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6967セイクリッド・ブルー(第3回)istint10/27 19:15:125919cfXurCsuYmS0E
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-6916.html 第一話
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-6946.html 第二話
前スレです。

istint10/27 19:16:125919cfXurCsuYmS0E||91
ジスティが突然けたたましい咆哮を上げると幽霊のようにぼやけていた体がくっきり現れた。
そしてその咆哮を合図に死体たちが起き出した。
「来るぞ…怖気ついたか、ボウヤ?」
黒騎士が剣を抜いた。
ルヴィンは答えなかったが剣を構えた。

istint10/27 19:16:395919cfXurCsuYmS0E||474
切っても切っても盗賊たちの死体は次々と向かってくる。ルヴィンは必死に剣を振り回す。
切り飛ばされた腕も動き出し、足を取ってくる。
黒騎士も流石にこれには手を焼いているようだった。

istint10/27 19:17:505919cfXurCsuYmS0E||380
が、地の底から響くような唸り声を上げ襲い掛かるジスティと黒騎士は互角の戦いを繰り広げていた。
ジスティは大きく婉曲した剣を不気味な太刀筋で黒騎士に襲い掛かるが、黒騎士は全てそれを受け止めていた。
黒騎士がチラッとルヴィンの方を見ると亡者に囲まれ、ジスティの唸り声により体力を奪われ、疲労の色が
見て取れた。

istint10/27 19:18:305919cfXurCsuYmS0E||532
黒騎士はジスティを強力な剣圧で押し倒すと指を咥え、口笛を吹いた。
すると、それに答えるかのように勇ましい咆哮と共にあのブラックウルフが現れ、見る見る内に亡者をなぎ倒していった。
黒騎士の手から青い糸の様な光が出て、ブラックウルフを包んでいた。

istint10/27 19:19:55919cfXurCsuYmS0E||564
再び起き上がったジスティが黒騎士に斬りかかる。
黒騎士は剣を受け止め、両者は膠着状態にあったが、背後からブラックウルフがジスティに噛み付き、一瞬力が弱まった隙を逃さず黒騎士の刃が深々とジスティの胴に食い込んだ。

istint10/27 19:19:475919cfXurCsuYmS0E||868
それは恐ろしい断末魔を上げ、口からドス黒い液体を吐き出したが、まだ剣を握り締め、滅茶苦茶に振り回している。
黒騎士は少しジスティから離れると、剣の構えを変え、気合と共にジスティの首を切り飛ばした。

istint10/27 19:20:255919cfXurCsuYmS0E||865
暫く転がってる首は何か喚き散らしていたが、やがて静かになり、それは人の頭蓋骨に姿を変え、灰になった。

istint10/27 19:20:465919cfXurCsuYmS0E||106
ルヴィンは暫く震えが止まらなかった。人を切ったのも切られたのも初めての経験だった。
「怖いか?これでわかったろう?ボウヤに剣は似合わんよ。
 解かったらさっさと城下に帰るんだな。」

istint10/27 19:21:25919cfXurCsuYmS0E||496
黒騎士がルヴィンの肩に手を置き、チラッと彼の手に握られたままの剣に目をやった。
刀身には見事な細工が施されていた。とても一介の鍛冶屋が作ったものには思えない。
そして鞘には黒騎士には見覚えの在る紋章が刻まれていた。

istint10/27 19:21:285919cfXurCsuYmS0E||515
「その剣はどこで手に入れた?」

istint10/27 19:21:425919cfXurCsuYmS0E||981
「父さんの形見さ。立派な鍛冶屋だったんだ。」

istint10/27 19:21:525919cfXurCsuYmS0E||561
「父の名は?」

istint10/27 19:22:45919cfXurCsuYmS0E||23
「アイシス。あんたが何者かは知らないけど、父の知り合いとは思えないよ。」

istint10/27 19:22:295919cfXurCsuYmS0E||834
黒騎士は一瞬驚きのような表情を見せ、暫く黙ってルヴィンを見つめていたが、やがて口を開いた。
「お前は腕力もあるし、なかなかの剛剣を振るう。
 だが太刀筋が滅茶苦茶だ。まるで子供のチャンバラごっこだ。」

