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7128セイクリッド・ブルー(7)istint11/13 23:46:222182cfEJcniwCVrTA
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http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-6967.html 第三話
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-6997.html 第四話
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7043.html 第五話
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7095.html 第六話

istint11/13 23:46:372182cfEJcniwCVrTA||52
闇の神殿では二人の闇ソーサラーが顔を合わせていた。
「ザファよ、お前の影は失敗したらしいな。
 いつまでダークエルフごときに手を焼いておるのだ。」
少し背の大きい方が先に口を開く。二人ともローブをすっぽり被っているので表情が分からない。

istint11/13 23:46:482182cfEJcniwCVrTA||327
「ふん…ダークエルフ一匹などいつでも始末できる。
 それよりおもしろいモノを見つけた。
 恐らくあのレンティーニの連れはスタイン家の血を色濃く受け継いでいる者だ。
 闇の大公となるべく器の持ち主よ。まだ力には覚醒していないがな。」

istint11/13 23:47:202182cfEJcniwCVrTA||198
ザファが冒険者の死体をグチュグチュといじりまわしながら答えた。

istint11/13 23:48:72182cfEJcniwCVrTA||766
するともう一人の方が少し苛ついた様子で言い返す。
「スタイン家の血はこれ以上必要ない!闇王はグランデュール侵攻の遅れに大変お怒りだ。
 一刻も早くアノ塔を完成させねばならぬ!」

istint11/13 23:48:312182cfEJcniwCVrTA||859
ザファは少し手を止めた。
「闇王がお怒りか…クク…サ・レギュオン、闇を統べる者の名よ。
 まだ目覚めてはいまい…。目覚めた時我々にもたらされるのは地上での栄光か、死か…?
 貴様とて闇王の声を聞いたわけではあるまい?存在は感じているがな。
 その偉大な魔力、存在はすべての者に等しく死を与えるであろう…クク。
 暗雲の塔か…召喚には我々闇ソーサラーの総力を上げて行わねばなるまい。
 悪魔どもを支配するには強力な魔力が必要だ。
 クク…ではスタインは私が作り出した人形に始末させよう。」

istint11/13 23:48:412182cfEJcniwCVrTA||812
ザファがそういうと、冒険者達の真っ赤な血で染まった骨が次々に起き上がり動き出した。

istint11/13 23:48:552182cfEJcniwCVrTA||558
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istint11/13 23:49:192182cfEJcniwCVrTA||897
「ニナから色々聞いたらしいな。
 それなら解かったろう、お前のやろうとしている事はこの世界の運命をすら左右することだ。
 そして今まで送り出されてきたどんな冒険者もそれを成し得なかった。
 転生の秘術を受けた三人の戦士ですら、手がかりすらも得られていない。
 もっとも俺の場合はセイクリッド・ブルーなど最初っから信じちゃいないがな。
 俺は暫らく他の二人と行動を共にしたこともあったがそのうちの一人は俺よりも強かった。
 だがその男ですら強大な闇の力に飲み込まれてしまったんだ。

istint11/13 23:49:412182cfEJcniwCVrTA||14
 俺はルヴィン、お前の事が気に入ってる。
 死なせたくないんだ。
 なあ、引き返すなら今のうちだぞ。
 今ならまだお前一人を狙って闇が動く事もないだろう。
 暫らく行動をともにして判ったんだがお前には才能がある。
 その才能を狙って闇が動き出す日が来るかもしれない。
 俺は闇ソーサラーに勝つ自信はないんだ。死ぬかもしれない。
 でも死ぬよりお前を守ってやれなくなるのが恐ろしいんだ。
 だから…」

istint11/13 23:49:562182cfEJcniwCVrTA||264
レンティーニがあの日の次の朝、村のバーで酒に酔って珍しくおしゃべりになっていた。
ルヴィンは隣のテーブルに腰を掛け、話を聞いていたがやがてその言葉を遮った。

istint11/13 23:50:122182cfEJcniwCVrTA||536
「なあ、レンティーニ。
 あんたの気持ちは嬉しいけどらしくないなあ。
 俺のことそんなに心配なのかよ。
 いざって時は俺があんたを守ってやるから安心しなよ!」
そういうとレンティーニの肩をポンっと叩いた。

