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7843真夜中のスクールメイト―第一話―空華3/7 21:40:82031cfugNPyUOK282
風の唄
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過去のものは上からどうぞ。

空華3/7 21:41:382031cfugNPyUOK282||898
「昨日、わたしは部活で遅くなっちゃってて。
あの、吹奏楽部なんだけど、昨日はわたし、残って練習していたんですよ」

少女の言葉は、それから始まった。
焦りのためか、整理のつかない気持ちのためか。
あるいは単に、同級生として扱うか、委員長として扱うか迷っているのか。
口調はころころと変わる。

南籐晴陽は、それを真剣に聞いている。
上林響は、その2人を見ている。
窓の外では、そろそろ日が暮れようとしていた。
夕日が、街に並ぶ家々に沈み込んで行く。

空華3/7 21:43:22031cfugNPyUOK282||93
「外に出たらもう真っ暗で。
急いで校門出ようとしたとき、頭上を何かの影が通ったんです。
変に思って。だって、どう考えてもあんな大きい鳥いない。
だから振りかえって、そしたら、大きい獣みたいなのが、跳んでた」

そこで一度、言葉を区切る。

「それで、この階の窓が一つ開いてて、そこに入って行ったんです。
なにあれ、って思って、じっと見てたら……一つの教室の、明かりがついたの。
それで何処の教室だろう、って……見たら、2−Gだったんです。
それで、中で人影が動いてた……」

空華3/7 21:43:352031cfugNPyUOK282||946
2−G……それは、この櫻斗高等学校七不思議の、「7番目」だ。
夜、そこではこの世のものではない者たちが、授業を行っているという。
それを見たと、少女は言うのだ。

「誰か、悪戯で入ったとかじゃなくて?」
「そんなことない。だってあの教室、鍵かかってるから」

晴陽の問いに、少女は答える。
そしてさらに、少女は続けた。

「だから、気味悪くて。
誰かに相談したかったんです。でも、誰に言えばいいのかわかんなくて。
それで、南籐さんの所に来たんですけど」

なるほど、と晴陽は呟いた。
響は無言だ。机に頬杖をついて、やり取りを眺めている。

空華3/7 21:44:492031cfugNPyUOK282||913
やがて、腕を組んで考えていた晴陽が立ち上がった。
表情には、決意らしきものが浮かんでいる。

「あなたの言うことはわかった。わたしもそれ、気になる。
最近、そういう噂多いんだよ。
だから……わたしが、確かめてみるよ」

晴陽は、そう告げた。
少女が明らかにほっとした表情で、晴陽に頭を下げる。
少女の方も、それを望んでいたのだろう。
その少女に笑い返してから、晴陽は響のほうを見て、人差し指をつきつけた。

「ということで、あなたも付き合って?」
「は?」

間の抜けた声で呟いた響は、立ち上がった晴陽を見上げる。
表情には、わけがわからない、という文字がにじみ出ているかのようだ。

空華3/7 21:45:342031cfugNPyUOK282||954
「なんで俺が……」
「だって、高校生の女子が真夜中に外出なんて、危ないじゃない」
「そう思うなら止めれば……」
「そんなことできるわけないでしょ!」
「なんで……」
「もう関わっちゃったし、だとしたら確かめなくちゃ気がすまないもの」

響の反論はことごとく跳ね返され、彼は諦めたように溜め息をつく。
結局の所、これが常なのだ。

            ***

「………暗い」
「諦める気は?」
「ない」
「だと思った」

真夜中、櫻斗高等学校の校門の前で、晴陽と響が会話をしていた。
会話は小声。
そうさせてしまうものが、夜の学校の静寂にはあった。

空華3/7 21:46:242031cfugNPyUOK282||860
「登るよ」
「……本気かよ?」
「そのために着替えてきたんだから」

学生服のままの響に対して、晴陽はパンツスタイルに着替えている。
なんのためかと言えば、校門を乗り越えるためだ。
晴陽も響も、運動神経はいい。
始めに響が、次に晴陽が校門を越えて、2人は校舎の方を向く。
そして、しばしの沈黙。

「あれ……」

晴陽の声に、応えるように響が頷く。
2年生の教室がある4階。
その、一番端の教室……2−Gの教室のある場所に、明かりがついていた。

空華3/7 21:49:262031cfugNPyUOK282||825
+後書き+

やや長くなりました。
台詞が多かったですね。
晴陽と響のやりとりは、響が圧されてる感じに書いています。
そういうカップルです。

この物語はだいぶ短いものになりそうです。
その代わり(?)、同じ人物で違う話も書きたいと思っています。

読んでいただき、有難うございました^^


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