718 | 小説『悪魔の囁き(続)』読んでみますか? | クリード | 6/5 17:36:1 | 2191cffKVsfVBmSmg |
前回は下のスレ(No.642)にあります。 そちらを読んでからじゃないと、話が分からないかも・・・? てことで、しつこいですが再度注意事項を・・・ 多分、ダークな話です。 人が死ぬのは当たり前。いなくなるのも日常茶飯事。 主人公・藍川時雨(あいかわしぐれ)が中心です。 まぁ、血塗れ・虐殺?・痛い系が苦手な方は止めて置いた方が・・・ ※注意・・・694にあるのは、僕が書いたものではありません。 知っているとは思いますが、念のため・・・ 彼は、僕の偽者です。気にしないで下さい。 |
クリード | 6/5 17:38:3 | 2191cffKVsfVBmSmg||316 | ||
〜あらすじ〜 孤児院で生活する主人公・藍川時雨と、数多くの友人であり同志である子供達。 だが、孤児院とは仮の姿。実際は、「不正薬物の研究所」だった・・・ 時雨は、その研究所の権力者・鴻月刹那(こうづきせつな)を異常だと思っていた。 刹那を倒して、このちっぽけな場所から逃げ出すべく、計画を発動させた。 計画は成功した。多くの命と引き換えに・・・ 何人もの仲間を失い、その変わりに得た平和と自由。 その生き残り達を引き取った「彼」の正体とは・・・? |
クリード | 6/5 17:45:16 | 2191cffKVsfVBmSmg||701 | ||
「ただいま・・・」 時雨は、あの家から戻ってきていた。 平和と自由・・・それに、笑顔が溢れる「彼」の家に・・・ 「彼」の名は、青嶋亮平(あおしまりょうへい) 彼は、未だに独身だった。だからこそ、時雨達を引き取れたのだ。 「おかえり、時雨。」 笑顔で時雨を迎えた亮平。 「外は楽しかったか・・・って、どうしたんだ?!」 彼が驚くのは無理も無い。 時雨は、父を殺したときに、返り血を浴びていたのだ。 |
クリード | 6/5 17:55:9 | 2191cffKVsfVBmSmg||689 | ||
「ごめん。風呂借りていい?」 靴を脱ぎながらそう言う時雨に、唖然としながらも亮平は頷く。 「タオルと着替えは後で持って行ってあげるから、早く入ってきなさい。」 「分かった。」 時雨の後姿が浴室に消えた後、亮平は大きな溜息をついた。 「まったく・・・あの子は昔から変わらないな・・・」 そう呟きながら・・・ |
FUCK | 6/5 18:1:15 | 2201cfE1Klj1XlMbs||995 | ||
トレイン「英文なんて和訳できませんごめんなさい。嘘でした。 靴を脱ぎながらそう言うトレインに、唖然としながらもクリードは頷く。 「話の流れを変えるのは後でやっておいてあげるから、早く逃げときなさい。」 「分かった。」 トレインの後姿がチビファンから消えた後、クリードは大きな溜息をついた。 「まったく・・・あの子は昔から変わらないな・・・」 そう呟きながら・・・ |
クリード | 6/5 18:8:16 | 2191cffKVsfVBmSmg||489 | ||
「亮ちゃん、どうしたの〜?」 時雨と共に助かった少年「彰(あきら)」が立ち尽くしていた亮平に話しかけた。 「あ、あぁ。どもしてないよ、彰。居間でテレビでも見ておいで。」 「は〜い!」 彰は、楽しそうに居間へと走っていった。 「さてと・・・着替えを持っていってあげなくちゃ。」 亮平は、タオルと着替えを抱えて脱衣所に行き、そっと置いてから居間へ戻った。 |
姫っち☆ | 6/5 18:8:49 | 2212cf6IJUPV/fLg2||92 | ||
クリードさんの小説の途中に、そういう話は入れないで 下さい。 前もあって、「悪魔の囁き」が読めなくなってしまったんです。 本当にお願いします。 |
クリード | 6/5 18:17:7 | 2191cffKVsfVBmSmg||430 | ||
