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8021セイクリッド・ブルー第二部(13)istint3/31 0:0:352182cfzm09uYhdKhY
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-7974.html  前回までのお話

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レンティーニは剣をつきたてられた瞬間、全身を全力の気流で包み、その勢いで鎖も網も吹き飛ばした。
しかし、その気流は普段の気流とは違う『霊気流』というものでレンティーニの切り札だった。
通常の気流の数十倍の力を出せるが、身体に受けるダメージも大きく、滅多に彼も使わない。

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彼は肩で息をしながら剣を構えた。
いつもは軽々操る剣が重く感じる。

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騎士達も大半は気流に巻き込まれて絶命していた。
団長達も大なり小なり傷を負っている。

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「やってくれるじゃないか。
 お互い満身創痍、命の削り合いになりそうだな。」

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レンティーニが重い身体にムチ打って団長達に斬りかかる。
彼は戦いに集中するにつれ、痛みの感覚や疲れを忘れて剣を振るう事に没頭していく。
騎士達もレンティーニの優雅な剣舞に思わず言葉を失った。
ダークエルフの戦いの舞は本当に美しく、見るものを魅了する。

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剣と剣がぶつかる音が舞いの音楽だ。
飛び散る血飛沫が舞台の特殊効果のようにキラキラ輝いて見える。

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団長五人相手に互角以上の戦いを繰り広げていた。
しかしレンティーニの体力はどんどん限界に近づいていた。
万全の状態で気流も打てるなら容易とは言わないでももっと楽に勝つ事の出来る相手なのだが。
もう一つの切り札を使うしかない。

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レンティーニが突如狼のような声を上げた。
するとどこからとも無くブラックウルフのティアが飛び出してきて、騎士達を一瞬にしてなぎ倒した。

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「ティア、よく来てくれた。」
レンティーニに鼻を撫でられてティアは子犬のように甘えた声を出した。

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「よーしよし、いい子だ。
 ティア、久し振りにアレをやるぞ。
 力を貸してくれ。」

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ティアは「わかった」と言うかのように吼えた。
しばらくするとティアの身体がみるみる透き通っていき、霧のようになってレンティーニの身体へと入っていく。
ティアはブラックウルフという珍種であるが、それだけでは無く、ダークエルフの守り神という特殊なブラックウルフだ。

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身体は他のブラックウルフの三倍ほどある。
彼は時にその力を使い、ダークエルフの王を敵の牙から守り、時には他のウルフを呼び寄せて戦闘に参加させることもできる。
まさにウルフ族の王なのだ。
そして唯一つ、ブラックウルフの王にしか出来ないことがあった。
それはダークエルフの王が致命的なダメージを受けたりした時に自分の生命力を分け与えるという能力だ。
しかしティアの場合はさらにそれを戦闘に特化した能力に改良してしまった。

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どのような能力かというと、ダークエルフの王(レンティーニ)と魂を完全にシンクロさせ、レンティーニの戦闘力そのものを数倍に高めるというものだ。
もちろん、その能力を使えばティアはレンティーニの中に入ってしまうので直接戦闘には参加できない、そしてこの能力を使用中に瀕死の状態に陥った場合、通常の生命力を分け与える能力を発動できないというリスクもある。
レンティーニの切り札だった。

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団長達はレンティーニの姿を見て怯んでいた。
レンティーニの全身を強力なブラックウルフのオーラが包んでおり、それがレンティーニの気流と混ざり合って天高く吹き上がっていた。
この状態になると一時的にレンティーニの体力は完全回復し、傷の治りも異常な速さになる。

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団長の一人が足元に転がっていた槍を拾うとレンティーニに投げつけた。
槍はかなりの速度で飛んでいったがレンティーニに届く前に、そのオーラによってバラバラになった。
「くそ!
 怯むな!突っ込め!」

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団長達は互いに声を掛け合い、気持ちを奮い立たせてレンティーニに向かっていった。
レンティーニは獣のような咆哮を上げると先ほどまで互角の戦いを続けていた団長達を次々と薙ぎ払っていく。
スピードも力も格段に上昇しているレンティーニを前に団長達はなす術が無い。
何より今のレンティーニには敵を殺すという事に容赦が無かった。
まるでその戦う姿は野生のブラックウルフのようだ。
牙を剥き出して凄まじい勢いで気流付きの衝撃波を乱発する。
五人の団長のうち四人はその直撃を受けて絶命した。

