戻る
7288セイクリッド・ブルー(10)istint12/9 17:13:352182cfDqKkviObQbY
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-6916.html 第一話
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-6946.html 第二話
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-6967.html 第三話
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-6997.html 第四話
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7043.html 第五話
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7095.html 第六話
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7128.html 第七話
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7160.html 第八話
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7198.html 第九話

istint12/9 17:15:12182cfDqKkviObQbY||345
館の中へ入るには正装をして入らなければならない。
パーティー会場に入る前にルヴィンは兵士に腰に剣を差したままでは入る事は出来ないと言われ、しぶしぶ宿に剣を置いてきた。
ルヴィンはパーティーなど初めてなので緊張していた。

istint12/9 17:15:202182cfDqKkviObQbY||518
腰に剣が無いのも落ち着かない。タキシードも着慣れてないせいか窮屈だ。
ニナは美しいドレス姿で堂々と振舞っていた。
レンティーニは気取って大きな花束を抱えての登場だ。
バルガスは鎧を着たままエラドの隣で目を光らせていた。
他の出場者は姿を見せなかった。

istint12/9 17:15:412182cfDqKkviObQbY||751
大臣とバルガスは挨拶を済ませるとそそくさといなくなったがルヴィンはかえってその方が気楽に食事を楽しむ事が出来た。
出場者のほかは貴族達が20人程集まっており、皆ダンスを踊ったりワインを飲んだりしていた。
レンティーニは花束を抱えたままグラスを次々と空けていた。

istint12/9 17:15:542182cfDqKkviObQbY||302
と、皆がほろ酔いになってきた頃、突然ガシャーン!とガラスの割れる音がした。
同時に悲鳴が聞こえ、ルヴィンはハッと我に返った。

istint12/9 17:16:172182cfDqKkviObQbY||851
騒ぎがする方に行くと貴族の一人が血まみれになって倒れていた。
そのすぐ側には血の滴り落ちる剣を持っ兵士が立っていた。

istint12/9 17:16:322182cfDqKkviObQbY||475
兵士の顔はだんだん溶けていき、真っ赤な骨が剥き出しになった。
気が付くとホール内には血塗れの兵士がゾロゾロ集まってきていた。
その内の一人が貴婦人に襲い掛かった。

istint12/9 17:16:522182cfDqKkviObQbY||361
ルヴィンはとっさに助けようと腰に手をやったが剣が無い。
もうだめだ…!皆がそう思った時レンティーニが飛び出しバサッと花束を振り回したかと思うとそれで兵士の剣を受け止めた。
花びらが飛び散り、代わりにレンティーニの手には剣が握られていた。
そう、レンティーニは花束の中に剣を隠していたのだった。

istint12/9 17:17:102182cfDqKkviObQbY||874
「おい、化け物野郎。ダンスの相手なら俺がしてやるぞ。」
そういうと躊躇無くレンティーニは兵士の首を刎ねた。
ルヴィンが駆け寄る。

istint12/9 17:17:292182cfDqKkviObQbY||53
「あんたが気取って花束なんか持ってるからおかしいと思ったよ。
 でもなんで剣なんか持ってんだよ。」
レンティーニは他の兵士の首を切り飛ばしながら答える。
「剣は剣士の命だからだ。
 コイツを使え。」

istint12/9 17:17:492182cfDqKkviObQbY||36
そういうとレンティーニはルヴィンに自分の短刀を手渡した。
ニナも他の貴族を避難させながら炎を使い戦っている。
ルヴィンも短刀を使い、次々襲い掛かる兵士達と戦った。
だが兵士達の数は多く、斬っても斬っても次々に襲い掛かってくる。
業を煮やしたレンティーニが叫んだ。

istint12/9 17:18:92182cfDqKkviObQbY||396
「このままじゃキリがない!その割れた窓から外へ飛び出せ!」
ニナとルヴィンは言われるままに窓から飛び出した。
すぐ後を追ってレンティーニも飛び出してきた。

istint12/9 17:18:402182cfDqKkviObQbY||953
「どうするつもりだ、レンティーニ?」
「館ごとフッ飛ばす!」
そう言うとレンティーニの剣を例の気流が纏う。
それが段々大きくなり、小さな竜巻位の大きさまで成長するとレンティーニは気合と共に館に向かって剣を叩き付けた。

istint12/9 17:18:552182cfDqKkviObQbY||435
剣の切っ先は音速を超え、竜巻を纏った衝撃波が館を破壊した。
辺りは大型の台風が通り過ぎたかのような光景になり、静寂を取り戻した。

istint12/9 17:19:252182cfDqKkviObQbY||628
「剣で館を破壊するとは流石噂の王宮三騎士と呼ばれるだけの事はある。」
振り返ると三人の後ろに大臣が立っていた。隣にはバルガスが控えている。
「私の館をバラバラにしてくれて覚悟は出来ているのだろうな?
 教団の騎士団を相手にどこまで逃げ切れるかな、レンティーニ殿。」

istint12/9 17:20:332182cfDqKkviObQbY||921
一触即発のムードになり、辺りを緊張が漂う。
しかし、一方的な決め付けにニナが慌てて事情を説明した。

istint12/9 17:20:492182cfDqKkviObQbY||516
「ふむ、そういう事情があったとは…致し方ありませぬな。」
大臣は驚くほどあっさり三人を解放した。
だが、去り際にバルガスがルヴィンを意味ありげな目で睨み付けていた。

istint12/9 17:21:172182cfDqKkviObQbY||337
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

istint12/9 17:21:242182cfDqKkviObQbY||510
レンティーニはやけにあっさり開放された事に違和感を覚えていた。
(一体エラドは何を考えている…?
それからあの兵士達…今までの闇の者とは違う。
明らかにあそこにいた何かを狙った襲撃だった。
最初は聖蒼教団の最高指導者であるエラドを狙ったものだと思っていたが…)