「亮ちゃん!ゲームやろうよ〜!」 居間には彰の他に、13歳の少女「広海(ひろみ)」と、11歳の少女「あゆみ」がいた。 2人は、のんびりと本を読んでいる。 「ゲームか・・・そうだね、それじゃあ・・・トランプでもやろうか! 広海、あゆみ。君達も一緒にやらないか?」 「私やる〜♪」「3人じゃつまらないでしょ?私もやるわ。」 あゆみは笑顔で本を閉じて近くに座る。 広海は、やれやれ。といった感じで本にしおりを挟んでから、あゆみの隣に座る。 |
クリード | 6/5 18:21:23 | 2191cffKVsfVBmSmg||313 | ||
「さっぱりした〜・・・」 しばらくすると、時雨が頭を拭きながら浴室から出てきた。 「あれ?時雨さん、帰ってたの?」 どうやら広海は、時雨の帰宅には気付いていなかったようだ。 「ただいま、広海。あゆみと彰も。」 そう言ってから、時雨は彰の頭を撫でる。 彰は、時雨にとても懐いているのだ。 |
クリード | 6/5 18:39:7 | 2191cffKVsfVBmSmg||371 | ||
「おかえり〜♪時雨兄ちゃんも一緒にトランプやろ〜?」 彰は、時雨の腕を掴んで見上げている。 「また後でな。」 「むぅ〜・・・」 不貞腐れてる彰をなだめて、亮平は笑顔で時雨に近付く。 「時雨、服は洗濯機に入れておいてくれたかい?」 「あぁ。」 「それは良かった。ついでに洗濯しておいてくれたら嬉しいんだけどな〜」 「大丈夫。もうしてあるから、しばらくしたら干しとくよ。」 |
クリード | 6/5 19:18:31 | 2191cffKVsfVBmSmg||238 | ||
「そうかい?助かるよ、時雨。」 微笑む亮平に、時雨はちょっと困ったような顔をして、キョロキョロと辺りを見回す。 「あのさ亮平・・・ちょっと話があるんだけど・・・」 「話・・・?・・・みんな、ちょっと上に行っててくれないか?」 亮平は、時雨の顔を見ただけで、深刻な話をしようとしているのが分かったらしく、 3人を居間から出て行かせた。 |
クリード | 6/5 19:28:32 | 2191cffKVsfVBmSmg||152 | ||
「さてと・・・話って言うのはなんだい?時雨。」 「俺・・・ここ、出るよ。」 「え・・・?」 突然の申し出に、亮平は驚きを隠せなかった。 「出るって・・・どうするつもりだい?働く場所も決まっていないんだろう?」 「働く場所はあるんだ。俺のコトを気に入ってくれた人がいてさ。 その人が大学の教授で、勉強教えてくれるって。まぁ、研究手伝えばだけど・・・」 |
クリード | 6/5 19:42:33 | 2191cffKVsfVBmSmg||362 | ||
亮平は一瞬驚いたが、すぐにいつもの笑みを見せた。 「研究・・・時雨。君はそんなことはしないと思うけど・・・ たとえ間違ってしまっても、刹那のようにはなってはいけないよ?」 そして、真剣な目でそう言った。 亮平も・・・刹那には苦しめられてきたのだ。 |
クリード | 6/5 20:5:38 | 2191cffKVsfVBmSmg||320 | ||
かつて、あの孤児院があった場所は、小さな教会だった。 亮平は、その教会で神父を目指して修行に励んでいたのだった。 だが、亮平が10歳のとき・・・当時の神父が行方不明になった。 理由は分からない。連れ去られたのかもしれないし、出掛けただけかもしれない。 事件に巻き込まれた可能性も、皆無とは言い切れない。 だからこそ、心配された。近所から通う信者たちに。 1週間もの間、神父様は見つからなかった。 |
クリード | 6/5 20:42:55 | 2191cffKVsfVBmSmg||164 | ||
8日目・・・神父様は、教会に通う神父見習い達によって発見された。 午前6時。神父見習いが教会に行く時間である。 発見された場所は、教会から少しはなれたところにある墓地。 大人よりも大きな十字架に、磔にされていた。 まるで・・・そう、まるでキリストのように・・・ 両手足に釘を刺され、喉元には短剣が刺されていた。 全身が深紅に染まり、煌々と輝いていた。 |
