7001 | 風の唄―第2話― | 空華 | 10/30 12:57:43 | 2031cfugNPyUOK282 |
最悪! この一言に尽きる。 あいつの馬鹿。 大声で声なんかかけてくれちゃったせいで、見つかっちゃったじゃない。 どういう大声してるのよ? 今回は……数分くらいしかさかのぼらない。 |
空華 | 10/30 13:2:53 | 2031cfugNPyUOK282||486 | ||
その数分前は、私達……私・リアと親友のフィナは、見つかっていなかった。 固唾を飲んで、やや離れていたところに居る大人達を見ていた。 吹きこんでくる風が、いつもより強い気がした。 儀式なのか祈祷なのかもしくはその他なのか。 少々離れているため、それはわからない。 そして…… 「よお!」 ……!! 私は振り向いた。驚いた表情のフィナも同じく。 そこには、私達の幼なじみが居た。 |
空華 | 10/30 13:8:32 | 2031cfugNPyUOK282||238 | ||
「こそこそと何やってんだ?」 私達の事情を全く知らない幼なじみの少年は、元気一杯の声。 この野郎……。 こいつはレットという。 元気だけがとりえって感じの奴。一応同年代。 そのレットは、何も知らない笑顔でこっちを見ている。 不運は続くものだなあ。 運の無いことに、ここは今風上だった。 っていうか、レットが祠に入って風が入り、今風上になったと言うべきかも。 草原の方へと目を向ければ……大人たちの数名が訝しげに何か話している。 私とフィナは顔を見合わせた。 そして、思いっきり恨みがましくレットを睨み付けた。 |
空華 | 10/30 13:13:36 | 2031cfugNPyUOK282||493 | ||
私達のその視線でようやく気がついたのか、レットが茶髪の頭をかく。 小声でごめん、と言った。 いまさら小声になっても遅いし、ごめんじゃすまないから。 不意に、フィナが私の服を引っ張った。 「リアぁ、どうしよう、どうしよう?」 何?とフィナの方を見て、草原を見て、私は凍り付いた。 若い人のうちの一人が、こちらへと向って来ていた。 少し近づいたために、その人が女の人で、何かの儀式のような服を着ているのがわかった。 って、違う!のんびり観察なんかしてられない! |
空華 | 10/30 13:16:59 | 2031cfugNPyUOK282||271 | ||
『どうする?逃げる?……そもそもあんたが声なんかかけるから!』 『ごめんって言ってるじゃん』 『ごめんですむか!』 『リア、落ちつい――』 小声で話していた私達。フィナの声が途中で止まった。 見れば、フィナは凍り付いている。 あ、レットも凍り付いた。 私も固まった。 目の前に居るのは、……さっき近づいてきていた女の人だ。 どうしよう!?言い訳なんか思い付かないよ……。 |
空華 | 10/30 13:18:11 | 2031cfugNPyUOK282||295 | ||
+後書き+ また登場人物が増えました。 楽しんでいただけたでしょうか? 今回も読んでいただきありがとうございました。 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-6926.html ↑プロローグ http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-6954.html ↑第1話 |
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