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7472風の唄・第2部―第4話―空華1/4 14:56:442031cfugNPyUOK282
第1部「風と火と1日」
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読み返していただける場合は、こちらをどうぞ。
途中省略しているのは、文字数オーバーのためです;;

空華1/4 15:4:192031cfugNPyUOK282||195
「へえ、すごーい。そんなことができるなんて、知らなかったな、私。
どんな方法なのかな?」

こののんきな声の主は、無論フィナ。
私とレットと風の聖霊さん(後に名前は「ディウ」さんと判明)は、今フィナの家にいる。

ちなみに玄関から入った。
フィナのお母さんは昨日のことも知ってるし、だから窓から入る必要はないと思ったから。
いくら風の聖霊さん……ディウさんが風を操り手伝うからといって、普通に行けるならその方が良いし。
家から出るときは窓から降りたけどね。
おかげで、髪の毛がぼさぼさ。
風が強いから。
まあこの際、私の髪の毛がどうなってようが関係ない。

空華1/4 15:12:452031cfugNPyUOK282||260
フィナがディウさんを見る。
最初彼を見た時は驚いていたフィナも、今は納得している様子。

「フィナです。協力ありがとうございます」
「君のことは知っているよ、水の血を引くお嬢さん。よろしく」

こーして見ると、わりとフィナって美少女なんだね。
美形のディウさんと並んで見劣りしてないあたり、そうなんだと思う。
今気がついた。
まあ、これもどうでも良い。

私たちは村長さんの家に向かうことにした。
窓から出ずにすんだ。
ディウさんが私たちを護ってくれているため、風は当たらない。
多分彼がいなかったら、もっとひどいことになっていたと思う。
村長さんの家は、村の真中にあった。

空華1/4 15:28:302031cfugNPyUOK282||418
村長さんの家のドアをノック。
視界のすみで、砂ぼこりが舞う。
何度目かノックした時、ドアが開いた。

                   ***

私たちは村長さんの家にいる。
私が代表して事情を話した。
ディウさんがレットの家に来たこと、それから私の家に来たこと。
そしてフィナの家に行き、最後にここまで来たこと。
聖霊を静める方法があるらしいと言ったとき、村長さんは何かを考え込んでいる様子だった。

話し終えたとき、村長さんが立ち上がった。
私たちを、廊下の方へと促す。
私たちは目を見交わし合って、それぞれ席を立った。
なぜか私が1番前、次がフィナ、レット、一番後ろからディウさん。

空華1/4 15:36:162031cfugNPyUOK282||798
連れられるままについていくと、廊下のつきあたりにドアがあった。
村長さんがそれを開けると、そこから地下に向かって階段が伸びていた。
レットが尋ねる。
たどたどしい敬語で。なんなんだこいつは。

「村長…さん、この先何?……何ですか?」
「無理に丁寧に言わずとも良い。……この先は見ればわかる」

少し笑いながら言われて、レットが軽く頭をかく。
そして階段が終わった。
そこに広がっていたのは、これは……。
私は思わず口に出して尋ねる。

「わ……書物庫ですか?すごい、本がたくさん……」

天井まである本だなが、壁にそって並ぶ。
ぎっしりと詰まった、本、本、本……。
私の言葉に、村長さんが頷いた。

空華1/4 15:45:02031cfugNPyUOK282||246
村長さんがどこからかマッチを出して、ランプに火を入れる。
それを使って、部屋中に明かりを灯していった。
だいぶ明るくなった部屋の中で、村長さんが重々しく私たちを見まわす。

「この村にある本の全ては、ここにもある。
方法の書かれたものがあるとすれば、ここにあるはずじゃ」

なるほど。
ありがとうございます、と言ってから、私は手近な本棚に歩み寄る。
まずは端の本を一冊。

「……そっか、探すのか」

数秒後、ぼーっと部屋を見まわしていたレットが呟いた。
あえて何も言わないでおく。
レットが動く気配。
私が、レットが、フィナが、ディウさんが、村長さんが。
何も言わず、求めるものを探していた。

空華1/4 15:53:52031cfugNPyUOK282||848
+後書き+

前に書いたものから、だいぶ日が経ってしまいました。
お正月だったもので、すみません;
少し、名前のあるキャラを整理。キャラ紹介も兼ねて。

・リア   主人公。15歳の少女で、しっかりした子。つっこみでもある。
・フィナ  リアの親友。のほほんとした少女。水の聖霊の血を引く。美少女と判明。
・レット  上2人の友達。典型的な元気(だけ)が取り柄の少年。
・ディウ  風の聖霊。一応男性の姿だが、性別不明、年齢不明。わりと優しい。美形。

今回は少し長めですが、読んでいただきありがとうございました。


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