戻る
7724風の唄・第2部―エピローグ―空華2/19 13:15:442031cfugNPyUOK282
第1部
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-6926.html←プロローグ
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7104.html←第5話
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7258.html←第10話
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7320.html←第12話

第2部
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7346.html←第1話
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7500.html←第5話
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7526.html←第6話
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7634.html←第9話
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7657.html←第10話
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7699.html←第11話

読み返していただける場合は、こちらをどうぞ。

空華2/19 13:20:302031cfugNPyUOK282||973
「――それで、どうなったんですか?」

そこは、その世界で最も大きな大陸だった。
そこは、その大陸で最も大きな国だった。
そしてそこは、首都だった。
静かな図書館の中、隅の席に2人の人間が座っている。
1人は短い髪の、20代前半程の女性。
1人はお下げ髪の、10代半ば程の少女。
少女は目を輝かせて、その女性を見ていた。

「……どうなったと思う?」
「えー、そんなのわかりませんよ。教えてください、先生」
「私は別に先生じゃないんだけど」
「でも、わたしの憧れの学者さんです!それはともかく、続き!」

空華2/19 13:26:502031cfugNPyUOK282||853
少女に催促されて、女性が再び口を開いた。

「それで2人は、水や火、風の聖霊達と風の丘に戻ったの。
火の民達はそこで、火の聖霊に怒られた。
……って言うと迫力無いけど、まあ略せばそんな感じね。
聖霊は、草原に今にも火がつくんじゃないか、ってくらい怒ってた」
「その後、どうなったんですか?」
「火の民がどうなったのかは知らない。
多分聖霊に連れられて行ったんじゃないかな。
風の儀式の方は次の満月の日にもう一度行われて、風の聖霊は無事に生まれた。
……めでたし、ってとこ」

女性が口を閉じた。
かすかに微笑んで、少女を見る。

空華2/19 13:45:22031cfugNPyUOK282||736
「面白かった?」

とっても、と少女が答える。
事実、少女は満面の笑顔を浮かべていた。
少女はさらに問いかける。

「それで、3人の子供たちはどうなったんですか?」
「フィナは、今も風の島にいるそうよ。ディウさんとたまに会っているみたい。
レットは、外の世界を知りにいく、とか言って旅に出た。多分生きてる」

淡々と、女性は答えていく。
その目に、僅かに懐かしげな色が浮かんだ。

「リアは?」

空華2/19 13:48:112031cfugNPyUOK282||795
そう尋ねた少女に、女性が呆れたような視線を向けた。
軽く溜め息を零して、机に頬杖をつく。

「あなたね……『世界中の書物がある』と名高いこの図書館にない物語を、私が知ってるわけ無いじゃない。
だいたい私、それとなくわかる様に話してきたつもりなんだけど」

少女が不思議そうな表情を浮かべて、しばし思考。
次いで、え、と驚いたような声を上げた。
まじまじと女性を見つめる。

「じゃあ、その……」
「その通り。……外出る?まだエセルちゃんは呼べるよ。
エディ君の方はレットのだから無理だけど」

空華2/19 13:51:242031cfugNPyUOK282||444
立ち上がった女性を見上げて、少女が口をぱくぱくと動かす。
慌てて後を追うように立ち上がって、女性の服の袖を掴んだ。

「あのっ!じゃあ……じゃあ、リアは」

裏返った声で何とかそれだけを言って、少女が絶句する。
その少女を少し呆れた様に、そして楽しそうに、女性が見返した。
そして、にっこりと笑う。
その目に浮かぶのは、懐かしげな、楽しげな、どこか子供のような、明るい光。

「ええ」

女性は、1つ頷く。

「リアは――

――あなたの目の前に」


END

空華2/19 13:56:212031cfugNPyUOK282||247
+後書き+

風の唄全25話、ようやく終わりました。
書いてて長かったです、感無量です。
そして何よりも、読んでいただき有難うございました^^
プロットも何も作らず書き始めた物語でしたが、ここに完結させることができました。
この終わり方にしたかったので、こうできて良かったです。

次は何を書きましょう。
書きたいものはたくさんあって、迷っています。
とりあえず、しばらくは短編を少し書いていこうかと。

今まで有難うございました^^
よろしければ、これからもお付き合いください。


本文(<>," shift+7使用不可)
 ※メルアドや電話番号を公表してはいけません、荒らしを批判するのは「俺が神掲示板」以外は禁止!
 
特殊文字 by.チビファンタジー 過去ログ
無料ゲーム総合サイト: おもしろフラッシュ総合サイト: PS2:GBA:PSP:NDS:GC:XBOX