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8046セイクリッド・ブルー第二部(14)istint4/2 21:58:216056cfwQu1mns61O6
http://bbs.chibicon.net/bbs/t12-8021.html 前回までのお話

istint4/2 22:1:426056cfwQu1mns61O6||362
「ク…空間転移か?
 本当に可能だとは…しかし全く魔力の集束を感じなかったな。
 これがこの塔の主の仕業だとしたら何と言う魔力なのだ!
 三人を同時に、しかも離れた場所から転移させるとは…。
 それより早く姫たちと合流しなければ。」

istint4/2 22:1:546056cfwQu1mns61O6||165
ムスティンは魔力探知を使ってみたが彼が飛ばされたフロアは外部からは強力な魔力で遮断されているらしく、魔力の糸はそれ以上進む事は出来なかった。
「これはどうにかしてこの空間から抜け出す方法を考えなければな。」

istint4/2 22:2:106056cfwQu1mns61O6||364
ムスティンが閉じ込められた部屋は20メートル四方くらいの四角い部屋だった。
周りの壁に向かってクナイを振り下ろしてみたが、壁はビクともせず、傷一つつけることは出来なかった。
バリアントダガーでも傷すらつけることが出来なかったがムスティンはさして驚かなかった。
まるでこういう結果を予測していたかのように。
恐らくバリアントダガーを全開放状態にしても壁を破る事は不可能だろう。

istint4/2 22:2:216056cfwQu1mns61O6||119
このダガーは特殊な生きた金属で出来ており、事実上これより硬い金属はこの世には存在しない(※例外は同じ生きた金属同士での優劣。人間と同じように金属にも能力の個人差はある。立証されていないがこの金属でつくられた武具には意思があり、使用する者の状況に応じて自らの硬度を変化させるらしい。人が力を込めたりするのと同じようにこの金属も自らの意思でそれを行う事が出来る。)。
恐らくこの壁は同じ生体金属で出来ているか、もしくは空間そのものが閉じているかだ。

istint4/2 22:2:316056cfwQu1mns61O6||521
(※空間が閉じるとは、外界の次元とは全く隔絶された空間に置かれるということ。事象の地平線の向こう側。
  すなわち、出入りするという概念が通用しない為、壁を破壊する、すり抜けるなどという行為は意味を成さない。
  代表的なものの中にはブラックホールなどが挙げられる。)
恐らくは後者だろう。

istint4/2 22:2:406056cfwQu1mns61O6||702
「さて…どうしたものか。
 予測が正しければ自分の魔力ではここから抜け出せんな。」
ムスティンは思案しながら壁を探ったりウロウロしてみる。
すると突然、部屋の中央に光の柱が現れた。

istint4/2 22:2:506056cfwQu1mns61O6||24
何者かがムスティンと同じように空間転移でこの部屋を訪れたのだ。
ムスティンは即座に自分の存在を隠す魔法を掛け、それを見守った。
光の中から現れたのは白くて少し丸みを帯びた身体をし、手には槍を持った機械だった。
その機械は赤い目を光らせ、辺りを見回すと物凄いスピードでムスティン目掛けて槍を突き立てた。
ムスティンは気配を消していたのに正確に位置を把握し、突いてきた機械に驚いた。
しかしムスティンはそれをギリギリでかわすと一気に臨戦態勢に入る。

istint4/2 22:3:16056cfwQu1mns61O6||736
クナイを構え、神脚で間合いを一瞬で詰めると機械の首目掛けてクナイを振り下ろした。
カンっという乾いた金属音が鳴り、クナイは機械のボディに弾かれた。
機械はグルッと首を180°回転させると口を開き、口の中から出てきた黒い筒から鉛玉をダダダっと吐き出した。
ムスティンはそれを上体を後ろに反らせてそれをかわし、同時に機械の胴を両足で挟み込み、鍛え上げた脚力で数百キロはあろうかという機械の身体を持ち上げて頭から地面に叩きつけた。
普通の人間なら確実に脳天を砕かれてたであろうスピードと破壊力のムスティンの体術を受けても機械は平気な様子で起き上がろうとする。

