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7368セイクリッド・ブルー(11)istint12/21 23:41:322191cfWqvPTtnRbcw
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-6916.html 第一話
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-6946.html 第二話
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-6967.html 第三話
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-6997.html 第四話
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7043.html 第五話
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7095.html 第六話
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7128.html 第七話
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7160.html 第八話
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7198.html 第九話
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7288.html 第十話

istint12/21 23:42:502191cfWqvPTtnRbcw||996
ルヴィンは昨日の試合でたくさんのファンが付いたらしく大歓声に迎えられた。
対戦相手はルヴィンと同じくらいの体格のジョラスという男で、目にも止まらぬ槍の使い手だ。
開始の合図と同時に二人とも飛び出し、剣と槍が交錯する。

istint12/21 23:43:52191cfWqvPTtnRbcw||196
互いに一歩も退かぬ攻防が繰り返される。
だが、徐々にルヴィンの剛剣が槍を押していった。
不意にジョラスはパッと後ろに下がると地面を蹴り、物凄い勢いでルヴィンの首目掛けて槍を突き立て突進した。

istint12/21 23:43:302191cfWqvPTtnRbcw||932
ルヴィンは驚いたが、全身の感覚を魔力によって研ぎ澄ましていたお陰で間一髪、交わすことが出来た。
だがジョラスは休むことなくルヴィンを攻め立てる。
ルヴィンはかわすのに精一杯で少しづつ傷つけられていった。
このままでは体力を削られ、やられてしまうのは明白だった。

istint12/21 23:43:452191cfWqvPTtnRbcw||204
ルヴィンは目を閉じると感覚のみに全てを委ねた。
槍先がルヴィンの首にかかろうとしたその瞬間、ルヴィンは飛び上がり、ジョラスの槍の上に立っていた。
そのままジョラスの顎を蹴り上げ、倒れたジョラスの肩を踏みつけると首元に剣を突きつけた。
ジョラスは鈍く光る切っ先を見つめ、ゴクッとつばを飲み込むと一言「降参だ。」と言った。

istint12/21 23:44:52191cfWqvPTtnRbcw||489
ルヴィンが意気揚々と選手用の廊下を歩いていると、サムライファイターマサムネに出会った。

istint12/21 23:44:192191cfWqvPTtnRbcw||518
「見事な試合であったな。ルヴィン殿。
 是非手合わせ願いたいものだ。」

istint12/21 23:44:282191cfWqvPTtnRbcw||913
ルヴィンは褒められて少し照れながら答えた。

istint12/21 23:44:372191cfWqvPTtnRbcw||494
「マサムネさんの試合も凄かったです。
 あんな早い剣はレンティーニ以外見たこと無いです。」

istint12/21 23:44:452191cfWqvPTtnRbcw||619
そこにルヴィンを迎えに来ていたレンティーニが現れた。

istint12/21 23:45:02191cfWqvPTtnRbcw||922
「マサムネとか言ったな。
 なぜ手を抜いたのかは知らんがここでおかしな真似はせんことだ。
 ルヴィンは誤魔化せてもこの俺には殺気を隠せんようだな。」

istint12/21 23:45:252191cfWqvPTtnRbcw||310
一瞬にして辺りの空気がピンと張り詰めた。
二人は無言で睨み合っていたがマサムネが先に切り出した。

istint12/21 23:45:362191cfWqvPTtnRbcw||538
「確かにあの男をあそこで斬り殺すのは容易かった。
 実は拙者の目的はこの大会で優勝する事ではござらん。
 祖国にはびこる邪教のもとを断つことが目的でござる。
 聖蒼教団の実力者と戦っておきたかったのでな。」

istint12/21 23:45:462191cfWqvPTtnRbcw||6
ルヴィンはハラハラしながら二人の様子を伺っていたが話を聞いてもっと驚いた。
聖蒼教団を滅ぼすだって!?
レンティーニも少し驚いたようだったが、剣に掛けていた手を下ろした。

istint12/21 23:45:592191cfWqvPTtnRbcw||778
「なるほど、決勝はエラドも見物しに来る。
 が、自分が決勝に出てては襲撃は不可能…。
 そこでエラドのボディーガードのバルガスとルヴィンを戦わせ、その隙に大臣の首を取ろうとしているのか。
 そう上手くいくとは思えないが。無駄死にするぞ。
 聖蒼教団はお前が考えてるほど甘い組織ではない。」

istint12/21 23:46:302191cfWqvPTtnRbcw||435
不意に人の気配がした。

istint12/21 23:46:392191cfWqvPTtnRbcw||650
「お前達!何の話をしている!?
 テロリストどもめ!ひっ捕らえてくれるわ!」

istint12/21 23:46:572191cfWqvPTtnRbcw||842
通りがかった教団の傭兵に話を聞かれていたらしい。
三人とも疑いを掛けられてしまった。
「ちぃ、お前のせいでこっちまでお尋ねものだ!」
レンティーニはルヴィンの首を引っつかむと走り出した。
マサムネも後に続く。

istint12/21 23:47:112191cfWqvPTtnRbcw||814
「すまぬ。」
「くそっ!ニナが無事だといいが…。」
ルヴィンが後ろを振り返るともう既に何十人もの傭兵が追ってきていた。