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その破壊力は到底剣では出せるものとは思えないほどで、団長達の死体は原型をとどめていなかった。
最後に残った団長がその場を逃げ出そうとする。
するとレンティーニは口を大きく開けると、巨大なエネルギーの塊をその団長に向けて吐き出した。
そのエネルギーの塊はレンティーニの体内の気流を凝縮したもので、団長に直撃するとそのまま塔の外壁にぶつかり、団長はぺちゃんこに潰されてしまった。
塔の壁はビクともしなかったが、嵐のような衝撃で塔全体が大きく揺れた。
レンティーニは敵が全滅したのを確認すると一息ついてティアとの融合を解いた。

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「ふう、ご苦労だったな、ティア。」

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レンティーニはすぐ立ち上がろうとしたが頭がクラクラしてうまく歩けない。
滅多にこの状態になることのないレンティーニは急激な身体の変化についていけず、しばらくは身体の自由を奪われる。

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「く…この技は強力だが弱点が多すぎるな。
 まあ、これでルヴィンたちに危険が及ぶ事は無くなった。
 後はムスティンがうまくやってくれるだろう。
 俺は少し休むか…。」

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レンティーニが座り込むと後ろでパチパチと手を叩く音が聞こえた。
そして聞き覚えの無い声がする。

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「お見事だね、流石は黒騎士殿。
 すばらしい戦いっぷりだったよ。
 我が軍の団長と精鋭騎士団を容易く…フフフ。」

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レンティーニが声のするほうを振り返るとそこにはルヴィンと同じくらいの背格好で貴族のような風体の男が立っていた。
男は優雅な仕草でレンティーニに一礼するとにっこり笑った。

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「申し遅れました。
 私は聖蒼教団騎士団の五聖将軍が一人、シェリフェルと申します。
 以後、お見知りおきを…フフ。」

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(シェリフェルだとッ!?)
レンティーニはシェリフェルの名前を聞いたことがあった。
彼は死神シェリフェルとして恐れられ、教団に刃向かった町をそこにいた民ごと皆殺しにした男だった。
性格はかなり冷酷で、部下や同僚からも恐れられていると聞いていたのでこんな礼儀正しい青年だとは思ってなかったのだ。
だが身体中から抑えきれない殺気のようなものがにじみ出ているのが感じられる。

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「フフフ…僕は君と戦いたい。
 本当は任務なんてどうでもいいんだ。
 今日はあなたと戦う為にここへ来たのだから。
 世界最高の剣士であるあなたを輪切りにする為にね。」

istint3/31 0:6:272182cfzm09uYhdKhY||500
シェリフェルはそういうと狂ったように笑った。
レンティーニはヨロッと立ち上がって剣を握った。

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「フン、今の俺に貴様を楽しませられるだけの力が残っているとは思えんがな。
 殺したければ殺すがいい。」

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シェリフェルは少し卿を削がれた気分になった。

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「そうか、それもそうだね。
 じゃあ、君を今から城へ連れてってやるよ。
 そこの大きい犬も一緒にね。」

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シェリフェルがティアの方を向いた瞬間、ティアがその巨体をゆすって彼に飛び掛った。
シェリフェルは素手でティアの攻撃をいなすと、自分の十倍はあろうかというティアの巨体を数メートルも蹴り飛ばした。
ティアも疲れきっていたので、そのまま気絶してしまった。
レンティーニもあっさり拘束され、そのままシェリフェルが作り出した不気味な黒い球体の中に放り込まれてしまった。

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ムスティンは嫌な予感を胸に抱きながら走り続けていた。
レンティーニに限って戦いに敗れる事などないと思っていたが心に雲の様なものがかかり、振り払えなかった。
しかも先ほどの塔全体を揺るがす程の衝撃は恐らくレンティーニが放ったものによるものだということは薄々感付いていたが、それはそのような強力な技を使わざるを得ない状況に陥っているという事を物語るようだった。
そして間もなくレンティーニのもとに到着すると、そこにはたくさんの騎士、団長達の死体が転がっていた。
その中央に一人の男が立っていた。

