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6997セイクリッド・ブルー(4)istint10/29 22:47:502182cf0uGPKrpO9YI
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-6916.html 第一話
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-6946.html 第二話
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-6967.html 第三話

istint10/29 22:49:172182cf0uGPKrpO9YI||304
辺りが薄暗くなってきた頃、沼地を抜け広い川に出た。
「今日はこの辺で野宿だ。ここは闇の瘴気が少ない。」

istint10/29 22:49:302182cf0uGPKrpO9YI||639
ウーンっと伸びをしてルヴィンが馬から降りた。
休もうとしていると、レンティーニに棒切れを渡された。
「さあ、訓練の時間だ。」

istint10/29 22:49:462182cf0uGPKrpO9YI||483
レンティーニの訓練は厳しく、ルヴィンは何度も殺されるのではないかと思うほどだった。
ルヴィンが放った全力の一撃をレンティーニは素手で受け止め、鋼のような拳をルヴィンの腹にめり込ませる。
ルヴィンがあまりの激痛にしゃがみこむと容赦なく顔面を蹴り上げられた。

istint10/29 22:50:152182cf0uGPKrpO9YI||583
「お前のバカ力などこんなもんだ。そんな程度の力量じゃ生き残れんぞ。」
肩まで水に浸かったまま剣の素振りを一日に何時間もやらされたり、ブラックウルフの攻撃を素手でかわす訓練をやらされたりもした。

istint10/29 22:50:322182cf0uGPKrpO9YI||908
魔力の訓練では全身に張り巡らせた魔力の糸を使い敵の気配をより敏感に察知するために目隠しでレンティーニの攻撃を受け止める訓練をやらされた。

istint10/29 22:50:412182cf0uGPKrpO9YI||83
ルヴィンの身体は傷だらけになり、乱暴なレンティーニの虐待に対する不満が募っていった。

istint10/29 22:52:52182cf0uGPKrpO9YI||14
しかし、ある日ルヴィンが一度だけ何か技を見せてくれとせがむと、おもむろにレンティーニは剣を取り出し、無造作に流れる川に向けてあのジスティの首を刎ねた時の構えから剣閃をひらめかせた。
川の水は轟音と共に5メートルほど上空に巻き上がり、川底にX字の亀裂が入った。

istint10/29 22:52:232182cf0uGPKrpO9YI||826
また、レンティーニの弓はルヴィンが全力で引いてもびくともしないほど強力で、100M先の岩に風穴を開けることも出来た。
ルヴィンはそうして改めてレンティーニの強さを思い知った。

istint10/29 22:52:322182cf0uGPKrpO9YI||960
そして次第に不満は尊敬の念へと変わっていったのだった。

istint10/29 22:52:492182cf0uGPKrpO9YI||318
レンティーニの拷問のような訓練を受けながら、川を上流に向かって進んでいくと、ルヴィンが奇妙な死体を発見した。
死体は所々腐っていたが、何か強力な酸で溶かされたような形跡があった。
「これは…?」

istint10/29 22:53:42182cf0uGPKrpO9YI||750
恐る恐るレンティーニに尋ねると、彼は少し考えてからニヤッと笑い答えた。
「これはこの川に生息するゲロッグって化けモンの仕業だな。どうやら近くに奴等の巣があるに違いない。
 お前の成長を見るにはあつらえ向きの相手だな。
 よし、あいつらの巣を叩くぞ。」

istint10/29 22:53:162182cf0uGPKrpO9YI||50
レンティーニの予想通りすぐ近くに茂みに覆われた巣らしきものが見つかった。

istint10/29 22:53:252182cf0uGPKrpO9YI||522
「危なくなったら助けてやる。行って来い。
 ジスティ配下のゾンビよりは戦い易いだろう。」

istint10/29 22:53:422182cf0uGPKrpO9YI||832
ルヴィンはまだゲロッグがどんなモノか想像もつかないまま、首を掴まれ無理矢理巣の中に放り込まれた。
「いってー…バカ力のレンティーニめ。
 クソ!見てろよ…」

istint10/29 22:53:552182cf0uGPKrpO9YI||78
ルヴィンはレンティーニから教わった敵の気配をより敏感に察知する魔力を使ってみた。
研ぎ澄まされたルヴィンの感覚が5匹の敵の気配を捉えた。

istint10/29 22:54:162182cf0uGPKrpO9YI||870
低いゲロゲロという唸り声と共に敵の一匹が姿を現した。
化け物は蛙のような姿をしていたが、直立するとルヴィンの背よりも高く、長く伸びた舌からは消化液のような
ものがポタポタと垂れていた。
(注…この頃のゲロッグは闇の瘴気の影響でより巨大で凶暴なものだった

istint10/29 22:54:312182cf0uGPKrpO9YI||47
ルヴィンはそっと剣を構えた。
心臓がドクドク音をたてている。

istint10/29 22:54:482182cf0uGPKrpO9YI||294
しばらく互いに間合いを測っていたが、痺れを切らせたゲロッグが先に襲い掛かってきた。
鞭のような舌をひらめかせ、長い爪で引き裂こうと腕を振り上げた。
ルヴィンも剣でそれを受け止める。
(ん…なんだ…ティアのに比べたら手ごたえがないな…よし!)