istint10/27 19:22:535919cfXurCsuYmS0E||699
ルヴィンは少しムッとして言い返す。
「一体何なんだよ!帰れと言ったり父の名前聞いたり、おまけに俺の剣が滅茶苦茶だって!?
 当たり前だろ!弓は使うけど剣なんか人間相手に使った事無いからな!」

istint10/27 19:23:35919cfXurCsuYmS0E||699
「その腕じゃ明日にも命を落とすかも知れん」

istint10/27 19:23:145919cfXurCsuYmS0E||382
「あんた、一体ナニが言いたいんだよ!?」

istint10/27 19:23:325919cfXurCsuYmS0E||599
黒騎士はニヤッと笑うとポンポン、と自分の腰に差してある剣を叩いた。
「俺が稽古つけてやる。」
ルヴィンはポカンとした顔で黒騎士を見上げた。

istint10/27 19:24:295919cfXurCsuYmS0E||59
盗賊のアジトで奪った馬の背でまだルヴィンは訳がわからないでいた。
黒騎士に尋ねても「いずれ解かる。」と言われるだけだった。
が、色々解かった事もある。

istint10/27 19:24:465919cfXurCsuYmS0E||218
黒騎士の名前はレンティーニ。歳はルヴィンが見た感じでは20代後半といったところか。
髪はボサボサで顎鬚を蓄え、言葉遣いも仕草も乱暴だがどこか気品を感じさせるような顔立ちだ。
ブラックウルフの名前はティア。どこで手に入れたかは教えてくれなかった。
こいつは最高の相棒さ、と言ったレンティーニは少し嬉しそうだった。

istint10/27 19:25:145919cfXurCsuYmS0E||66
走りながらルヴィンは色々質問を投げかけた。
「レンティーニからティアに向かって出ていた青い糸みたいな光ってナンだったんだ?」

istint10/27 19:27:225919cfXurCsuYmS0E||382
「ほう、アレが見えたのか。アレはなぁ…魔力の糸ってとこか。
 魔力ってのは別に火を起こしたり地面を割ったりするだけに使うんじゃない。
 俺は魔力を動物の潜在能力を引き出し一時的に戦闘能力を高めるのに使っただけ  さ。
 強力な魔法を使うのには魔力が高いだけではダメだ。色々複雑な模様をを魔力の糸で紡ぎ出さなきゃならん。
 その点、これは魔法じゃなく糸のまま直接の魔力の強さが影響を与えるモンだから剣士には向いてる能力だろうな。」

istint10/27 19:27:415919cfXurCsuYmS0E||937
そういうとレンティーニは手のひらにポッと青い光の玉を出して見せた。

istint10/27 19:27:535919cfXurCsuYmS0E||368
「俺にも出来るかな!?レンティーニは火を出したり出来るの!?」

istint10/27 19:28:305919cfXurCsuYmS0E||183
「お前にも出来るさ。炎も出せん事も無いが魔力の糸を紡いでる暇が在ったらコイツでた叩っ切った方が性に合うんだ。」
剣を撫でながら、レンティーニが答えた。

istint10/27 19:33:395919cfXurCsuYmS0E||291
<登場人物>
レンティーニ
ルヴィンが城下で出会った全身黒ずくめの騎士。
鬼神のような強さでジスティを圧倒した。
(普通の人間ではジスティには太刀打ち出来ない)
熊のような大きさのブラックウルフを連れている。
乱暴で強引な性格だが、貴族のような風格を漂わせている。

istint10/27 19:35:305919cfXurCsuYmS0E||590
ティア
レンティーニの相棒のブラックウルフ。
戦闘ではレンティーニの魔力により能力が格段に上昇する。
どこで入手したかは不明。

istint10/27 19:36:535919cfXurCsuYmS0E||121
アイシス
ルヴィンの父親。
ルヴィンは鍛冶屋だったと思い込んでいるが…
レンティーニは何か知ってそう。

istint10/27 19:38:505919cfXurCsuYmS0E||27
でわまた次回お会いしましょう。


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