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7633セイクリッド・ブルー第二部(5)istint2/7 22:11:495870cfgBrLYJDjfwI
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7609.html  前回までのお話

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レンティーニはニナからあらかたの事情を聞いた。
ルヴィンは目を覚まさなかったがニナの魔力で快方に向かっていた。
レンティーニはニナにはかつての自分達の戦いで何があったのか話す事はなかった。
ニナも特にレンティーニを問い詰める事は無かったが、過去にレンティーニとルヴィンの父の間に何かあったということは理解できた。

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聖蒼教団のソロネ隊は早くもグランデュールに到着していた。
整然と列を成し、城へと入っていった。
グランデュールの兵士達は畏怖の念を抱き、ソロネをうやうやしく迎えた。
ソロネはハルファスを伴い、城の兵に案内されて奥の客室に通された。

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客間は豪華なつくりで二脚ある椅子にはベルベットがあしらわれ、シャンデリアが部屋を照らしていた。
彼はゆっくりした動作で椅子に腰掛けると城の使用人が用意したお茶をカップに注ぎ、くつろいだ。
ハルファスはじっとソロネの側で直立していた。
ソロネがそれに気付き、ハルファスに手招きをする。

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「お前もこっちへ来て茶でも飲むがいい。
 召集の時間までまだまだ余裕がある。
 そっちの椅子に座るといい。」

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だがハルファスは首を横に振ると「自分はソロネ様をお守りする義務がございますので。」とだけ答えた。
ソロネはその言葉を聞くとニヤリと笑い、カップをテーブルに置いた。
「お前は真面目だが少々頑固だな。
 ワシに護衛などいらぬ事はお前が一番良く判ってると思うが…
 そんなに心配なら城の見回りでもしてきたらどうだ?」

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ハルファスは仮面のせいで表情は判らなかったが少し当惑したような様子だった。
だが少し間を空けて、「では、行って参ります」と言い残し部屋を後にした。
そんなハルファスの姿を見てソロネは一人で苦笑した。
「アレはワシの若い時によく似ておるわ。」

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ハルファスは言われたとおり真面目に城を見て回った。
教団内ではそこそこ名の通った男だったのですれ違うたびに人々が会釈する。

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そこに大きな斧を肩に担いだ隻眼の大男が不機嫌そうにドスドスと歩いてきた。
大男はハルファスにドンッとぶつかると挨拶もせずに通り過ぎようとする。
ハルファスは大男の肩を掴むと無理矢理こちらを振り向かせた。

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「上官にぶつかっておいて挨拶も無しか。
 いい度胸だ。
 貴様の名前と所属の隊を答えろ。」

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大男はふてぶてしく答えた。

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「上官だあ?
 俺のボスは聖蒼教団最高責任者のエラド様だけよ。
 俺はバルガス隊のバルガスだ。
 貴様こそ名乗りやがれ!」

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男の口からは昼間だというのにひどく酒の匂いがした。
ハルファスはその名前を聞いてため息をついた。
(こいつが噂のバルガスか…今回の召集で厳罰を下される事を知って酒を飲んでいるのか?)

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「おい、バルガスとか言ったな。
 お前今回の召集の事聞いてないのか?」

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ハルファスの質問でバルガスの表情が一変した。

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「召集!?
 そんな話聞いてないぞ!
 今回の召集にカーティス将軍も来られるのか?」

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(こいつ…何も聞かされていないのか…。)
「今回の召集は騎士団の全幹部が集まる予定だ。
 カーティス将軍も来られるだろうな。
 それどころかあのお方も来られるからな。」

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バルガスの表情がどんどん青ざめていく。

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「あのお方…ま…まさか…」

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ハルファスは冷酷にうなずく。

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「セルレイス元帥ももう到着される頃だ。
 この私もお目にかかるのは数年ぶりだが…
 覚悟しておくがいい。
 軍を離れて勝手な行動をした罪は軽くは見られないだろうからな。」

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暫らくの沈黙の後バルガスが口を開く。

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「俺は処刑されるのか?
 だが俺はエラド様の命令でここに残ったのだぞ!」

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ハルファスはじっとバルガスを見つめ、冷たく言い放った。

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「教団と騎士団は別だ。
 お前も知っている通り軍の法律はセルレイス元帥だ。」

