7687 | 猫と私のバレンタイン | 李亞 | 2/14 20:36:32 | 2182cfX1jgjTYluO2 |
以前の猫と私シリーズ 【猫と私のクリスマス】 ロマンチックとは程遠い、ホワイトクリスマスの夜。 ケーキ片手に家へと急いでいた私は、家の傍の空き地で一匹の猫と出会った。 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7397.html 【猫と私の大晦日】 某青狸が大活躍する大晦日。 正月に向けて大急ぎで掃除をしていた私を妨害したのは、数日前に拾った猫だった。 http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7450.html |
李亞 | 2/14 20:36:52 | 2182cfX1jgjTYluO2||179 | ||
ねぇ、甘いもの好き? 隣に住む幼馴染の妹からそう聞かれた私は、迷わず答えた。 ―――オフコース! ちなみに、さよならを連呼する曲を歌っている、あのオフコースさんではありません。 |
李亞 | 2/14 20:37:43 | 2182cfX1jgjTYluO2||773 | ||
【猫と私のバレンタイン】 |
李亞 | 2/14 20:38:1 | 2182cfX1jgjTYluO2||407 | ||
ピーンポーン 家のチャイムが鳴り響いたのは、昼食を食べ終え、「ごきげんよう」を見ながら、ゲストのトークに爆笑しているときだった。 「志乃(しの)ちゃーん、いーるー?」 聞き覚えのある声に、インターホンと繋がっている電話を取るのをやめ、玄関へ直走る。 サンダルを踏みながら玄関の鍵に手を伸ばし、そのまま鍵をひねってドアを押し開けば、見知った顔が視界に飛び込んできた。 「はぁい、お元気ー?」 「紗枝(さえ)姉、いらっ……あれ、その猫…どうしたの?」 |
李亞 | 2/14 20:38:24 | 2182cfX1jgjTYluO2||555 | ||
紗枝姉が玄関に入ってきたとき、あたしの目に飛び込んできたのは、真っ白な猫。 紗枝姉の腕に抱かれたそれは、まだ寒い二月の中旬の今でも、暖かそうに目を細めている。 確か、お兄ちゃんは紗枝姉が猫を飼いだしたって言ってたけど、それがこの猫だろうか。 |
李亞 | 2/14 20:38:37 | 2182cfX1jgjTYluO2||302 | ||
「…家からついてくるんだよ、こいつ。 戻れっつっても言うこと聞かないしさぁ…」 「へえー、凄いね。そんなに懐かれてるんだ」 「いや、なんか食い物絡みだと敏感で。 悪いけど、家に入れてあげてくれるかな?」 「うん!ねえねえ、少し抱かせて!」 紗枝姉は、存分にこいつのぬくぬく感を堪能するがいいさ、と、あたしに猫を渡す。 先ほどまで紗枝姉の腕に居たからか、それとも猫本体の温かさか、抱えた手がじんわりと温かくなった。 |
李亞 | 2/14 20:39:9 | 2182cfX1jgjTYluO2||610 | ||
「で、チョコ作るんだよね。一応材料は持ってきたけど、これで大丈夫?」 「え、持ってきてくれたの?あたし用意しちゃった」 しばし、沈黙が走った。 「…ま、まあ、余ったら私らで食えばいいんだし、気にしない気にしない!」 「うん、そ、そうだね。あ、早く上がって!台所の掃除は完璧だよ!」 「ふはははは、私がいれば志乃ちゃんのそんな努力も水の泡さッ!」 |
李亞 | 2/14 20:39:29 | 2182cfX1jgjTYluO2||833 | ||
気まずい雰囲気の中、お互い無理やり会話を繋げようとしているのが分かった。 腕の中の白い猫は、いまだに目を細め、事の成り行きを見守っている。 |
李亞 | 2/14 20:39:51 | 2182cfX1jgjTYluO2||992 | ||
◆ |
李亞 | 2/14 20:40:5 | 2182cfX1jgjTYluO2||423 | ||