istint4/2 22:3:146056cfwQu1mns61O6||973
ムスティンはすかさずクナイを機械の赤い目に突き立てる。
目を覆っていたガラスが割れ、中の機械が剥き出しになった。
機械はアイセンサーを破壊されてムスティンの位置をつかめないようになり、狂ったようにその辺りを攻撃し始めた。
ムスティンは機械の攻撃を避けながら魔力の糸を織り、剥き出しになった機械の目に魔力を送り込む。
機械は外部から送られたエネルギーで回路がショートし、体中から火花を飛び散らせた。
さらにムスティンはクナイを回路に突き刺すと中のコードをブチブチ引きちぎって力任せに首をもぎ取った。
機械は完全に活動を停止し、動かなくなった。

istint4/2 22:3:266056cfwQu1mns61O6||4
だがムスティンも今の戦闘でかなり体力、魔力を消耗してしまった。
なにせ魔力探知が全く通用しない相手だったので完全に反射神経に頼るしかなかったからだ。
それに機械相手では毒霧も通用しないし、センサーで動きを捉えられてはムスティン本来の戦い方ができなかった。
ムスティンはクナイを持つと、休む間もなく立ち上がった。

istint4/2 22:3:336056cfwQu1mns61O6||932
なぜなら彼が飛ばされたと同じように他の二人も飛ばされ、同じ機械に襲われている可能性があるからだ。
休んでいる暇は無い。
すると突然彼はまた飛ばされた時と同じように光の柱に包まれた。

istint4/2 22:3:486056cfwQu1mns61O6||196
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istint4/2 22:4:26056cfwQu1mns61O6||259
ムスティンの予測どおり、ルヴィンも同じように隔離空間に転送されていた。
ルヴィンはムスティンとは違い、古代技術の知識も魔力の知識も無い為、全く状況が理解できないでいた。
とにかくここから出ようと、壁を斬りまくっていた。

istint4/2 22:4:126056cfwQu1mns61O6||895
「はあ、はあ、なんて硬いんだ、この壁は!
 青龍の力を解放したら壊せるかな?」
ルヴィンが思案していると、やがて部屋の中央に光の柱が立った。

istint4/2 22:4:216056cfwQu1mns61O6||666
光の中からは武道家のような男が現れた。
ルヴィンは警戒しながらも、男に語りかける。
「おい、あんたここからどうやって出るかわかるか?」

istint4/2 22:4:296056cfwQu1mns61O6||936
しかし男はルヴィンの問いかけには答えず、突然襲い掛かってきた。
男の目は虚ろでまるで感情が感じられ無かった。
ルヴィンは剣を抜き、男の攻撃をうまくいなした。

istint4/2 22:4:386056cfwQu1mns61O6||447
「なんだ!
 一体どうしたってんだ!」
男はルヴィンを蹴り飛ばし、猛攻を続ける

istint4/2 22:4:566056cfwQu1mns61O6||535
ルヴィンは青龍の力か、体力はほぼ回復していたので何とか動きについていっていた。
魔法探知を使い、戦いに集中する。
ルヴィンの内なる声が戦いを、血を求めているのがわかる。
それを抑えながら必死に剣を振るうがことごとくかわされ、反撃を受ける。

istint4/2 22:5:86056cfwQu1mns61O6||33
体力が戻ったとはいえ、衝撃波を撃つだけの溜めを行う時間が無い。
ルヴィンは徐々に体力を削られ、体のあちこちに傷を受けていた。
無意識に右手に力を込める。

istint4/2 22:5:196056cfwQu1mns61O6||623
「何とかなりそうだな…」
ルヴィンは心に青龍の姿を思い浮かべ、さらに右手を強く握り締めた。
右腕に巻かれていた包帯は弾け飛び、高々と力強い青いオーラが右腕から迸った。
やや不完全な状態で開放した為かムスティンと戦った時よりも痛みがひどい。

istint4/2 22:5:316056cfwQu1mns61O6||60
武道家の男はお構い無しにルヴィンの顔面目掛けて拳を振り下ろした。
ルヴィンは右手に込められた魔力を開放し、氷の壁を作り出して男の攻撃を完全に防いだ。
分厚い氷の壁はちょっとやそっとの衝撃では壊れない。

istint4/2 22:5:476056cfwQu1mns61O6||779
男がどんなに殴っても蹴ってもビクともしなかった。
その氷の壁越しに衝撃波を放つと壁は砕け散り、武道家は凍りついたあと、粉々になった。
ルヴィンはすぐさま青龍の憑依を解くと、その場に座り込んだ。