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ガックリ肩を落とすバルガスをあとに、ハルファスはさっさとその場から立ち去った。
日が傾き始めた。
日没には五聖将軍と大元帥がこの城に集合する。
ハルファスはソロネ以上の威圧感を持つセルレイスの姿を思い浮かべ身震いした。

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ルヴィン達一行は運良く通りがかったキャラバンに水と食料を分けてもらい、一日ゆっくりテントで休ませて貰った。
ルヴィンはニナの必死の介護のお陰で目を覚ましたが、あの時の記憶は全く無く、気絶した自分を駆けつけたレンティーニが救ってくれたものと思い込んでいた。

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それについてはニナもレンティーニも何も言わず、ただルヴィンの回復を喜んだだけだった。
レンティーニは別れ際に礼だと言い、キャラバンに奪った馬を二頭とも与えた。
三人はキャラバンに別れを告げ、再び歩き出した。

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また殺風景な荒野が続く。
ひたすら歩いては訓練、の繰り返し。
またルヴィンが退屈そうにブツブツと文句を言い始める。
「キャラバンの人はあと一週間はかかるって言ってたんだよなあ…
 まだあと六日は歩かなくちゃ…はぁ。」
レンティーニはルヴィンの頭をグシャグシャ撫でると黙って先に進んでいった。

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ルヴィンがフラフラと歩いていると地面から突き出た岩につまずいてしまった。
その瞬間、ルヴィンの周りの地面から大きな投網のような物が出てきてたちまちルヴィンは捕らえられてしまった。

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レンティーニが異変に気付き、急いで戻ろうとしたがどこからとも無く矢が降り注ぎ、それをニナに当たらないように叩き落すのに精一杯になってしまった。

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そうこうしている内に周囲を人相の悪そうな男達が二十人ほど 取り囲んでいた。
その中で一人リーダー格の金髪の男が三人に近づいてきた。
男はルヴィンと同じくらいの背格好でまだ若そうだった。
目に掛かる前髪を鬱陶しそうに掻き揚げた。
前髪を掻き揚げると額に大きな十字傷があった。

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「あー、お前等、俺が誰だか判るか?」

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レンティーニが剣に手を掛け、答えた。

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「知らんな。俺達をどうする気だ?
 悪いが先を急いでるんだ。」

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すると男は、はーっと大きくため息をつき、頭を左右に振った。

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「知らねえのかよ…。
 これだから田舎モンは…。
 ようし、なら教えてやる。
 俺様はこのフォルク、アロン一帯の荒野を仕切る大盗賊団、『イビル・ナーガ』の若き首領、スネイク様だ!
 さあ、金目のモンは置いてってもらおうか!」

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レンティーニは最後まで台詞を聞くと剣を抜いた。

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「そうか、盗賊なら斬られても文句あるまい。
 俺は黒騎士レンティーニ。 
 残念だがお前達では相手にならんぞ。」

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レンティーニの名前を聞いた途端、盗賊たちがざわめき出した。
スネイクも少し驚いた様子で目を丸くした。
部下達の方を振り向き、小声で尋ねた。

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「レンティーニって…『ヴォルグ』をたった一人で壊滅させたっつう…?」

istint2/7 22:22:595870cfgBrLYJDjfwI||216
すっかり逃げ腰の部下達はコクコクと頷いた。
その反応を見て、スネイクだけは不敵な笑みを浮かべた。

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「そうか、こいつがレンティーニか。
 お前の首を取れば俺の箔も作ってもんだ。
 じゃあ、いくぞ、オラア!」

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そういうとスネイクは素手のままレンティーニに踊りかかった。
レンティーニは難なくスネイクの繰り出したパンチを避けたが首筋にチクッと痛みを感じた。
そっと首を撫でるとわずかに流血している。

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「おいおい、油断してるとこのまま俺が勝っちまうぞ?
 さっさと腰の飾りを抜いた方が身の為だぜ。」

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いつの間にかスネイクの両手には先がギザギザのナイフが握られていた。
後ろで見物している子分たちが野次を飛ばす。

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「御頭ー、あんまり挑発すると殺されますよー!」
「御頭、しっかり、いつもみたいにかっこよくお願いしますぜー!」
スネイクは「お前等、うるせえぞ!ちょっとは黙りやがれ、このオタンコナスども!」と子分を怒鳴り散らす。

