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7629僕達は真白を喰らうMOON2/7 14:1:262111cfc8LAxMo1lw.
推薦に受かってしまうと一転して余裕ぶっこいたりしてまして(日本語おかしい)
なんとなく、即興で小説書いてみようかと思った次第です。

その場で考えてるものなので時間かかると思いますが
書き終えるまではレスを控えて頂きますようお願いします。

それでは、もしよければ読んでやってくださいませ。

MOON2/7 14:9:252111cfc8LAxMo1lw.||452

僕達は真白を喰らう


冬の澄んだ空気は目が覚めるから好きなのだけど、この防ぎがたい寒さはどうにかならないかと思う。

そんなことを頭の隅でぼんやりと考えながら窓の外で確実に積もってゆく雪をながめれば、ふと鳴り出した時計の音で今日の予定を思い出す。

MOON2/7 14:24:442111cfc8LAxMo1lw.||994
「ヴィル先生、そろそろ訪問のお時間ですが・・・」
そう言った声とともに明るい茶色の髪をした女性が扉からひょこりと顔を覗かせた。

現実に引き戻された僕は窓枠から体を離し、分厚いコートを羽織って立ち上がることにする。
「ありがとうセシリア。でもさ、いつも言ってるけど僕の方が年下なんだから先生なんて呼ばなくていいんだけど」
たかだか17歳の少年に敬語を使うのもおかしいだろうと毎度のごとく諌めてみるが、その途端に年上の給仕は困ったように言う。

MOON2/7 14:34:462111cfc8LAxMo1lw.||197
「先生は先生でしょう。この病院では多少違うかもしれませんけれど、もうひとつの方に関してはどうやったって先生なんですし」

「・・・・まあそうだけどね。でも君が呼ぶものじゃ」

もうひとつの方というのは僕が無償でやっている家庭教師のことで、つまり今からの予定というのもそれである。この村は教える人間もいなければ学ぶ場所もろくにないので、そういう意味では僕は重宝されているらしい。

MOON2/7 14:44:162111cfc8LAxMo1lw.||964

「それじゃあ、行ってきます」

「行ってらっしゃい先生」
・・・やっぱり直らないんだ。

やたらに重たい鞄を引きずりながらセシリアに別れを告げ、レンガ造りの家が立ち並ぶ広い通路を歩き出す。

深く深く、雪が積もっていく。


MOON2/7 14:57:132111cfc8LAxMo1lw.||990
住宅の群れを抜けて、細い小道を幾本か曲がったあと、大きな商店街に出てから手袋を忘れたことに気づいた。

「うわ冷たい」

「おーい、ヴィルー!」
気を紛らわそうとそこらの品物を手に取ったりしていれば、稚気に溢れた少年の声がした。・・・と、同時に腰あたりにこの世のものとは思えぬ衝撃をくらっておもわず前につんのめった。

MOON2/7 15:15:192111cfc8LAxMo1lw.||665
店の荷台が置いてあったのでなんとか転倒は免れたけれど。

「ぁあ、痛たた・・・」

子供の無邪気は恐ろしい。
うっすら涙目になりつつも、荷台に手をついてバランスを保ち、いまだ腰にしがみついたままの少年を見下ろす。

「・・・・・は、離れて。フェリオ」
金髪碧眼という天使のような容貌の少年が、それを聞くなり
にぃ、と悪戯っぽく笑った。

「なんで?」

MOON2/7 15:55:32111cfc8LAxMo1lw.||723
天使の顔して悪魔の心意気。

さすがに時間がないので無理矢理振りほどけば、「ちぇ」と遊び飽きた様に口を尖らせる。
この雪が降るほど寒い中で軽い上衣だけで動き回るフェリオを見ると子供は風の子とはよく言ったもんだと思う。

