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7486セイクリッド・ブルー第二部istint1/5 23:38:175870cfETBgMVOcfK.
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7434.html 第一部(1〜12話)

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セイクリッド・ブルー(第二部)

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暗い森の奥、獣の咆哮と金属のぶつかり合う乾いた音が静寂を破る。
今、まさにこの森の奥に闇の住人達が集結し、何か大きな建造物を取り囲んでいた。
ゴブリン達や、骨だけの姿になった戦士達が数体のジスティによって統率されていた。

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不意に化け物たちが何かに怯えるようにざわめき出す。
やがて群れは二つに割れ道を作り、地面にひれ伏した。

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その道を黒いローブにすっぽり身を包んだ6人の集団がゆっくりとした足取りで歩いてくる。
闇の権化、闇ソーサラー7人衆。

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その内の六人までが一堂に会したのだ。
闇ソーサラーが一度に同じ場所に現れることは滅多に無い。
なぜなら彼等の発する瘴気が濃すぎ、生命力の弱いものは魔物であろうと飲み込まれてしまうからだ。

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闇ソーサラーの一人、ザファが口を開く。
「我々闇ソーサラーがこうして顔を合わせるのは数百年ぶりだな。
 一人は人間との戦いで命を落としたが…クク…」

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女性のような声の闇ソーサラーが次に口を開いた。
「闇ソーサラーは七人揃っていなければならないと、グラッド様がおっしゃってた事があるけれどその辺りは抜かりはないのかしら?
 人間に殺されるなんて…闇ソーサラーの沽券に関わるわ。その人間はもう消したの?」

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さらにもう一人の大柄の闇ソーサラーが答えた。
「それがグラッド様はその人間をこちら側に引きずりこみ、闇の転生を施されたのだ。
 もうじき『ベアン』の名を冠する闇ソーサラーが誕生するだろう。」

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再びザファが口を開いた。
「クク…せいぜい新入りに寝首を掻かれんようにする事だ。
 では儀式を始めようか…。」

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六人は建造物を取り囲み、怪しげな呪文を唱えながら己の魔力をそれに向かって放出し始めた。
たちまち建造物は黒く染まっていき、その周りを暗雲が立ち込め出した。
静かだった建造物の内部に、強烈な気配が次々現れ低い唸り声が聞こえる。

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やがて一際強力な暗黒の気を放つ者が内部から闇ソーサラーに語りかけた。
「この私を地上に召喚したのは貴様らか?
 我は魔界の大公であるぞ。
 貴様ら我を召喚する事がどういうことか理解できておるのか?
 我々は地上になど興味ない。
 魔界の濃い瘴気を好んでる故にだ。
 つまらぬ用なら貴様らを喰らい尽くして魔界へ帰らせてもらう。」

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ザファがその声に答える。
「クク…魔界の大公殿。
 召喚したのは我々闇ソーサラーだ。
 用は唯一つ、わが主、サ・レギュオンの為に働いて頂きたい。
 そちらに拒否権はない。
 それに我々を喰らい尽くす事など出来るはずがないのでな…クク…。」

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その言葉を聞いたと同時に気配がより一層大きくなった。
瘴気が建造物の内部から溢れ出し、黒い気が天に向かって噴出した。

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「サ・レギュオンだと!?
 …復活の時が近づいておるのか…。
 それならば我々も動かざるを得んな…。
 闇の王サ・レギュオン…先の大戦で創造主に封印された、死と破壊を司る神。
 存在するのならばこの目で見てみたいものだ。
 だが闇ソーサラーよ、勘違いするな。
 我々魔族は貴様らの為に働くのではない。
 我々はサ・レギュオンの名の下に破壊と殺戮を行うのみ。
 この塔は我々魔族の城にさせてもらう。」

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声が聞こえなくなると建造物を取り囲んでいたジスティ、ゴブリン達が次々に悲鳴を上げ、灰になった。

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ザファが再び口を開いた。
「クク…生贄か。
 どうやら我々は『魔界の大公殿』の力を見誤ってたらしい。
 結界を破って力を行使するとは…。
 だが、『闇の大公』の力はこんなもんじゃないだろうがな…ククク。
 諸君、ご苦労だった。
 暗雲の塔の完成だ。
 すべての生あるものに等しく死が与えられるであろう。」

