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8095真夜中のスクールメイト―第11話―空華4/10 14:26:352031cfugNPyUOK282
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空華4/10 14:26:552031cfugNPyUOK282||770
「この……『炎』!」
「『―――』!」
「っ!」

闇の中、魔物のものらしき目が鈍く光った。
その数に戦慄した晴陽や響、そして片端から焼き払うエリスや、呪文のようなものを唱えるティフ。
どこから出したのか、剣を振るうジーンに、獣体のまま魔物に噛み付くメア。
……そして、その魔物の群れの奥に、ラドの人影。
暗がりを照らす一瞬の炎や閃光が、その顔の冷たい薄笑いを浮かび上がらせていた。
破裂音やさまざまな声に混ざって、彼の声が響く。

「……失礼しちゃうね、家出なんて。そんな風に伝えるなんてさ。
仮にも兄弟だったのに……」

空華4/10 14:27:332031cfugNPyUOK282||836
その言葉は普通だというのに、声は酷く冷え冷えとしている。
冷たい声で、淡々と語っていた。

「俺がどんなに他人主義だったか、覚えてる?
王になれって言われたから、それに応える為に勉強もしたよ。
そういうものだって聞いたから、弟や妹とも遊んだ」

戦いながらも聞いていたのか、ジーンがぴくりと身動きする。
エリスが一瞬だけ、視線をラドへと滑らせた。
『お前らのことだよ』――そう言うように、ラドは目を細めた。

空華4/10 14:35:22031cfugNPyUOK282||781
「そうして俺が『お利口』やって……なのに。
魔王のみが使える魔術、俺は使えなかった。魔力が足りなかったんだとさ。
笑わせる、って思ったね。今更王位継承者から外されたって、やることも無いし。今まで全然、自分のことできなかったんだから。
そんなこんなで、俺が多少歪んで城飛び出しても、仕方ないよな?」

彼が浮かべる笑みは、多少ではなく、かなり歪んだものだった。
次々と、召還される魔物。
溢れるような勢いに、ジーン達の表情には、次第に疲労が見え始める。
響や晴陽を庇うように千冬が居たが、彼女が霊体であることをわかっているのか、魔物はその身を突きぬける。
見かねて、晴陽が叫んだ。

空華4/10 14:35:392031cfugNPyUOK282||431
止めてよ、もう!どうして、そんなことするの!?」
「邪魔だから」

ラドは、切って捨てるかのような口調で即答する。
どうして、と晴陽が叫ぶ前に、彼がさらに続けた。

「……魔界の者たちはいずれ、俺に気づくだろうと思っていたんだ。
止められるなんて嫌だからね……強いものは居ないほうがいい。
学校だっけ?あそこに居るなら、そのうちここに来るだろうと思って、ここに呼んだんだ」

そう言う彼の視線は、魔物たちへ向かう。
召還主に従い、ひたすら襲いかかって行く魔物たち。

「晴陽さま!」

メアが叫び、晴陽の元へ近づいた一匹を引き摺り倒した。

空華4/10 14:36:262031cfugNPyUOK282||493
それを見やりながら酷く楽しげに、そして冷たく、ラドは笑う。

「魔力が足りなくても、知識があればここまでできるんだよ。
このままどうしようか?……この星でも統治してみようかな?」

星征服。彼は、そう言う。
おとぎばなしか何かのような、遠いもの。
それを、彼はいとも簡単に言ってのけた。

………そして起きたそれを、事前にわかっていた者は多かった。
けれどもそれは『気づいていたもの』と『当事者』であり、そこにいる9人の中の、ほとんどはどちらかだったのだ。

気づいていなかった者も、勿論居るのだが。
例えば会話をしていた晴陽や、彼女を守っていた響にメア。
そこに響いた声は、静かな唱和だった。

空華4/10 14:37:482031cfugNPyUOK282||158
『―――――』

晴陽や響、千冬には理解のできない、魔界の呪文。
唐突に闇に浮かび上がる、魔方陣のようなもの。
それは蒼白く発光し、空間全体に広がっていた。

ラドの驚愕の表情、唱和の声はジーン、エリス、ティフ。
何時の間にか、姿をくらませて3人だった。
必死でいた者達は、その姿に気づけずにいたが。
メアが呆然と、そしてぽつりと零す。


「『絶つ主従らの繋がり』……」

空華4/10 14:39:422031cfugNPyUOK282||433
+後書き+

ああ、やっぱり響や千冬の影が薄い;
また番外編とか、やろうかなと思っています。
本編が終わったらの話ですが。

なんだか、当初の予定と微妙にずれ始めている気がしなくもない;;
これはこれで、いいんですけど。
とにかく頑張ってみます。

読んでいただき、有難うございました^^


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