしてアレックスの上の天井が崩れ、アレックスの頭に瓦礫が当たった。 倒れこむアレックス。そしてアレックスは残酷な顔のまま倒れた。 アルダンと同じように瓦礫にうずもれてしまった。 |
タロー | 10/23 14:57:19 | 2221cfPx/mTMxI5VU||726 | ||
そして柱が壊れ、将軍の部屋からの出口をふさいだ…。 |
タロー | 10/23 14:58:6 | 2221cfPx/mTMxI5VU||724 | ||
それから30分後、1人の男が目を覚ました。 |
タロー | 10/23 14:58:51 | 2221cfPx/mTMxI5VU||62 | ||
―続く。 |
壱号 | 10/23 17:45:37 | 6127cfjjkaSD0enTA||132 | ||
すごい面白かったです。 続き気になります! |
特殊文字 by.チビファンタジー 過去ログ | ||||