istint11/13 23:50:352182cfEJcniwCVrTA||943
レンティーニは暫らくルヴィンの顔を見つめていたが、「生意気抜かすな、このガキなんたらかんたら」
とろれつの回らない調子でブツブツ言うと、屋敷に帰っていった。
ルヴィンは散歩してから屋敷に戻るともういつものレンティーニに、戻っていた。

istint11/13 23:51:132182cfEJcniwCVrTA||948
「おい、ルヴィン。
 昨日来た闇ソーサラーのザファは恐らく奴らの中で最も闇王に近い力を持つ者だ。
 そいつと対等に渡り合えるようにならなければいずれ奴らとの戦いで命を落とすだろう。
 闇ソーサラーはいずれも魔力に長けた連中だ。
 昨日もこの鎧で無ければ焼け死んでいたかも知れん。
 俺のように「気流」を纏えば話は別だが。」
ルヴィンはしばらく昨日の戦いを振り返って身震いした。

istint11/13 23:51:352182cfEJcniwCVrTA||502
「気流は恐らくお前にも見えたろう。
 俺の剣を取り巻く渦のようなものが。
 それが気流だ。」
ルヴィンが尋ねる。
「それを纏えば離れた岩をぶっ飛ばす事も出来るのか!?」
レンティーニはその質問には答えずに自分の剣を持つと、
「付いて来い」と一言いい、外へ出てしまった。

istint11/13 23:54:222182cfEJcniwCVrTA||822

慌ててルヴィンが追いかけると大きな岩の前にレンティーニが立っていた。
「お前、これを離れた所から斬ってみろ。」
ルヴィンは言われるままに岩に向かって剣を振ったが少し風が起きただけで岩はビクともしなかった。
「ダメだ。そんなスローじゃな。
 見ろ。」

istint11/13 23:54:402182cfEJcniwCVrTA||825
そういうとレンティーニは片手で剣を振り下ろした。
剣から出た衝撃波が轟音と共に岩を破壊した。
「切っ先が音速を超えた時、衝撃波が生ずる。
 これが出来ればジスティにも対抗できるだろう。」
そう言うとレンティーニはさっさと屋敷に帰っていった。

istint11/13 23:55:42182cfEJcniwCVrTA||278
そう言うとレンティーニはさっさと屋敷に帰っていった。
「音速だって!?気流の話はどうなったんだよ。
 こんな岩、直接斬ったって斬れるもんじゃないだろう…。」
ルヴィンは途方に暮れていたが今朝の酒場でのレンティーニの言葉を思い出し、気持ちを奮い立たせた。
その日も日が暮れるまで川の中で何度も何度も素振りを繰り返し、屋敷に帰った。
屋敷に戻るとレンティーニは既に出発の支度を済ませていた。

istint11/13 23:55:182182cfEJcniwCVrTA||462
「調べものが終わったんでな。
 今晩ここを発つぞ。」
ルヴィンは疲れきっていたが、大人しくレンティーニに倣い支度を始めた。

istint11/13 23:55:352182cfEJcniwCVrTA||72
「どこに向かうんだ?
 何か手がかりはあったの?」
「白の塔の賢者に会いに行く。
 実際いるのかどうかはわからんがな。
 楽しい旅行の始まりだ。」
白の塔…賢者…ルヴィンは不安の中少し希望の光が見えてきたような気がした。
何よりレンティーニがいれば何が起こっても何とかなりそうな気がするのだった。

istint11/13 23:56:82182cfEJcniwCVrTA||408
今回はここまで。
また次回お会いしましょう。

シェイラ11/14 20:54:12184cf/0LGaoZVH5k||853
こんばんわ!またまた読ませていただきました♪ルヴィンの家系にはそんな力があったとは……。敵も動き出してきましたね。この先がすごく気になります。

istint11/14 23:6:445919cfb2MVcNEWFNk||2
いつも感想ありがとうございます。
これからのルヴィンの成長に期待しててくださいね。


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