8129 | 不可知なるものらのモーフォロジィについて | ダンディずん | 4/15 2:36:34 | 6122cfVBAz6QXjZy6 |
*虻* 刺せやしないんだ このなまくらでは 危ない奴だ と思わせておきたいんだ この縞々は アブノーマルだぜ と今日も平均棍をうならせる 虻ないぜ 今の俺は |
ダンディずん | 4/15 2:37:27 | 6122cfVBAz6QXjZy6||23 | ||
*染井吉野* 微温の官能が 繁殖期を齎す それは歯牙なき 兎の背を 薄紅の罪に染める 偽りの真白き春を 君の白板に灯す 蜜の敷かれた 正しき市民の街路には 常に歌劇的な 嘘の花の芳香が漂う 炭素ふたつ 水素いつつ 酸素ひとつ 水素ひとつ 馥郁たる液体の滴りに 冬芽萌え出で 艶なる絹を裂いて 春霞む天をまさぐる ほとんど水みたいな 毒薬が肉に滲出し いずれ来る散華の時 もう君は染井吉野 |
ダンディずん | 4/15 2:38:29 | 6122cfVBAz6QXjZy6||90 | ||
*卵嚢* 小さな虫の親玉が いたずらに日々跋渉渡洋 鱗粉一枚一枚が違う食草製 香辛料の香りを乗せて ジュラルミンの胴鎧の 甲状腺あたりがぱくっと開き いぞいぞ ぞよぞよと 醜い幼虫どもが這い出る 黒褐色の乳を吸っちゃ出す 青黒き子守り虫たち その首の絹と その頭の帽子がお前らのリビドゥか 軍艦鳥の橙色く膨らむ胸は 果たしていつの日 この脆い命をたゆたわせる 卵嚢は地上6000フィートで空を飛ぶ 私の名前は数字とアルファベット |
ダンディずん | 4/15 2:39:57 | 6122cfVBAz6QXjZy6||553 | ||
*なぐさめ屋ジョニィ* 14歳のマァギー・マァリィが時計塔から見下ろしたのは この腐った街の赤レンガ通り こびりついたチューインガムみたいな ホームレスたちだけが その上で輝いていたのさ 奴らは何も持たずに生きられるから いつまでもきれいなんだって ほおずき亭の デブのママが言ってたっけ マリファナの煙を 鼻から噴きながら 擦り切れたジュディ・ガーランドのレコードを 大事そうに抱えてやって来たのは昨日の話 きっと彼女も 明日からは娼婦なんだけど その赤い革靴の光はもう やけに悟った風だった |
ダンディずん | 4/15 2:40:21 | 6122cfVBAz6QXjZy6||591 | ||
オンボロパトカーを見たらあいつ ジョニィはユダヤ人のクレイジーシェリフ はちきれそう そのエドウィン ローズヴァイン・ストリートをぶっ飛ばす その跡には部品がこぼれ落ちてるぜ 役人とか嫌いだからさ ジョニィのバッヂは緑色のヒイラギの葉 とんがってるぜ その先端は だけどジョニィは うそつきレィビーが 洗礼者を殺して以来の この街に現れた救世主なのさ |
ダンディずん | 4/15 2:40:31 | 6122cfVBAz6QXjZy6||874 | ||
ジョニィは麻薬商人をぶん殴り その後でキスをする ジョニィは週に一度娼婦を買う 尊敬の念をもって ジョニィは時計塔から金をばら撒く それが彼の国の国家予算 ジョニィは子供を集めて手品を見せる ジュースもたんとあるよ だけど冷たい心のマァギー・マァリィは 気がついていたのさ ジョニィが嘘をつくことを 「この街は最高さ お前達も最高さ」 ジョニィが撃たれる朝 みんなはその言葉を思い出すだろう マァギー・マァリィは 生まれて初めての涙を流すだろう オンボロパトカーのアクセルを 全力で踏みながら |
ダンディずん | 4/15 2:42:15 | 6122cfVBAz6QXjZy6||282 | ||
*水底* うす暗がりを愛せ 往来のひつじたちよ おまえたちの毛皮は 珈琲色の怠惰に爛れている 歪め そのひづめ 東京のヌーたちよ おまえたちの黒き背中に 白桃のくらげが舞い降りる 私はみなぞこで いんでぃあんの銅鑼を打ち鳴らし 貝がらを打ち鳴らし 恋とうなぎを打ち鳴らし 緑藻のおどりを狂わせ それらは全部 水神の身じろぎで駄目になる その哀切 深さにして20,000マイル |
ダンディずん | 4/15 2:42:21 | 6122cfVBAz6QXjZy6||455 | ||
みなもにたゆたう雨蛙 真珠の薄皮がぷこぽこと 明滅するイディオとサヴァン 脳波の中にだけ現れる二人 翔ける稲妻のような しょうび色のその舌が ひりひりとほどける その様に魅せられた なまずのひげに 土雲よ 舞え 隠れ無き日輪を煙に巻け |
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