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7689セイクリッド・ブルー第二部(6)istint2/14 23:24:185919cf7M0eBIsQKWg
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7633.html 前回までのお話

istint2/14 23:26:115919cf7M0eBIsQKWg||136
ルヴィンはスネイクに勝負を最後までするよう迫ったが、まるで相手にされなかった。
「じゃあ、俺の勝ちでいいんだな!」
ルヴィンはスネイクの肩をバンっと叩いた。
「ああん?何言ってやがる!
 本気でやったら俺の方が強いに決まってるだろうが!
 俺が短刀四刀流の奥義を出せばお前なんかバラバラになんぞ!」

istint2/14 23:26:245919cf7M0eBIsQKWg||777
ルヴィンも負けずに言い返す。
「俺だって全然本気じゃ無かったぞ!
 俺も本気になったら…」
そこでスネイクがルヴィンを遮る。
「わかった、わかった。
 これだからガキは…それよりお前の連れのレンティーニってダークエルフ戦争の英雄だろ?
 すげえ奴と旅してんだな。
 あの男がひとたび舞えば戦場に血の花が咲き乱れるらしいからな。
 是非手合わせ願いたいね。」

istint2/14 23:26:355919cf7M0eBIsQKWg||128
ダークエルフ戦争…ルヴィンには聞いたことの無い話だった。

istint2/14 23:26:435919cf7M0eBIsQKWg||953
「なんだよ、そのダークエルフ戦争ってさ。」
スネイクはルヴィンの方を見て片眉を上げて見せた。

istint2/14 23:27:05919cf7M0eBIsQKWg||816
「なんだ、お前連れなのに知らないのか。
 俺も詳しい事は知らねえんだが今から23年前に闇の勢力とダークエルフの一族がでっかい戦争をしたんだ。
 結果としてはダークエルフ軍は全滅…たった一人の男を除いてな。
 俺の子分に沼地の盗賊団『ヴォルグ』のメンバーだった奴がいるんだが壊滅時はメンバーの身体の一部が沼地中に散らばってそれは悲惨な光景だったらしいぜ。」
沼地の…?もしやあの時の…。
そう、『ヴォルグ』はルヴィンが旅に出たばかりの時に彼を監禁した盗賊団だ。
あの時からレンティーニはずっとルヴィンの事を守って来たのだった。

istint2/14 23:27:105919cf7M0eBIsQKWg||733
「そんな事より俺はニナちゃんと話がしたいんだ。
 ニナちゃーん!」
スネイクはさっさと先を歩くニナのところへ駆けていってしまった。

istint2/14 23:27:275919cf7M0eBIsQKWg||598
盗賊団『イビル・ナーガ』のアジトは広い荒野の中にある遺跡に隠されていた。
遺跡と言うよりは既に建物の壁は風化しており、所々大きな岩の塊が転がっているだけだった。
だが一つだけ、辛うじて大きな建物の形跡を残しているものが残っており、その建物の下に穴を掘り、スネイク達はそこを自分達の根城にしていた。

istint2/14 23:27:515919cf7M0eBIsQKWg||243
スネイクの話によるとこの遺跡は3000年ほど前の古代人の残した遺跡だということだった。
遺跡においてあったものは殆ど盗賊たちに回収され、利用されていた。
盗賊団の中には捕らえられて来てそのまま盗賊団に入った学者達もたくさんいたのでそれらの研究もなされていた。
驚くべき事にこのアジトには王宮にある科学研究施設に勝るとも劣らない設備が揃えられていた。
これにはレンティーニも珍しく興味を示し、色々と学者に質問したり、機械をいじってみたりしていた。

istint2/14 23:28:95919cf7M0eBIsQKWg||832
盗賊団はルヴィンたちが思っていたより大所帯で、スネイクの話では大体千人くらいいるそうだ。
皆、スネイクの事を頼りにしていて、家族のように慕っているようだった。
また、スネイクも部下達を信頼していた。
捕虜達にも乱暴な事はしないので、そのまま家族全員スネイクに養われているものも多数いた。

istint2/14 23:28:265919cf7M0eBIsQKWg||213
元々スネイクはある有名な冒険者(賞金稼ぎ)チームの一員だったのだが、ある日盗賊のアジトを襲撃した時に仲間と意見が食い違い、面白そうだったから盗賊に寝返ったのが彼の盗賊人生の始まりだったのだ。
それから五年、彼の人柄と強さに惹かれて続々と仲間が増え、組織は急速に大きくなっていった。
今では規模だけでいえばグランデュール国内では一番の大きさの盗賊団になっていた。
ちなみにここの遺跡は元は別の盗賊団のアジトだったのだがスネイクの活躍により、奪い取ったのだそうだ。
今ではその盗賊団もスネイクの組織の一部だ。