クリード | 6/5 21:5:17 | 2191cffKVsfVBmSmg||968 | ||
それを見つけてしまったのが、当時10歳の亮平だった。 「うわぁぁぁっ・・・神父様っ・・・神父様ぁ!!」 そう叫ぶ亮平の後ろで、バカにした笑みを浮かべていたのが、刹那の父だった。 その男の隣で、同じように微笑んでいたのが刹那だったのだ。 「自業自得だ。金はやると言ったのに、退かなかった報いだ。」 男はそう言って姿を消した。 「神父様は神に仕える身だけど・・・神様は神父様が嫌いだったのね。 だからこんな目に遭うの。神様なんて、この世に存在していないんだから。 信じる者は救われるなんて、馬鹿げたお言葉ね。」 後に残った刹那は、そう言い放った。 それが、亮平と刹那の出会いだった。 |
クリード | 6/5 21:48:42 | 2191cffKVsfVBmSmg||526 | ||
それから数日。 教会はものの見事に取り壊され、そこにできたのがあの孤児院と病院だった。 孤児院には、多くの子供達が住んでいて、病院には多くの患者達が生活していた。 だが、病院と孤児院の間の建物。それだけは、正体が分からなかった。 そして10年が過ぎ、刹那が院長の座を手に入れた。 亮平は、そこで働くことを望んだ。 いい噂しか聞かないその場所に、素直に憧れたから・・・ |
クリード | 6/5 21:57:17 | 2191cffKVsfVBmSmg||461 | ||
だが、その憧れが間違いだった。 憧れて仕事についたその結果は・・・ 子供達の泣き声と叫び声の響く毎日。 助けを求める幼い子供達へ、手を差し伸べることができない悔しさ。 1つだけ、いいこともあった。 時雨との出会いだった。 時雨は、亮平の友人のようなものだった。 それも短い間だった。 追い出されてしまったのだから・・・ |
クリード | 6/5 22:11:56 | 2191cffKVsfVBmSmg||689 | ||
そんな過去を思い出していた亮平は、ふと我にかえって時雨の頭を優しく撫でた。 「頑張って幸せになるんだよ?時雨なら大丈夫。絶対に上手く行くから。」 「うん・・・あのさ、コレ・・・返すよ。亮平の大切なものなんだろ?」 そう言って差し出したのは、あのチョーカーだった。 「これは・・・いいんだよ、時雨。それはね、僕が本当に信頼している人にだけ、 あげるようにしてるんだ。みんな少しずつ違うけど、僕の大切な人はみんな持ってる。 それは君のだよ。前にも言っただろう?それを持ってる限り、君がドコにいようとも、 僕が見つけてあげるって。だから、持っていておくれ。」 |
くらら | 6/13 16:37:36 | 2201cf3gWcXVwahWA||989 | ||
おおおぅ。なんだかなけるTT がんばれえい! |
クリード | 6/17 18:18:44 | 2191cffKVsfVBmSmg||138 | ||
くららちゃん、久しぶりぃ〜(暢気) 最近なかなかやらないもんで、こっちも進まないね・・・(汗 ちゃんと先は考えてあるんだけど・・・いずれ、見つけたら読んでやっておくれ^^ 感想ありがとぅ!! |
クリード | 6/20 16:1:44 | 2191cffKVsfVBmSmg||622 | ||
↑の続きをそのまま書くことにします☆ |
クリード | 6/20 16:23:56 | 2191cffKVsfVBmSmg||460 | ||
「・・・分かった。今まで、ありがとう。亮平がいたから俺、頑張れたんだ。」 「時雨・・・そんなことないよ。僕は君になにもしてやれなかったんだし・・・」 「そんなことない!刹那に脅された時だって、いつかまた逢えるからって思ったら頑張れた。 亮平の存在が力だったんだ。だから、亮平。今まで、本当にありがとう。」 照れ臭そうに笑いながら言う時雨に、亮平は優しく微笑んでいた。 今、亮平にできるのはそれだけだから・・・ |