istint12/21 23:47:322191cfWqvPTtnRbcw||172
マサムネは二本の刀を抜くと一人で傭兵達の前に立ちふさがった。
ルヴィンも一緒に残ろうとしたが、レンティーニに静止された。
「ここはあいつに任せるぞ。
 どの道お前が残ればニナも助けに行こうとするだろう。」

istint12/21 23:48:182191cfWqvPTtnRbcw||678
~〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

istint12/21 23:48:262191cfWqvPTtnRbcw||835
闘技場の観客席は混乱し、逃げ惑う人々でいっぱいだった。
二人がニナのところに到着すると、気絶したニナとバルガスが待っていた。

istint12/21 23:48:382191cfWqvPTtnRbcw||177
「この女の所にいれば必ず現れると思っていたぜ。クク。」
バルガスの周りには十人ほど屈強そうな男が従っていた。
レンティーニがルヴィンに耳打ちした。

istint12/21 23:48:472191cfWqvPTtnRbcw||791
「向こう側にニナがいるから気流の剣も衝撃波使えん。
 ルヴィン、お前はバルガスを食い止めろ。
 一分でいい。その間に俺がカタをつける。
 いいな。」

istint12/21 23:49:22191cfWqvPTtnRbcw||70
そう言うとレンティーニはあの重い矢を5本同時につがえると、空中に向かって放った。
「どこを狙っておる!今更弓など我が傭兵団のエリートには通用せぬわ!!」
バルガスがルヴィン目掛けて突進してきた。

istint12/21 23:49:192191cfWqvPTtnRbcw||593
ルヴィンは既に全身に魔力の糸を纏っていたのでバルガスの突進をかわすことが出来た。
その時、バルガスの後ろに隕石のような勢いで気流を纏った矢が降り注ぎ、全身鎧で身を包んだ男達を貫いた。
「気流を使えるのは剣にだけじゃないんだぜ。」
レンティーニはもうニナの側に周り込んでいた。

istint12/21 23:49:292191cfWqvPTtnRbcw||463
「グッ…流石は三騎士の一人だな…。
 だがお前達はもうお仕舞いだ!もうこの闘技場内には聖蒼教団の精鋭が雪崩れ込んでおる!
 ここが貴様らの墓場だ!」

istint12/21 23:49:512191cfWqvPTtnRbcw||832
バルガスの剣がルヴィンの頭上目掛けて振り下ろされる。
ルヴィンは両手で握り締めた剣で受け止めるのが精一杯だ。切り返そうとしても全く腕が動かない。
そこに聖蒼教団の騎士団が次々に現れる。

istint12/21 23:50:102191cfWqvPTtnRbcw||650
レンティーニが流れるような剣捌きで騎士たちを倒していくが、ニナをかばいながらの戦いで少しづつ取り囲まれていった。
「ルヴィン!距離をとって戦え!心を集中させろ!」
レンティーニの心に一抹の不安がよぎる。恐らくルヴィンはバルガスには勝てない。
資質はあっても実戦経験の差がありすぎる。

istint12/21 23:50:512191cfWqvPTtnRbcw||688
かといってレンティーニがバルガスに当たるわけにはいかなかった。
騎士たちはどれも実戦経験を積んだエリート達だ。一対一でもルヴィンとは互角以上かも知れない。

istint12/21 23:51:102191cfWqvPTtnRbcw||43
レンティーニの叫びがルヴィンの耳に届く頃にはルヴィンは完全に戦いに集中していた。
魔力はレンティーニが驚くほど研ぎ澄まされ、次第に自分の間合いを掴めるまでになっていた。
だがバルガスは実力の全てを出し切って戦っているわけではない。
決着を急がなければならなかった。
(こんな時レンティーニならどうする…?)

istint12/21 23:51:352191cfWqvPTtnRbcw||775
ルヴィンの脳裏に今までの戦いの場面がチラチラとよぎった。
「レンティーニなら…こうするはずだ!」

istint12/21 23:51:512191cfWqvPTtnRbcw||224
ルヴィンは一気に間合いを取ると、思い切り地面を剣で抉り飛ばした。
大小の岩の破片がバルガス目掛けて飛んでいく。

istint12/21 23:52:82191cfWqvPTtnRbcw||288
「こんな技、騎士には通用せん!」
バルガスは難なく剣で払いのける。

istint12/21 23:52:222191cfWqvPTtnRbcw||650
だが、ルヴィンの狙いは一瞬バルガスの動きを止めることと、目くらましだった。
突然バルガスが目から血を噴出し、悲鳴を上げ、仰け反った。
そこにルヴィンの全霊を込めた一撃が命中し、鎧が粉々に吹き飛んだ。

istint12/21 23:52:322191cfWqvPTtnRbcw||571
だが、バルガスはそれでもまだ倒れなかった。
「キサマ…!何をした!?俺の左目に何をオオオ!」