istint10/29 22:55:22182cf0uGPKrpO9YI||603
ルヴィンは受け止めた剣をそのまま振り抜き、ゲロッグの腕を切り落とした。
緑色をした体液を噴出し、ゲロッグが身の毛もよだつようなおぞましい声を上げた。
が、その一瞬後にはそれの首がポロっと地面に落ち、辺りには静けさが戻った。

istint10/29 22:55:192182cf0uGPKrpO9YI||263
「ふう、滅茶苦茶な特訓もそれなりに実になってるじゃないか。
 レンティーニに感謝しなくちゃな。」
まだ二体残ってるよな、と、ルヴィンが気配を探ると、いつのまにか数え切れないほどのゲロッグに囲まれていた。

istint10/29 22:55:552182cf0uGPKrpO9YI||648
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istint10/29 22:56:142182cf0uGPKrpO9YI||28

気持ちのいい夜風を受け、ティアの首を撫でてやりながらレンティーニがつぶやいた。
「アイシス…お前との約束、守る時がやってきたな…
 それにしてもルヴィンの奴死んじゃいないだろうな?」
レンティーニがそっと巣の中に魔力の糸を送った。

istint10/29 22:56:342182cf0uGPKrpO9YI||550
「まずいな…おそらくこの巣にはクイーンがいる。
 あいつ本当に死んでしまうぞ」
ティアが心配そうにレンティーニの顔を覗き込み、ク〜ンと一声鳴いた。

istint10/29 22:56:432182cf0uGPKrpO9YI||664
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istint10/29 22:57:82182cf0uGPKrpO9YI||695
「くそ!斬っても斬ってもキリがないな。
 どっから湧いてきてるんだ、こいつら!」
徐々にだが、ルヴィンの体力が失われ集中力もおろそかになり、ゲロッグの攻撃を受けるようになってきた。
こうなったのもレンティーニのせいだぞ。やっぱりあいつは滅茶苦茶だ。

istint10/29 22:57:162182cf0uGPKrpO9YI||282
一瞬の油断。

istint10/29 22:57:302182cf0uGPKrpO9YI||433
ルヴィンの手から剣が零れ落ちた。
一斉にゲロッグが襲い掛かる。
もうだめだ…!!ルヴィンは思わず目を瞑った。

istint10/29 22:57:512182cf0uGPKrpO9YI||237
その時だった。黒い剣が風を裂き、クルクルと回りながら飛んできてルヴィンを取り囲んでいたゲロッグの首を一度に刎ねた。

istint10/29 22:58:32182cf0uGPKrpO9YI||861
「もうあきらめるのか、ぼうや?
 死にたくなかったら剣を取れ。」

istint10/29 22:58:292182cf0uGPKrpO9YI||224
ルヴィンが目を開けるとレンティーニが立っていた。
後ろから襲い掛かるゲロッグを振り向きもせず裏拳で殴りとばし、ルヴィンに剣を渡す。

istint10/29 22:58:492182cf0uGPKrpO9YI||944
「ここはクイーンの巣だ。 
 クイーンを殺せば奴らは大人しくなるだろう。
 ゴミは俺が相手するからお前はクイーンを目指せ。いいな。」

istint10/29 22:59:392182cf0uGPKrpO9YI||601
フンッと気合を入れ、レンティーニが剣を振り下ろすと十数メートル先の地面まで亀裂が入り、その先にいた者は全て真っ二つになり、命を失った。
「道は作ってやった。行け。」

istint10/29 22:59:572182cf0uGPKrpO9YI||95
有無を言わさずルヴィンはレンティーニに走らされた。
ゲロッグ達を必死に薙ぎ払いながら進むと、少し広い場所に出た。
そこには今までのゲロッグの倍ぐらいの大きさのゲロッグがいた。
赤い目をルヴィンに向け、物凄い勢いで突進してきた。
それはクイーンに違いなかった。

istint10/29 23:0:162182cf0uGPKrpO9YI||917
ルヴィンはクイーンの爪を受け止めると、腹を思い切り蹴り上げた。
ゲロッグは怯んだが、同時に口から酸を吐き出し、ルヴィンの頬を焼いた。
痛さと疲れで眩暈がしたが何とか持ちこたえた。

istint10/29 23:0:322182cf0uGPKrpO9YI||929
だが、今までのゲロッグとは段違いの重い攻撃に体力はもう限界だった。
こんな時、レンティーニならどうするだろう…
ハッとルヴィンは何かを思いつき、少しクイーンとの間合いを広く取る。
目を閉じて、全てを魔力による感覚に委ねた。

istint10/29 23:1:02182cf0uGPKrpO9YI||778
クイーンの爪がルヴィンの頭に振り下ろされようとしたその時、ルヴィンは目を閉じたまま剣を思い切り前方に突き立てた。
緑色の血飛沫を上げ、断末魔と共にクイーンは倒れた。

istint10/29 23:1:212182cf0uGPKrpO9YI||933
「ハアハア…レンティーニ、大丈夫かな…」

istint10/29 23:1:532182cf0uGPKrpO9YI||511
剣を引きずりながらフラフラとおぼつかない足取りで元来た道を引き返すと、ゲロッグたちの死体の山の上にレンティーニがくつろいだ様子で座っていた。

istint10/29 23:2:152182cf0uGPKrpO9YI||280
「お前があんまりトロ臭ぇから俺が黙らせてやった。」

istint10/29 23:2:422182cf0uGPKrpO9YI||874
今回はここまで。
また次回をお楽しみに。

シェイラ10/31 16:39:02111cfEj0/32PVlaI||224
読ませていただきました。ものすごくワクワクします!レンティーニの強さとルヴィンの成長がとても楽しみです!後、反発しあいながらも次第に相手を信じあえていくのがとても、素敵でした♪

istint10/31 22:12:235919cfmO/oQlGKkBo||125
いつも感想ありがとうです!
徐々にレンティーニの強さの秘密や、ルヴィンの出生の秘密も明かしていくので楽しみにしててくださいね。


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