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708KIA ―正義のBadMan― 』ピゅナ6/5 14:52:72211cfybX/OAOctE6
○●○あらすじ○●○
ある夜、キアは草原にテントを立ててペットと共に一夜を過ごしていた。
ペットのブルーチビどら達を寝かしつける為、キアは自分の過去の話をしはじめた。

キアの過去の《アキ》は王の血を受け継ぐ王族の一員で、日々バトルの練習に
明け暮れていた。
この日も城の庭で練習に励み、疲れたアキは途中で眠ってしまうのだった。
気がつくと庭の中にナゾの黒ずくめの男がいた。
警戒しながらもその男に接すると、男は意外に優しかった。
そしてその男はアキを町へと連れ出して行くのだった。

ピゅナ6/5 14:52:352211cfybX/OAOctE6||688
「なんじゃそりゃ!幼女誘拐じゃんか」
突然どらが口を突っ込んできた。
キアは《寝物語》を語るのを一端、中止させた。
「し〜。ルーがせっかくウトウトしているんだから、大きい声ださないの」
キアは口元に人差し指を軽く当てた。
「だってよ、最初っからアキを誘拐するために忍び込んだようなモンじゃんか。
 うまいこと言って連れ去りやがって」
あんなに興味無いようにしていたのに、どらはぷんぷんと怒っていた。
キアは内心、くすくすと笑っていたがどらの機嫌を損ねないように、あえてからかわなかった。
「…まぁね。ま、ボクも実際同じような事をしたし、人の事は言えないよ」
キアはため息混じりにそう言った。

ピゅナ6/5 14:52:532211cfybX/OAOctE6||494
「まだキアの方が断然マシってもんだぜ!ちゃんと誘拐宣言したし」
珍しく、どらはキアをかばう様な事を口にした。
どらはその場の感情に左右されやすい性格なのだ。
「あのね、あとでわかったことなんだけど、その男の人が書き残した紙には
 《アキさんを誘拐します。夕方までにはお返しします》って、書いてあったんだ」
どらは痛いところをつかれたような顔をして何か言おうと口を開けたが、結局何も
言葉が出てこなかったらしく、まるで金魚のように口をパクパクさせた。
そんなどらを見ながら、キアは隠すようにしながら笑いを溢した。
「…。コホン。…じゃあ続きいくよ…」
それからキアは《寝物語》を語り出した。



ピゅナ6/5 14:54:102211cfybX/OAOctE6||530
「おじさん、どこに連れてってくれるの?」
アキは賑やかな城下町の中をさっきの男と手をつないで歩いていた。
傍から見れば、仲の良い親子にも見えなくも無い。
「おぅ、おじさんはヒドイなぁ〜…。そんなに年くっているように見えちゃう?」
男はまた、冗談めかした口調で言った。
「えっ…あは、そじゃないけどぉ」
マスクをしているんだからわかりっこないじゃんと思い、アキはまた笑ってしまった。
何度も笑っているので、お腹が筋肉痛になって苦しかった。
「そか!まだ自己紹介してなかったね。ソレが原因だ」
トンチンカンなことを言い出す男に、アキはまたもや笑い出しそうになり、必死で堪えた。

ピゅナ6/5 14:55:42211cfybX/OAOctE6||356
「ボクはバットマン。正義のバットマンさ〜」
「…?…ば、ばっとまん…」
アキは顔をしかめた。
とっくに《良い子の童話》を卒業したアキにとって、それは古臭い感じがした。
「かわった名前ですね…。なんか古くさ……あっ、じゃなくて、カッコイイ名前です」
アキは思わず正直な気持ちを言いそうになって、慌てて訂正した。
多分、そんなアキの気持ちに気付いているであろう、その男―バットマンはただ、
口元をにこにこさせていた。
口から上はどんな表情をしているのかが気になって、アキはその黒いマスクを取って
やりたくなった。
「いい名前だろう?…ところで、キミの名前は?」

ピゅナ6/5 14:55:422211cfybX/OAOctE6||634
当然の事ごとく、バットマンはアキに名前を尋ねた。
しかし、その時すでにバットマンはその質問の答えを知っていたのだった…。
「アキです!アキ・グラン・メディナ。わたしの名前です」
「アキちゃんか…。素敵な名前だ…。大事にしなよ」
そう言うと、バットマンはアキの頭を撫でてくれた。
「……」
頭を撫でてもらったのは久しぶりで、なんとなくアキは照れた。

