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7526風の唄・第2部―第6話―空華1/16 21:41:132031cfugNPyUOK282
第1部「風と火と1日」
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空華1/16 21:50:202031cfugNPyUOK282||938
『風の鎮まりを望む者よ、風の地へ立て。
魔力秘めしこの聖本を手に、風へと言葉を叫べ。「全てを運ぶは風なり」
一心に祈り、真摯なる思いを向けよ。「風はこの地にて荒れしこと、あるべからず」
最後に汝が魔力を持ってして、風の静まりし地を思い描け。
「ここに風静まりて、我の声を聞け」』

古い本に書かれた、その文章。
これだ、と直感的に思った。
しんとした静寂、それを破ったのは、フィナ。

「これで、良いんですね?……リア、すごいっ」

お褒めいただき光栄。
でも、そんなこと言ってる場合じゃない。
私はどうしても、どうしても気になることがあった。

空華1/16 21:56:242031cfugNPyUOK282||471
「あの、これ……誰がやるんですか?
汝が魔力云々ってことは、魔力持って無いといけないんですよね?」
「そうだろうね。……でも、風の民なら、多かれ少なかれ、魔力はあるはずだよ」

私の質問に答えてくれたのは、ディウさんだった。
私も魔力を持ってるってこと?
なんだか、すごいなあ。等と思いつつ、私はなおも質問を続ける。

「でも、やっぱり魔力は高いほうが良いんですよね?」
「多分。そのほうが、効き目はあると思う」

ディウさんの返答。
その答えに、皆の視線が一人に集まる。
普段は少しぼやっとした、私の友達の所へ。

空華1/16 22:2:502031cfugNPyUOK282||272
「私……?」

フィナが、おそるおそる呟く。
次いで、困惑したように首を傾けた。
できるかなあ、という彼女の心が、私には手に取るようにわかる。

「だって、一番可能性があるのはフィナじゃない?」
「おれもそー思う。よくわかんないけど、聖霊の血を引いてんだろ?」
「大丈夫よ、フィナ。もう少し自信を持っていいと思うわ」
「うん、君が適任だと思うよ」
「引き受けてはくれないかの?」

私、レット、フィナのお母さん、ディウさん、村長さん。
口々に言われたフィナは、しかしまだ不安げ。

「でもほら、……だったら、お母さんのほうが……」

空華1/16 22:7:152031cfugNPyUOK282||190
往生際が悪い。
フィナのお母さんは、フィナの肩に手を置いて微笑む。

「ごめんなさい、フィナ。私は各地を回って、今回の事を報告しなければならないの」

フィナはしばらく迷って、考え込んで、そして。
こくん、と頷いた。
決定。
そして、それを見ていたディウさんが、私とレットの方を見て言った。

「いつ言い出すべきかと悩んでいたんだけど。
……今の状態で暴風を止めれば、火の民達に逃げられる可能性が高い。
だから、君達に、風の精霊の操り方を教えようと思うんだ。
風ならこの島を周って探してくれるし、速い」

空華1/16 22:14:592031cfugNPyUOK282||88
「せいれいって?」

尋ねたのは、レットだ。
不思議そうに首をかしげている。

「妖精のようなものだ。聖霊よりも力が弱くて、数が多い。これでわかったかな?」

レットが頷く。

こうやって、事は決まった。
フィナは村長さんと一緒に、風の聖霊を静めに行く。
私とレットは、ディウさんに風の精霊の操り方を教えてもらう。
そして、静めに間に合うようにやり方を覚えて、風の丘で精霊をあちこちに向かわせる。

手順は、こんな感じ。
この通りに行くかどうか……。
二日目はまだ、はじまったばかり。

空華1/16 22:17:22031cfugNPyUOK282||535
+後書き+

前回と引き続き、小休止的な話でした。
そろそろ、クライマックスに近づいています。
風の唄の終わった後にも、書きたい物語はたくさんあります。
番外編も書きたいです。
なんて、今言っていてもしょうがないですね。
読んでいただき、有難うございました。

キーア1/18 21:15:322191cf/cZWdmfTKcw||738
お久しぶりです^^
前回は感想をくださり有難う御座いました

精霊さんってきっと可愛いんでしょうね(ぁ
精霊とか妖精とかの想像がつきますw
でも、空華様がどんな風な精霊を想像しているのかなっとも思ったりします

次回も頑張ってください

空華1/19 22:10:342031cfugNPyUOK282||286
キーア様、お久しぶりです^^
感想ありがとうございます。

精霊ですか?
個人的に、「シルフィード」なんですよね、イメージが。
文字じゃよくわからないですし、イメージも漠然としているのですが。
風の感じが表せたらな、と思っています。

これからもよろしくお願いします^^


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