istint12/21 23:52:482191cfWqvPTtnRbcw||462
ルヴィンは岩片の影に極細に織り込んだ魔力の針を紛れ込ませていたのだ。
もちろんこんな技はレンティーニにも使えない。
ニナとの魔力の修行で偶然出来るようになった能力だった。
ただこの針は動きが遅く、光が目立つ上に殺傷力に乏しいため、実戦ではつかえなかった。
それをルヴィンはレンティーニの技と融合させる事で見事実戦に活かせたのだ。

istint12/21 23:53:02191cfWqvPTtnRbcw||107
恐るべき成長速度…確実にルヴィンは戦いの中で進化していた。
レンティーニは弟子の成長に驚いたが、スタインの血が恐ろしくも感じた。

istint12/21 23:53:272191cfWqvPTtnRbcw||970
だがまだバルガスは怒り狂いながらルヴィンに襲いかかろうとしていた。
ルヴィンはもう力を出し切って地面に崩れ落ちていた。

istint12/21 23:53:462191cfWqvPTtnRbcw||600
レンティーニは次々に騎士たちを斬り倒していったがもう間に合いそうになかった。
もうお仕舞いだ…!

istint12/21 23:53:582191cfWqvPTtnRbcw||20
その時バルガスの腹に刀が突き刺さった。

istint12/21 23:54:112191cfWqvPTtnRbcw||393
「見事でござった、ルヴィン殿。」
見上げると傷だらけのマサムネが立っていた。
レンティーニはホッとした様子でニナを抱え、二人に駆け寄った。

istint12/21 23:54:262191cfWqvPTtnRbcw||582
「追手を振り切ったのか、大した奴だ。」
「レンティーニ殿も婦人をかばいながら見事な戦いぶりでござる。
 さて、ここはもう数百の騎士に囲まれているが何か妙案はござるか?」
マサムネももう疲弊し切ってる様子だった。

istint12/21 23:54:352191cfWqvPTtnRbcw||133
「心配するな。もう来た。」

istint12/21 23:54:482191cfWqvPTtnRbcw||379
レンティーニの言葉とほぼ同時に、熊のような大きさのブラックウルフが鋭い爪と牙で騎士たちをなぎ倒しながら乱入してきた。

istint12/21 23:55:12191cfWqvPTtnRbcw||614
「レンティーニ殿は狼使いでござったか!」
マサムネが驚嘆の声を上げた。

istint12/21 23:55:122191cfWqvPTtnRbcw||609
ルヴィンも久し振りにティアの姿を見て少し安心した。
「でもティアが加わってもこの包囲網を抜けるかな…。」
レンティーニはルヴィンの顔を見ると、頭をぐしゃっと撫で付けた。

istint12/21 23:55:232191cfWqvPTtnRbcw||870
「お前はティアの強さをまだ知らん。
 安心してニナの介抱でもしてろ。」

istint12/21 23:55:362191cfWqvPTtnRbcw||171
レンティーニがティアに魔力を送り込むと、ティアが闘技場に響き渡るような咆哮を響き渡らせた。
するとどこからともなく、赤色や青色の大きな狼が現れ騎士団に襲い掛かった。

istint12/21 23:55:512191cfWqvPTtnRbcw||537
「ティアは狼達の王だ。ウルフ団の力を見るがいい。」
狼達は完全に統率されており、混乱で恐慌状態の騎士団を圧倒していった。

istint12/21 23:56:72191cfWqvPTtnRbcw||410
「よし、新手が来る前に街を出るぞ。」
レンティーニはニナを抱えるとティアの背にまたがった。
マサムネとルヴィンもティアの連れて来た青い狼にまたがると、風のような速さで駆け出した。
前方を行くティアとレンティーニが騎士たちを蹴散らしていくのでルヴィンたちは狼にしがみついていれば良かった。

istint12/21 23:56:212191cfWqvPTtnRbcw||864
ニナが急に目を覚まして暴れ出したので、レンティーニが面倒くさそうにルヴィンたちの方に放り投げた。
「ちょっと、レンティーニ!危ないじゃないの!!一体どうなってるの!?」

istint12/21 23:56:352191cfWqvPTtnRbcw||594
ニナは放り投げられてレンティーニに不満をぶつけたが、やがて状況が読めたらしく大人しくなった。
敵が放った矢を得意の魔法で焼き落としたり、ルヴィンの傷の手当てをしたり精力的に働いた。

istint12/21 23:56:512191cfWqvPTtnRbcw||184
やがて町を出、追手の姿も見えなくなったところで一行は足を止めた。
「よし、ここまで来れば大丈夫だろう。」

istint12/21 23:56:592191cfWqvPTtnRbcw||277
振り返ると街は炎に包まれ、空が真っ赤になっていた。

istint12/21 23:57:532191cfWqvPTtnRbcw||264
お疲れ様です!
今回はここまで。
もうすぐ第一部完結です。

シェイラ12/26 12:48:222111cfentrQniKejA||626
こんにちわ!あわわわわ、プレゼントありがとうございます。いつも、はらはらどきどきな展開に更新が待ちきれません。でも、ルヴィン君はとても、かっこよくなりましたね!でも、どうして街に火に包まれてしまったんでしょうか?今後の展開がとても、楽しみでいて、彼らの行く末がとても、気になっています。


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