クリード | 6/20 16:52:29 | 2191cffKVsfVBmSmg||887 | ||
「それで・・・いつそこに行くんだい?」 「明日には。今日中に出ないと間に合わないんだ・・・」 「今日中・・・持って行く物とかは用意してあるのかい?」 「あぁ。俺の物なんてほとんどないから大丈夫。」 「送って行こうか?」 「ありがとう。でも、迎えに来てくれるって言ってたから、待ち合わせ場所に行くよ。」 2人とも、泣きそうな顔をしていた。 別れが悲しいわけじゃない。 永遠の別れじゃないんだから。 |
クリード | 6/20 17:14:15 | 2191cffKVsfVBmSmg||315 | ||
「俺、もう行くよ。彰達には、あとで伝えておいてくれればいいよ。」 必死に笑顔を見せる時雨に、亮平も微笑む。 時雨は、荷物・・・着替え何着かとチョーカーを持って外に出た。 「時雨。」 亮平は、背を向けて歩き出す時雨を呼び止めて言った。 「いってらっしゃい、時雨。頑張って。」 目を丸くする時雨に、微笑みながら手を振っている亮平は、 時雨の重荷になりたくなかったのだ。 笑顔で送り出して、精一杯自分の道を歩んでほしい。そう願っていた・・・ |
ももちぇりー | 6/20 21:31:29 | 2184cfmmq6OoNXRik||454 | ||
感動ですね〜ヾ(´∀`*)ノ やっぱり貴方は天才です!! |
ももちぇりー | 6/21 21:32:54 | 2184cffci3lWsG1yo||110 | ||
これで完結ですか?? 終わりだったら。。。 今までお疲れ様でした^^ 凄くおもしろかったです〜ヾ(´∀`*)ノ |
クリード | 6/25 5:24:1 | 2191cffKVsfVBmSmg||567 | ||
ももちぇりーさん、感想ありがとうございます^^ 天才だなんて、僕に言っちゃいけませんよw ローたんとか、そういう方にのみ与えられる称号(?)なんですよw あ。そうそう!まだ一応完結ではないです! まだ続くのかよ?的な長さですね・・・ このまま下にちょこちょこと更新予定ですw |
クリード | 6/25 5:46:39 | 2191cffKVsfVBmSmg||435 | ||
「やぁ、時雨君。お別れは済んだのかい?」 待ち合わせ場所には、研究者らしい白い肌の男が、待っていた。 幾分長めの茶髪に、同じ薄茶の瞳。 水色のワイシャツに、赤いネクタイ。その上から、白衣を羽織っている。 見た感じは医者とヤクザの中間のような装いだ。 「お別れなんて、大袈裟なものじゃないですよ。」 「そうかい?それじゃ・・・行こうか。僕の研究所へ。」 歩き始めて笑顔で振り返るその人に続いて、時雨は足早に車を目指す。 もちろん、その男の持ち物である。 |
ももちぇりー | 6/25 23:17:28 | 2191cfkZSY9YVYrpw||595 | ||
まだ、完結じゃ無かった・・・ヾ(´∀`*)ノ よかったwちょこちょこ、見に来ます(*ゝ∀・)b |
クリード | 6/26 17:41:32 | 2191cffKVsfVBmSmg||640 | ||
時雨とその男が乗った車は、ハイスピードで高速道路を走っていく。 目的地は、ある大学内の研究施設だ。 かなりの速度で次々と車を追い抜いていく。なかなか運転は上手い。 「ノド、乾かない?僕は乾いた。」 真っ赤なスポーツカーを追い越しながら、そんなことを言い出した。 「俺は大丈夫です。飲みたければどうぞ。」 「そう?じゃあ、ちょっと買ってくかね〜」 その人は、ちょうど近くにあったパーキングエリアに入って、飲み物を買いに行った。 時雨は車の中で留守番だ。 |
