7095 | セイクリッド・ブルー(6) | istint | 11/9 23:37:52 | 2182cfuvqoFQMeFXo |
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-6916.html 第一話 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-6946.html 第二話 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-6967.html 第三話 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-6997.html 第四話 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7043.html 第五話 |
istint | 11/9 23:38:19 | 2182cfuvqoFQMeFXo||289 | ||
ルヴィンが駆けつけると既に真っ黒のローブ姿の者とレンティーニが対峙していた。 周りには緑色の皮膚をしたゴブリン達が取り巻いていたが何体かは既にレンティーニ切り殺された後だった。 |
istint | 11/9 23:38:29 | 2182cfuvqoFQMeFXo||898 | ||
「遅いぞ、ルヴィン。 でも今回はお前は来ない方が良かったかも知れん。」 剣を構えたままレンティーニが早口で喋る。 |
istint | 11/9 23:38:48 | 2182cfuvqoFQMeFXo||596 | ||
「俺だって戦えるさ。 あいつ何者なんだ!? 黒いローブ姿だけどジスティではなさそうだし。 俺がやってやるよ!」 |
istint | 11/9 23:39:8 | 2182cfuvqoFQMeFXo||962 | ||
そういうとルヴィンが黒いローブ姿に向かって飛び出した。 「よせ!ルヴィン!」 レンティーニが叫んだのとほぼ同時にルヴィンの身体がローブの手前で宙に舞い、弾き飛ばされた。 受身を取る事も出来ずにルヴィンは地面に叩きつけられた。 |
istint | 11/9 23:39:20 | 2182cfuvqoFQMeFXo||452 | ||
「あいつは確かにジスティではない。 おそらく闇ソーサラーの一人、ザファだ。 お前じゃ逆立ちしても敵わん相手だ。」 |
istint | 11/9 23:39:32 | 2182cfuvqoFQMeFXo||201 | ||
闇ソーサラー…ルヴィンは自分がそんな相手を目にするとは思っていなかった。 痛みとショックで筋肉が動かない。 |
istint | 11/9 23:39:45 | 2182cfuvqoFQMeFXo||515 | ||
「俺のかわいい弟子をいたぶってくれた礼はさせてもらうぞ。」 レンティーニがザファと呼ばれた男の方を睨み付け、剣を構える。 すると初めてザファが口を訊いた。 |
istint | 11/9 23:40:13 | 2182cfuvqoFQMeFXo||389 | ||
「クク…お前も俺の配下のジスティを何体も殺ってくれたろう。 それにお前ごときに私の相手は務まらんわ、ダークエルフ。」 そう言うなり手をレンティーニに向けてかざし、衝撃波を放った。 レンティーニは剣でそれを受け止めるとそのまま一メートル程後方に滑っていった。 体勢を立て直し斬りかかろうとするが次々に衝撃波が襲い、思うように攻める事が出来ない。 |
istint | 11/9 23:40:26 | 2182cfuvqoFQMeFXo||198 | ||
「クク…そのまま死ぬか?」 そう言うとザファは指先から火の玉を繰り出した。 |
istint | 11/9 23:41:22 | 2182cfuvqoFQMeFXo||972 | ||
火の玉がレンティーニの身体に直撃するかに見えたその瞬間、レンティーニが一声「がああ!」と吼え、 身体を竜巻のように回転させ、周囲にいたゴブリンを巻き込み炎をかき消した。 巻き込まれたゴブリンはズタズタに引き裂かれ、無残な姿に変わっていた。 レンティーニはそのまま地面をえぐりながら岩片ごと斬り上げる。 |
istint | 11/9 23:41:42 | 2182cfuvqoFQMeFXo||688 | ||
巻き上げられた大きな岩の破片がザファに襲い掛かったが全てザファのローブに触れる直前でバラバラになり、届く事はなかった。 |
istint | 11/9 23:42:27 | 2182cfuvqoFQMeFXo||683 | ||
が、その岩の弾幕を縫ってレンティーニが斬り込んでいた。 渾身の力を込め、ザファの頭に剣を振り下ろした。 ザファは少し慌てた様子で両手を頭上にかざすと、見えない何かが刃を止めた。 |
istint | 11/9 23:42:45 | 2182cfuvqoFQMeFXo||742 | ||
それを見ていたルヴィンが起き上がり、見よう見まねでレンティーニがジスティの首を刎ね、川の水を巻き上げたあの技をザファに向けて放った。 |
istint | 11/9 23:43:12 | 2182cfuvqoFQMeFXo||843 | ||
しかしその刃はザファの前に立ちふさがったゴブリンたちの首は落としたが、ザファには届かなかった。 |
istint | 11/9 23:43:30 | 2182cfuvqoFQMeFXo||162 | ||
「ルヴィン!余計な事をするな! お前はゴブリンの相手をしてろ!」 膠着状態のままレンティーニが叫んだ。 その瞬間、レンティーニの身体が炎に包まれ吹き飛んだ。 |
istint | 11/9 23:43:43 | 2182cfuvqoFQMeFXo||316 | ||
「なかなか活きのいいガキを飼ってるじゃないか。 全くあの時といい、ガキを手なずけるのが上手い奴だ。 クク…しかし一度転生をしたくらいでは闇ソーサラーの相手にはならんわ!」 |