istint4/2 22:5:566056cfwQu1mns61O6||347
右腕を激痛が襲う。
左手で右腕を包み込み、痛さのあまりその場に屈み込んでしまった。
しかし、休む暇も無く、ルヴィンの体を空間転移の光が包み込んだ。

istint4/2 22:6:76056cfwQu1mns61O6||219
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istint4/2 22:6:176056cfwQu1mns61O6||818
また、時を同じくしてニナも別空間に飛ばされていた。
「ここは…異空間もようね。
 ここから抜け出すには私の魔力では無理だわ。
 一体どうすれば…?」

istint4/2 22:6:266056cfwQu1mns61O6||207
ニナは三人の中では一番状況が深刻だった。
魔力はアンシェントソーサリングを使ったせいで殆ど空っぽ。
両腕にはその魔力を抑え切れなかった反動でひどい火傷の跡。
到底戦闘は出来ない。

istint4/2 22:6:386056cfwQu1mns61O6||960
しかしニナの飛ばされた部屋にも光の柱が降りたった。
光の中から現れたのは女の魔導師だ。
魔導師は無言でニナに向けて炎の塊を放った。
ニナは突然の事で驚きながらもその炎をかわした。

istint4/2 22:6:596056cfwQu1mns61O6||307
魔導師はニナに追い討ちをかけるように次々炎を繰り出してくる。
この部屋には壁が無い為、隠れる事も出来ず、ニナには逃げ回る事しか出来ない。
だがニナはただ逃げ回っているだけでは無かった。
彼女の魔力に対する知識はムスティン以上。
魔力という点だけに絞ればムスティンを遥かに越える才能を持っていた

istint4/2 22:7:226056cfwQu1mns61O6||85
ニナは逃げ回りながら魔力の糸を魔導師の手のひらに絡ませて徐々に魔法発動時に漏れ出る魔力を吸収していた。
しかしこの方法では魔力を全快させるのに一日あっても足りない。
通常の魔法では反動は僅かにしか起こらないので吸収できる魔力も微量だった。
今度は徐々に体力が奪われていく。
ニナの体術では完全に全ての炎を避けきることは出来ないのですこしずつ足や腕に火傷を負っていっていた。

istint4/2 22:7:376056cfwQu1mns61O6||864
「この女、同じ大きさの炎しか撃って来ないわ。
 私の予想が正しければ…。」
ニナの予想はこの魔導師はこの炎の魔法より強力な魔法は撃てないという事だった。
そしてそれは恐らく完全に近い確率で当たっている。
ニナの魔導眼は相手の魔力の容量、放出量の限界をほぼ寸分違わず見極められる。

istint4/2 22:7:546056cfwQu1mns61O6||316
やがてニナは息を切らせながら動きを止めた。
魔導師は無慈悲にニナに向けて炎の塊を放射する。
ニナは僅かに回復した魔力を使い、瞬時に糸を編み上げる。
ニナの両手を微かに光が包み込んだ。

istint4/2 22:8:76056cfwQu1mns61O6||639
彼女はその光で炎の玉を受け取り、包み込んだ。
するとニナの手の中で炎は倍以上の大きさに膨れ上がる。
そしてその炎を思い切り魔導師に向けて弾き飛ばした。
魔導師はその炎を慌てて避けたが、炎は軌道を変えて追い続け、魔導師に直撃した。
魔導師は巨大な炎によって焼き尽くされ、黒炭と化す。

istint4/2 22:8:166056cfwQu1mns61O6||94
ニナは相手の魔力を利用し、さらにそれを奪った魔力で強化して撃ち返したのだ。
「炎の魔力は私も得意なの。
 残念だったわね。」
ニナも疲れ果てて座り込もうとした矢先に光に包まれた。

istint4/2 22:10:246056cfwQu1mns61O6||42
今回はここまでです。
レンティーニの事が気になってるでしょうがもうちょっと待ってくださいね^^;
第二部も長くなりましたが次回で終わりそうです。
第三部も半分ほど書き終えているのでどんどんアップしていきますね!

シェイラ4/12 21:55:132184cfG5a2HWlQkng||409
こんばんわ。読むのが遅れてしまいすいません。でも、みんなの成長がとても感じます!ムスティンは昔から強いですけど。おお、次回で二部完結ですか。楽しみです♪


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