istint12/9 17:21:352182cfDqKkviObQbY||816
レンティーニはルヴィンの寝顔に目をやった。
「スタインの血が欲しくなったか…」

istint12/9 17:22:172182cfDqKkviObQbY||96
翌日、盛大に決勝トーナメントが開催された。
ルヴィンの試合は二戦目。
バルガスとは決勝で当たる。

istint12/9 17:22:302182cfDqKkviObQbY||290
一戦目はバルガスとマサムネという戦士の試合だった。
バルガスは相変わらずすごい声援を受けて登場した。
一方、マサムネという男は異様ないでたちで現れ、ルヴィンを驚かせた。

istint12/9 17:22:472182cfDqKkviObQbY||494
長いバサバサの髪を頭のてっぺんでくくり、服装も胸をはだけた浴衣姿(もちろんルヴィンは浴衣など見た事が無いが)。
腰には長さの違う剣を二本差していた。
ゆっくりとした足取りで入場し、その鋭い眼光はじっと対戦相手を見据えていた。
「なんだ、あいつ。
 変な格好してるなあ。
 あんな格好見た事無いぞ。」

istint12/9 17:23:22182cfDqKkviObQbY||698
やがて戦いの幕が下ろされた。
まず最初に仕掛けたのはバルガスでいつものように凄い勢いでマサムネに斬りかかった。
マサムネは剣を抜きもせずにバルガスの猛攻を紙一重でかわしていた。

istint12/9 17:23:152182cfDqKkviObQbY||938
「なぜ剣を抜かない!?逃げているだけでは俺は倒せんぞ!
 このまま潰されたいのか!」
バルガスがイライラして問いかけた。
「拙者が剣を抜かぬのはお主が強いからよ。」
そう言いつつマサムネは攻撃をかわし続ける。

istint12/9 17:23:272182cfDqKkviObQbY||447
見物席で見ていたルヴィンも思わずレンティーニに尋ねた。
「あいつ何で剣を抜かないんだ?
 あのままじゃ潰されちゃうぞ。」

istint12/9 17:23:442182cfDqKkviObQbY||954
レンティーニもしばらく考え込んでいたがやがて何か思い出したかのようにつぶやいた。
「あのマサムネという男、恐らくは海の向こうの国、ズパングの戦士だろう。
 確かサムライファイターと言ったかな…。
 もし俺の予想が当たっていれば剣を抜かぬ理由もわかる。
 大本命のバルガスは一回戦で消えるかも知れん。」

istint12/9 17:24:62182cfDqKkviObQbY||364
そうこうしている間にバルガスはやや責め疲れたように見えた。
「お主の攻撃は直線的で読み易い。
 力は大したものだがな。」
バルガスの動きが一瞬止まった。

istint12/9 17:24:242182cfDqKkviObQbY||616
その瞬間を狙っていたかのようにマサムネは目にも止まらぬ速さで腰の剣を抜き放った。
バルガスの鋼鉄の鎧は何の抵抗もせずスッパリ割れ、鮮血が噴き出した。
マサムネはヒュンッと剣を振り、刀身の血を飛ばすとゆっくり剣を鞘に戻した。

istint12/9 17:24:382182cfDqKkviObQbY||663
「それから一つ、これは剣では非ず。
 刀だ。」

istint12/9 17:24:522182cfDqKkviObQbY||264
マサムネが去ろうとすると、バルガスが呼び止めた。
「待て!まだ勝負はついておらぬわ!」
「ほう…まだ動けるとはな…。
 大人しく寝ておればよいものを。」
再び剣閃がひらめき、バルガスを真っ二つにした。

istint12/9 17:25:102182cfDqKkviObQbY||659
ところが、真っ二つになったバルガスの姿は煙のように消え、本体はマサムネの後ろに回りこんでいた。
高速で動いたため、残像が生じたのだ。
マサムネを羽交い絞めにしたバルガスが勝ち誇る。

istint12/9 17:25:252182cfDqKkviObQbY||725
「俺に奥の手を使わせたのは褒めてやる。
 このまま潰してやろう。」
バルガスの怪力で締め付けられては流石のマサムネも動けず、肩の関節を外され気絶してしまった。

istint12/9 17:25:422182cfDqKkviObQbY||583
バルガスはそのままマサムネを絞め殺そうとしたが、兵士達に取り押さえられ、退場した。
試合を見ていたルヴィンは身震いした。
「俺、あんな奴に勝てるのかな…」
すると横にいたレンティーニが「まずは初戦を突破しないとな。」と言い、ルヴィンの肩をポンっと叩いた。

istint12/9 17:27:422182cfDqKkviObQbY||377
今回はここまで。
更新が大幅に遅れました事をお詫び申し上げます。
仕事が忙しくて…。

シェイラ12/10 10:53:532111cfentrQniKejA||932
読ませていただきました♪いつもとても、わくわくして読ませてもらっています。それにしても、ルヴィン君はバルガスのような奴に勝てるんでしょうか?とても、気になります。これからも、頑張って下さい。

istint12/12 15:27:572182cfiiCO9z3IaMg||465
感想ありがとうございます!一応第一部はもう書き終えているので、なるべく早目にアップしていきますね!


本文(<>," shift+7使用不可)
 ※メルアドや電話番号を公表してはいけません、荒らしを批判するのは「俺が神掲示板」以外は禁止!
 
特殊文字 by.チビファンタジー 過去ログ
無料ゲーム総合サイト: おもしろフラッシュ総合サイト: PS2:GBA:PSP:NDS:GC:XBOX