istint | 11/9 23:44:6 | 2182cfuvqoFQMeFXo||544 | ||
ザファは指先から矢のような光をレンティーニに向けて飛ばす。 レンティーニは炎に包まれながらその矢をはじき返すと再びザファに斬りかかった。 レンティーニの嵐のような剣舞を素手で受け流していた。 |
istint | 11/9 23:44:27 | 2182cfuvqoFQMeFXo||726 | ||
暫らく斬り合いが続くと思われたその時、どこからか飛んできた白い光の玉がザファのローブを抉った。 その瞬間僅かだがザファの動きが止まった。レンティーニはもちろんその機を逃さなかった! |
istint | 11/9 23:45:4 | 2182cfuvqoFQMeFXo||578 | ||
レンティーニの剣の周りを気流のようなものが渦巻いたかと思うと、一瞬にしてザファの首を刎ねた。 ザファの胴体は首が飛んだと同時にズタズタに引き裂かれ、その下の地面も轟音を立て、巨大な穴が開いた。 さらに衝撃は数メートル先まで突き抜け、小山を一つ消し飛ばした。 |
istint | 11/9 23:45:18 | 2182cfuvqoFQMeFXo||682 | ||
「やったな、流石レンティーニだ! やっぱりアンタ化け物だよ。伝説の闇ソーサラーに勝つなんてさ。」 ゴブリンを全滅させたルヴィンがレンティーニに駆け寄った。 |
istint | 11/9 23:45:30 | 2182cfuvqoFQMeFXo||469 | ||
レンティーニは珍しく肩で息をしながら答えた。 「ハア、ハア、いや、あれを見ろ。」 |
istint | 11/9 23:46:17 | 2182cfuvqoFQMeFXo||127 | ||
レンティーニの指差した先にはザファの首が転がっていたがやがてそれは以前見た事のあるジスティの首に変わり、例のように人骨に変化し、灰になった。 |
istint | 11/9 23:46:32 | 2182cfuvqoFQMeFXo||257 | ||
「どうやら俺達は影に踊らされていたらしい。 それよりとんだじゃじゃ馬だな、姫。」 ルヴィンがハッと振り返るとニナが立っていた。 |
istint | 11/9 23:46:42 | 2182cfuvqoFQMeFXo||937 | ||
「でも私の助けが無かったら勝負はどうなってたか分からないでしょう?」 |
istint | 11/9 23:47:2 | 2182cfuvqoFQMeFXo||636 | ||
「女の助けなぞいらん。俺があんな奴に負けるか!」 レンティーニは剣で地面をバシッと叩くと「寝るぞ」と一言言い残し、屋敷に戻っていった。 |
istint | 11/9 23:47:13 | 2182cfuvqoFQMeFXo||441 | ||
「影なのにあんなに強いのか…。 レンティーニより強い奴なんかいないと思っていた。」 |
istint | 11/9 23:48:47 | 2182cfuvqoFQMeFXo||296 | ||
「彼は一度転生の秘術によってこの世の者とは思えない力を身に付けたわ。 でも伝説の闇ソーサラーは幾度もの転生を繰り返し、種族の殻を捨て去ったもの達。 力ではレンティーニでも敵わないでしょう。 伝説のセイクリッド・ブルーがあれば闇を滅ぼせるのだろうけれどそれが何なのかはエルフの文献にも残されていません。 白の塔の賢者なら何か知っているかも知れませんね。」 |
istint | 11/9 23:49:3 | 2182cfuvqoFQMeFXo||157 | ||
ルヴィンはまた分からないことだらけで頭が混乱してきた。 「転生ってナンだ!?それをすると強くなれるのか!?」 |
istint | 11/9 23:49:47 | 2182cfuvqoFQMeFXo||339 | ||
「転生の秘術は限りなく闇に近い禁術です。 転生をすれば大きな力を手にする事が出来ると言われてますが、儀式に耐えられる強い肉体と精神力が無い者がそれに臨めばたちまち肉体はおろか魂まで闇に食われ滅びるでしょう。 それに転生に成功しても闇の力に打ち勝つことが出来ない者はかつての闇ソーサラーのように闇王の手中に収まるでしょう。 レンティーニは転生などしなくても強かった。 あの人は種族の復讐に狂ってしまったのよ。 グランデュールの賢者にそそのかされてね。」 |
istint | 11/9 23:49:57 | 2182cfuvqoFQMeFXo||685 | ||
「グランデュールの賢者様が!?あのお触書の預言者の!?」 ニナは少し考え込んでからまた話し出した。 |
istint | 11/9 23:50:21 | 2182cfuvqoFQMeFXo||335 | ||
「そうよ。彼は闇に対抗する為に選ばれた三人の戦士に秘術を施した。 表向きはセイクリッド・ブルーを探索するための冒険者を選出するために旅立ちの儀式を執り行っていたんだけど、実のところ秘術に耐えうる戦士を選び出すため。」 |
istint | 11/9 23:50:33 | 2182cfuvqoFQMeFXo||805 | ||
「三人って…レンティーニの他にまだ二人いるんだな… 他の二人もセイクリッド・ブルーを探して闇と戦っているのか?」 |
istint | 11/9 23:50:57 | 2182cfuvqoFQMeFXo||943 | ||
「一人はどこかの村にいるらしいんだけど、もう一人は消息が分からないってレンティーニが言っていた。 三人は当初は同じ目的のために行動を共にしていたらしいから。 さ、今日は色々あって疲れたわ。屋敷に戻りましょう。」 |
istint | 11/9 23:52:3 | 2182cfuvqoFQMeFXo||127 | ||
少し更新が遅れました。 お楽しみいただけたでしょうか? ではまた続きを期待しててください。 |
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