「まぁずはー…チョコを溶かすんだっけ」 「うん。刻んで湯煎にかけて…って書いてあるけど、具体的にどうすればいいのかな」 「溶かすんならレンジでいいんじゃない?ボールにチョコ入れてさ」 「あ、そっか。紗枝姉頭いい!」 あたし達が作ろうとしているのは、いたって簡単な生チョコだ。 チョコを溶かし、生クリームを混ぜ、型に入れて固めるだけ。 よく考えたら、小学校低学年の子供でも出来るはずなのに…―――。 |
李亞 | 2/14 20:40:50 | 2182cfX1jgjTYluO2||935 | ||
「うぁあっちぃいい――――ッ!」 電子レンジからボールをつかみ出した紗枝姉は、シンクにボールを移動させる前にそれを取り落とし、悲鳴をあげた。 フローリングには、チョコがぶちまけられる。 「きゃあ!」 「何これ、ボール滅茶熱くね!?何だこれ!何だこれッ! つーか、志乃ちゃんごめん!すぐに片す!」 「あ、紗枝姉、無闇に触ったら危ないよ。火傷しちゃうかも…。 ドライヤーで冷ましてからやろ」 |
李亞 | 2/14 20:41:4 | 2182cfX1jgjTYluO2||1000 | ||
お母さんがテレビを見ながら髪を乾かすので、リビングに置きっぱなしのドライヤーを持ってくる。 満遍なくチョコに涼しい風を当て続ければ、そこから来る風が足元を掠め、少し寒かった。 大体冷めたかな、という頃にドライヤーを片付け、紗枝姉と雑巾を片手にチョコを拭こうとしたのだが…。 「にゃあーん」 そこに居たのは、白い体をチョコで汚した猫。 ごろごろとフローリングを転げ周り、チョコの海は広がる一方だ。 |
李亞 | 2/14 20:42:1 | 2182cfX1jgjTYluO2||645 | ||
「こ、こらぁあ!何してんのお前ぇッ!」 「にゃあ!」 「にゃあじゃねぇよ!こっちは返事なんざ求めてねぇぞコラァ! むしろ謝罪しろ!全身全霊を持って志乃ちゃんに謝れッ!ついでにフローリングにも謝れ!」 「紗枝姉、落ち着いてッ…」 紗枝姉は、チョコの海で遊んでいた猫を片手で掴み上げ、怒鳴りながらそれを振り回す。 流石にそれは可哀想だろ、と、彼女を止めに入れば、彼女は流し場に乱暴に猫を放った。 |
李亞 | 2/14 20:42:45 | 2182cfX1jgjTYluO2||692 | ||
「猫介覚悟!」 …びょうすけ? 「にゃぁあぁああッ!」 あたしがその「びょうすけ」という不思議な名前に首をかしげていると、紗枝姉は猫に向かって水を噴射。 強烈な水圧が猫を直撃し、悲鳴にも似た鳴き声が、台所とリビングに響き渡った。 |
李亞 | 2/14 20:43:1 | 2182cfX1jgjTYluO2||481 | ||
◆ |
李亞 | 2/14 20:43:25 | 2182cfX1jgjTYluO2||850 | ||
「…ねえ、紗枝姉…びょうすけって、何?」 「んー?あいつの名前」 多少お湯が入ったものの、何とか湯煎を終え、生クリームを投入し終えたあたしたち。 今は、生クリームを混ぜたチョコを、ゆっくり型に流し込んでいる最中である。 とりあえず、二人とも無難にハート型なのだが、何故かどろどろであるはずのチョコが跳ねまくり、シンクはチョコまみれである。 |
李亞 | 2/14 20:43:37 | 2182cfX1jgjTYluO2||194 | ||
「へーえ…シロとか、ミケとか、タマとかじゃないんだ」 「いや、ホントはチンチロリンにしようと思ったんだけど、あんたの兄ちゃんに「猫介」にしとけって言われてさ。 あいつ、私がチンチロリンを刷り込もうとした時にはもう猫介って刷り込んじゃっててさぁ…」 「え、それってお兄ちゃんがつけたの!?」 「うん。ほーんと、センスないよなぁー」 猫介の名前の由来で会話が盛り上がり、笑った拍子に手元が狂い、沢山チョコがこぼれた。 シンクは更にチョコ塗れになり、既に茶色の面積が一番多くなっている。 けれど、あたしたちはそれを気にすることも無く、型にチョコを流し込んだ。 |
李亞 | 2/14 20:43:48 | 2182cfX1jgjTYluO2||344 | ||
「よっし、後は固めるだけだね!」 「うん。固めてる間、どうしようか?」 「えーっと…」 紗枝姉は、あたしが何かすることを考えている間にチョコを冷蔵庫に入れて、シンクを丁寧に拭き始めていた。 それに習うように、あたしも慌てて台所の片付けを始めるのだ。 |