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その男は聖蒼教団の紋章を身に付けていることから教団の幹部だろうということは予測できた。
ムスティンは本能的に感じ取った。
自分ではこの男に敵わない…と。
反射的にムスティンは敵の魔法探知、その他視覚などから身を隠す防御幕を張っていた。
それにも関わらず、シェリフェルはムスティンの方を見るとニコッと笑い、黒い球体の中に吸い込まれていった。
ムスティンは生まれて初めて食われるものの立場を理解した。

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彼は悔しかった。
恐らくはあの男がレンティーニをどこかに連れ去ったのに違いなかった。
しかし彼にはどうする事も出来なかった。
固く拳を握り締め、倒れているティアを抱えるとルヴィンたちの下へ戻った。

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ムスティンの知らせはルヴィンたちに衝撃を与えた。
ルヴィンはすぐに救出に向かうべきだと主張した。
だがその主張はムスティンによって退けられた。

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なぜならここから恐らく教団の本隊があるグランデュール城下までは数百キロは離れているから今すぐ救出に向かうよりも白の塔で得られる情報を得てからの方がいいというものだった。
ニナは複雑な心境だったがムスティンの意見に賛成だった。
王族という立場から彼女はレンティーニの犠牲を無駄にしないで自分達の本来の目的を達成しようというのが彼女の意見だ。
ルヴィンは二人に説得されて渋々白の塔内部に入る事にした。

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白の塔内部に入ると低い機械音のような音が響いていた。
真っ暗で辺りの様子が全くわからない。
しかし、暫らく歩くと自動的に明かりがついた。
その明かりは蝋燭でも松明でもなく、それよりも明るかった。

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「スネイクの所の明かりと同じだ。」
ルヴィンが言った。
ニナも同じような印象を受けた。
古い建物のはずなのに内部は綺麗なままでまるで定期的に誰かが整備しているかのようだった。
ルヴィンが大きな声で呼びかけてみたが返答は無い。

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「誰もいないのかな…?」
本当に人がいるのかも怪しい雰囲気に三人は戸惑いを隠せない。
それにこんなに高い塔なのに上の階に上る階段らしきものが見当たらないのだ。
ムスティンも中の様子は文献にも詳しく載っていなかったらしく、辺りを興味深そうに見回していた。
ふとルヴィンが何かのボタンのようなものを見つけて、何気なく押してみた。
ムスティンはルヴィンの腕を掴んで怒鳴った。

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「不用意に機械をいじるんじゃない!
 何が起こるかわからんぞ!」

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案の定、明かりが赤色に変わり、警報音のようなブザーがフロアじゅうに鳴り響いた。
ニナが不安そうにルヴィンの服の袖を掴む。

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ムスティンはため息をつくと指でクルクルとクナイを回して掴むと一人、臨戦態勢に入る。
彼は今の状況ではまともに戦闘に参加できるのは自分だけだという事を理解していた。 
そしてレンティーニを助けられなかった事と、生まれて初めて他人に対して恐怖というものを覚えた苛立ちが彼をそうさせた。

istint3/31 0:11:72182cfzm09uYhdKhY||730
シェリフェルはムスティンが初めて出会った得体の知れない生き物だった。
そして恐怖という感情を抱いた自分にわずかだが戸惑いを感じた。
戦闘マシーンであるべき自分が感情を曝け出すなどムスティンにとっては屈辱だったに違いない。
レンティーニが戻ってくるまでこの二人を守りきるのがムスティンが自分に課した使命だった。
三人が敵に備えて構えていると突然それぞれを隔てるように光の柱が足元の床から吹き上がった。
そして一瞬にして三人は別々の場所に飛ばされてしまった。

istint3/31 0:12:302182cfzm09uYhdKhY||169
今回はここまででーす。
いつも更新遅くてすみません。
いつも楽しく読んでいただき、ありがとうございます。

シェイラ3/31 20:27:92184cfEi634mpqJKU||202
いえいえ、そんな事ないです。待っている間、次はどうなるのだろうと考えています。それにしても、レンティーニが誘拐(((( ;゚д゚)))アワワワワ!先の読めない展開に、ますますはまっていきそうです!


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