ピゅナ6/5 14:56:122211cfybX/OAOctE6||266
「さぁ…。じゃあ、ボクが戦い方を教えてあげるから花畑に行こう」
そう言われると、アキはふと後ろを振り返った。
心配そうな顔をしたアキのペット2匹がこちらをみつめていた。
アキは大丈夫だと伝える為、2匹に深く頷いてみせた。
それからバットマンに向かって、もう一度頷いた。

森っつ6/5 15:0:482181cfX9HY3/JchqY||35
バットマンかぁ・・・
古いキャラだぁぁ・・・

ピゅナ6/5 15:11:392211cfybX/OAOctE6||482


「アイスアロー!!」
色とりどりの花が並ぶ花畑の細道で、アキは覚えたばかりの呪文を唱えた。
アキの目の前には今、赤い楕円形型のスライム―ぽよべすがいた。
ズボボボッ
「よ〜し!」
アキの杖から放たれた氷の欠片は見事、そのぽよべすに突き刺さった。
ぽよべすは気絶した。
「やった、やったー!やったよ〜」
アキはその場でぴょんぴょんと跳ね、ペットの悟空とわっかちゃるを抱きしめた。
「おめでとう」
バットマンはアキに拍手を送りながら近づいてきた。

ピゅナ6/5 15:12:122211cfybX/OAOctE6||568
「でもね…攻撃だけじゃ駄目なんだよ」
バットマンは気絶しているぽよべすを拾い上げ、花壇の中へと戻してあげた。
それからアキの方へ向き直った。
「な、なんで?!」
アキは自分が否定されたような気がして不機嫌になった。
バットマンはアキの機嫌をこれ以上悪くさせないために宥めた。
「かなり魔力は強力で、ダメージも大きかった。…しかし、確実な命中力も必要なんだ。
 《忍耐力》が今のキミに一番必要とされている」
アキはまたしても顔をしかめた。
「にんたいりょく…?」
バットマンはこくりと頷いた。

ピゅナ6/5 15:12:332211cfybX/OAOctE6||375
「そう。つまり、集中も大事ってことさ。そうすればキミはもっと強くなれる」
バットマンは冗談を言うときとは違った、低い声でそう言った。
「まぁ、可能性は無限大ってことさ〜」
あとからその場の雰囲気を茶化すようにそう付け加えた。
「……」
アキは俯いて、バットマンに言われた事を考えていた。
確かに、言われてみるとそうかもしれない…。相手をやっつけることしか考えていなかったかも…。
アキはバットマンからの助言を受け入れた。
「わかりました!もう一回戦うから見てて下さい」
そう言うと、アキは花畑の小道をペットと共に歩き出した。
そんなアキの後姿を、バットマンは静かに見守っていた。

ピゅナ6/5 15:12:552211cfybX/OAOctE6||579
「さぁ!でできなさーい」
アキは魔法の杖を構え、攻撃の態勢えた。
ばっと花畑の奥から、小さなあおむしが飛び出してきた。
アキは高鳴る胸を押さえ、スッとそのオレンジの瞳を閉じた。
その後ろからペット2匹が飛び出して行き、あおむしに攻撃を仕掛けた。
あおむしは、びょっと、その場から飛び跳ねるようにして離れて2匹ともの攻撃を器用に
かわすと、アキの方へと飛び込んできた。
「アイスアロー!」
その瞬間、アキは瞳をあけて呪文を唱えた。
同時に全身が熱くなったことを感じた。
ぱあぁぁぁ…

ピゅナ6/5 15:13:142211cfybX/OAOctE6||731
アキの杖先からは鋭く尖った氷の粒が、白い光と共に表れてこれまでに無い強力な魔法になった。
ズババババッ
その氷の粒はすばしっこく逃げるあおむしに、すべてが突き刺さった。
「うわぁー…」
あおむしはその場で死んだように動かなくなった。
アキは自分のチカラが信じきれず、ただ呆然としていた。
「…いやぁ、今のは本当に凄かった!大人も顔負けだね」
バットマンは先程と同じように拍手を送りながら近づいてきた。
「あ、あのぉ!今の、本当にわたしの魔法だったんですか?!」
バットマンは静かに頷いた。