istint2/14 23:28:405919cf7M0eBIsQKWg||723
ところで口ではああ言っていてもスネイクはルヴィンの事が気に入ったらしく、二人はいつの間にか仲良くなっていた。

istint2/14 23:29:05919cf7M0eBIsQKWg||88
「おい、ルヴィン、ちょっとこい。
 お前にイイモン見せてやらあ。」
言われるままにスネイクの後をついて行く。
鉄で出来た階段をどんどん地下に向かって下りていく。
途中は地下にも関わらず、薄明るかった。
これは電気というもので照らされているらしく、昔の魔導師たちが残した資料を研究して作られたものらしい。
「こんなもんで驚くんじゃねえぞ、見ろ。」

istint2/14 23:29:275919cf7M0eBIsQKWg||32
階段を下りていくと地下に大臣の館がすっぽり入ってしまいそうな巨大な空洞があり、そこには鉄で出来た化け物のような船が置いてあった。
その周りでは学者達、盗賊たちが忙しそうに作業をしていたが、スネイクの姿に気付くと皆嬉しそうに笑いかけた。
スネイクも部下達一人一人にねぎらいの言葉を掛ける。
「ルヴィン、何ボサッと突っ立ってんだよ、こっち来い!
 おう!みんな、ご苦労だな!紹介するぜ、こいつは新しい子分のルヴィンだ。
 若いが見所のある奴だ。」

istint2/14 23:29:355919cf7M0eBIsQKWg||594
ルヴィンは巨大な鉄船の前に言葉を失い呆然としていた

istint2/14 23:30:05919cf7M0eBIsQKWg||888
「すげえだろ。
 こいつは俺達が古代の技術を研究して蘇らせた巨大戦艦『ヴァージルガルディ』だ。
 まあ、遺跡を掘りまくってたらこいつがほぼ原型を残したまま掘り起こされたんでちょこっと修理してやっただけなんだがな。」
スネイクは得意げにルヴィンの背中をバンバン叩いた。

istint2/14 23:30:165919cf7M0eBIsQKWg||664
「す…凄い…。
 これが動くなんて…。
 でも船なのに地面の中にあるんじゃ持ってても仕方無いんじゃ…」
ルヴィンの言葉をスネイクが遮った。

istint2/14 23:30:305919cf7M0eBIsQKWg||492
「ばーか、誰が海の上走るっつったよ!
 おい、カリ、説明してやんな!」
カリと呼ばれた学者はボサボサの頭にメガネをちょこんと掛けたいかにも学者風の男だった。
彼はオホン、と咳払いをすると解説を始めた。

istint2/14 23:31:335919cf7M0eBIsQKWg||619
「わが艦は全長55メートル、クレアティ製のボディで出来ている。
 原動力はダイナモ石という物質でこれはそこらに転がってる岩石に数パーセントずつ含有されているものを特別な技術で抽出している。
 ヴァージルガルディはその特殊なエンジンと浮遊半導体により空中を航行する事が可能だ。
 最大戦速は時速800マイル。
 また、次元間潜航機能により地中を航行する事も可能…まだこれは研究中だが。
 搭載武器はスネイクミサイル6基、機銃50門、ラッセル式機雷、主砲のナーガブラスター。
 まだまだ増設する予定だが…。」

istint2/14 23:31:505919cf7M0eBIsQKWg||929
そこでまたスネイクが遮った。
「あー、もういいもういい。
 お前の話はいつ聞いてもちんぷんかんぷんだ。
 わかったか、ルヴィン。
 要はこの船は飛空艇なんだよ、ひ・く・う・て・い。
 まだ飛んだ事は無いんだけどな。」

istint2/14 23:32:55919cf7M0eBIsQKWg||556
ルヴィンは驚きの連続で目をまん丸くしていた。
やっとの思いで口を開く。
「空を…船が走るのか…!
 でも何で盗賊がこんなもの作ってんだい?
 戦争でも起こす気かい?」

istint2/14 23:32:165919cf7M0eBIsQKWg||156
スネイクはうーん、と考えてカリの方を見た。
カリは「私は何も聞いてませんよ」という風に知らん振りをして、そそくさと研究に戻った。

istint2/14 23:32:345919cf7M0eBIsQKWg||683
「んじゃあ、教えてやる。
 まあ、俺の趣味ってのもあるんだけどな。
 それ以外に理由があんだ。
 俺は盗賊だろ?
 盗賊は盗むのが仕事だ。
 今までよりでっっっっかいモンを盗めるようにさ。」