クリード | 6/26 17:46:42 | 2191cffKVsfVBmSmg||614 | ||
コンコンッ・・・ と、誰かに助手席の窓を叩かれる。 訝しげに顔を上げると、赤い髪の男が覗き込んでいた。 「・・・?」 不思議に思いながらも窓を開ける。 「何か用ですか?」 「おぉ!ホンマや!キレーな目ぇしてんなぁ、自分。」 開口一番、そんなことを言っている。 懐かしい関西弁だ。 |
クリード | 6/26 17:57:34 | 2191cffKVsfVBmSmg||870 | ||
「あの・・・どちら様ですか?」 「あぁ、忘れとった!自分、時雨クン言うんやろ?」 いきなり呼ばれた名前。しかも、この男は知り合いではない。 「何で俺の名前・・・」 「あれ?わいのこと、知らへんの?寂しいなぁ・・・」 猫のような目を細めて、笑いながら言う。 この男は一体、何者なのだろうか? 「わい、大郷虎鉄(おおさとこてつ)言うんや。これでも分からへんの?」 「大郷って・・・まさか・・・」 「そ。そのまさかや。辰はわいの弟や。よろしゅうな、時雨クン。」 |
クリード | 6/26 18:4:9 | 2191cffKVsfVBmSmg||33 | ||
ニッコリと笑うその顔は、確かに辰にそっくりだった。 「辰・・・」 涙が溢れた。 辰には、あの日以来会っていない。それも当たり前だが。 あの現場から見つかっていないのだ。 遺体どころか、遺留品すら見つかっていないのだから。 「ちょっ・・・ナニ泣いとんの?!泣くほど怖い奴やったんか?!」 明らかに見当違いだ。 「知ってるんですか?辰が・・・辰が行方不明なのは。」 「行方不明?ナニ言っとんの?辰やったら元気やで?」 「・・・・は?」 |
クリード | 6/26 18:19:24 | 2191cffKVsfVBmSmg||17 | ||
辰は死んだかもしれないと、ずっと思っていた。 あの火事で、燃え尽きてしまったのかも知れないと、そう思っていた。 それがいきなり「元気だ」なんて言われても、信じられない。 「その辰って・・・ホントに俺の知り合いなんですか?」 「当たり前やろが。辰が偽モンやったら、わいはあんさんのこと知らんやろ。」 「そう・・・ですよね。それより、辰はどうやってあそこから逃げたんですか?」 これは最大の疑問だ。 辰は、あの第3通路で動けなくなっていたはずだ。 転んだときに、足を怪我していたのだから。 どうやって逃げ切れたのだろうか? |
クリード | 6/26 18:32:22 | 2191cffKVsfVBmSmg||166 | ||
「実はな。わい、あんさんらの計画、辰に聞いてたんや。 でな、あそこの敷地内で待ってたんや。無事に出てくんのをな。 せやけど、辰が転んだん見えてな。助けに行ったんや。で、バイクに乗せて逃げた。」 「そうだったんですか・・・良かった、辰が生きてて・・・」 時雨は、頬を伝った涙の痕を擦って消す。 それにしても、虎鉄と名乗ったこの男は、なにが目的で時雨に接触したのだろうか? 偶然にしては、妙だ。 数多くあるパーキングエリアで、この車に乗っている時雨に出会うなんて、 1%にも満たない確率だろう。 どう考えても妙だ。 |
クリード | 6/26 18:56:15 | 2191cffKVsfVBmSmg||665 | ||
「あ〜・・・尾行て(つけて)て良かったわ〜。」 そういうことか。要するに、最初から尾行されていたのだ。 しかも、真っ赤なバイクで。 「何のために俺たちのあと、つけてきたんですか?」 「ん〜?辰がな、あんさんが無事か確かめたいゆーて聞かんからや。弟思いやろ?」 「辰は今、どこにいるんですか?」 「辰ならわいと一緒に大阪に住んどる。もともと大阪生まれやから。」 それは知っている。割と最近まで、大阪の孤児院にいたのも知っている。 |
クリード | 6/26 18:57:1 | 2191cffKVsfVBmSmg||867 | ||