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ルヴィン、レンティーニ、ニナの三人は広い荒野を進んでいた。
辺りには殆ど障害物は無く、見渡す限りひび割れた大地と岩山が永遠に続いているようだった。
昼間は日差しが強く、夜は厳しい寒さが待っている。

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過酷な自然環境の中、ニナが体調を崩してしまい、いまはティアの背に揺られている。
そんな環境の中でもレンティーニはルヴィンを訓練していた。
だが、先を急いでもいた。

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だが、先を急いでもいた。
なぜならこんな場所で大群に囲まれたら逃げる事も出来ないからだ。
それに今や三人は賞金首。
闇の者でなくとも、荒くれ者の冒険者達が三人を放っておくはずがない。
聖蒼教団の動きも気にかかる。

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実際、荒野に差し掛かってすぐに五人組の冒険者に襲われたのだ。
その五人はルヴィンが一人で返り討ちにしたが。

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ルヴィンはレンティーニが恐れを抱くほど急激に成長を見せていた。
少年はただの無邪気な子供ではなくなっていく。
日に日に技のキレが増していき、その天才的なセンスはレンティーニの少年時代を彷彿とさせるのだった。

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ルヴィンは旅に出てから時折、夢の中で誰かに呼ばれているような感覚に襲われる。
初めに見たのは盗賊たちに捕らえられた時。
その時は霞がかかったように全くわけのわからない夢だった。
しかし、回数を重ねるごとに夢にかかっていた靄のようなものが晴れていきやがて声も聞こえるようになってきた。
だが、何を言っているのか、何の夢なのかはまだはっきりしない。

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だが確実に言える事は一つ、夢を見るたびにルヴィンの身体の奥に不思議な力が胎動するのを自覚していくということだった。
悪夢なのか心地のよい夢なのかはわからない。
だが、懐かしい感じもする夢だ。
一度ルヴィンはこの事をレンティーニに話した事があったが、少し考える素振りを見せ「不安定な少年時代にはそういう夢をよく見るものだ。」と答えられただけだった。

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じりじり昼の日差しが肌を焼く。
水も食料も底を尽きかけていた。

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たまらずルヴィンがレンティーニに尋ねる。
「まだこの荒地を抜けれないのかよ。
 なあ、レンティーニ、このままじゃ三人ともミイラになっちゃうぞ。」

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「初めの元気はどうした?
 まあ、半分は歩いたろうな。
 だが、ニナの身体が心配なのも確かだ。
 キャラバンと遭遇できれば幸運なんだが…」

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レンティーニがとったルートはキャラバンが良く使うルートだったので、出会う可能性はあった。
レンティーニもニナの様子に気を配りながら、少し焦っているように見えた。
その時、隣を歩いていたティアが鼻をフンフン鳴らし、ワンワン吠え出した。

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「どうしたんだい?
 何かいるのか!?」

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ルヴィンがティアの目線の先を見据えると遠くでモウモウと砂埃が舞っているのが見えた。
キャラバンに出会ったのかもしれない。一筋の光が見えた気がした。

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しかし、レンティーニはそれを見ると吐き棄てるように一言漏らした。「聖蒼教団の傭兵団だ。」

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続く

istint1/5 23:51:145870cfETBgMVOcfK.||841
あけましておめでとうございます。
度々更新が遅れておりますが今年も宜しくお願いします。
たくさんの人に見ていただけるようにイイ小説にしたいと思ってます。
ではでは

シェイラ1/7 9:10:252184cfE42Y0deSN.w||100
こちらこそ、あけましておめでとうございます!待ってました第二部。敵の勢力も本格的に動きだしてきて、先の展開がどうなるのか全く読めない自分に腹をたたせつつ、どんな事がルヴィン達を待ち構えているか同時にわくわくしながら読ませていただいています。楽しみにしてます!

istint1/7 23:9:152182cfsLaP49vVZuk||210
いつも感想ありがとうございます。
今年もルヴィン達を宜しくです!


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