子供は風の子、か。

「・・・ほんとに15歳なの」

「何だよ喧嘩売ってんのか?いーぜ買ってやる」
「フェリオ相手に喧嘩売れないよ」

そんなことしたら怖すぎる。

MOON2/7 16:15:312111cfc8LAxMo1lw.||885

「ま、そんなのは冗談だけどさ。最近ヴィル全然ウチ来ねーじゃん。つまんねえ」

「うん残念。でも順番だからさ」
不満そうにつっかかるフェリオになだめるようにして言う。
まともに勉学を学んだ人間が少ないので、どうしても人手が足りないのだ。

持ち前の明るさであっさりと不満を引っ込め、今度は興味津々に尋ねてくる。
「んで?今日は誰のトコ行くんだよ・・・なんだミナミか。荷物多すぎ」

いつもより大きい鞄を見てすぐに察したらしく、同情するような目つきになる。

MOON2/7 16:40:352111cfc8LAxMo1lw.||922

「ま、そんなのは冗談だけどさ。最近ヴィル全然ウチ来ねーじゃん。つまんねえ」

「うん残念。でも順番だからさ」
不満そうにつっかかるフェリオになだめるようにして言う。
まともに勉学を学んだ人間が少ないので、どうしても人手が足りないのだ。

持ち前の明るさであっさりと不満を引っ込め、今度は興味津々に尋ねてくる。
「んで?今日は誰のトコ行くんだよ・・・なんだミナミか。荷物多すぎ」

いつもより大きい鞄を見てすぐに察したらしく、同情するような目つきになる。

MOON2/7 16:41:362111cfc8LAxMo1lw.||442
うあーすいませんミスりました;
スルーしちゃってください〜

MOON2/7 16:42:242111cfc8LAxMo1lw.||329
では続きです↓

MOON2/7 16:48:352111cfc8LAxMo1lw.||970
たしかに尋常でなく重いので苦笑いを浮かべざるを得ない。
「でも勉強意欲があるのは良いことだと思うよ」

「うぅわ、すげえ教師みたい」
弁解しただけなのにものすごく嫌がられた。
・・・『みたい』って僕も一応教師なんだけど。

「君も教え子だったら僕を先生って呼んでみたら」
「ヴィルはヴィルだろ」

セシリアに先生呼びされるのもあれだけど年下にやたら呼び捨てにされるのもどうか。

MOON2/7 17:6:372111cfc8LAxMo1lw.||972

コートに薄く雪が積もっているのに気づいて時計を見てみると、思いのほか話し込んでいたらしくだいぶん針が回っていた。
「まずい間に合わないかも。ごめんフェリオ、また今度」

慌てて重たい鞄をまたずるずると引きずり歩き出す。

去り際に、後ろからフェリオに声をかけられる。
「またなー、ヴィル!気をつけろよー」

その科白に気になって振り向くと、いつになく真剣な面立ちでフェリオが立っていた。

MOON2/7 17:32:162111cfc8LAxMo1lw.||819
「気をつける・・・って。何のこと」

「まあ最近は日が長くなってきてるからいいかもしんねーけどな」
当惑した僕をよそによくわからないことを呟いて、何もなかったように笑い走り去ったフェリオに不審を覚えたが、時間に圧されて考えるのを止した。

結局家庭教師が終わる頃にはすっかり憔悴してしまい、どことなく頭が朦朧としていた。

確かに日が長く、いまだ景色はそれほど夜の帳に包まれてはいない。

MOON2/7 17:47:32191cf0In.tUVYli2||76



* * *
雪が穢れている。

緋を零したそれは鈍いものを吸い込んで惜しみなく奪って。
自身の穢れすら気づかぬふりをして嘯く。

故にそれは何よりも清らかで。穢れているのに清らかで。

ただひたすらに白いそれは、
* * *

MOON2/7 18:0:102191cf0In.tUVYli2||353


まだ明るい雪の道で、人形を見た。


いや、ふと見たときは本当に人形かと思ってどきりとしたが、たまに白く見える呼気が息をしているのだと確認させる。
横顔でもわかるくらいにひどく整った顔立ちをしていて、不思議に青い髪が寒空に映えて艶めいていた。

どう見ても少女だがどこか異質な気がしてならなかった。

MOON2/7 18:28:132191cf0In.tUVYli2||245
僕は不意に思い出す。

フェリオは、何に気をつけろと言いたかったのだろう。
よくわからないが、この辺で一度も見かけたことがないのはおかしい。

どうしたら良いのか考えあぐねていたら少女がなんとはなしに振り向いたので馬鹿みたいに吃驚してしまった。

「っわあ!?」

「・・・・・・・・どうかしたのか」
いつのまにか眼前に迫っていた少女が僕を覗き込んでいた。
なんとも間抜けというか、本来なら驚く順番が逆だったことに気づいたのはもっとずっと後の話。