だが、家族がいるではないか。 なぜ、孤児院にいたのだろうか? 「いや〜親父が仕事なくして、お袋は出て行っちまうし、頼れる親戚もおらんから、 辰には苦労かけたわ。あいつ、まだ小さいんに、金かからへんから孤児院行くって 自分から行ったんや。ホンマ、ええ子やろ?」 虎鉄は優しく微笑みながら言う。 心からそう思っているようだ。 |
彗 | 6/27 11:16:47 | 2181cfv2JxIi/S5IA||520 | ||
ウォ・・・なんか書き足されてる?! |
クリード | 6/27 22:48:50 | 2191cffKVsfVBmSmg||836 | ||
「大変なんですね・・・」 なんともドタバタした家族のようだ。心から可哀想だと思う。 だが、虎鉄はそんな風に悲観しているわけではなさそうだ。 「なにゆーとんの?わいらは貧乏やけどな、家族の絆はドコにも負けへんで!」 笑顔でそう言う所から考えれば、仲の良い家族なんだろう。 毎朝、美味しそうな朝食が用意されてて、笑顔の家族がいて・・・ きっと、温かい雰囲気の中で生活しているのだろう。 この笑顔は、その家族の中だからこそ、生み出されるものなのであろう。 「さてと!わいもそろそろ行かな。辰を買い物に連れてくって約束してあんねん。 そう言うわけで時雨クン!またな〜体に気ぃつけや?ほな!」 |
クリード | 7/3 16:26:7 | 2191cffKVsfVBmSmg||283 | ||
まるで台風のような男だ。 結局、なにが言いたかったのか聞きそびれてしまった。 「そっか・・・辰、元気なんだ。家族と一緒にいるんだ・・・よかった。」 自然と零れたその言葉は、どこか少し寂しげな響きを持っていた。 「あれ〜?時雨クン、どうかしたのかい?ハトが豆鉄砲食らったみたいな顔して。」 「ハト・・・・俺はハトですか。・・・別に何もないです。」 「そうかい?まぁいいか。さてと!はい!これ、時雨クンの分ね〜」 |
アルジュナ | 7/3 17:9:31 | 6112cfRAAzsp5Iv0Q||654 | ||
このあとあるんですか? マジでここにはまったので一太郎に保存してますからw これからも書いてください! おねがいします! |
クリード | 7/3 18:52:54 | 2191cffKVsfVBmSmg||720 | ||
そう言いながら、差し出された缶ジュース。 「あ・・・ありがとうございます。」 いらないって言ったハズだが・・・・まぁ、厚意は受け取っておくのが礼儀だろう。 「あ。いらないって言ってたんだっけ?ごめんね〜。まぁノド渇いたら飲んで〜。」 どうやら、厚意でもなんでもなく、ただ単に忘れていただけらしい。 なんとも呑気な研究者だ。こんな研究者が発明するものとは、一体なんだろうか? |
クリード | 7/3 19:3:37 | 2191cffKVsfVBmSmg||929 | ||
車はまた、高速道路を疾走していく。 時雨は、窓に頭を預けて居眠り中だ。 微かな寝息が聞こえるだけで、車内は静まり返っている。 ・・・・・ 「時雨クン、起きて〜」 どれくらい時間が経ったのか、時雨は安眠を奪われた。 「ん〜・・・」 眠そうに目を擦りながら、ようやく目を覚ました時雨の頬に、冷たい缶ジュースが。 「・・・・?」 「あ。起きたね〜おはよう。よく眠れたかい?」 |
クリード | 7/3 19:26:40 | 2191cffKVsfVBmSmg||980 | ||
「あ、はい。えっと・・・ここは?」 時雨は辺りを見回した。 目に留まったのは、たくさんの車と灰色の建物。 さらに、建物と建物の間を行き交う、たくさんの人々。 「ここが目的地だったんだけど?」 「それじゃあ・・・着くまでずっと俺、寝てたんですか?!」 「まぁ・・・そう言う事になるね。約3時間だけど。」 「・・・・」 そんなに寝ていたのか。と、時雨は我ながら呆れていた。 |
特殊文字 by.チビファンタジー |