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7573Freewind夢観士1/28 13:45:82222cf.dRNbOALyK.
では、今回より書き始めます・・・。


夢観士1/28 13:45:592222cf.dRNbOALyK.||92
大きな欠伸。
それが比奈野家長女の目覚めの合図である。
そう、これから人によっては長く、人によっては短く感じる一日が始まるのだ・・・最悪の形で。
「いーかげんにしなさい!!アンタ今何時だと思ってるの!?」
この叫び声も比奈野家特有・・いや、ここ草壁町特有の朝の儀式である。
「うるさいなぁ・・遅れた位で死にはしないんだよ?」
「馬鹿言ってんじゃないの!!」
朝からこんな喧嘩を毎日繰り返している比奈野家。よく飽きないものである。

夢観士1/28 13:49:142222cf.dRNbOALyK.||80
「・・ったく・・お母さんこれじゃ何時かノイローゼになっちゃうよ!」
こんな理由でノイローゼになるのも馬鹿らしいというものだ。
・・というか近所の方がノイローゼになる確立は高いだろう、毎朝五月蝿いのだし。
「いってきま〜す・・」
そそくさとトーストを咥えカバンを自転車の前かごに入れ突っ走っていく。
比奈野陽子
それが彼女の名である。

夢観士1/28 13:49:392222cf.dRNbOALyK.||707
横断歩道を駆け抜けて坂を凄まじい勢いで下り、通学路の途中にある神社に彼女はいた。
サボろうとしているのではない。校則違反になるから自転車を隠しているのだ。
学校は大して怖くないが親は怖い。
生徒会会長を務めている母親にだけはばらしたくない。
いや、ばれたら半殺しだ。
いつも通り茂みに自転車を隠しカバンをひったくると凄いスピードで学校に向かっていった

夢観士1/28 13:50:492222cf.dRNbOALyK.||409

それから数時間後・・・。
あ〜ぁ・・うるさいっての。あのハゲ教師!
学校ではとても言えない台詞である。
「しょうがないよ。・・・勉強道具全部忘れればそりゃぁ・・ねぇ?」
そう、慌てたせいでカバンの中には殆んど何も入ってなかったのだ。
・・・何故か弁当を除いて。
人間食えれば生きていけるんだよ〜
「・・んな親父理論を・・」
まぁ、確かに勉強しないでもなんとか生きていけるかもしれないが・・・。

夢観士1/28 13:52:542222cf.dRNbOALyK.||347
あ・・ちょっと待ってて
「ん?どうかした?」
自転車!
手短に答えると陽子の姿は即茂みの中に消えていった・・。
・・っと・・何処かな?
辺りはもう暗い。
ライトもなしでは流石に見つけ辛いだろう。
・・・そういえば・・此処・・
陽子は小学生の頃聞いた町内七不思議の話を思い出してしまった。
子供というものは不思議なものでこういう下らない事は何時までも覚えているものである。
血濡れの森・・か・・まさかねー・・

夢観士1/28 13:53:432222cf.dRNbOALyK.||612
昼間でもそんなに日が差さないこの森は普段から十分雰囲気を醸し出しているというのに暗くなるとその話が真実ではないかと思うほど不気味になってしまう。
陽子は思わずその話を思い出してしまった。

夢観士1/28 13:54:192222cf.dRNbOALyK.||347

むかし むかし なかのいい おうさまと おひめさまが なかよく くらしている くにがありました。
おうさまと おひめさまは おたがいにあいしあい なにふじゆうない それは それは へいわな くにでした。
ところが あるひ おうさまは べつなじょせいに こいをしてしまいます。
おひめさまは そのじじつをしると すぐさま どくをつくらせて おうさまに のませました。
そのどくは のんだものがばけものに なるという どくやくでした。
けっか おうさまは そのじょせいを あたまから ばりばりと たべつくしてしまいました。

夢観士1/28 13:54:412222cf.dRNbOALyK.||183
ところが おうさまのいきおいはとまりませんでした。
えさをさがし ちゅうやとわず ねりあるき くいころす。
へいわなそのくには あっというまに ひるはこえをひそめ よるはまどのそとの かげにおびえる おそろしい くにになってしまいました。
へいたいさんが すべて たべつくされ まちには もうだれもいなくなったころ おひめさまはじぶんのへやに かぎをかけ ふるえていました。
しろのなかも もちろん ものおとひとつしません。
みんな たべられたからです。

夢観士1/28 13:55:42222cf.dRNbOALyK.||891
それから みっかご。
おひめさまの なきがらが あとかたもなくなったころ。
おうさまに まわった どくが きえさり まちに ふたたび こえがもどりました。
かなしい かなしい なきごえでした。
まいにち まいにち ないた おうさまは ついにおかしくなってしまいました。
じぶんで そのどくやくをつくると のみほして ちかくのもりを うろつくひびがつづきました。

