7043 | セイクリッド・ブルー(5) | istint | 11/5 0:51:28 | 6056cfzqQ35TJL046 |
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-6916.html 第一話 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-6946.html 第二話 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-6967.html 第三話 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-6997.html 第四話 |
istint | 11/5 0:52:27 | 6056cfzqQ35TJL046||480 | ||
川を上流に向かって進んで行くとエルフの集落がある。 途中、山を越えなければならないが大した問題も無く、集落にたどり着く事が出来た。 ルヴィンは初めて見る城下町以外の町で、興奮していた。 |
istint | 11/5 0:52:46 | 6056cfzqQ35TJL046||21 | ||
エルフは見た目は人間と変わらないが、高い魔力を持ち、非常に長命の為、様々な知識が蓄えられていた。 レンティーニは集落の一番奥の大きな屋敷に向かってどんどん先を歩いていった。 ルヴィンはもう少し見物をしたかったが仕方なしに彼の後を付いていく。 |
istint | 11/5 0:53:0 | 6056cfzqQ35TJL046||861 | ||
「なあ、もっとゆっくり街を見たいんだけど。」 |
istint | 11/5 0:53:18 | 6056cfzqQ35TJL046||250 | ||
レンティーニは片方の眉を上げてルヴィンの方を向いたがそのまま歩き続けた。 |
istint | 11/5 0:53:35 | 6056cfzqQ35TJL046||154 | ||
大きな門の前に着くと兵士に止められた。 「待て!素性の分からぬ輩を通すわけにはいかない。お引取り願おう。」 そういうと槍先をレンティーニに突きつけた。 |
istint | 11/5 0:54:0 | 6056cfzqQ35TJL046||16 | ||
レンティーニは面倒くさそうに槍先をつまむと、粉々に握り潰してしまった。 兵士は驚いたがすぐに手の中に炎の塊を作り出し、レンティーニに向けて投げつけた。 レンティーニは炎の塊をフッと一息でかき消すと、目にも留まらぬ早業で剣を抜き放つと兵士の首にそれを突きつけた。 |
istint | 11/5 0:54:13 | 6056cfzqQ35TJL046||903 | ||
その時門が開き、一人の老人が現れた。 「レンティーニ殿、兵士の無礼をお許しくだされ。」 レンティーニは黙って剣を収めると、老人の方に向き直った。 「暫らくぶりだな。グラム長老。」 |
istint | 11/5 0:54:51 | 6056cfzqQ35TJL046||156 | ||
ルヴィンはワケが分からないまま奥の部屋に通され、もてなしを受けた。 見た事も無いようなご馳走が目の前に置かれ、どこから手をつけていいかわからない。 あいつ野蛮人みたいな性格だから大丈夫かな、とレンティーニの方に目を遣るとまるで貴族のように優雅な物腰で堂々と振舞っていた。 |
istint | 11/5 0:55:15 | 6056cfzqQ35TJL046||702 | ||
そしてチラッとルヴィンの方を見るとクスッと笑い、 「ルヴィン殿、少し楽にされよ。」とからかうように言った。 |
istint | 11/5 0:55:41 | 6056cfzqQ35TJL046||299 | ||
ルヴィンが恥ずかしくて顔を真っ赤にしてモジモジしていると 「レンティーニ、意地悪しちゃダメよ。」と、さえずる様な綺麗な声がした。 |
istint | 11/5 0:56:4 | 6056cfzqQ35TJL046||978 | ||
ルヴィンがその声のする方に顔を向けると、この世のものとは思えないほど美しい女性が立っていた。 背はルヴィンと同じぐらいで髪は胸くらいまでの長さでプラチナに輝いていた。 目鼻立ちがはっきりしており、キリッとした顔立ちだが優しさが溢れ出していた。 真っ白のドレスを身に付けたその女性が話しかけてきた。 |
istint | 11/5 0:56:15 | 6056cfzqQ35TJL046||300 | ||
「食事のお味はいかが?ルヴィン。」 |
istint | 11/5 0:56:27 | 6056cfzqQ35TJL046||881 | ||
ルヴィンは一層モジモジして「…はい。」と答えるのが精一杯だった。 「私はエルフの王女、ニナ。レンティーニと仲良くしてあげてね。」 ルヴィンは真っ赤になって頷いた。 |
istint | 11/5 0:56:52 | 6056cfzqQ35TJL046||956 | ||
食事が終わり、部屋に戻ると既に部屋にはレンティーニがいた。 ルヴィンの顔を見るなり大笑いした。 |
istint | 11/5 0:57:30 | 6056cfzqQ35TJL046||342 | ||
ルヴィンは少しムッとして尋ねた。 「あんた一体何者なんだ!?ただの剣士じゃないな?」 レンティーニはルヴィンの頭にポンっと手をおくと、いつもの様に「いずれ分かる。」と言うだけだった。 |