MOON2/7 18:47:422191cf0In.tUVYli2||739

「い、いやどうもしないけど。少し呆けてて・・・と、あれ」

我にかえった途端、周りの景色がいつもと違うことにようやく気づいた。
村外れなのだろうが殺風景なうえに暗くなり始めていてどこなのだかさっぱりわからない。

帰宅ルートを間違えたとしか。

「つかぬことを訊くがな」
少女がこちらに向き直り、その拍子に綺麗に切り揃えられた青い髪が揺れた。

MOON2/7 19:18:542191cf0In.tUVYli2||876
清水のような澄んだ声に耳を傾ければ、次の瞬間言われた言葉は僕に理解できなかった。
「此処はフツウの人間には立ち入れぬ場所だが、お前どうやって来たんだ」

僕は普通の人間じゃないとか言うんだろうか。
じゃあ何がふつーなんだろう。

「・・・・・・・・・道に迷った、らしい」
「・・・ふん?界の狭間が弱まってたのか。しくじったな」

この人あんまり僕の話聞いてない気がするような。

自分から訊いといてそれはないだろう、と少し落胆する。

MOON2/7 19:42:202191cf0In.tUVYli2||567

「で、ここってどこですか」

少女がにわかに眉をひそめる。
「ああ、道に迷ったのだったか。この雪だと厄介だな」
独り言のように呟いて、まだ降り止まない雪をじっと見つめる。

話を聞いてないというより質問に答えないようだ。

「大体どうして入ってくるかな、村の奴達じゃなさそうだがかといって・・・」
本格的に比喩でなく独り言になってきている。

MOON2/7 19:43:52191cf0In.tUVYli2||507
一時中断します

MOON2/7 22:51:52191cf0WwXh/CGg0I||103
疑いとわずかな苛立ちのこもった視線を向けられて、なんとなく素性を明かせと促されているような感じがして口を開いた。

「えーと、僕はヴィルという家庭教師だったり医師見習いだったりするんだけど。
ここに来てそれほど経ってないから知らないかもしれない」

「ああ知らない。どのみち私には関係ない」

そっけなく言い放つとまた少女はそれきり思考に沈んでしまった。
たまに思い出したように質問を繰り出しては何事か呟くが、すっかり僕など眼中にないようだ。

MOON2/7 23:13:492191cf0WwXh/CGg0I||798

「そういえば僕は君の名前知らないのだけど」

重苦しい沈黙に気まずくなって思ったことを口にしてみれば、彼女がぽかんとして僕を見つめた。
「・・・え?そうか。私は、」


真白に紅が落ちた。


言いかけた少女の腕からひとすじの血が流れ、足元の雪を染める。
白雪姫ではないがその姿すら美しくて嫌だった。

MOON2/7 23:34:312191cf0WwXh/CGg0I||424
少女の脇に腕を傷つけた原因であろう刃物が冷たく落ちている。
僕はおもむろに拾い上げてそれが飛んできた方角を睨む。

少女が舌打ちする音。
世界は夜に呑まれている。

「早いな、畜生」
「おせェよ」

人を魅了する低音領域の声が笑いを含んで落ちて来る気配。

MOON2/8 0:8:442191cf0WwXh/CGg0I||86
ざくり、と雪を蹴散らして僕達の前に降り立ったのは肌と瞳以外のすべてが黒い青年。

青年は少女に負けず劣らずの顔立ちに細身だがしっかりと筋肉質な体躯で、さぞかし女性に騒がれるのであろう風貌だった。対峙したふたつの異質に僕は妙に緊張していた。
「何か変なのが居るなぁ」

こちらを見るなり青年が面白そうに人懐こい笑みを浮かべる。
十中八九僕のことだ。

MOON2/8 0:29:112191cf0WwXh/CGg0I||375
青い少女が彼を睨みつけながら僕を庇うようにして立つ。
「シャオニス!”不確定要素”に手を出すな」

黒い青年が尚も一層面白そうに笑う。
「へぇ、すごい才能だな。よっぽどの方向音痴でも来られねェだろ。なんて名前」

「ヴィル・・・です」
「了解。オレはご紹介預かった通りシャオニス。まあ何とでも呼んで」

「誰も紹介してないぞ」

少女がますます凶悪に不機嫌になる。

MOON2/8 0:35:212191cf0WwXh/CGg0I||360
時間の都合で一時中断します

MOON2/8 13:33:462191cf0WwXh/CGg0I||105
彼女は僕に疲れ果てながら重苦しく言う。
「夜道に気をつけろとか言われなかったのか」
「いまどきそんな脅しは聞いたこと・・・」