夢観士1/28 13:55:112222cf.dRNbOALyK.||283
そのもりは すぐさまたびびとの したいで じめんがうまり きぎはたびびとからながれた ちをすって あかく あかく そまりました。
おうさまは いまもいきています。
もりにまよった おろかなにんげんの たましいを からだごとたべて いつまでも いつまでも いきているんだとさ。

夢観士1/28 13:56:182222cf.dRNbOALyK.||659

・・・背筋の辺りが少しぞっとした。
彼女はは周りをチラと見てからまた探し始める。
・・こんな話作り話よ・・そう、ただの作り話・・
自分で自分を励ましつつ、どんどん奥地に入っていく。
このあと・・この話が真実になるとは知らずに・・。
・・おかしいなぁ・・こんな奥に置いたっけ?
何処までも続くような森の中。
陽子は少し呟いた。

夢観士1/28 13:57:382222cf.dRNbOALyK.||285
まわりは生い茂った木々。何処を見ても見えるのは緑ばかりである。
緑・・緑・・緑・・赤・・緑・・緑・・?
陽子は我が目を疑った。
周りの葉が赤く染まっているのだ。
・・・ぇ?
心臓がドキドキ言っている。
今から飛び出すのかと思うくらいにドキドキしていた。
一枚葉をむしり取り良く見てみる。
純粋な赤。
混じり気は・・無い。

夢観士1/28 13:58:442222cf.dRNbOALyK.||463
こ・・・紅葉・・だよね、きっと
彼女は思いついたように地面の草の色を調べてみた。
それが良かったのか悪かったのか・・。
地面には一面に赤絨毯を広げたのかと思うほど真っ赤だった。
・・夢だ。こんな・・こと
先ほどまで異常に肌寒かったが今は額から滴り落ちる汗を拭うので精一杯だ。
ふと目の前を見た。
ボロボロの靴と剥き出しの黒い足のようなもの。
恐る恐る顔を上に上げて彼女の動きは止まった。
・・肉片が付いた頭蓋骨の化け物が陽子の目の前に立ち尽くしている姿が目に焼きついた。

夢観士1/28 14:0:152222cf.dRNbOALyK.||769
今回終了です・・。

これ昨日の夜中に書いたもので半分寝てるような状態です。
平仮名の部分書くのも読むのも面倒です、ほんと。

という訳で漢字に直してみました・・・。↓

夢観士1/28 14:0:372222cf.dRNbOALyK.||151
昔々、仲の良い王様とお姫様が仲良く暮らしている国がありました。

王様とお姫様はお互いに愛し合い何不自由ないそれはそれは平和な国でした。
ところがある日、王様は別な女性に恋をしてしまいます。
お姫様はその事実を知るとすぐさま毒を作らせて王様に飲ませました。
その毒は飲んだ者が化け物になるという毒薬でした。
結果、王様はその女性を頭からバリバリと食べ尽くしてしまいました。
ところが王様の勢いは止まりませんでした。
餌を探し昼夜問わず練り歩き食い殺す。

夢観士1/28 14:0:522222cf.dRNbOALyK.||491
平和なその国はあっという間に昼は声を潜め夜は窓の外の影におびえる恐ろしい国になってしまいました。
兵隊さんが全て食べ尽くされ街にはもう誰も居なくなった頃、お姫様は自分の部屋に鍵を掛け震えていました。
城の中ももちろん物音一つしません。
みんな食べられたからです。

夢観士1/28 14:1:72222cf.dRNbOALyK.||63

それから三日後。
お姫様の亡骸が跡形もなくなった頃。
王様に回った毒が消え去り街に再び声が戻りました。
悲しい悲しい泣き声でした。
毎日毎日泣いた王様はついにおかしくなってしまいました。
自分でその毒薬を作ると飲み干して近くの森をうろつく日々が続きました。
その森はすぐさま旅人の死体で地面が埋まり木々は旅人から流れた血を吸って紅く紅く染まりました。
王様は今も生きています。
森に迷った愚かな人間の魂を身体ごと食べていつまでもいつまでも生きているんだとさ。

夢観士1/28 14:3:422222cf.dRNbOALyK.||299

・・改めて読むと話のつながりが大分おかしいです^^;
そこんとこは見逃してください・・。

かなり強引な展開ですがお許しを・・・。

ちなみにオレンジの部分が陽子の台詞です。

では、次回・・・。

アリアンナ1/29 12:3:372111cfgTlFN6v.hkg||457
なんか、七不思議のところはぞくっとしますね
続きが楽しみです
では〜

夢観士1/29 20:33:282222cf.dRNbOALyK.||35
>アリアンナ様

御感想有難うございます。
七不思議の部分も当然夜中に書いているため不覚にも何回か後ろを振り向いてしまいました。

そういうときにかぎって物音ってするものですorz

感想有難うございました。


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