李亞 | 2/14 20:44:4 | 2182cfX1jgjTYluO2||678 | ||
◆ |
李亞 | 2/14 20:44:29 | 2182cfX1jgjTYluO2||918 | ||
「今帰ったどー」 紗枝が玄関の扉を開いたのは、腕時計の短針が六を指したのとほぼ同時だった。 扉を開けても、誰も返事をしない。 おそらく、まだ仕事から帰ってきていないのだろう。 リビングには、ラップをされたうどんがポツンと置かれている。 持ってみれば、それはすっかり冷えていた。 「あちゃ。生ぬるいうどんなんて食べたくないぞ」 腕に抱えていた猫介は、リビングにつくなり、お気に入りのソファへと突進。 |
李亞 | 2/14 20:44:38 | 2182cfX1jgjTYluO2||777 | ||
肘掛と背凭れに体を擦り付け、にゃー、と一鳴きした後、自分の体に顔を埋めた。 |
李亞 | 2/14 20:44:51 | 2182cfX1jgjTYluO2||277 | ||
【終】 |
李亞 | 2/14 20:45:54 | 2182cfX1jgjTYluO2||733 | ||
―――――――――― 下書きをもとに約30分で仕上げました つ、疲れた…orz 猫の出番はあまり無かったのですが、名前が明らかになるという重要なお話ですしね 一応猫シリーズということで納得してください 今回一番楽しかったのは、「シンクはチョコまみれである」っつー文章で、思わずアビスのシンクさんを想像して悶えた事でしょうか シンク受けチョコプレイッ!と一人で鼻を押さえてました 本来BLには関心を示さない私ですが、シンク受けとルーク受け、シンイオは別です 最近はもっぱら、シンイオシンのリバカプに萌え だんだん腐女子化が進んできております 早くアビスクリアしたいorz 完成日06/02/14(火) |
見習い兵士 | 2/14 20:54:31 | 2205cffsmuQJNdj.A||823 | ||
打つの、どんなに早いんですか・・・。 あなた、最強ですね。・・・(YwY)祝ーーー |
李亞 | 2/14 21:23:46 | 2182cfX1jgjTYluO2||258 | ||
見習い兵士殿へ▼ これくらいの長さなら、構想さえ練ってあれば大抵30分程度で打ち終わりますよ。 ただ、確認をしないので、誤字脱字が目立つと思いますが…。 普段から小説を書き殴る毎日を送っているので、ただ単に打ち慣れているという線も考えられます。 ちなみに、私より早く打つ方は他にも沢山いらっしゃいます。 |
メロディ | 2/14 21:35:58 | 6023cfbFBZq1lxkUY||483 | ||
お姉ちゃんの悲鳴に爆笑してしましましたw 本当に有りそうな物語で見ててとても 楽しいです^^李亞様にはとても憧れています。 これからも頑張って下さい! |
ひろっち | 2/14 22:25:31 | 6111cfZPlhFfc7FH.||932 | ||
久しぶりに見せてもらいましたが、30分で書いたようには見えない作品だったと思いますm(__)m とても構成がよく面白い所もありw 頑張ってね〜 |
MOON | 2/15 13:44:36 | 2223cfK85taVRHVYE||958 | ||
こんちゃ(挨拶?)猫シリーズ楽しみにしてましたv 「猫介」ということはオスですか。流石やんちゃの盛り・・・ 私は今まで一度もチョコを手作りしたことがありません。食べ専です。最近本気で自分の性別に疑問を抱いてます(色々まずい)。 私も本来そっち系には興味無いんですけどルー君(笑)受けには激しく同意・・・! ジェイルクとか好きです、ルクアシュルクもいけますよふふふ腐(ぁ こんな事ばっか言ってますがアニスとかガイとかディストとか大好きですよ? 歴代シリーズの中で一番好きかもしれませんアビス。 長くなってすみません; |
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