そう言いかけてはたと思い出す。
フェリオ。

「・・・あったかも」

もっとも、それは脅しではなく忠告だ。
今更すぎるほど今更。

MOON2/8 13:52:482191cf0WwXh/CGg0I||884
黒い青年もといシャオニスが何故か笑いを堪えながら少女を見やる。

「すげェ天然だ。どうすんだ村に返すのか?」
先ほど彼女に刃物を投擲した犯人とは思えぬお人好しな言動だと変に感心していると、少女の目線が僅かに鋭くなる。

「喰い足りないとでも言いたいのか」
シャオニスの眼光に獰猛な野生の片鱗がのぞく。
「さぁすが。話がわかるね」

やっぱりただの性格悪い青年だったらしい。

MOON2/8 18:33:502191cf0WwXh/CGg0I||368
少女はいよいよ思い切り睨みつけると、忌々しげに二度目の舌打ちをして僕の前に立った。寒さを増長させる青の髪がうすぼんやりと発光し、彼女のまわりにだけ渦巻くつむじ風が髪や衣服をふわりと浮かせる。

「ちっ。手を出すなと言ったろう、獣め」

その言葉を皮切りに、僕の体が少女に抱えられて押し上げられるかのごとく跳ね上がり、二本目の刃物を目にも留まらぬ速度で突き出したシャオニスをかわしてかき消えた。

「・・・あーあ逃げられた。久々に面白いのに会ったのに」
青年は刃物を雪から抜きながら玩具を取られた子供のように残念がっていた。

MOON2/8 20:27:212191cf0WwXh/CGg0I||318



気づけば僕は真白い雪原に横たわっていて、目を覚ませばいつかと同じように少女が顔を覗き込んでいたが、あの時のように驚くことは無かった。

「あれ、さっきのは」
「・・・無事だな」

ほんの少し安堵の表情を浮かべ、しかしそれもすぐに消えて厳しい面持ちになる。
「此処は危険だ。途中まで案内するから帰れ」

私は雪が好きじゃないんだ、と小さい声で言ったのが聞こえた。

MOON2/8 20:42:372191cf0WwXh/CGg0I||595
道中、退屈しのぎに少女は淡々と話す。

「あいつは人を食う異形なんだ」

僕には到底解らなかったが、なんとか相槌を打っていた。
「それで?」

「夜になるとあそこに来る」
・・・あんな所にそうそう人は来ないはずだけど。
そう言ったら少女は半ば諦観したように笑んだ。

「私はただの遊び道具さ」

MOON2/8 20:54:572191cf0WwXh/CGg0I||788
それと同時に抑止力だ、と。

「だから村から隔離されているんだ。あそこで毎日賭けをして『遊ぶ』のだな、奴曰く」
依然として訳がわからないが表情からして彼女はシャオニスが大嫌いなのだと思う。

「いまのトコロ私の全勝だぞ。褒めてくれ」
この村の人間はまだ誰も食われていないということだ。

MOON2/8 21:2:572191cf0WwXh/CGg0I||769
「・・・うん、すごい」

「天然というか馬鹿正直だな。まあいいか」
照れているのかもしれない。

「僕にも手伝えることがあれば」
「あそこに入れたのは確かに凄いが無理だ。お断りだ」

そこまではっきり言われては諦めるよりない。

MOON2/8 21:10:572191cf0WwXh/CGg0I||286

「・・・・・じゃあ、負けないで欲しい」
「ああ。勿論だ」


「・・・さてと、ここまでだな」
言われて前方に目を凝らせば見慣れた村の景色が微かに見えてきたところだった。
少女の足が止まって、僕の背に立つ。

別れを告げようとして、他に言いたいことはないだろうかと考えを巡らせて、


「ヴィル」

名前を呼ばれた。

MOON2/8 21:19:22191cf0WwXh/CGg0I||283
思わずそちらを振り返れば、彼女がもどかしげに僕を見る。
やがて控えめに、けれどしっかり口を開いた。

「・・・・・・リシェリア、だ」
「?」

「・・・私の、名前」


「うん。わかった、忘れない」
その直後、少女ははじめて心底嬉しそうに微笑んで先ほどのように消えた。

MOON2/8 21:21:112191cf0WwXh/CGg0I||28

僕はきっと、もう一度君に会いに行けるだろう。

MOON2/8 21:28:402191cf0WwXh/CGg0I||384
◆◇あとがキック(何)

やっと終わったーー!!(叫
即興て無謀。いろいろ玉砕しますた。長くなりすぎました。

やっぱり熟考して推敲すべきです、展開もなにもあったもんではない

アビス2週目逝ってきます・・・超現実逃避。
まあ、色々勉強にはなりました。


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