ピゅナ6/5 15:13:302211cfybX/OAOctE6||783
「自分でも見ていただろう?アキちゃんの杖の先から放たれたのを」
アキは大きく頷くと、今度は顔中に満面の笑みをうかべた。
「うぅー!やったぁー!悟空、わっかちゃる、見てた?今の!」
アキは堪え切れない喜びに満たされて、その場でぴょんぴょんと跳ねた。
「…一回で黒の血を使いこなすとは…。やはり、凄いな……」
「えっ?」
ナゾの言葉を呟いたバットマンに、アキは笑顔のまま聞き返した。
「うん。いや、なんでもないよ。…本当にアキちゃんは凄いなと思ってね」
バットマンに褒め言葉をたっぷり貰ったアキは、照れ笑いをうかべた。

森っつ6/5 15:16:322181cfX9HY3/JchqY||894
お〜〜すごいなぁ。
がんばれ〜

ピゅナ6/5 15:19:352211cfybX/OAOctE6||350
☆ ★ ☆ ☆ ★ ☆ ☆ ★ ☆ ☆ ★ ☆ ☆ ★ ☆ ☆ ★ ☆
誤字だらけなのを反省して^^;ワードに書いてから投稿しました^^
まだ誤字があったら、ご指摘願いますm(__)m

前回レス下さった
花枕さん*ぷっちさん*メイちゃん*アートさん*いおり♪さん*リンリンさん
マジュニアさん*有芽さん
ありがとうございました^^ レス返し、お暇な時にでも読んで下さると嬉しいです♪
☆ ★ ☆ ☆ ★ ☆ ☆ ★ ☆ ☆ ★ ☆ ☆ ★ ☆ ☆ ★ ☆

アート引っ越しセ6/5 15:37:502191cf1GD1ZPJ.Mqo||508
いや〜おもしろいです
がんばって自分が書く物語もこんな風にしたいな〜

花枕6/5 15:40:452202cfPTJrtIlFCbg||411
おもしろかったです〜(*>v<*
黒の血・・・・気になります
続き絶対見ます!
がんばってください!!!

シェーラ6/5 18:36:272182cf1Wp9RoSnClg||286
黒の血……ズパングの少女編で出てきたあの話ですな

mei☆6/5 18:58:12182cfSG9EY2zpK9g||154
う〜ん、まだまだ謎が深いですねぇ^^
今回も楽しかったです♪

ぷっち6/5 19:27:182228cfBfq7WHoq32s||169
メッチャオモシロイです!!

イメージぶち壊すかもしれませんが
バッタって血が黒いですよね?(マテマテ

アーヤ6/5 21:59:512228cfsXixD9jaIo.||598
キアにこんな過去があったとは・・・。
黒い血っていうのが何なのか気になりますね。やっぱり面白いです^^

いおり♪6/6 11:36:82184cfLLIShuLI3Y6||618
とっても面白いです!
あの、気になったんですけど、BadManって「悪い人」って意味ですよね?バットマンって言ってたから「こうもり男」と混同してしまったんですけど・・・

ピゅナ6/6 13:23:442221cfhkXqJLMey.I||348
アートさん>ありがとうございます^^
      私もいろんな本を読んで、こんな風に書きたい!と思って書いてます♪

花枕さん>わぁ〜wwありがとうございます♪
     黒の血はこの先すっごく重要なモノになっていきます^^

シェーラさん>そうです♪
       全部繋がっているのです〜^^

メイちゃん>どんどん深いストーリーにしていきたいですw
      掘って彫って・・(違ッ

ピゅナ6/6 13:30:492221cfhkXqJLMey.I||908
森っつさん>目を通して下さってありがとうございますww
      古いバットマン(笑)は関係ないのであしからず〜^^

ぷっちさん>おぉ!そうなんですかっ?!
      じゃあ、キアのご先祖様はバッタということd(強制終了

アーヤさん>キャラを深くしていく事が目標なので、
      そう言ってもらえると嬉しいですww(*>ω<*)

ピゅナ6/6 13:33:252221cfhkXqJLMey.I||947
いおり♪さん>ややこしくてゴメンナサイ^^;;
       バットマンってのはチビファンの装備アイテムを元にしたので
       「バッド」ではなく、「バット」なんです。
       装備品が「バットスーツ」などと書かれていたので^^;
       こうもり男かぁ〜・・。それもイイかな・・w(笑

いおり♪6/6 13:40:112184cfLLIShuLI3Y6||381
分かりました〜わざわざありがとうございます!


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