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レンティーニはニヤッと笑うと、答えた。

istint2/7 22:24:365870cfgBrLYJDjfwI||242
「なるほど、今までの相手とは違うようだな。
 よし、俺の弟子と勝負しろ。
 もし万が一、お前がそいつに勝てたら俺が相手してやる。」

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そういうとレンティーニはたちまち網を切り裂き、中からルヴィンを引っ張り出した。
ルヴィンも獣のように扱われてカンカンだ。

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「おい!スネイク!
 俺を猪みたいな罠にはめやがって!
 ボコボコにしてやるから覚悟しろ!」

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スネイクは肩をすくめるとグッと親指を地面に向かって突きたてた。

istint2/7 22:25:245870cfgBrLYJDjfwI||519
「まあ、どっちでもいいけどお前みたいなガキは俺の相手になんねえぞ。
 さっさとかかって来やがれ、カス野郎。」

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その言葉を聞いてルヴィンは剣を抜くと猛然とスネイクに斬りかかった。
スネイクはルヴィンの剣をその半分ほどの長さのナイフではじき返すともう一方の手に握ってるナイフで喉元目掛けて突きかかった。

istint2/7 22:26:475870cfgBrLYJDjfwI||97
それをルヴィンはギリギリのところで避け、顎をかすめたが、すぐさまスネイクはナイフの柄でルヴィンの頭を殴りつけた。
すかさずスネイクはルヴィンの首にナイフを十字に交差させ、突きつけた。

istint2/7 22:26:575870cfgBrLYJDjfwI||560
「終わりだな、ぼうや。
 まあ、この俺様相手によく頑張ったんじゃねえか…ん?」

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スネイクは首筋に冷たいものを感じた。
ルヴィンが同時にスネイクの首に刃を突き立てていたのだ。

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スネイクはゴクリと唾を飲み込むと、暫らくしてガハハ、と大笑いした。
そして、ポーンとナイフを放り投げた。
ルヴィンも剣を地面に落とすと、ニヤリと笑った。

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「へへ、やるじゃねえか、ガキ。
 じゃあ男らしくコレで勝負すっか。」

istint2/7 22:28:155870cfgBrLYJDjfwI||298
その言葉のあと、スネイクとルヴィンは素手で殴り合いを始めた。
二人とも防御も考えずひたすら互いを殴り続ける。

istint2/7 22:28:255870cfgBrLYJDjfwI||481
たまりかねたニナが叫んだ。

istint2/7 22:28:355870cfgBrLYJDjfwI||240
「二人とも!もうお止めなさい。」

istint2/7 22:28:565870cfgBrLYJDjfwI||680
二人はピタッと拳を止めた。
スネイクがニナに向かって凄んでみせる。

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「女は黙ってろ!
 男には白黒付けなきゃなんねえ時があんだよ!
 …ってお嬢さん、なんてキレイなんだ。
 お名前は?
 あ、ええと、俺はスネイクっていいます、はい。」

istint2/7 22:29:205870cfgBrLYJDjfwI||420
その場にいた皆はポカーンとなった。
レンティーニはクスクス笑い出す。
子分たちはスネイクにブーイングだ。

istint2/7 22:29:315870cfgBrLYJDjfwI||724
「またウチの御頭は…
 おーい、御頭、悪い癖ですぜー。」
「全く、美人を見るとすぐこれだからな。
 仕事どうしますー?帰りますかー?」

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スネイクはまた子分たちを怒鳴りつけた。

istint2/7 22:29:585870cfgBrLYJDjfwI||425
「お前等!ニナ嬢とそのお供をアジトに案内しやがれ!
 今夜は…えっと、歓迎会だ。
 お前等にも浴びるほど酒呑ましてやらあ。」

istint2/7 22:30:105870cfgBrLYJDjfwI||575
その言葉を聞いた子分たちはワーっと歓声を上げるとルヴィンたちの荷物を持って三人をアジトまで半ば無理矢理案内した。

istint2/7 22:30:525870cfgBrLYJDjfwI||432
今回はここまで。
ちょっと長くなってしまいましたね。
お疲れ様でした(>_<)

シェイラ2/9 15:29:482202cfL8jVn4VEVwo||260
こんにちわ。新キャラ登場しましたね!スネイク、ナイスキャラです♪盗賊の首領って言う設定も素敵です!いえいえ、面白すぎてあっと言う間でした。次がとっても楽しみです。


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