istint | 11/5 0:59:32 | 6056cfzqQ35TJL046||940 | ||
ルヴィンは納得いかないような顔をしていたが、「ちぇ」と言うとすっかり日課になってる剣の素振りをしに外へ出た。 素振りをしている時は何も考えなくていい。 |
istint | 11/5 0:59:45 | 6056cfzqQ35TJL046||490 | ||
一心不乱に剣を振るっていると不意に後ろから声を掛けられた。 「こんな夜まで剣の訓練をしてるのですね。感心ですわ。」 振り返るとそこにはエルフの王女ニナが立っていた。 |
istint | 11/5 1:0:3 | 6056cfzqQ35TJL046||976 | ||
「あなたの事はレンティーニから色々聞いたわ。あんなに嬉しそうに話すレンティーニは久しぶりに見ました。 きっとあなたの事すごく大事に思ってるんだわ。ルヴィン。」 |
istint | 11/5 1:0:30 | 6056cfzqQ35TJL046||956 | ||
ルヴィンは黙って聞いていたが口を開いた。 「でもレンティーニは俺のこといつも子ども扱いして何も肝心な事は教えてくれないんだ。 俺はレンティーニが何者なのかも判らないんだ。」 ニナは少し考えるような表情を見せ、答えた。 「レンティーニのこと、知りたいですか?」 |
istint | 11/5 1:0:44 | 6056cfzqQ35TJL046||577 | ||
ルヴィンがコクッと頷くと、王女がさえずるように美しい声で語り出した。 |
istint | 11/5 1:1:46 | 6056cfzqQ35TJL046||638 | ||
「レンティーニは今は滅ぼされたダークエルフの最後の一人です。 ダークエルフはエルフの中でもある事に非常に優れた能力を持った部族でした。 その能力に目を付けた闇王が従属を迫ったのですが彼らはそれを拒否し、5年間にも及ぶ戦争の末、ただ一人の戦士を残して死に絶えてしまったのです。 その戦士はそれ以来ただ一人で闇との戦いに身を置き、終わる事の無い旅を続けているのです。 私も詳しい事は知らないのですが、その戦争時の時のダークエルフの王がレンティーニだったそうです。」 |
istint | 11/5 1:2:2 | 6056cfzqQ35TJL046||70 | ||
ルヴィンは話を黙って聞いていたがやがて口を開いた。 「ダークエルフの能力って何なのですか?」 |
istint | 11/5 1:2:36 | 6056cfzqQ35TJL046||86 | ||
「ダークエルフはエルフ族で唯一の戦闘民族でした。 一流の戦士は美しい剣舞を舞い、血の華を戦場に咲かせることができました。 レンティーニはダークエルフの歴史上でも最も優れた踊り手でしょうね。 彼はダークエルフ最後の日、十体のジスティと数百の軍を一人で相手にして生き残った戦士です。 闇王に目を付けられたのはやはりその卓越した戦闘能力でしょうね。」 |
istint | 11/5 1:2:52 | 6056cfzqQ35TJL046||518 | ||
またルヴィンが口を挟む。 「えっと、話が飛んでしまうんですけど、ティアってどこでレンティーニに付いて来たんでしょうね。 ブラックウルフなんて御伽噺でしか聞いた事なかったんで…」 |
istint | 11/5 1:3:6 | 6056cfzqQ35TJL046||559 | ||
「ブラックウルフはダークエルフの守り神です。 歴代の王は皆戦場ではブラックウルフと共に駆け回っていたと聞いてます。 ティアは最初からレンティーニと一緒でしたよ。」 |
istint | 11/5 1:3:23 | 6056cfzqQ35TJL046||761 | ||
ルヴィンは話を聞き、しばらくレンティーニの凄まじい生き様と宿命に口を開く事が出来なかった。 もっと聞きたい事がたくさんあったがじっと口をつぐんでいるとやがてニナが話し出した。 |
istint | 11/5 1:3:41 | 6056cfzqQ35TJL046||377 | ||
「レンティーニは一人で戦い続けてます。 これからも戦い続けるでしょう。 自らを修羅と化し、その身が滅びるまで…。」 |
istint | 11/5 1:4:21 | 6056cfzqQ35TJL046||457 | ||
その時、村の入り口の門のほうで爆発音のような音がし、火の手が上がった。 それとほぼ同時に屋敷から黒い影が飛び出し、門の方へ向かった。 「何事でしょう…?まさか…」 ニナが不安げにルヴィンの顔を覗き込む。 「心配ないですよ、レンティーニがいったみたいだから。 僕も行ってきます。」 |
istint | 11/5 1:5:44 | 6056cfzqQ35TJL046||75 | ||
今回はここまで。 良かったら感想お願いします。 |
スワロー | 11/5 2:7:11 | 6111cfyil7c1Ws9M.||407 | ||
セイクリッド・ブルーを見るたび、 ファンタジーっていいなぁって、ため息が出ます・・・ ニナの語り口調が滑らかで、 思いつく限り、一番綺麗な声を浮かべて読んでいました。 レンティーニの過去も明らかになり、次回もますます楽しみです! |
シェイラ | 11/7 18:17:58 | 2111cftc5IUPaAi.Y||793 | ||
レンティーニが、ダークエルフだったのにびっくりしています。面白すぎます!次回作に今からワクワクしています |
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