istint2/14 23:32:465919cf7M0eBIsQKWg||183
ルヴィンは小首をかしげる。
大きいもの…?
ルヴィンは色々な宝物を想像した。
剣、宝石、金貨の山…
スネイクはルヴィンの心を見透かしたようにニヤッと笑った。

istint2/14 23:32:555919cf7M0eBIsQKWg||272
「どれも違うな。
 俺が盗もうとしてるモン…それは国だ。」

istint2/14 23:33:155919cf7M0eBIsQKWg||825
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istint2/14 23:33:295919cf7M0eBIsQKWg||675
二人が上に戻るとレンティーニが飯の礼にと子分たちに剣の稽古をつけてやっていたようだ。
レンティーニがスネイクとルヴィンに気付き、チラッと二人の方を見た。
ルヴィンは先に少し休ませてもらうことにし、暖かいベッドを貸してもらった。

istint2/14 23:33:435919cf7M0eBIsQKWg||507
レンティーニは稽古を切り上げ、スネイクを訪ねた。
「スネイク、話がある。」
スネイクはベッドの上でナイフを並べてあぐらをかいていた。
「おーう、なんだ?
 面倒くせえ話はごめんだぞ。」
レンティーニはフフっと笑うとスネイクの側に座った。

istint2/14 23:33:555919cf7M0eBIsQKWg||700
「まあ、そういわずに聞け。
 ここのアジトを見せてもらったが中々すばらしい研究設備だな。
 古代の技術にも精通してるようだ。
 だが教団は古代の技術について調べる事を禁じてる。
 それは知っているのか?」

istint2/14 23:34:95919cf7M0eBIsQKWg||537
スネイクはピクッと眉をひそめると、ナイフをいじる手を止めた。
「何が言いたいんだ?
 じゃあ、お前は知っているか?
 教団の豚共は古代の技術の殆どを独占的に研究し、隠してる事を。
 あいつら軍隊みてえなモンも作りやがって一体何考えてるかわからねえ奴等だ。
 グランデュールの王も既に教団の傀儡と化して王国は教団抜きじゃ機能できねえしな。
 ハッ!世界一の大国もあっさり乗っ取られたってワケだ。
 盗賊団の中には教団に上納金を納めてるやつらもいるみたいだがな。
 とにかく俺は教団に従う気はねえ。
 あんな豚共に従うくらいなら暴れ死んだ方がマシ。
 あんたもそうだろ、レンティーニさんよ。」

istint2/14 23:34:235919cf7M0eBIsQKWg||119
「やはりか…。
 確かに俺も聖蒼教団は気に入らん。
 と言うか俺達は賞金首だしな。
 それより五年ほど前にグランデュールの三人の王子のうち、末っ子の一人が行方不明になったらしい。
 聞いたことあるか?」

istint2/14 23:34:365919cf7M0eBIsQKWg||811
スネイクは柱に向かってナイフを投げた。
連続で五本投げたが、見事に次々と先に刺さったナイフの柄に次のナイフが刺さっていき、一本の長い剣のようになった。
「ああ、知ってるぜ。
 王族ですら教団の戒律に縛られる。
 それに嫌気が差して飛び出したんじゃねえか。
 いい選択だな、はは!」

istint2/14 23:34:515919cf7M0eBIsQKWg||389
「そうか。
 明日は早い。
 俺も休ませて貰うよ。」
レンティーニはスネイクにおやすみ、と言うと部屋を後にした。
(やはりか…スネイク。
 …俺の考えが正しければ…)

istint2/14 23:35:175919cf7M0eBIsQKWg||420
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

istint2/14 23:35:245919cf7M0eBIsQKWg||149
もうすぐ日の出の時間が来ようとしていた。
ルヴィンはスネイクともっと話したかったがもう別れなければならない。
スネイクもルヴィン達の旅の事情を聞いて渋々行かせてやることにした。
たっぷり水と食料を荷物に詰め込んで、馬も餞別にと贈られた。
再会を誓い、三人はアジトを離れる。

istint2/14 23:35:335919cf7M0eBIsQKWg||561
「おーい!ルヴィン、死ぬんじゃねえぞ!
 生きて、また俺と勝負しろ!
 ニナちゃんも今度はデートしてくれよな!
 レンティーニ、ルヴィンを頼んだぞー!」
スネイクは三人の姿が見えなくなるまで手を振っていた。

istint2/14 23:37:25919cf7M0eBIsQKWg||954
今回はここまでです!
スネイクはまた登場するのでお楽しみにです。
結構お気に入りのキャラなんで気合が入りました。

シェイラ2/17 16:0:572191cfYMSvCuknzUw||859
こんにちわ。スネイク大好きになってしまいました♪彼の回りの設定も細かくて素敵です。続きがとっても楽しみです!


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